119 / 148
届けたい想いがある
言葉は人を縛る。
しおりを挟む
言葉は人を縛る。
それが善いものでも悪いものでも
変わらない。
「駄目だ」と言ったら駄目になる。
「出来る」と言ったら出来る。
人の言葉というのは、時に、
人を救うことだって出来るし、逆に、
人を殺すことだって出来るのだと思う。
「好きだ」と言ったら、
言った分だけその人を好きになるだろう。
「好きだ」と言われたら、
この人は自分のことが好きなのだと
舞い上がるのだろう。
舞い上がった鼓動の高鳴りを、時に人は、
恋の高鳴りと勘違いをする。
そこから恋が進展する者もいれば、
気の迷いだったのだと冷めてしまう者もいる。
僕は何時だって後者だった。
僕は恋はしない。
だが、
人間として愛されることに喜びを感じる。
両者の違いを簡潔に述べよと言われれば、
答えることはなかなか難しいものだが、
自分の中で確かに違うものであるという自覚、自論は持っている。
恋は、相手に全てさらけ出しても構わないと思えるものだろう。
もしくは、相手の全てを愛おしく思う気持ちだろう。
そんな気持ちになれたら、
どんなに楽しいものだろうかと思う。
が、僕にはそのような感情は
持ち合わせていなかっただけのこと。
羨ましい、とは思う。
恋をして、女の子は可愛くなる。
恋をして、男の子は逞しくなる。
好意を寄せた相手に、
振り向いて欲しいと願う気持ちは決して、
醜いものではない。
好意を寄せられて嫌な人はいないだろう。
誰だって、誰かからの愛を欲している。
自分を好きだと言ってくれる人がいる安心が欲しいのだろう。
それでも自分はその好意に甘えて、
相手に同じ意味での好意を返せないことに苦しむ。
罪悪感にも似たような気持ちを抱えて、
その人の隣に立ち続けるのだ。
そんな思いをするのが恐ろしくて、
好意を寄せてくれる人を酷い言葉で突き放してしまう。
告白を断る行為というのは、
自分が傷つきたくないという意思表示でもあるのではないかと思う。
自分を慕ってくれた人に、
本当の自分を知られて嫌われてしまうのが怖いのだ。
せっかく、この人は、
自分を好きだと言ってくれたのに、
好意を持ってくれたのに、
その気持ちが裏外される瞬間がとてつもなく怖いのだ。
自分に向けられる笑顔が、
軽蔑の視線に変わるのと同じように。
人の心というのは、
何時だって完璧ではない。
必ずどこかに闇を抱え、
あることをきっかけに裏返ることもある。
しかし、それを責めてしまっては元も子も無いのだ。
誰だってそうなのだから。
人の揺らぐ心を責める資格を、
貴方は持っていない。
もちろん、相手も持っていない。
分かっていても、
自分を守らなければ人は生きていけない。
ある一種の条件反射のような、懺悔。
相手を許すことのできなかった自分を呪い、また心変わりしてしまった相手をも憎む己の醜さを悔やむ。
涙を流せば救われるとは言わないが、
涙を流さなければ浄化される心も無いのだろう。
涙は己の闇を浄化する雨。
その雨がやんだ頃には、
貴方の笑顔も見られるのだろう。
言葉は己を縛る。
だが、己を解き放つことも出来るのだ。
「ごめん」「ありがとう」
それだけで、
心の呪縛を解くことだってきっとできる。
「好きになってくれてありがとう」
それだけで、
相手の想いがどれだけ美しいものになるのだろう。
「醜い」と言われてしまえば、
その心は醜くなってしまう。
「美しい」と言われれば、
その心は美しく残るだろう。
「気の迷いだ」と言われてしまえば、
その心は無かったことにされてしまう。
自分の中に確かに存在した心が無かったことにされることは、
こっぴどく振られるよりも辛いことだと思う。
私は一体何人の人に、
そのような思いをさせてしまったのだろう。
恋愛だけではない。
友情もまた同じ。
今でも後悔していること、
悔やんでいることはたくさんある。
しかし、それが無かったら今の私はいないのだと思うと、
申し訳無いことではあるが、
私を慕ってくれた人たちにお礼が言いたい。
「私を好きになってくれてありがとう」
と心の底から思っている。
どうかこの確かな思いを、
届けてはくれないか。
そして、その思いと同時にまた届けて欲しい思いがある。
「同じ好意を返せなくてごめんなさい。
それでも僕は、貴方たちを愛している」と。
