小さな雑貨屋さん

蛇穴さん

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情熱の薔薇を

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 「ドアが開かないなぁ…」
 
 店主は、何度も店のドアを押すが開かない。
 そうだ…と思い、裏口から正面入り口に回ると、入り口には、女性が一人倒れていた。

 「大丈夫ですか!!」

 店主は女性に駆け寄ると…凄い酒臭い…

 「…ん~頭痛い…」

 酒臭い女性が、目を覚ました。
 店主は、ここではなんだからと言い、店の中に招き入れる。

 「すいません…酔っ払って…記憶が飛んで…気がついたら…」

 店主は動揺している女性に、コーヒーを差し出した。

 「記憶が無くなるくらいですか…何かあったんですか?」

 コーヒーをすすりながら店主は女性に話しかけた。

 「失恋…しちゃって…」

 女性は、思い出したかのように…目には涙が溜まって、いまにもこぼれ出しそうだった。

 「貴方みたいな綺麗な方を振るなんて、見る目が無いですね~」

 店主は、ポケットからハンカチを取り出し、コーヒーの隣にソッと置き、パワーストーンが置いてある、アンティーク台の上に向かい、数粒パワーストーンを取りはじめた。

 「まずは、心の傷を癒していきましょう」

 店主は、数粒のパワーストーンを女性に渡し、親指と人差し指をOの字にするように指示する。
 女性が作ったOの中に、店主は人差し指を入れ引っ張る。
 Oの字から人差し指はギッチリはまって離れない…

 「良かった…相性はいいみたいだね」

 一言つぶやくと、サッと作業台の椅子に腰を下ろした。

 「今のは?」

 女性は不思議に思い、店主の作業台をのぞき込むと、そこには濃ゆいピンク色と、薄い光沢のあるピンク色のパワーストーンが数個…

 「綺麗な石ですね…何か元気になりそう…」

 マジマジと眺めながら、女性が微笑んだ。

 「そう…その笑顔が、あなたには似合いますよ」

 店主は、女性の腕に黙ってはめた。
 「インカローズ…又の名をパッションローズ。情熱の薔薇と言われるパワーストーンですよ。恋愛に傷ついた心を癒して、ソウルメイト…本当の恋人を近づけてくれるんですよ」

 店主はニコッと笑い、持っていきなさいと呟いた。

 「でも…こんな高価そうなパワーストーン…」

 女性が遠慮をして、腕から外そうとすると…

 「こんな小さい店で、お客様は滅多に来ませんので、話し相手の御礼ですよ…ここに置いておくより、ふさわしい方に付けてもらった方が、石も喜びますよ。」

 店主はそう言うと、女性を優しく見送る。

 女性は店主に手を振り、日の上がった道を元気に歩いて行った。

 女性のブレスレットには、もう1つの仕掛け…
 パッションローズに、ピンクオパールをプラスすると、幸せのチカラの相乗効果がアップ。

 傷が癒えたら、情熱的なチャンスを掴んで下さいね…
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