メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば

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15.奈落

6.嵐の夜に

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 研究棟を出ると、先ほどと反対側の道に歩き出す。こっちの方向に街があると良いのだが。

 コストイラとアストロに灯っていた火が揺らいだ。少し湿っているのか?

「雨? だと?」
「ここって、奈落って地下よね。何で雨が降ってんのよ」

 灯る火の燃料は魔力であるため、湿気っただけでは火は絶えないが、気分的には陰鬱になる。

「雨宿りできる場所を探しましょう」
「あそこに家があんぞ」

 アシドが雨の中、槍で目標物を指す。建物の大きさから住人は背丈が2mくらいなので魔物かどうか怪しい。扉を押すと、錆びているのか、ギギギと音を立てて動いていく。

「静かだし、埃っぽいし、誰か住んでいる感じしないな」
「いや、2階だ。2階に何かいる」

 気配を感じ取ったコストイラが2階への階段を探す。早速見つけたコストイラが上がると、そこにはやはり何かがいた。何かは背を丸めた状態で動けない者がいた。

『誰、来た』
「オレはコストイラだ。お前は何してんだ?」
『オレ、動けない』
「え?」
『オレ、恐かった。2階、逃げた。無理だった』

 何が? コストイラは自分がどんな顔をしているのか分からない。何かもこちらを向くこともできないので、顔を見て話す事すらできない。

「外で雨が降っているから雨宿りさせてほしいんだが」
『1階、使え。好きに、しろ』

 許可を得られたコストイラは階下に行こうとして、最後に質問した。

「奈落って何で雨降んの?」
『地下、水。地面、染みる。水、地下、降る』

 なんとなく分かったような分かっていないようなままでコストイラはアレン達と合流した。

「許可取れたぞ」
「やはり何かいたんですか?」
「あぁ、体がデカくなって動けなくなったらしい。1階は好きにしていいらしいぞ」

 コストイラは階段を下りきり、その足で台所に向かいコップを取り出す。魔力によって水を生成する装置に触ると綺麗な水が出た。まだまだ使えるようだ。

 そういえば、アイツはどうやって生きているんだ?

 コストイラはその疑問ごと水で流し込んだ。






『1階、人、7人』

 動けない何かは1階にいる人達の人数を完全に看破し、瞬きをする。体育座りの体勢のままだった体を動かそうとする。しかし、動かない。腕は動くが、体を倒すことができない。傾けられている首を動かしたいが、動かすと家が壊れてしまいそうだ。

『やはり、動かない』

 腕で膝を抱えるように動かし、体育座りをする。すでに何年もこの体勢なので、立ったとしても首が立つことはないかもしれない。

『ムウゥ』

 何かは目を閉じた。
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