麗しの華が咲く奇跡

琉明

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第1章 選ばれし者

第1話 突然の真実

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ある日 突然 世界が終わった。
このままでは我らに未来はない。

ある日 突然 天から三体の神が降りたった。

そのうちの二体の神は世界の一部を修復してくれた。

ここからが私たちの長い長い旅のはじまり。

かおる 「ね…あかね…あかね」

誰かが私の名前を呼ぶ声がしてハッとした

あかね 「かおる…」

私の名前は〝赤坂 あかね〟高校三年生の17歳。
私を起こしてくれたのは友達の〝芳沢 かおる〟優等生でとても頭がいい。

かおる 「授業中に寝てたでしょう?先生に怒られてたの気付いてなかったし。まったく、次は能力テストだってゆうのに。そんなんだからいつまでたっても能力が使えないのよ。ちょっとは頑張ったら?」

あかね 「んー…もう、私だって頑張ってるのに~」

恵 「あかねがボーッとしてるからだよー…お父さんとお母さんは何にも言わないの?あかねの能力のこと…」

あかね 「うん…「無理をすることないよ」しか言ってくれないの このまま自分が何の能力かわからないままは嫌なのに…」

恵 「あかねの親って厳しいよね~恋愛禁止だし門限あるし…」

かおる 「本当に 年頃なのにかわいそうだわ」

あかね 「かわいそうって…私はそんな…」

その時 授業の始まる鐘がなった。

恵 「あ…チャイム…」

かおる 「じゃあ頑張ってね、テスト。」

あかね 「あーかおる馬鹿にしてるでしょー全国の超能力者の第1位だからってー」

かおる 「してないわよ」

かおるがクスっと笑う。
そこに先生が入ってきた。

先生 「では、早速ですが能力テストに移ります、最初は…全国超能力者の第1位の芳沢 かおる から はじめなさい。」

かおる 「はい。」

かおるが真剣な表情をする。
すると私やクラスメイトの身体が宙に浮いた。

あかね 「わっ…すごい…」

クラスメイトの人も何度みてもかおるの能力に驚いていた。
すると かおるは先生に向かって命令をした。

かおる 「先生、本…読んで下さい。」

先生 「え?」

すると先生はかおるの言うとうりに本を読み始めた。

先生 「っ…口がかってに…」

かおる 「…そこまで」

その言葉の合図と共に先生が本を読むのを止めた。

先生 「わ…わたし…」

かおる 「先生、もういいですか?」

先生 「…えぇ、さすが完全支配能力者ね、合格よ。」

あかね 「すごいね!かおる、またレベル上がったんじゃない?」

かおる 「ありがとう、でも人のこと褒めてる暇あるの?」

あかね 「うっ、だって…」
 
先生 「次、第52位の〝松崎 恵〟はじめなさい。」

恵 「はいっ!」

かおるの時と同様に恵は真剣な表情をする。
すると恵の目線の先にフワリと優しい風が吹き始め それがだんだんと荒々しくなり止めを刺すように恵が叫ぶ。

恵 「はっ!!」

あかね 「っ…竜巻だ」

恵の能力によって生み出された竜巻はだんだんと威力を増している。

先生 「51位の記録を上回りました。よって元51位の者を52位に下ろし、51位は松崎 恵となります。」

恵 「ありがとうございます!」

恵のテストが終わると竜巻の威力が弱くなりだんだんと消え始めた。

先生 「次、53位のー…」

