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4.ナカウへの道
4.遺跡の秘宝
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「げへっげほっげは!」
口の中に砂が入り、目を覚ます。何度も唾を吐くが口の中にある砂の感覚が消えない。顔中、いや体中が砂だらけでうんざりする。いくら払っても砂が付き纏っている。体中が痛みを発している。
「他のみんなは?」
ようやく体が動くようになりゆっくりとだが、立ち上がる。自分に覆い被さっていた砂が分かれていく。乗っていた砂が重く、どかしただけでも相当力を要した。
未だに砂が頭上から滝のように流れ落ちてきている。というか、あそこから落ちたのか。高さにして7メートルはあるか。よく無事だったな。
アレンは自身の瞳に魔力を込める。
「皆さんは…………あ、いた」
見えるステータスが5人。手やら脚やらが飛び出しているので見つけることができた。一人だけ見つけられない。誰だ?コストイラか。アレンはコストイラを見つける前に見つけた5人を起こしていく。アストロを引っ張り出していると、アシドとシキが自力で脱出してくる。そのまま、レイドも引っ張り出すと、エンドローゼも引っ張り出す。エンドローゼは気絶しているので、砂山に凭れさせておく。
「コストイラがまだ砂の中?」
「はい」
「手分けして探すしかねェか」
手掛かりのない状態で探すのはさすがに困難を極める。
「くっそ。あいつどこ行ったんだよ」
「迷惑かけやがって」
幼馴染の2人は悪態をつきながら砂を掘る。
コツと何かが手に当たる。掘り起こしてみるとステンノ―が装備していた楯だ。あの崩落ではアレン達だけではなく魔物達も落ちてきていたようだ。もしかしたらまだ生きている魔物を見つけるかもしれない。皆に伝えなければ。
アレンが身を起こそうとすると、アシドの声が響く。
「誰だ?」
アレン達が落ちてきた空間には、天井の崩落跡以外に出入口は一つしか存在しない。その出入り口に一つの影があった。
それは僧侶のような法衣を身に纏い、165センチメートルほどの身長をした紫色の骸骨だ。確か、この魔物の名前はスカルプリーストだったか。スカルプリーストのような人型の魔物は遺跡や史跡のような場所に出やすい。ということはここは何かの施設か何かなのだろうか。
足場を安定させるために一時的に砂山を降りる。
『グゥオ』
スカルプリーストは似合わぬ野太い声を出し、右手を差し出す。
何か来る。アレン達が身構えると、アレン達の後ろから何かが飛んでくる。それは見事にスカルプリーストの右手を切断する。
『ヌゥウウウウウンッ!!』
スカルプリーストは悶え、蹲るが、シキが止めを刺す。スカルプリーストの右手を飛ぼしたのは斧。その斧を投げた犯人は砂の山の上にいた。ボロボロで、血を流し、それでもなお生きようとするステンノ―がいた。
『フゥ、フゥ、フゥ』
興奮した様子のステンノ―は砂にまみれた斧を引き抜く。
ここは足元の悪い砂山。敵の元へ駆けて行こうにも足が取られ、滑らせ、格好の的になってしまう。ここは一発、遠距離射撃が有効か?
アレンは頭をフル回転させていると、ステンノ―の足元の砂がモコリと盛り上がる。
「だ~らっしゃああぁ―――!!!!」
炎を纏い、突き上げた刀にステンノ―を串刺しにしながら燃える男、コストイラが帰還する。
「太陽は死なない。再び昇るのだな」
レイドが何か宗教的なことを言っているが、レイドはエリオ教なのだろうか。
コストイラを治療すると、移動を始める。
「なんていうか、人の手が入っているな」
アシドの抱いた感想に皆が賛同する。綺麗に並べられた石。自然には形成されない不自然な通路。そして、目の前の宝箱。
「何が入ってんだろうな」
コストイラが近付いていく。アレンが何となく瞳に魔力を込め、宝箱を見てみる。もしかしたら中身が見えるかもしれない。
「え?コストイラさん、危ない!」
「は?」
アレンは制止を促したが時すでに遅し。コストイラは箱を開けてしまった。
『ハァアア』
中から勢いよく半透明の幽霊のような魔物が飛び出す。コストイラは居合で応戦しようとするが、間に合わない。しかし、ミミック側も完全なるアンブッシュに成功したわけではない。ミミックの攻撃をコストイラは偶然にも右腕でガードすることに成功する。
「すみません。もう少し早く止められていれば」
「むしろありがとよ。言われたから反応できた」
アレンの謝罪に優しく返すコストイラは抜いた刀をミミックに向け構える。
「よくも騙してくれやがったな」
コストイラが今一度ミミックを見ると、ミミックは燃えていた。
「あれェ~~~~???」
「全面的にアンタが悪い」
コストイラはまたしても活躍を奪われたのだ。コストイラは悲しそうな顔をするが、こんなことではめげない。次がある。そんなことを思いながら刀を収めた。こめかみや口の端をひくつかせながら。
口の中に砂が入り、目を覚ます。何度も唾を吐くが口の中にある砂の感覚が消えない。顔中、いや体中が砂だらけでうんざりする。いくら払っても砂が付き纏っている。体中が痛みを発している。
「他のみんなは?」
ようやく体が動くようになりゆっくりとだが、立ち上がる。自分に覆い被さっていた砂が分かれていく。乗っていた砂が重く、どかしただけでも相当力を要した。
未だに砂が頭上から滝のように流れ落ちてきている。というか、あそこから落ちたのか。高さにして7メートルはあるか。よく無事だったな。
アレンは自身の瞳に魔力を込める。
「皆さんは…………あ、いた」
見えるステータスが5人。手やら脚やらが飛び出しているので見つけることができた。一人だけ見つけられない。誰だ?コストイラか。アレンはコストイラを見つける前に見つけた5人を起こしていく。アストロを引っ張り出していると、アシドとシキが自力で脱出してくる。そのまま、レイドも引っ張り出すと、エンドローゼも引っ張り出す。エンドローゼは気絶しているので、砂山に凭れさせておく。
「コストイラがまだ砂の中?」
「はい」
「手分けして探すしかねェか」
手掛かりのない状態で探すのはさすがに困難を極める。
「くっそ。あいつどこ行ったんだよ」
「迷惑かけやがって」
幼馴染の2人は悪態をつきながら砂を掘る。
コツと何かが手に当たる。掘り起こしてみるとステンノ―が装備していた楯だ。あの崩落ではアレン達だけではなく魔物達も落ちてきていたようだ。もしかしたらまだ生きている魔物を見つけるかもしれない。皆に伝えなければ。
アレンが身を起こそうとすると、アシドの声が響く。
「誰だ?」
アレン達が落ちてきた空間には、天井の崩落跡以外に出入口は一つしか存在しない。その出入り口に一つの影があった。
それは僧侶のような法衣を身に纏い、165センチメートルほどの身長をした紫色の骸骨だ。確か、この魔物の名前はスカルプリーストだったか。スカルプリーストのような人型の魔物は遺跡や史跡のような場所に出やすい。ということはここは何かの施設か何かなのだろうか。
足場を安定させるために一時的に砂山を降りる。
『グゥオ』
スカルプリーストは似合わぬ野太い声を出し、右手を差し出す。
何か来る。アレン達が身構えると、アレン達の後ろから何かが飛んでくる。それは見事にスカルプリーストの右手を切断する。
『ヌゥウウウウウンッ!!』
スカルプリーストは悶え、蹲るが、シキが止めを刺す。スカルプリーストの右手を飛ぼしたのは斧。その斧を投げた犯人は砂の山の上にいた。ボロボロで、血を流し、それでもなお生きようとするステンノ―がいた。
『フゥ、フゥ、フゥ』
興奮した様子のステンノ―は砂にまみれた斧を引き抜く。
ここは足元の悪い砂山。敵の元へ駆けて行こうにも足が取られ、滑らせ、格好の的になってしまう。ここは一発、遠距離射撃が有効か?
アレンは頭をフル回転させていると、ステンノ―の足元の砂がモコリと盛り上がる。
「だ~らっしゃああぁ―――!!!!」
炎を纏い、突き上げた刀にステンノ―を串刺しにしながら燃える男、コストイラが帰還する。
「太陽は死なない。再び昇るのだな」
レイドが何か宗教的なことを言っているが、レイドはエリオ教なのだろうか。
コストイラを治療すると、移動を始める。
「なんていうか、人の手が入っているな」
アシドの抱いた感想に皆が賛同する。綺麗に並べられた石。自然には形成されない不自然な通路。そして、目の前の宝箱。
「何が入ってんだろうな」
コストイラが近付いていく。アレンが何となく瞳に魔力を込め、宝箱を見てみる。もしかしたら中身が見えるかもしれない。
「え?コストイラさん、危ない!」
「は?」
アレンは制止を促したが時すでに遅し。コストイラは箱を開けてしまった。
『ハァアア』
中から勢いよく半透明の幽霊のような魔物が飛び出す。コストイラは居合で応戦しようとするが、間に合わない。しかし、ミミック側も完全なるアンブッシュに成功したわけではない。ミミックの攻撃をコストイラは偶然にも右腕でガードすることに成功する。
「すみません。もう少し早く止められていれば」
「むしろありがとよ。言われたから反応できた」
アレンの謝罪に優しく返すコストイラは抜いた刀をミミックに向け構える。
「よくも騙してくれやがったな」
コストイラが今一度ミミックを見ると、ミミックは燃えていた。
「あれェ~~~~???」
「全面的にアンタが悪い」
コストイラはまたしても活躍を奪われたのだ。コストイラは悲しそうな顔をするが、こんなことではめげない。次がある。そんなことを思いながら刀を収めた。こめかみや口の端をひくつかせながら。
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