メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば

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20.シン・ジゴク

20.魔術師殺しの城

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 城を見ていると、門衛達が絡んできた。じっと城を眺める者がいたら当然の行動だろう。適当な受け答えをしようと、急に攻撃してきた。

「え?」

 マイトゴーレムが岩で補強された巨拳を振るう。コストイラがアレンを背中で押し、刀を合わせた。

「いきなりだな」
『ココハ立チ入リ禁止ダ』

 そういえばどこかで聞いた気がする。しかし、こちらに非があるからと言って、いきなり攻撃するのはいかがなものなのだろうか。
 城の上の方からワイバーンが下りてきた。頭を革製のヘルメットで覆っている。明らかに野生ではない。かなりの調教を受けているのだろう。

 垂直に落ちてきたワイバーンが地面スレスレで直角に折れて、襲ってきた。アシドが真正面から槍を振るうが、ワイバーン達は見てから躱していく。
 しかし、避けた先にはシキがいる。アストロがシキの尻を叩いて押し出す。最強のキリングマシーンが起動した。
 向かってくるワイバーンを三枚おろしにしていく。

「アストロさんが自分で魔力を放つものだと思っていました」
「ここって魔素が薄いのよね」
「そうなんですか?」

 アストロが手を開閉させながら眉を顰めた。アレンにはその感覚がないので、高そうなエンドローゼの方を見る。

「ア、ア、ア、アアストロさんの言う通りです。あ、あそこの炎が、ま、ま、魔素を吸っていますね」
「あれが意図的なものなのか、ただかっこいいだけの飾りなのかは知らないけど、魔術を使ったらすぐに酔っちゃうわ」
「は、はい」

 エンドローゼがローブの裾をギュッと握る。

『ブン!』

 マイトゴーレムがアッパー気味に拳を振るう。コストイラが刀を合わせる。コストイラがぐっと力を入れると、マイトゴーレムの拳が砕けた。
 バラバラと岩の殻が剝がれ、中の土の拳も崩れていく。砂で作った城の一部を壊したかのようにサラサラと砕けていく。

『何をしている?』

 左腕を押さえるマイトゴーレムを見下ろす影が一つ。流暢な言葉を話すバルログがフィールドに現れた。纏う雰囲気が強者のそれだ。ホキトタシタやヲルクィトゥのような落ち着いた雰囲気ではなく、ガレットやレイベルスのような獣のような雰囲気だ。すでに臨戦態勢だ。コストイラが刀を軽く握る。

 バルログが一切の予備動作なしのパンチを繰り出す。コストイラがそれに合わせて動く。刃に当たったが、そのまま押し込まれる。
 踵が土を抉る。何とか踏みとどまろうとするが、地面が滑った。地面が剥がれて滑ったのだ。

「あ?」

 コストイラは滑った地面にキレながら空中散歩することになった。
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