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STORY.4 少しだけ
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高校初日の教室。俺は、猛烈に緊張していた。
友達は出来るかとか、勉強についていけるかとか、彼女…とか出来るかなって思って。そんなに上手く行くことなんて中々無いと思うけど、そんなこと初めての教室、初めての高校生活が始まろうとしてるのだから、ワクワクしすぎて簡単のように思えてしまうんだ。
「ねぇねぇ。君さ、入学組?」
突然話しかけられ、反応が少し遅くなる。
「えっ…。あ、うん!」
「君の名前、これ、なんて読むの?じゅう…とは読まないよね?」
「あ…、これみつるって読むんだ。珍しいでしょ?」
自分の名前の説明をしている事がなんだか面白くて、ふっ…と息が漏れる。
「へぇ~っ!これ、みつるって読むんだ!漢字って面白いね!」
そう言って彼は人が好きそうな笑みを零す。
「ところで、君の名前は?」
彼の名前をまだ聞いていないことを思い出し、名前を尋ねた。
「あぁ、僕?僕の名前は、種市 要!よろしくね!」
「俺は岡島 十。ってもう知ってたね」
「うん。クラス表で気になってたし。黒板に書いてある席順にも書いてあるし…ね」
「それにしても、かなめって読むんだ…。ようって読むのかと思ってたよ」
「大方最初の人はそう読むよ。かなめなんて女みたいな名前だし。変だし」
「それだったら、俺も変な名前だよ。漢字が」
「あはは、そうかも。じゃあ変な名前同士仲良くしようね。改めてよろしく、みつる」
「おーよ!かなめ!」
* * * * *
「あ…、私の組は二組かぁ」
初めて、親の元を離れて暮らすことになった時は、ワクワクがおさまらなかった。そして、教室へと入る。黒板に書かれた座席を確認し、席に座る。昨日買った文庫本でも読もうかー
…そう思っていたのに。
「おーかーじーまーさんっ!」
突然そうきたものだから、無意識に顔を顰めた。
「…あの、えっと……?すみません、私まだクラスの人の顔と名前が一致しなくて」
そう言って、顔を上げる。見たところ150cmはないであろう身長に、華奢な体。
「ウチ、シェアハウスで一緒やで?唯一の同学年やし。日奈石 綾です。よろしく~」
「は、はあ…。岡島 輪です。よろしくお願いします」
改めて自己紹介を終えたあと、私は深々とお辞儀をした。
「メグって呼んでいい?仲良くなるためには、あだ名で呼びたいし」
「は、はあ…。別にいいですけど…」
「じゃあ早速やけど、メグ、ウチのこともあだ名で呼んでほしい」
「へっ?なんて呼べば…?」
「それはメグが考えて?」
人をあだ名で呼んだことなんて一度もない。そもそも今まで、兄さん以外の人とは関わりを持ってこなかった。もちろん、クラスメイトにも。
「……ひなちゃん?」
「ちゃんはいらない」
「ひ、ひな?」
「ん、よし」
簡単に日奈石という苗字から取っただけなのだけれど、納得してくれたようだ。
これからは人と関わりを持ってもいいのかも知れない。
そんな事を、ひなと一緒にいて少しだけ感じた。
少しだけ、だけど。
友達は出来るかとか、勉強についていけるかとか、彼女…とか出来るかなって思って。そんなに上手く行くことなんて中々無いと思うけど、そんなこと初めての教室、初めての高校生活が始まろうとしてるのだから、ワクワクしすぎて簡単のように思えてしまうんだ。
「ねぇねぇ。君さ、入学組?」
突然話しかけられ、反応が少し遅くなる。
「えっ…。あ、うん!」
「君の名前、これ、なんて読むの?じゅう…とは読まないよね?」
「あ…、これみつるって読むんだ。珍しいでしょ?」
自分の名前の説明をしている事がなんだか面白くて、ふっ…と息が漏れる。
「へぇ~っ!これ、みつるって読むんだ!漢字って面白いね!」
そう言って彼は人が好きそうな笑みを零す。
「ところで、君の名前は?」
彼の名前をまだ聞いていないことを思い出し、名前を尋ねた。
「あぁ、僕?僕の名前は、種市 要!よろしくね!」
「俺は岡島 十。ってもう知ってたね」
「うん。クラス表で気になってたし。黒板に書いてある席順にも書いてあるし…ね」
「それにしても、かなめって読むんだ…。ようって読むのかと思ってたよ」
「大方最初の人はそう読むよ。かなめなんて女みたいな名前だし。変だし」
「それだったら、俺も変な名前だよ。漢字が」
「あはは、そうかも。じゃあ変な名前同士仲良くしようね。改めてよろしく、みつる」
「おーよ!かなめ!」
* * * * *
「あ…、私の組は二組かぁ」
初めて、親の元を離れて暮らすことになった時は、ワクワクがおさまらなかった。そして、教室へと入る。黒板に書かれた座席を確認し、席に座る。昨日買った文庫本でも読もうかー
…そう思っていたのに。
「おーかーじーまーさんっ!」
突然そうきたものだから、無意識に顔を顰めた。
「…あの、えっと……?すみません、私まだクラスの人の顔と名前が一致しなくて」
そう言って、顔を上げる。見たところ150cmはないであろう身長に、華奢な体。
「ウチ、シェアハウスで一緒やで?唯一の同学年やし。日奈石 綾です。よろしく~」
「は、はあ…。岡島 輪です。よろしくお願いします」
改めて自己紹介を終えたあと、私は深々とお辞儀をした。
「メグって呼んでいい?仲良くなるためには、あだ名で呼びたいし」
「は、はあ…。別にいいですけど…」
「じゃあ早速やけど、メグ、ウチのこともあだ名で呼んでほしい」
「へっ?なんて呼べば…?」
「それはメグが考えて?」
人をあだ名で呼んだことなんて一度もない。そもそも今まで、兄さん以外の人とは関わりを持ってこなかった。もちろん、クラスメイトにも。
「……ひなちゃん?」
「ちゃんはいらない」
「ひ、ひな?」
「ん、よし」
簡単に日奈石という苗字から取っただけなのだけれど、納得してくれたようだ。
これからは人と関わりを持ってもいいのかも知れない。
そんな事を、ひなと一緒にいて少しだけ感じた。
少しだけ、だけど。
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