あかね 「恵もレベル上がったね!おめでとう!」

笑顔で恵の元へより、おめでとうと祝福する。すると恵は心配そうに返事をする。

恵 「あぁ、あかね、ありがとう。 でも大丈夫なの?あかねまだ自分の能力も知らないんでしょ?テスト…またパスするつもり?このままじゃ卒業できないよ?」

あかね 「うん…そうだね、頑張らなきゃ…」

かおる 「ま、中にはあかねと同じ様に無能力者がいるし焦らなくても大丈夫よ。」

あかね 「うん…ありがとう…」

恵 「…さっ、つばきちゃんのところ 行くんでしょ?早く行こ、もう待ってるかもしれないし」

つばきちゃんとは私の妹のことだ。
今日は私とつばきと恵、かおると出掛ける予定だった。

あかね 「そうだね」

先生に自分がテストを受けないと言い、教室を抜けつばきとの約束の場所に向かった。

約束の場所に着くと向こう側からつばきが小走りで私たちによってきた。

つばき 「お姉ちゃん!かおるさんに恵さんも、早かったね!」

あかね 「うん、予定より早く終わったからね。」
 
そう言うとつばきは急に冷たい目になりー

つばき 「受けたの?…テスト。」

あかね 「う…受けてないよ、受けれるわけないじゃん。」

つばき 「そう…」

つばきはホッとしたような焦ったような返事だった。

恵 「さーてとっ!どこ行く?」

かおる 「私はどこでもいいわ。」

あかね 「私もどこでもー!」

恵 「つばきちゃんは?どこか行きたいとこある?」

つばき 「私はショッピングモールに行きたいです。」

恵 「じゃあショッピングモールに行こっか 私もどこでもいいし。」

私たちは目的地を決め 学校から出て歩道を歩く。
すると曲がり角で人とぶつかってしまった。

あかね 「いたっ…!」

苦痛を口にするとぶつかってきた人が私のほうに振り返る。

桜華 「ああ…ごめんなさいね、急いでたものだから。」

あかね 「あ、いぇ…こちらこそ。」

桜華 「じゃあ。」

彼女の姿に思わず見とれてしまって彼女が去ったのにも気付かなかった。

恵 「あかね?」

恵の声で意識が戻った。

あかね 「綺麗な人だったね モデルさんみたい。」

恵 「いまのお嬢様学校の制服だったよ 」

かおる 「あの人、超能力者ランキング第10位よ。」

あかね 「え!第10位!あの人が?すごいね、名前はなんていうの?」

かおる 「たしか…〝山手 桜華〟能力は記憶操作だったかしら。」

つばき 「名前も綺麗ですね。」

かおる 「そうね 一度あの人と戦ってみたいものだわ。」

あかね 「え!かおる?」

かおる 「フフッ…冗談よ。」

恵 「びっくりした、本気かと思ったよ。」

かおる  「本気にするわけないでしょ。」

私たちはふざけあって 笑いあって いつものように過ごしていた。
そのとき 前から警備員の印をつけた女子高生が走ってきた。
なにやらすごい急いでるようだ。

恵 「若い警備員ね、こんなところにいるなんて…何かあったのかな。」

その時つばきが

つばき 「なにか変な音が聞こえませんか?」

あかね 「…え、そう?私には聞こえないけど…。」

かおる 「…聞こえる…これは…海?海の音?」

恵 「え?海?」

警備員 「はっ…!早く!早く逃げて!!」

あかね 「え?」

いきなり警報機が鳴り私たちに危険を知らせる。

「全市民に告げる!!!直ちに高い所に避難して下さい!!! これは訓練ではありません!!! 直ちに高い所に避難して下さい!!!繰り返します これは訓練ではありません!!!」

