どこかの寮

どこかの寮

【配役】
紫苑：主人公
透：同室の友達 
ナレーション

紫：おっ！！始まるよ～見よ見よ！！

透：うん！

ナ：その日もいつもと変わらず、毎週夕方に放送されるアニメを一緒に見ていた

～アニメ鑑賞～

紫：いや～今日も面白かったね～続き気になる～！！

透：だね～
　　あ、先にお風呂入っておこ！

紫：あっ！私も入っとこ～

～透がいきなり走り出す～

紫：えっ待ってよ～

ナ：紫苑が通っていた学校は寮があり、紫苑も寮に入っていた。
　　点呼が朝の7時半、夜の20時半、22時にあり、20時半までには、食事を済ませ、共同のお風呂で入浴を終えていなければならなかった、また、一緒に入れる人数も限られているため、学年や仲の良さで時間を区切られており、先に入っておけば、時間に縛られず自由に入浴でき、その後は自由時間となっていた。
　　そのため、透も紫苑も先に入浴することにしたのだ。
　　二人とも女子寮の2階の右奥に部屋があり、アニメを見ていた場所は男女共同の食堂だった。


ナ：食堂を出て、女子寮の階段を駆け上がっているときだった。

紫：えっ！！？？透？？どこに行ったの？？

透：えっ？？どうした？？

紫：え？？なんでそっちにいるの？？

透：え？？

ナ：紫苑が見たものとは、階段を上がり切り、右に曲がった瞬間、左に駆け出す、透の姿だった。
　　そして、左に行った透は姿、形も消えていた。

紫：え？？透、今左に行かなかった？

透：えっ？部屋に行ったけど？

紫：え、そうだよね、部屋右だもんね。

透：うん。

紫：今さ、左に走って行った、透を見たんだけど。

透：えっ？？？？どういうこと？？

紫：今さ、透、右に行ったよね？

透：うん。

紫：その後、左に走って行く透を見たんだよね……

透：えっ…？

ナ：その場はとりあえず、お風呂に入ろうということで話が終わった。


ナ：後で聞いた話だが、その寮は、かつて墓があった場所であり、その墓を壊して、建てたという。