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土曜日
「採点の時間」(8)
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先に仕掛けたのはナナの方だった。
持ち前の跳躍力を活かして(それこそ文字通り目にも止まらぬ速さで)空き地を縦横無尽に跳び回り、四方八方からスターゲイザーを打ち込んでいた。
マジで殺す気じゃん。
一方、スペードの方はと言えば先ほどまでの構えを解き、試験開始直後と全く同じ場所にただぼさっと立っていた。
当然、蜂の巣になるかと思っていたが、スターゲイザーはスペードに直撃する寸前に火が付き、灰になってパラパラとその場に落ちるのであった。
「何かこそこそとやっていたようだけど、この程度ってことはないわよね? せめてワタクシを動かすぐらいの事はしてほしいものだわ」
「……言われるまでもないですよ」
もう何処に居るのかもわからないナナの、声だけが聞こえる。スペードは視線だけ動かしているようだが、見えているのだろうか。
「彰彦さん、巻き込まれないようにしてくださいね!」
言うが早いか、スペードを中心に砂埃が巻き上がる。スペードの魔法などではなく、どころかナナの魔法ですらなく、ナナが頑張って走っているだけのことである。ちょっとした竜巻のようだが、ここまでしても恐らく、大したダメージは無いのだろう。
だが、それでいい。
ナナの狙いはあくまでも風の方にある。
これだけの暴風の中にあっては、着火は不可能であろう。もちろん脱出することも敵わない。確実に次の一撃を食らうことになる。
「ナナ!」
「スターゲイザー・ウィークエンド!」
なにそれ。聞いてない。週末に星を見る人じゃん。
スペードのこと言えないじゃん。
だが、そんな名前とは裏腹に威力は凄まじく、一瞬で視界が晴れたと思ったら、上空に千を超える砂球を拵え、それが一挙に突風の中心に降り注いだ。
勝負あったと思った。どころか、死体すら残らないんじゃないかと危惧していた。
ナナは息を切らせてその場にしゃがみ込む。元々、長引いたら不利なのはこっちだから、チャンスが来たら全て出し切るように言っておいた。
本当に限界なのだろう。
――だが。
「何かしたかしら? 終わったのなら、そろそろ反撃といきたいのだけど」
霧が晴れ、そこにあったのは、魔法服はともかく、肌に傷一つ負っていないスペードの姿だった。
「化物かよ……」
「だから言ったはずなの」
隣からデザートの暢気な声がする。
「そもそも、スペードが何もしないって時点で察するべきだったんだよ。心の声が聞こえるスペードが、それでも何も対策をしないんだから、『今考えてることは』通用しないんだって気付くべきだったの」
そうは言っても、考えを止めることなど出来るはずがない。
だからこその短期決戦だったのだ。相手が舐めているなら、その隙を突くしかないと考えてのプランだった。しかし、それも無駄だと言うなら、もう何をしても勝てないじゃないか……。
ナナにはもう体力など残っていないだろう。何とか立ち上がってはいるが、足が震えてしまっている。俺の下手な作戦のせいで、勝てないばかりか、もっと残酷なものを与えてしまった。俺のせいで……!
「終わりにしましょう、ウィーク。いえ、ナナかしらね。これから人間となるのだから、そっちの方がお似合いよね」
持ち前の跳躍力を活かして(それこそ文字通り目にも止まらぬ速さで)空き地を縦横無尽に跳び回り、四方八方からスターゲイザーを打ち込んでいた。
マジで殺す気じゃん。
一方、スペードの方はと言えば先ほどまでの構えを解き、試験開始直後と全く同じ場所にただぼさっと立っていた。
当然、蜂の巣になるかと思っていたが、スターゲイザーはスペードに直撃する寸前に火が付き、灰になってパラパラとその場に落ちるのであった。
「何かこそこそとやっていたようだけど、この程度ってことはないわよね? せめてワタクシを動かすぐらいの事はしてほしいものだわ」
「……言われるまでもないですよ」
もう何処に居るのかもわからないナナの、声だけが聞こえる。スペードは視線だけ動かしているようだが、見えているのだろうか。
「彰彦さん、巻き込まれないようにしてくださいね!」
言うが早いか、スペードを中心に砂埃が巻き上がる。スペードの魔法などではなく、どころかナナの魔法ですらなく、ナナが頑張って走っているだけのことである。ちょっとした竜巻のようだが、ここまでしても恐らく、大したダメージは無いのだろう。
だが、それでいい。
ナナの狙いはあくまでも風の方にある。
これだけの暴風の中にあっては、着火は不可能であろう。もちろん脱出することも敵わない。確実に次の一撃を食らうことになる。
「ナナ!」
「スターゲイザー・ウィークエンド!」
なにそれ。聞いてない。週末に星を見る人じゃん。
スペードのこと言えないじゃん。
だが、そんな名前とは裏腹に威力は凄まじく、一瞬で視界が晴れたと思ったら、上空に千を超える砂球を拵え、それが一挙に突風の中心に降り注いだ。
勝負あったと思った。どころか、死体すら残らないんじゃないかと危惧していた。
ナナは息を切らせてその場にしゃがみ込む。元々、長引いたら不利なのはこっちだから、チャンスが来たら全て出し切るように言っておいた。
本当に限界なのだろう。
――だが。
「何かしたかしら? 終わったのなら、そろそろ反撃といきたいのだけど」
霧が晴れ、そこにあったのは、魔法服はともかく、肌に傷一つ負っていないスペードの姿だった。
「化物かよ……」
「だから言ったはずなの」
隣からデザートの暢気な声がする。
「そもそも、スペードが何もしないって時点で察するべきだったんだよ。心の声が聞こえるスペードが、それでも何も対策をしないんだから、『今考えてることは』通用しないんだって気付くべきだったの」
そうは言っても、考えを止めることなど出来るはずがない。
だからこその短期決戦だったのだ。相手が舐めているなら、その隙を突くしかないと考えてのプランだった。しかし、それも無駄だと言うなら、もう何をしても勝てないじゃないか……。
ナナにはもう体力など残っていないだろう。何とか立ち上がってはいるが、足が震えてしまっている。俺の下手な作戦のせいで、勝てないばかりか、もっと残酷なものを与えてしまった。俺のせいで……!
「終わりにしましょう、ウィーク。いえ、ナナかしらね。これから人間となるのだから、そっちの方がお似合いよね」
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