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26.『黄昏の箱庭』
14.”天への階”
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もしこの場にアレンがいたならば、きっと泣き言を言っていただろう。絶対この先に面倒事があると遅延行為に走ったかもしれない。
しかし、この場にそれをする人はエンドローゼしかいない。といっても、エンドローゼは他者優先させるため、そんなことをしない。
順調に坂を上り切り、洞窟を抜けた。
洞窟の側には簡易のテントが張られていた。
『ホゥ、戻ってきたのか。役目は果たせたのか?』
アークエンジェルが焚火にを入れながら、言葉をかけてくる。
「あぁ、見つけたよ。有難いことに討伐までできた。本当にありがたい」
『それは僥倖。ん? 人が増えているな』
「手伝ってくださった方だ」
アークエンジェルは何かを見定めるようにコストイラ達を見る。アークエンジェルは立ち上がり、手を差し出してくる。握手を求めているのだろう。代表してコストイラが握手に応じる。
『私はジャーミー』
「オレはコストイラだ」
名乗った途端、アークエンジェルの顔色が変わった。
アークエンジェルが腰に佩いている剣を抜こうとする。握手が右手でしていて、剣は右に佩いている。おそらくアークエンジェルは左利き。これは最初から狙っていたのか?
左手が開いており、刀は左側に佩いている。鞘を傾けながら抜けば剣を防ぐことができるだろう。
しかし、動いたのは左手ではなく、左足だった。
膝が柄を押し込み、剣を抜かせない。
掴んでいる右手を決して離させまいとしながら、ぐいと引き寄せる。腰の剣を軸に前屈みになったジャーミーの丹田に拳を当てて、地面から抜き取る。
『ナッ!?』
そのままコストイラが地面に叩きつけた。
『カッ!?』
肺の中の空気が吐き出される。空気がない状態でコストイラの手を離させようとする。
コストイラは思い切りジャーミーを木々に投げつけた。アークエンジェルは短く息を吸い込み、剣を振るった。剣から衝撃波が発せられた。
コストイラが刀をぶつけると、破裂して、無理矢理距離を取らされた。
「なぜ、彼女が攻撃を!?」
メントモールは頭を抱えながら身を低くしている。
なぜ攻撃してきたのか、アストロやコストイラには何となく分かっていた。おそらく、コストイラの名前がいけなかった。
おそらく勇者一行にとっての敵である。
ジャーミーの元に複数のエインセルが駆け付けた。
『我々”天への階”に何の用だ』
『あれが今回の勇者だ。そして、月の信奉者がいる』
その言葉を聞いて、エインセル達の眼の色が変わった。殺気に満ちた、殺人鬼の眼だ。
二人のエインセルが駆けだす。その向かう先は勇者でもコストイラでもなくエンドローゼだ。この中で一番弱そうだからだろう。
コストイラが刀を振るい、二振りの剣を止めた。連携はなく、一直線に向かう愚直タイプで助かった。コストイラは腰を捻り、パワーで撃ち返した。
エインセルが翼をはためかせ、体の動きを止めた。
「な、何で争っているんだ?」
メントモールが疑問を口にする。
その疑問に答える者はその場にはいなかった。何故なら、敵対している彼女達しか知らないからだ。
しかし、この場にそれをする人はエンドローゼしかいない。といっても、エンドローゼは他者優先させるため、そんなことをしない。
順調に坂を上り切り、洞窟を抜けた。
洞窟の側には簡易のテントが張られていた。
『ホゥ、戻ってきたのか。役目は果たせたのか?』
アークエンジェルが焚火にを入れながら、言葉をかけてくる。
「あぁ、見つけたよ。有難いことに討伐までできた。本当にありがたい」
『それは僥倖。ん? 人が増えているな』
「手伝ってくださった方だ」
アークエンジェルは何かを見定めるようにコストイラ達を見る。アークエンジェルは立ち上がり、手を差し出してくる。握手を求めているのだろう。代表してコストイラが握手に応じる。
『私はジャーミー』
「オレはコストイラだ」
名乗った途端、アークエンジェルの顔色が変わった。
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左手が開いており、刀は左側に佩いている。鞘を傾けながら抜けば剣を防ぐことができるだろう。
しかし、動いたのは左手ではなく、左足だった。
膝が柄を押し込み、剣を抜かせない。
掴んでいる右手を決して離させまいとしながら、ぐいと引き寄せる。腰の剣を軸に前屈みになったジャーミーの丹田に拳を当てて、地面から抜き取る。
『ナッ!?』
そのままコストイラが地面に叩きつけた。
『カッ!?』
肺の中の空気が吐き出される。空気がない状態でコストイラの手を離させようとする。
コストイラは思い切りジャーミーを木々に投げつけた。アークエンジェルは短く息を吸い込み、剣を振るった。剣から衝撃波が発せられた。
コストイラが刀をぶつけると、破裂して、無理矢理距離を取らされた。
「なぜ、彼女が攻撃を!?」
メントモールは頭を抱えながら身を低くしている。
なぜ攻撃してきたのか、アストロやコストイラには何となく分かっていた。おそらく、コストイラの名前がいけなかった。
おそらく勇者一行にとっての敵である。
ジャーミーの元に複数のエインセルが駆け付けた。
『我々”天への階”に何の用だ』
『あれが今回の勇者だ。そして、月の信奉者がいる』
その言葉を聞いて、エインセル達の眼の色が変わった。殺気に満ちた、殺人鬼の眼だ。
二人のエインセルが駆けだす。その向かう先は勇者でもコストイラでもなくエンドローゼだ。この中で一番弱そうだからだろう。
コストイラが刀を振るい、二振りの剣を止めた。連携はなく、一直線に向かう愚直タイプで助かった。コストイラは腰を捻り、パワーで撃ち返した。
エインセルが翼をはためかせ、体の動きを止めた。
「な、何で争っているんだ?」
メントモールが疑問を口にする。
その疑問に答える者はその場にはいなかった。何故なら、敵対している彼女達しか知らないからだ。
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