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25.四柱一体
17.西方の守護者
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西方を守る白き大虎。人々は素直にも白虎と名付けた。
虎は百獣の王とされている。全ての哺乳類の頂点だ。獰猛ゆえに恐怖の対象とされてきた虎の中でも、500年の時を生き、神力を手に入れた誉れ高き個体は、白い毛を生やし、獣虫の王として君臨するとされている。
その瞳が砂煙の中でオレンジに光る。凶悪な瞳が6人を映す。一番面倒なのは赤髪の剣士、いや、片腕の魔術師か?
強靭な爪で掻き殺そうと思った時、これから訪れる未来を感知してバックステップで何かを躱した。
何かは煙を割って真上から現れた。
しかも、着地しながら次の攻撃の動作をしている。
白虎は瞠目する。これは避けられない。小さな足裏が白虎の鼻を掠める。
白虎はすぐさま反撃を出ようとして、体がズレた。タイミングをズレてしまったため、一旦体勢を整えようと後ろに下がる。
バチャバチャと血が落ちた。どこから落ちている? まさか、さっきの掠りで怪我を負ったのか?
嗅覚が効いていない。本当にあの掠りで鼻が削れたのか?
ゾワリと毛が逆立った。勝てない。逆立ちしても勝てるような相手ではない。白虎はそれを理解してしまった。
しかし、白虎にはプライドがある。獣虫の王と呼ばれる程の強さを持つプライドが。負けると分かっていても戦わなければ王の威厳に関わってくる。
普段、白虎が索敵する時には鼻を使っている。その鼻が使用できないとなると、目と耳を使うことになる。
白虎の眼は凡人と同じ視野だ。それこそアレンよりも狭い。すでに7人のうち4人はどこに行ったのか、見失っている。
白虎の耳も凡人並みだ。耳が真正面に向いているため、後ろや上の音が聞きづらい。見失っている4人のうち1人は耳で感知できている。ただ大柄な者の後ろに隠れていた。残りの3人はどこだ?
白虎が見つけ出そうと首を振ろうとする。しかし、上から衝撃が落ちてきて、首を押さえられてしまった。目だけを動かしても姿が見えない。
「せーの」
誰とも連携をとるわけでもない掛け声とともに、誰かが白虎の胴を切った。前後が分かれてが、気合で持ちこたえる。
プライドで1人は道連れにしようと、口を大きく開けた。
すると、上から絶大な威力が落ちてきた。開いた口が無理矢理閉じられ、めり込み破裂した。
口が消滅した。後半身もない。この状態で今も意識があるのは、むしろ褒めるべきだろう。しかし、すぐに意識が消えた。
山の頂上に向かって光が下りてきた。その光の中に頭が出現してくる。その塔にまで架かる橋も出現した。
「行こう。とっととこの地を脱出しよう」
「というか、そもそもどういう原理で時間制限がついているのよ」
「さぁな。でも調べているうちに死んじまったら意味ねェぞ」
「死んでも、それで後世に遺るなら」
「研究者脳怖っ」
「貴方には負けるわ」
コストイラとアストロが軽口を言い合う。
そして、コストイラ達は塔を登り始めた。
虎は百獣の王とされている。全ての哺乳類の頂点だ。獰猛ゆえに恐怖の対象とされてきた虎の中でも、500年の時を生き、神力を手に入れた誉れ高き個体は、白い毛を生やし、獣虫の王として君臨するとされている。
その瞳が砂煙の中でオレンジに光る。凶悪な瞳が6人を映す。一番面倒なのは赤髪の剣士、いや、片腕の魔術師か?
強靭な爪で掻き殺そうと思った時、これから訪れる未来を感知してバックステップで何かを躱した。
何かは煙を割って真上から現れた。
しかも、着地しながら次の攻撃の動作をしている。
白虎は瞠目する。これは避けられない。小さな足裏が白虎の鼻を掠める。
白虎はすぐさま反撃を出ようとして、体がズレた。タイミングをズレてしまったため、一旦体勢を整えようと後ろに下がる。
バチャバチャと血が落ちた。どこから落ちている? まさか、さっきの掠りで怪我を負ったのか?
嗅覚が効いていない。本当にあの掠りで鼻が削れたのか?
ゾワリと毛が逆立った。勝てない。逆立ちしても勝てるような相手ではない。白虎はそれを理解してしまった。
しかし、白虎にはプライドがある。獣虫の王と呼ばれる程の強さを持つプライドが。負けると分かっていても戦わなければ王の威厳に関わってくる。
普段、白虎が索敵する時には鼻を使っている。その鼻が使用できないとなると、目と耳を使うことになる。
白虎の眼は凡人と同じ視野だ。それこそアレンよりも狭い。すでに7人のうち4人はどこに行ったのか、見失っている。
白虎の耳も凡人並みだ。耳が真正面に向いているため、後ろや上の音が聞きづらい。見失っている4人のうち1人は耳で感知できている。ただ大柄な者の後ろに隠れていた。残りの3人はどこだ?
白虎が見つけ出そうと首を振ろうとする。しかし、上から衝撃が落ちてきて、首を押さえられてしまった。目だけを動かしても姿が見えない。
「せーの」
誰とも連携をとるわけでもない掛け声とともに、誰かが白虎の胴を切った。前後が分かれてが、気合で持ちこたえる。
プライドで1人は道連れにしようと、口を大きく開けた。
すると、上から絶大な威力が落ちてきた。開いた口が無理矢理閉じられ、めり込み破裂した。
口が消滅した。後半身もない。この状態で今も意識があるのは、むしろ褒めるべきだろう。しかし、すぐに意識が消えた。
山の頂上に向かって光が下りてきた。その光の中に頭が出現してくる。その塔にまで架かる橋も出現した。
「行こう。とっととこの地を脱出しよう」
「というか、そもそもどういう原理で時間制限がついているのよ」
「さぁな。でも調べているうちに死んじまったら意味ねェぞ」
「死んでも、それで後世に遺るなら」
「研究者脳怖っ」
「貴方には負けるわ」
コストイラとアストロが軽口を言い合う。
そして、コストイラ達は塔を登り始めた。
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