小さな雑貨屋さん

蛇穴さん

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タイガーアイは…

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 いらっしゃい…御用件は?
 ドアを開けると、アンティーク風なテーブルに、煌びやかなパワーストーンが並んでいる。

 「ここにこんなお店ありましたっけ?」

 机に座って、作業をしている店主に話しかけた。

 「小さい店ですから…あなたさんは?お客さん珍しいから…」
 
 店主は机から立ち上がり、近づいて来た。

 「最近、会社がクビになって失業中で、散歩がてら歩いていたら…」

 溜息をつきながらお客の男は呟いた。

 「その右手のブレスは?」

 店主は、男の付けていたブレスレットをマジマジと見つめる。

 「タイガーアイですが…前は、これ付けてバンバン仕事してたんだけど、ギャンブル運にいいって言うんで、パチンコ、競馬…全然で…しまいには、のめり込んで…」

 肩を落としながらお客の男が失業の理由をとんとんと話す。

 「はい?タイガーアイは、仕事を舞い込ませるパワーストーンです。ギャンブル運を高める為には、組み合わせをしないと効果ありません」

 店主は、悲しそうな目で男を見つめる。
 間違った使い方によって、効果ない…捨てたり、リサイクルショップで捨て値で結構みたいな扱われ方を最近よく聞きます。

 「効果あるわけないですよ…使い方間違っています。パチンコ屋なんかは、うるさいし、石たちは嫌います。効果なんかありませんよ」

 店主は、男にトドメを刺す。
 
 現に、どの書籍にも、パワーストーンは、磁場を嫌いますから、パチンコ屋などには不向きといってもいいかもしれません。

 「後、浄化しないと、石も疲れます。これも何かの縁…サービスで浄化しますね…」

 店主は、カラカラになった白い葉っぱのようなものに、ライターで火をつけて燃やし始めた…
 店内に、葉っぱの煙が蔓延しはじめる。

 「ホワイトセージです。ネイティヴアメリカンが、魔除けに使い、パワーストーンの浄化にも使われます…疲れた石を癒してくれる…浄化の間、コーヒーでもいかがですか?」

 店主は、ニコッと薄く笑い、ポットのコーヒーをカップに注ぐ。


 「パワーストーンってね、最近は、鬱病の薬にも使われるサプリメントにもなってるんですよ…パワーストーンは信じる人にはチカラになってくれます…ほんとうの願いにはチカラを貸してくれます」

 店主は、お客にブレスを握らせ、左手の親指と人差し指をOにするように男に指示した。
 そこに、店主の人差し指が入る…
 Oに作った指は、店主の指を阻み離れない。

 「このブレスは、あなたの力にまだなってくれます…ただ、あなたが力不足…ここに、仕事、金運の力になってくれるルチルクオーツを加えましょう」

 さっと、ブレスを崩し、ルチルクオーツを加える。

 「これは、いま、エネルギーチャージが済んだタイガーアイと共にチカラになってくれます…後はあなた次第です…パワーストーンはきっかけを与えてくれるだけ。根本的な問題を切り開くのはあなた…決して、上手くいかないことを、相方のせいにしないで下さいね…」

 コーヒーを飲み終えた男の左腕に、作り終えたブレスを着けて、男を見送る…

 「お代は?」

 店主は、笑顔で…
 
 「good luck」
 
 と、答えてドアを閉めた。

 後は、あなた次第…
 ブレスは、きっかけを与えるだけ…
 
 


 
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