メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば

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25.四柱一体

7.白夏の大渦

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 道沿いに進んでいた勇者一行は、ピチャピチャと音を出していた。この水が、元は河だったものなのか、高潮で道を水が覆ったものなのか、それは分からないが、路面が濡れていた。他には雨が降った可能性も考えられるか。どれにせよ、全部終わった後だ。
 足元が濡れているため、滑りやすくなっている。戦う時に足元が滑るのは、避けておかなければならない。

「ん?」

 いつも以上に警戒していたからか、何か動いたのが瞬時に分かった。

「何だ、あれ?」

 コストイラが目を細める。しかし、注意しなければならないのが、気付いたのが超人だという点だ。常人凡人の域にいるアストロやアレンには分からない。

「何処よ。その動いているってやつは」
「何処って、あれだよ」

 コストイラがバレないように指で指し示す。しかし、アストロには見えない。

「見えないんだけど」
「じゃあ、無視して大丈夫そうだな」

 見えているものの感覚が常人と同じであると判断し、スルーすることを提案、受理される。

 先を急ぐ勇者一行は山頂を目指し、早歩きで進む。体力のないアレンには申し訳ないが、今は根性で何とかしてもらう。

「近づいている」

 シキがポツリと呟いた。コストイラは自身が見つけた奴だと即座に目線を向ける。
 こっちに来ていた。それはアレンでも分かるほどだ。

「蟹?」
「っぽそうだな」

 特徴的な両手の鋏から蟹と判断したが、足が10本あるように見える。知っている蟹とちょっと違う。

「本当にこっちに来ていますけど、何が原因なんでしょう」
「さぁな。オレやシキみたいに感度バッチリなもんでも持ち合わせているのかもしれねぇ」

 多節な脚を深く折り曲げ、一気に跳び上がり、コストイラ達の前に降り立った。蟹は鋏を大きく振り上げる。

「うおっ」

 コストイラが刀を横にして鋏を受け止める。その一撃はかなり重く、膝から崩れそうになる。


 しかし、受け止めた後ならば問題ない。コストイラはパワーに物言わせ、鋏を弾き返した。そして、がら空きとなった腹に一太刀浴びせる。
 蟹の腹もそれなりに硬かったが、何とか切ることには成功した。腹から青い血が噴き出て、コストイラにかかる。

 シキは未だに銀の髪を赤に染めたままだ。コストイラも似たような姿になってしまった。赤い髪が青に染まっている。

「洗いたい」
「うん」
「この程度の水じゃ洗い流せないしなぁ」

 ボリボリと頭を掻くと、固まっている血糊がパラパラと落ちてきた。その姿を見て、シキも頭を掻くと、こっちも落ちてきた。

 水が欲しい。その考えが頭に浮かんだ直後、コストイラが吹き飛ばされた。
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