その警告を聞くと周りの人達が騒ぎ始めた。

「きゃー!!」

「避難命令だ!」

「にげろ!!」

恵 「あかね!!何ボケっとしてるの!」

かおる  「早く逃げるわよ!」

あかね 「っあ…うん!!」

つばき 「っ…」

私はつばきの様子がおかしいことに気がついた。 するとー

かおる 「つばきちゃん、あなたも何か感じる?」

つばき 「かおるさんもですか。」

恵 「二人ともどうしたの!?早くっ…!」

かおる 「これは大洪水ね きっと…どこへ逃げても助からない。」

あかね 「そんなっ…私達…ここで死んじゃうの…?」

その時 フッ と景色に巨大な影ができた。

恵 「あ..」

ドオオオン!!!! と でかい音 がなりながら私達に迫り来る。

かおる 「ふんっ…!!」

私はその光景をただ立ち尽くしてみるしかできなかった。

恵 「っ!!」

つばき 「かおるさん!」

私の周りに洪水がきてるのがわかる。
でも私は溺れていない。
私は恐怖を避けるため目を瞑っていた。
数分がたった時ー

かおる 「あかね! もう大丈夫よ。」

どうやら私達はかおるの 〝完全支配能力〟のお陰で助かったようだ。

だがそこらには死体といえるものがあちこちに転がっていた。

あかね 「っ…あ…」

恵 「そんな…こんなことって…」

つばき 「この大洪水…多くの人が亡くなったでしょうね。」
 
つばきがその言葉を放った瞬間私は大事なことを思い出した。

あかね 「お母さん!!お父さん!!」

つばき 「っ!い、家…家に帰らなきゃ…!」

恵 「待って!!」

恵が鋭い声で叫ぶ。

あかね 「恵?」

恵 「…あれ…なに…?」

つばき 「え?」

恵が指差したところには血だらけの女の人がたっていた。

あかね 「ひっ! っち…血が…!手、手当てしなきゃ…!」

かおる 「待ってって言ってるでしょう。 …様子がおかしいわ。」

つばき 「…っ..あの……大丈夫…ですか…?」

「……。」

恵 「うっ…う..ぁ…」

「ち…」

あかね 「…え?なんて…」

「血ィ…!ヨコセエエェ!!」

かおる 「下がって!」

血まみれの女の人が 〝血〟と叫びながら私たちによってきた。
それをかおるの完全支配能力で阻止する。

つばき  「かおるさん!」

恵 「っ、どうするの!?」

かおる 「正気を失ってる。 どうしようもない、彼女には少しの間ジッとしてて貰うわ。」

あかね 「ど、どう…するの?」

かおる 「はっ…!」

かおるが何かを念じるとロープが出てきて女の人を電柱に縛った。

恵 「こ、こんなことして、いい、のかな…」

かおる 「相手は私達に襲いかかろうとしてたのよ 仕方ないわ。」

つばき 「それよりお姉ちゃん…」

あかね 「あっ…!そうだった!家に帰らなきゃ!」

恵 「あかね!落ち着いて…!建物も崩れてくる可能性もあるし 慎重に行かなきゃ…」

あかね 「っ…でも、早く行かなきゃ…」

つばき 「お姉ちゃん、恵さんの言うとうりだよ。」

あかね 「うん…わかった…。」

そうして私達四人は私の家に向かい 警戒しながらすすんでると家についた。

あかね 「お母さん!お父さん!」

つばき  「どこにいるの!?」

すると二階からお父さんとお母さんが怪我なく普通におりてきた。

あかね 「お母さん、お父さん!よかった、無事だったんだね!」

お父さんの名前は〝赤坂 三郎〟お母さんの名前は〝赤坂 寿々代〟
二人ともすごく優しい私とつばきの両親だ。

三郎 「おぉ、あかね、お前たちも無事だったか、安心したよ。」

寿々代 「本当に、怪我もなくてよかった…」

つばき 「でもよく無事だったね、ここも被害があったとおもうけど。」

三郎 「あ…?あぁ、ちょうどお父さんの友達が遊びに来ててな、お父さんたちを超能力で守ってくれたんだ。」

寿々代 「本当、助かったわ~あの人がいなかったら今頃どうなっていたか。」

なぜかお母さんの言葉に不審がり かおるがあたりを見回す。

あかね 「かおる?」

かおる 「…その友達はどこに?」

そう言われるとお父さんが話していた友達はどこにもいない。

恵 「確かに、どこにいるんですか?」

三郎 「帰ったよ 自分の家族が心配だったんだろうね。」

寿々代 「危ないからって引き止めたんだけどね…」

かおる 「…そうですか。」

三郎 「そういえば かおるちゃんと恵ちゃんの家族は?無事だったのか?」

私はかおるの家族に会ったことがない。
なぜならー

かおる 「私の家族は海外にいるので…安否はまだ…」

恵 「私の家族は超能力者なので きっと大丈夫です。」

寿々代 「そう、それならいいんだけど…」

つばき 「どうなったんだろうね、みんな…」

かおる 「死んだ人の方が多いでしょうね。」

あかね 「テレビもなにもやってないね…」

三郎 「かおるちゃん 恵ちゃん、今日はうちに泊まっていきなさい。」

恵 「え、でも…」

かおる 「恵、外を迂闊にうろつく訳にはいかない。ここは甘えましょう。」

恵 「う、ん。ありがとうございます。」

寿々代 「いえいえ、自分の家のように寛いでてもいいからね …お腹空いたでしょう、ご飯作ってくるわ。」

そう言うとお母さんは台所に行った。

お父さんは外を伺っていた。

恵 「それにしてもあかねのお父さんの友達凄いね、家までも大洪水から守るなんて。」

かおる 「本当に、何者かしら。」

あかね 「一体だれなんだろ、つばき誰か知ってる?」

つばき 「私も知らない…それよりさっきの血まみれの人のこと言わないの?」

あかね 「信じてくれるかなぁ…」


つばき 「どうだろ、でもこんなに被害がお大きいんだしあんな状態になってもおかしくなかったのかな…」

恵 「おかしすぎてしょ!正気じゃなかったよ!やばいよ、あれは!!」

かおる 「そうね…この世界は…終わるのかな…」

あかね 「な、何言ってるの かおる…」

かおる 「だって、この家の周り…血だらけの人間でいっぱいよ。」

かおるが真剣な目をして窓の外をみている。
私もそこを覗いてみると血だらけの人間が大勢いた。どの人も普通じゃない様子だった。

あかね 「な、な!なにこれえぇ!」

恵 「ひっ!やばい!やばいって!」

つばき 「っ…そんな…」

かおる 「外へ出れば間違いなく襲われる。…殺すしかないでしょうね。」

恵 「な、なに言ってるの かおる!」
 
かおる 「殺さないと自分が殺されるわよ、あの様子じゃね…。」

あかね 「そ、そんなの分かんないじゃん!」

かおる 「じゃあ確認してきて?襲われないって証拠をみしてよ。」

つばき 「…私も、あの人たちに近寄るのは危なすぎる…と思う。」

あかね 「っ…」

恵 「殺すのは反対だよ!人を殺すなんてできない!」

かおる  「…はっ、恵は綺麗事ばっかり。」

かおるが鼻笑をするが目は笑っていなかった。

恵 「…かおる、とうとうおかしくなっちゃったの。人を殺すなんて…」

かおる 「…あなた達は何もわかってない。さっきの大洪水は…あの化け物が現れる前兆だという事が。」

あかね 「え!?なにいって…そんなことあるわけ…」

つばき 「…お姉ちゃん…みんな、早くここからも逃げたほうがいいと思う。」

かおる 「つばきちゃんもそう思う。」

恵 「まさかあの人たちが入ってくるとでも…!?」

かおる 「そうよ。今は私達の様子を伺ってるだけよ。〝今だ〟という時に乗り込んでくると思う。」

あかね 「そんな、そんな…」

つばき 「早く。」

恵 「いくらなんでもさっき襲われそうになっただけでそんな…」

つばき 「早く逃げないと。」

あかね 「っ、つばきもそう思うの?」

つばき 「うん、信じて。 ここにいたら危ない。」

あかね 「っ…わかった、信じる。お父さんとお母さんに相談しなきゃ…」

つばき 「お母さんとお父さんは置いていく。」

つばきは耳を疑うような言葉を発した。

あかね 「いま。なんて…」

つばき 「親は置いていく。連れてっても邪魔になるだけ。それに、お父さん達は大丈夫。」

あかね 「…なにいって……だ、大丈夫ってなんでそんなこと言えるの?」

かおる 「理由なんてどうでもいいでしょ。早く、裏口から抜け出すわよ。」

恵 「…わかった…みんながかおるを信じるなら、私も信じるよ…」

かおる 「ありがとう…こんな事を言い出しっぺだから…私があなた達を守ってみせる。」

恵 「ありがとう、でも自分のことは自分で守るよ。」

かおる 「そう…」

あかね 「っ…私も…お母さんたちを信じる…きっと無事だって…」

かおる 「裏口は?どこに?」

つばき 「台所の横の部屋にあります。」

私たちは裏口に向かった。
するとー

三郎 「どこへ行く」

突然 お父さんが出てきた。

かおる 「どこにも、部屋を見回ってるだけです。」

三郎 「…そうか、あんまりうるさくするなよ。」

あかね 「う、うん。」

何故だろう、お父さんがはじめて怖く感じた。
なんだか嫌な予感がする。
その予感は的中するのだったー。

裏口に辿り着き、ドアを開く。

恵 「…よし、誰もいないよ。」

かおる 「私が一番に行くわ。」

そう言いかおるから外にでる。
次につばきが出て、その次に私が出た。
最後は恵が出るときだった。

寿々代 「あらぁ…どこにいくの?」

びくっと身体が反応し、私はお母さんに驚く。

あかね 「お、かぁ…さん…」

寿々代 「…どこに…いくのって聞いてるの。」

お母さんの様子がおかしいことにすぐに気づいた虚ろな目、片手には包丁、口をパクパクと動かしていた。

恵 「ちょっと…外の空気を吸いたくてですね…」

恵が笑いながらお母さんにそう言うとー

寿々代 「駄目よ。外は駄目。私達と一緒にここにいるの。あかね、帰ってきなさい。」

かおる 「行っては駄目よ。」

あかね 「う、うん。」

行けなかった。足は動かず。
お母さんのところにいこうと思わなかった。

寿々代 「つばき、あかねを連れてきて。」

つばき 「っ!そ、それは…」

寿々代 「…早く…つれてこいよおぉ!!!」

あかね 「っ!!?」

寿々代 「なんの為に今まで育ててきたんだよぉ……こんな面倒な事を押し付けられてよおぉぉ…早く…早く……たいのに…」

お母さんの言った最後の言葉を私は聞き取れなかった。
するとつばきはー

つばき 「…あなたにお姉ちゃんは渡さない。」

あかね 「…つばき…?」

するとー

寿々代 「お前…裏切るのか、裏切ったらどうなるかわかってるのか…」

あかね 「お母さん、何いってるかわからないよ…!」

つばき 「わかってる。でも…台本通りにしただけだから。」

あかね・恵  「台本?」

寿々代 「台ほんんんん?だとおぉ??私はそんなの知らないぞ!!」

つばき 「あったり前じゃない、だって、あなた達には知らされてないもの。」

寿々代 「なにっ!?…くそおぉ…ちくしょおぉ…裏切りは許さない…ゆるさない!!!」

あかね 「お母さん…!!」

私にはお母さんとつばきの話してることがわからなかった。
お母さんは興奮しきっている。
するとー

あかね 「恵!!!」

お母さんが恵に包丁を肩に深く刺していた。

恵 「あっ…ぐっ…!」

恵の顔は苦痛で歪んだ表情をする。

あかね 「恵!!!お母さんなにして!!?」

恵のところに行こうとするとつばきとかおるに止められた。

あかね 「なにっ!?邪魔しないで…!」

かおる 「落ち着いて。」

私が どけ と叫んでるとお父さんが来た。
お父さんにお母さんを止めてもらおうと言おうとするとー

三郎 「なんだお前、もう殺したのか。」

耳を疑った。

あかね 「…いま…なんて…」

恵 「うっ…うう…」

三郎 「まさか…バレる前に殺すことになるとはなぁ~なにしてんだよお前。」

寿々代 「つばきが裏切ったのよ!!仕方ないでしょ!もっとじっくりおいしく育てたかったのに!!」

あかね 「おいしく…?裏切る…?なにいって…」

三郎 「そっか、なら仕方ないな。でも もう食べ頃なんじゃないか?もう我慢しなくてもいいだろ。」

寿々代 「あはっ…あんたもそう思う?じゃあ…」

お母さんとお父さんが私のほうを向く

つばき 「お姉ちゃん!下がって!」

あかね 「え?え?」


私は今起きてる現場がわからなかった。
お父さんとお母さんはなにを言っているのかも。

かおる 「…この化け物が…」

あかね 「え?」

かおる 「見てわからない?あかねの親…まるで血まみれの人たちと一緒の目をしてる。」

あかね 「うそ、うそ…うそ…」

私は後ずさる
お父さんとお母さんから目を逸らせない。
するとお母さんが恵に近づきー

恵 「あ…!あ…!ああああああぁぁぁ!!!!」

お母さんは恵の傷口に口を近づけー〝喰べ〟
はじめた。

恵 「いいっ…っ!!ああああああああ!!!!!」

あかね 「ひっ!!!あ、あ…めぐ、恵…」

恵の叫び声がだんだんと小さくなってくる。

恵 「ああぁぁぁ…」

寿々代 「んふっ、おいしかった。あーあ、もう死んじゃったよ。人間は脆いねぇ。」

私は指一本さえも動かなかった。
身体がうまくうごかなくお母さんから目が離せなかった。
よくみると恵はもう息をしていなかった。

あかね 「な…なんてことを…」

かおる 「恵……」

つばき 「かおるさん、お姉ちゃんを連れて逃げて下さい。」

あかね 「つばき?なにいって!どうするきなの!?」

寿々代 「あーあかね…早くこっちにおいで。」

三郎 「あかね。親に逆らうのか~?今まで育ててもらったぁ…のにー?」

あかね 「や、だ…やだ…どうしちゃったの…?」

つばき 「お姉ちゃん、逃げて。」

あかね 「つばきをおいて逃げるなんてできないよ!」

つばき 「私なら大丈夫。信じて …お父さんとお母さんと呼ぶべきではないよね…もう…ここまで来たんだから…!」

あかね 「つばき!!」

つばきがお母さんとお父さんのほうへ近づく。

かおる 「あかね!!逃げるわよ!早く!」

あかね 「やだ!やだぁ!!」

私は泣きながらつばきの元へ行こうとするが かおるに止められ逆方向に向かわされる。

かおる 「っあかね!しっかりして!つばきちゃんはあかねの為に囮になったのよ!そのつばきちゃんの犠牲を無駄にしたいの!?」

あかね 「…かおる…でも…つば…」

かおる 「つばきちゃんなら大丈夫よ きっと    …信じましょう。」

あかね 「……わか…た」

ー私とかおる は数分 走ったところで身を隠した。
数十分待ったがー

あかね 「つばき…おそくない…?」

かおる 「…なにか、あったのかしら。」

あかね 「ね…様子…見に行かない?」

するとーガタッと物音がしたところをみると血だらけになったつばきが崩れるように座っていた。

あかね 「つばき!」

つばき 「っ…はぁっ…あ…」

あかね 「酷い怪我…すぐに手当てしなきゃ…!」

かおる 「血が…止まらない。」

あかね 「つばき!しっかりしてよ!お願いだから…つばき…」

つばき 「う…にげ…て…」

あかね 「つばき…しっかりして、頑張って…」

つばき 「よく…聞いて…お姉ち…ゃん…ぅっ……あの人達は…私たちの…本当…の…親…じゃ、な…い……」

あかね 「…へ?」

また私は耳を疑った。
つばきは何を言っているのか。

つばき 「どうか…真実に…辿り着いて…」

あかね 「つばき…喋っちゃだめだよ…傷口が酷くなっちゃう…」

かおる 「あかね…つばきちゃんの言うこと…聞いてあげなよ…」

あかね 「っ…」

つばき 「どうか…〝那夜〟を…助けて…あげ…て…」

あかね 「ー那夜?」

つばき 「いつか…どこかの世界で…みんなが幸せになれる日が…くるといいな…」

あかね 「待って、なにを言ってるの!?つばき!那夜って誰!?つばきは何を…」

つばき 「大丈夫ー…お姉……ちゃん…私が守る…から…」

あかね 「つばき…つばき…?」

かおる 「あかね…」

気づけばつばきは動かなくなっていて息もなかったー。

あかね 「つばき…つばき…そんな…」

私は怒りに満ちていた。
つばきの死ぬ間際に言った言葉。
お父さんとお母さんが私達の本当の親じゃない。

あかね 「真実って…なに…?なんなの…?つばき…教えてよ…ねぇ…」

かおる 「真実に辿り着くこと、それがあなたの使命だと思えばいい。私のことや那夜のことも…じゃあ…私 行くね。」

あかね 「かおる?」

かおる 「いつかまた出会えるといいね。」

そう言うと かおるは一瞬で姿を消した。
するとその向こうから誰かがこちらに向かってくるのがわかった。水色の長い髪をもった人ーそしてその人はこう言った。
 「やっと みつけた。」とー。
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