それが善いものでも悪いものでも
変わらない。
「駄目だ」と言ったら駄目になる。
「出来る」と言ったら出来る。
人の言葉というのは、時に、
人を救うことだって出来るし、逆に、
人を殺すことだって出来るのだと思う。
「好きだ」と言ったら、
言った分だけその人を好きになるだろう。
「好きだ」と言われたら、
この人は自分のことが好きなのだと
舞い上がるのだろう。
舞い上がった鼓動の高鳴りを、時に人は、
恋の高鳴りと勘違いをする。
そこから恋が進展する者もいれば、
気の迷いだったのだと冷めてしまう者もいる。
僕は何時だって後者だった。
僕は恋はしない。
だが、
人間として愛されることに喜びを感じる。
両者の違いを簡潔に述べよと言われれば、
答えることはなかなか難しいものだが、
自分の中で確かに違うものであるという自覚、自論は持っている。
恋は、相手に全てさらけ出しても構わないと思えるものだろう。
もしくは、相手の全てを愛おしく思う気持ちだろう。
そんな気持ちになれたら、
どんなに楽しいものだろうかと思う。
が、僕にはそのような感情は
持ち合わせていなかっただけのこと。
羨ましい、とは思う。
恋をして、女の子は可愛くなる。
恋をして、男の子は逞しくなる。
好意を寄せた相手に、
振り向いて欲しいと願う気持ちは決して、
醜いものではない。
好意を寄せられて嫌な人はいないだろう。
誰だって、誰かからの愛を欲している。
自分を好きだと言ってくれる人がいる安心が欲しいのだろう。
それでも自分はその好意に甘えて、
相手に同じ意味での好意を返せないことに苦しむ。
罪悪感にも似たような気持ちを抱えて、
その人の隣に立ち続けるのだ。
そんな思いをするのが恐ろしくて、
好意を寄せてくれる人を酷い言葉で突き放してしまう。
告白を断る行為というのは、
自分が傷つきたくないという意思表示でもあるのではないかと思う。
自分を慕ってくれた人に、
本当の自分を知られて嫌われてしまうのが怖いのだ。
せっかく、この人は、
自分を好きだと言ってくれたのに、
好意を持ってくれたのに、
その気持ちが裏外される瞬間がとてつもなく怖いのだ。
自分に向けられる笑顔が、
軽蔑の視線に変わるのと同じように。
人の心というのは、
何時だって完璧ではない。
必ずどこかに闇を抱え、
あることをきっかけに裏返ることもある。
しかし、それを責めてしまっては元も子も無いのだ。
誰だってそうなのだから。
人の揺らぐ心を責める資格を、
貴方は持っていない。
もちろん、相手も持っていない。
分かっていても、
自分を守らなければ人は生きていけない。
ある一種の条件反射のような、懺悔。
相手を許すことのできなかった自分を呪い、また心変わりしてしまった相手をも憎む己の醜さを悔やむ。
涙を流せば救われるとは言わないが、
涙を流さなければ浄化される心も無いのだろう。
涙は己の闇を浄化する雨。
その雨がやんだ頃には、
貴方の笑顔も見られるのだろう。
言葉は己を縛る。
だが、己を解き放つことも出来るのだ。
「ごめん」「ありがとう」
それだけで、
心の呪縛を解くことだってきっとできる。
「好きになってくれてありがとう」
それだけで、
相手の想いがどれだけ美しいものになるのだろう。
「醜い」と言われてしまえば、
その心は醜くなってしまう。
「美しい」と言われれば、
その心は美しく残るだろう。
「気の迷いだ」と言われてしまえば、
その心は無かったことにされてしまう。
自分の中に確かに存在した心が無かったことにされることは、
こっぴどく振られるよりも辛いことだと思う。
私は一体何人の人に、
そのような思いをさせてしまったのだろう。
恋愛だけではない。
友情もまた同じ。
今でも後悔していること、
悔やんでいることはたくさんある。
しかし、それが無かったら今の私はいないのだと思うと、
申し訳無いことではあるが、
私を慕ってくれた人たちにお礼が言いたい。
「私を好きになってくれてありがとう」
と心の底から思っている。
どうかこの確かな思いを、
届けてはくれないか。
そして、その思いと同時にまた届けて欲しい思いがある。
「同じ好意を返せなくてごめんなさい。
それでも僕は、貴方たちを愛している」と。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる