136 / 684
8.魔王インサーニアを討て
10.紅蓮の赤竜
しおりを挟む
地面が燃える。
世界には地面が燃え続けている場所があると、近所に住むよく上裸になる若い見た目だが年のいっているおじさんから聞いたことがある。確か、燃えている理由は下からガスが漏れているからだったか。もっと詳しく聞いておけばよかった。
しかし、ここにはそんな跡はない。炎は少しずつ消えていく。そんな時間を待たずにフレアドラゴンは炎を踏み潰した。そこでドラゴンの全体像がはっきりと見えた。体長は8メートルほど、レッドドラゴンの2倍なんてものじゃない。見下ろしてくるオレンジと黄色の混じった瞳は、今度は観察を優先していた。敵を倒すことのみ特化した観察眼は、フレアドラゴンの決意と共に打ち切られる。口内に爆発的に生じた炎は、これまでのドラゴンの息吹ブレス同様、火炎放射のように発射される。その瞬間、皆が一斉に動いた。レイドはエンドローゼを、アシドはアストロを、シキはアレンを摑んだ状態で。アレンは一時的に自分の限界速度より数値上100ほど速い速度での移動を体験した。そんな速度の経験のないアレンはもれなく酔った。凸凹の道を全速力で走る馬車の中にいる感覚だ。この例えの状況は体験したことないが。
攻撃力の高いコストイラと特に足の速いアシドとシキがフレアドラゴンの近くで戦う。アストロとアレンは遠距離から攻撃し、攻撃が来た時の楯としてレイドが構える。アレンは酔いが止まらず矢が番えられない。エンドローゼは必要に応じて回復をする役目を担っているが、動きが速すぎて目を回してしまっていた。もし、正常だったとしても全員が速く動くので回復魔法を放てなかった。
フレアドラゴンは巨体である。巨体は動くのに緩慢になりやすいが、フレアドラゴンは想定よりも速かった。普通であれば動きの遅いアレンやアストロを狙うべきなのだろうが、それができない。コストイラ達がそれを阻止している。狙うと肉を斬られる。フレアドラゴンはシキの振るうナイフを口で掴み取る。勢いそのままに投げ飛ばした。
満足しているとコストイラが鱗を数枚一気に切り飛ばす。肌の傷から火傷になりそうなほど熱いオレンジと黒の混じった煙が噴き出す。炎のように熱い血が地面を焦がす。急激な暑さ上昇に汗がぶわりと噴き出す。エンドローゼは回していた目が正常に戻る。アストロがエンドローゼに水をぶっかける。子犬のように体を震わし、現状の把握に努める。
フレアドラゴンの動きがぴたりと止まる。何が起こったのかは分からないがチャンスだ。フレアドラゴンはアシドを睨んでいるが、アシドの仕業だろうか。
「うぷっ」
アシドは吐きそうになり口元を手で押さえる。フレアドラゴンはアシドを噛み殺そうと首を伸ばす。つらそうな顔をしながらアシドはニヤリと笑う。フレアドラゴンは他の今までのドラゴンとは違い、思慮深い。したがって、相手が笑みを浮かべる理由を探してしまった。その隙が命運を分けた。
アシドは無理矢理地面を蹴飛ばし攻撃を躱す。ドラゴンの頭は地面に当たり、動きを止め、そこに刀が振り下ろされる。首からも熱気と熱血を垂れ流す。フラフラと首も体も揺らしながら、ドスドスと前に進む。オレンジの目はアシドを見つめ、細めていく。何も言わない。何を訴えているのか分からない。ドラゴンは、一人の男を見つめ、そしてズンと頭を地につけ、力を抜いた。察しがついた。死を覚悟したのだ。本能のままに暴れることなく、死を待つことにしたのだ。
「何でだよ」
見つめられるアシドは口を開いた。
「何でそんなもう満足です、みてェな顔出来んだよ」
アシドは苛つき、血管を浮かばせる。
「そんな貫禄出してねェで、もっと抗ったらどうなんだよっ!!」
アシドを叫ぶ。伝わっているのか分からない。そもそも、このドラゴンが人の言葉を理解しているのかは不明だ。しかし、アシドは叫んだ。いつかの誰かさんを重ね合わせ、苛ついた感情を乗せて叫ぶ。
「何で死を受け入れる。まだ戦えるのに諦められる。どうしてプライドかなぐり捨てて生を全うしようとしねェんだ!ドラゴンだって地べた這い蹲ってでも汚くても生きようとするところを見せてくれよ!!」
アシドが肩で息をしている。ここまで感情的に叫ぶアシドは中々見ない。コストイラとアストロでさえ珍しいと感じるほどだ。対するドラゴンは言葉をぶつけられてもなお澄まし顔だ。
「クソッ」
お気に召さず吐き捨てると、背を向けた。
『これは全く。やっぱりこうなったか』
暑いぐらいの空間のはずなのに、氷水をかけられたかのように冷えた。
『私もそこの蒼髪の君におおよそは賛成だね。どうしてダンナルミョウジンダイが暴れ出さないのか不思議だよ。相も変わらず分からないことだらけだよなぁ』
フレアドラゴンが空けた穴から出てきた男はアシドのものより明るい青色の髪を待っていた。記憶にある姿と違い、遠目からでも分かるほどに眼の下に隈を形作っており、立った姿も猫背でフラフラとしている。しかし、記憶にある姿の多くは変わっておらず、周りのことなど気にせず自分本位に独り言を言う姿はむしろ磨きがかかっている。
アレン達に初めての敗北を味わわせてきた男――カンジャがそこにはいた。
カンジャは最初から見ていた。
レッドドラゴンが壁の前で寝そべっているところから見ていた。カンジャはボーッと外を眺めていた。研究が行き詰まっていたのだ。新しい活路は関係のない瞬間に訪れるものだという持論を持つカンジャは、外の景色を見て打開できるヒントを探していた。
研究にはどうしても犠牲がつきものだ。ヒトのことをまるで考えないカンジャでも命を湯水のごとく消費しようなどとは考えない。可哀想などとは違う感情であり、単に有限だからであるのだが、どう見繕うかと考えていた。
レッドドラゴンを従えて研究の手伝いをさせるのもありかもな、などと考えていると、そこで傲慢な奴らが現れた。いつかに現れ、わざわざ会いにまで行ってやった勇者御一行だ。
『レッドドラゴンぐらい勝てるよなぁ』
窓際に頬杖をつき眺める。データを下回るような裏切りはいらないぞと、心の中で思いながら観察する。あっさりと倒す。思わず口笛が出た。予想していた中ではいい方に傾いている。これなら期待できるかもしれないな。
フレアドラゴンが壁を突き破る。
『あぁあ。ダンナルミョウジンダイの奴、破壊しやがって。まぁすぐに直せる範囲だからいいんだけどさ。私の苦労も考えて行動してほしいよね』
苦戦している。しかし、苦戦している理由がダンナルミョウジンダイの体力が多いからだと気付いてからはあまり見ていて面白いものではない。
大きな情報が手に入りはしたので殺すのはよしてやろう。
『ふぅん。あいつら、あの体力を一瞬で削り切る攻撃力はないのか』
ひどくつまらなそうに言うが、これは重要なことだ。カンジャはそこで視線を切った。塔から出て行くためだ。再び見たとき、ダンナルミョウジンダイは伏せっていた。
カンジャは途中から見ていなかったが、頭や体を見て、体感残りの体力は10分の1だと推測した。まだまだこれから、大いに粘り暴れるだろう。そんなことを思っていると、誰かが叫んだ。要約すると死ぬな、生きろ。
カンジャも驚いた。予想外過ぎる事実が発覚した。ダンナルミョウジンダイはそんな感情を持ち合わせていたのか。これは新たな研究テーマになる。そのためにも貴重なサンプルである彼の竜に死なれては困る。
だからこそ、カンジャは決着を待たずに乱入することにした。
世界には地面が燃え続けている場所があると、近所に住むよく上裸になる若い見た目だが年のいっているおじさんから聞いたことがある。確か、燃えている理由は下からガスが漏れているからだったか。もっと詳しく聞いておけばよかった。
しかし、ここにはそんな跡はない。炎は少しずつ消えていく。そんな時間を待たずにフレアドラゴンは炎を踏み潰した。そこでドラゴンの全体像がはっきりと見えた。体長は8メートルほど、レッドドラゴンの2倍なんてものじゃない。見下ろしてくるオレンジと黄色の混じった瞳は、今度は観察を優先していた。敵を倒すことのみ特化した観察眼は、フレアドラゴンの決意と共に打ち切られる。口内に爆発的に生じた炎は、これまでのドラゴンの息吹ブレス同様、火炎放射のように発射される。その瞬間、皆が一斉に動いた。レイドはエンドローゼを、アシドはアストロを、シキはアレンを摑んだ状態で。アレンは一時的に自分の限界速度より数値上100ほど速い速度での移動を体験した。そんな速度の経験のないアレンはもれなく酔った。凸凹の道を全速力で走る馬車の中にいる感覚だ。この例えの状況は体験したことないが。
攻撃力の高いコストイラと特に足の速いアシドとシキがフレアドラゴンの近くで戦う。アストロとアレンは遠距離から攻撃し、攻撃が来た時の楯としてレイドが構える。アレンは酔いが止まらず矢が番えられない。エンドローゼは必要に応じて回復をする役目を担っているが、動きが速すぎて目を回してしまっていた。もし、正常だったとしても全員が速く動くので回復魔法を放てなかった。
フレアドラゴンは巨体である。巨体は動くのに緩慢になりやすいが、フレアドラゴンは想定よりも速かった。普通であれば動きの遅いアレンやアストロを狙うべきなのだろうが、それができない。コストイラ達がそれを阻止している。狙うと肉を斬られる。フレアドラゴンはシキの振るうナイフを口で掴み取る。勢いそのままに投げ飛ばした。
満足しているとコストイラが鱗を数枚一気に切り飛ばす。肌の傷から火傷になりそうなほど熱いオレンジと黒の混じった煙が噴き出す。炎のように熱い血が地面を焦がす。急激な暑さ上昇に汗がぶわりと噴き出す。エンドローゼは回していた目が正常に戻る。アストロがエンドローゼに水をぶっかける。子犬のように体を震わし、現状の把握に努める。
フレアドラゴンの動きがぴたりと止まる。何が起こったのかは分からないがチャンスだ。フレアドラゴンはアシドを睨んでいるが、アシドの仕業だろうか。
「うぷっ」
アシドは吐きそうになり口元を手で押さえる。フレアドラゴンはアシドを噛み殺そうと首を伸ばす。つらそうな顔をしながらアシドはニヤリと笑う。フレアドラゴンは他の今までのドラゴンとは違い、思慮深い。したがって、相手が笑みを浮かべる理由を探してしまった。その隙が命運を分けた。
アシドは無理矢理地面を蹴飛ばし攻撃を躱す。ドラゴンの頭は地面に当たり、動きを止め、そこに刀が振り下ろされる。首からも熱気と熱血を垂れ流す。フラフラと首も体も揺らしながら、ドスドスと前に進む。オレンジの目はアシドを見つめ、細めていく。何も言わない。何を訴えているのか分からない。ドラゴンは、一人の男を見つめ、そしてズンと頭を地につけ、力を抜いた。察しがついた。死を覚悟したのだ。本能のままに暴れることなく、死を待つことにしたのだ。
「何でだよ」
見つめられるアシドは口を開いた。
「何でそんなもう満足です、みてェな顔出来んだよ」
アシドは苛つき、血管を浮かばせる。
「そんな貫禄出してねェで、もっと抗ったらどうなんだよっ!!」
アシドを叫ぶ。伝わっているのか分からない。そもそも、このドラゴンが人の言葉を理解しているのかは不明だ。しかし、アシドは叫んだ。いつかの誰かさんを重ね合わせ、苛ついた感情を乗せて叫ぶ。
「何で死を受け入れる。まだ戦えるのに諦められる。どうしてプライドかなぐり捨てて生を全うしようとしねェんだ!ドラゴンだって地べた這い蹲ってでも汚くても生きようとするところを見せてくれよ!!」
アシドが肩で息をしている。ここまで感情的に叫ぶアシドは中々見ない。コストイラとアストロでさえ珍しいと感じるほどだ。対するドラゴンは言葉をぶつけられてもなお澄まし顔だ。
「クソッ」
お気に召さず吐き捨てると、背を向けた。
『これは全く。やっぱりこうなったか』
暑いぐらいの空間のはずなのに、氷水をかけられたかのように冷えた。
『私もそこの蒼髪の君におおよそは賛成だね。どうしてダンナルミョウジンダイが暴れ出さないのか不思議だよ。相も変わらず分からないことだらけだよなぁ』
フレアドラゴンが空けた穴から出てきた男はアシドのものより明るい青色の髪を待っていた。記憶にある姿と違い、遠目からでも分かるほどに眼の下に隈を形作っており、立った姿も猫背でフラフラとしている。しかし、記憶にある姿の多くは変わっておらず、周りのことなど気にせず自分本位に独り言を言う姿はむしろ磨きがかかっている。
アレン達に初めての敗北を味わわせてきた男――カンジャがそこにはいた。
カンジャは最初から見ていた。
レッドドラゴンが壁の前で寝そべっているところから見ていた。カンジャはボーッと外を眺めていた。研究が行き詰まっていたのだ。新しい活路は関係のない瞬間に訪れるものだという持論を持つカンジャは、外の景色を見て打開できるヒントを探していた。
研究にはどうしても犠牲がつきものだ。ヒトのことをまるで考えないカンジャでも命を湯水のごとく消費しようなどとは考えない。可哀想などとは違う感情であり、単に有限だからであるのだが、どう見繕うかと考えていた。
レッドドラゴンを従えて研究の手伝いをさせるのもありかもな、などと考えていると、そこで傲慢な奴らが現れた。いつかに現れ、わざわざ会いにまで行ってやった勇者御一行だ。
『レッドドラゴンぐらい勝てるよなぁ』
窓際に頬杖をつき眺める。データを下回るような裏切りはいらないぞと、心の中で思いながら観察する。あっさりと倒す。思わず口笛が出た。予想していた中ではいい方に傾いている。これなら期待できるかもしれないな。
フレアドラゴンが壁を突き破る。
『あぁあ。ダンナルミョウジンダイの奴、破壊しやがって。まぁすぐに直せる範囲だからいいんだけどさ。私の苦労も考えて行動してほしいよね』
苦戦している。しかし、苦戦している理由がダンナルミョウジンダイの体力が多いからだと気付いてからはあまり見ていて面白いものではない。
大きな情報が手に入りはしたので殺すのはよしてやろう。
『ふぅん。あいつら、あの体力を一瞬で削り切る攻撃力はないのか』
ひどくつまらなそうに言うが、これは重要なことだ。カンジャはそこで視線を切った。塔から出て行くためだ。再び見たとき、ダンナルミョウジンダイは伏せっていた。
カンジャは途中から見ていなかったが、頭や体を見て、体感残りの体力は10分の1だと推測した。まだまだこれから、大いに粘り暴れるだろう。そんなことを思っていると、誰かが叫んだ。要約すると死ぬな、生きろ。
カンジャも驚いた。予想外過ぎる事実が発覚した。ダンナルミョウジンダイはそんな感情を持ち合わせていたのか。これは新たな研究テーマになる。そのためにも貴重なサンプルである彼の竜に死なれては困る。
だからこそ、カンジャは決着を待たずに乱入することにした。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
エレンディア王国記
火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、
「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。
導かれるように辿り着いたのは、
魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。
王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り――
だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。
「なんとかなるさ。生きてればな」
手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。
教師として、王子として、そして何者かとして。
これは、“教える者”が世界を変えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる