麗しの華が咲く奇跡

琉明

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第1章 選ばれし者

第3話 開花した力

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私と柚吹はずっと歩き続け隣町に来ていた。
私の元いた街と一緒で今にも崩れそうなビルやー死体、落ちてきた瓦礫の残骸でいっぱいだった。

ヨナ 「ーもう、生きてる人はいないのかな…」

柚吹 「きっと生きてるはずよ この街は能力者が大勢いると聞いたから。能力を上手く使いこなせてたら助かってるでしょうね。」

ヨナ 「そうなんだ、知らなかった…」

柚吹 「そういえば、ヨナの能力は?ちゃんと使いこなせてる?」

ヨナ 「え?使いこなせてるって私、〝無能力者〟だよ?」

柚吹 「何言ってるの、ヨナは昔から〝無効化〟っていう能力をもってるでしょ?」

ヨナ 「へ?無効化?初めて聞くけど…」

私が能力者?そんなはずはないと思っていた。

柚吹 「それも記憶を消されてるのね…無効化はすっごいレアなの。だから誘拐される人もいるの。」

ヨナ 「私、能力者だったんだ…?それに誘拐するほどってそんなに貴重なんだ…」

柚吹 「レイラ様も…無効化の能力者だったのよ。」

ヨナ 「お母さんも…」

〔だったの〕なぜ過去形?私は疑念に思うのだった。まるでもうこの世にいないかのような能力を失ったかの言い方だった。

柚吹 「きっとヨナもレイラ様と同じようにすぐに使いこなせるわ。」

ヨナ 「うん、だといいんだけど…」

〝無効化〟相手の能力を打ち消し自分の身を守る能力ー
簡単にいうと〝結界〟みたいなものだ。

柚吹 「あ、あそこに人がいる。」

ヨナ 「え?どこ?」

柚吹 「ほら、あそこ…」

柚吹が指差す方をみた瞬間 目を疑った。

ヨナ 「な、なんであんなところに…」

私と同じ歳ぐらいの学生服を着てマフラーをしている男子高生が電柱のてっぺんに座っていたのだ。

柚吹 「間違いない、能力者だわ。どうする?」

ヨナ 「え、どうするって…言われても…」

柚吹 「話しかけましょうか。」

ヨナ 「そうだね、せっかく会ったし…」

柚吹「ちょっとー!そこのマフラーの人!聞こえるー?」

琉衣  「…なに。」

柚吹 「…無愛想ね。ちょっと降りてきてよ。」

琉衣 「ーなんで?」

柚吹 「話したいからよ!言わなくてもわかるでしょ!」

琉衣 「チッ、めんどくさいな。」

そういいながらも降りてきてくれた。
悪い人ではなさそうだ。

ヨナ 「あ、の、降りてきてくれてありがとう…」

琉衣 「ん?ああ…で なに?」

柚吹 「あなた能力者よね?生きてるし…」

琉衣 「ーだったらなに。」

柚吹 「お願いがあるの、私と一緒にこの子を守ってくれない?」

ヨナ 「え?聞いてないよそんなの…!」

琉衣 「はぁ?なんで俺がそんなめんどくさいこと…」

みるからに嫌そうな顔をする。

ヨナ 「いっいいよ!柚吹!自分の身ぐらい自分で守らなきゃ…」

柚吹 「でもね、今のヨナにはむりよ…仲間を作らなきゃ…」

ヨナ 「仲間?」

柚吹 「そう、最低五人は仲間を作らなきゃいけない。常識よ?ましてやこんな世界じゃね…」

ヨナ 「そっか、なるほど…」

琉衣 「俺はそんなもんに付き合わないからな。」

柚吹 「断るってゆーのっ!?あんた死にたいわけ!?」

琉衣 「はぁ?」

柚吹 「人間が人を襲うところよ、安心して一人では寝れないんじゃない?」

琉衣 「殺されてーの。」

柚吹 「そうね、じゃあ勝負しましょう。負けたら私を殺していいわ。でも私が勝ったらーヨナを守ってもらう手伝いってゆーの?私たちの仲間に加わってもらう…!」

ヨナ 「や、やめようよ、柚吹…殺すって…」

琉衣 「おーけい。…自信があるみたいだな むかつく。」

柚吹 「私が何年 生きてると思ってんの?負けるはずない。」

琉衣 「へぇ?見た目と違って結構 年いってるんだ。」

ヨナ 「柚吹 …!」

柚吹 「大丈夫よ、人間相手に私が負けると思う?」

柚吹は余裕そうな顔つきだ。

琉衣 「やっぱお前ーむかつくー…!」


そういい マフラーをつけた男の人が柚吹に向かっていく。

柚吹 「さぁさ、あなたの力を私にみせて…!」

琉衣 「っ…!いちいちお前むかつく!」

ヨナ 「柚吹 !」

柚吹 「!」

琉衣 「はあっ!」

男の人が柚吹に向かって前蹴りをする。

柚吹 「…っと…なにそれ、ふざけてるの。」

綺麗に柚吹がそれを避ける。

琉衣 「俺は雑魚には能力を使わない主義なんだ…よっ!」

次は跳び蹴りがきたがまた柚吹は綺麗に避ける。

柚吹 「ずいぶん舐められたものだわ。じゃあ先に私がみせてあげる。…降れよ吹雪、客人に凍てつく闇を!」

琉衣 「くっ!?」

ヨナ 「す、すご…!」

柚吹の言葉の合図と共に猛吹雪がくる。とても目が開けてられない様子だが私には柚吹の吹雪は当たらなかった。柚吹が私には当たらないようにしてくれてるようだ。それとも、私が反射的に無効化を使ったからか。
今の私にはわからない。

琉衣 「チッ!なんだよこれっ!目が…」

柚吹 「さぁ早く能力を使わないとー死ぬわよ。」

ヨナ 「ゆっ、柚吹!やりすぎだよ!本当に死んじゃったらどうするの!」

琉衣 「くっ!スピードじゃ…俺が早いんだよ…!」

柚吹 「っ!」

男の人は瞬間移動でも使ったかのように素早く柚吹の背後に回った。

柚吹 「凍てつけ!」

琉衣 「おらああぁっ!!」

柚吹が自身の前に氷の盾を作る。
ーが、男の人に破られてしまった。
そのまま柚吹は蹴られてしまい倒れる。

柚吹 「がはっ!」

ヨナ 「柚吹!!」

琉衣 「ふん…俺を甘くみるからだよ。…じゃあ…死ぬ…?」

ヨナ 「や、やめて!」

私は男の人の前に立ちはだかる。

柚吹 「ヨナ…私はまだ戦えるわよ!」

琉衣 「お前も死にたいの…なら…!!」

男の人が私のほうに向かってくる。
気づけば私の目の前にいて足を振り下ろしているのがみえた。

柚吹 「ヨナにげて!」

ヨナ 「っ!!」

私は目を瞑り強く自分を守れと祈る。
ドガアァン!!と大きい物音がする。

琉衣 「なっ…なんだこれ…」

恐る恐る目を開けると男の人が驚きながら私をみつめていた。

柚吹 「あ…あれは…」

ヨナ 「もしかして…これが私の能力…」

目には見えない盾が私を守ってくれた。

琉衣 「…お前、何者だ。」

ヨナ 「…」

柚吹 「…ヨナ?」

ヨナ 「あなたこそ何者か名乗ってちょうだい。名前を聞くときはまず自分から名乗る…常識でしょ?」

琉衣 「…はっ…まさか、こんな小娘に負けるなんてな。」

男の人は観念したように話し出した。

琉衣 「俺は 〝泉 琉衣斗〟…17歳だ。超能力は 〝身体強化〟」

柚吹 「身体強化?体の筋力や反応速度を増す…ってやつ?」

琉衣 「そーだよ。で、お前の能力は?さっきのなに?結界?」

ヨナ 「ううん…あれは無効化だよ。」

琉衣 「無効化!?すっげぇレアなやつじゃん!」

ヨナ 「う、うん、そうみたい…」

琉衣 「すっげー…でもなんだかまだ使いこなせてないって顔だな。」

ヨナ 「っ!」

びくりと身体が跳ねてしまう。

琉衣 「図星かー。」

柚吹 「ちょっと!ヨナにそんなこと言わないでくれる!」

琉衣 「あー?なんだよさっきからむかつくなお前。」

柚吹 「なんですって?」

ヨナ 「ちょ…喧嘩はやめようよ、こんなところで…」

琉衣 「そーいやお前の能力聞いてなかったわ。なに?」

柚吹 「私は能力者じゃないわよ。」

琉衣 「はぁ?使ってたじゃん。雪とか。」

柚吹 「あれは私が雪女だからよ。」

琉衣 「はっ…?なにいってのお前!」

琉衣斗という人は柚吹を馬鹿にしたように笑う。

柚吹 「…凍らすわよ…」

琉衣 「へぇ、面白いじゃん。」

ヨナ 「柚吹!やめたよ…」

琉衣 「へぇー柚吹ってゆーんだぁ。そっちのお前は?」

ヨナ 「私?私は 牡 夜那 だけど…」

琉衣 「変わった名前だな。日本人じゃないの?」

ヨナ 「え、日本人…だよ?」

なぜか私は自信なさそうに言ってしまった。

柚吹 「それより、あんたどうするの?」

琉衣 「は?なにが…」

柚吹 「私ではないけどヨナがあなたに勝ったでしょ?」

琉衣 「…」

琉衣という人は自分の頬を指でカリカリとかく。

琉衣 「ー守ればいーんだろ。その女。」

柚吹 「そーそ。それでいーわ。」

ヨナ 「あ、ありがとう…私のことはヨナで…あなたのことはなんていえばいい?」

琉衣 「琉衣でいいよ。」

ヨナ 「じゃあ、琉衣…」

琉衣 「うん。」

柚吹 「じゃあ、仲間一人ゲットね。」

柚吹が笑顔で言う。

琉衣 「なんだよゲットって俺は物じゃねぇぞ。」

ヨナ 「これからよろしく、琉衣。」

琉衣 「…ふん、お前もなヨナ。」

琉衣は少し嬉しそうに返事を返してくれた。

柚吹 「もう人間はいないのかしら。」

琉衣 「あんだけ俺らが暴れて来なかったんだ。もう いないんじゃないの。」

ヨナ 「っ…この街が一番能力者が多いのにこれじゃあ他の街は…」

琉衣 「…俺腹減った。」

柚吹 「え?まだ昼前よ?」

琉衣 「俺、昨日からなんも食ってないから。お前らなんか食ったの?」

ヨナ 「そういえば…食べてないね。大洪水でスーパーやレストランとか畑もなにもなくなったし…」

柚吹 「そっか、それもそうだったわね。すっかり忘れてたわ。」

琉衣 「あー腹減ったー。」

柚吹 「…とりあえず~レストランに行ってみる?冷蔵庫の中身とか…大丈夫なものがあるとおもうし…」

琉衣 「さんせ~早くいこーぜ~」

琉衣はさっきの態度とは違うくて口は悪いが優しい口調だった。

ヨナ 「そうだね。そこへ向かおうか。」

柚吹 「私が先頭をいくわ。」

琉衣 「かってにすれば~」

私たちが無理やり仲間に入れちゃったかなと思っていたが意外にも馴染んでいた。

ヨナ 「琉衣は身体強化でどうやって大洪水から助かったの?」

琉衣 「あ~それね~…」

琉衣が面倒くさそうに喋り出す。

琉衣 「一緒にいた奴が守ってくれたんだけどさー変な化け物に喰われてそいつ死んだんだよ。」

ヨナ 「そうだったんだ…なんかごめん…」

琉衣 「いいよ別に。そんな親しい奴じゃなかったし…」

柚吹 「…琉衣、ちょっとは警戒して歩きなさいよ。」

琉衣 「うっせぇな。柚吹は前見て歩けよな。」

柚吹 「あ!今私のこと呼び捨てにしたでしょ!年上に向かって!」

琉衣 「別にいーだろ。面倒くさい。それにヨナだってお前のこと呼び捨てじゃん。」

柚吹 「ヨナはいいのよ!」

琉衣 「差別ださーべつ。」

ヨナ 「あの、柚吹…これから仲良くするし…いいんじゃない…かな?」

柚吹 「ヨナがそう言うなら。」

琉衣 「はっ、なんかくだらない言い合いだな。」

柚吹 「ふん。」

この二人はどうやら仲が思ったより悪い。
でも二人とも仲の良い友達みたい。

暫く歩いてー

柚吹 「あ、あれじゃない?レストラン。」

ヨナ 「よかった!潰れてないね。」

琉衣 「きったねーこんな中はいんのかよ…」

柚吹 「文句言わないの。ちゃんとヨナを守ってよね。」

琉衣 「わーってるよ。」

ヨナ 「っ…まだ夕方でもないのに暗いね…」

柚吹 「足元に気おつけてね。」

だんだん建物の中に進んでいくと冷蔵庫をみつけた。

ヨナ 「あった。」

琉衣 「中身大丈夫かー?」

柚吹が冷蔵庫をあけると野菜や肉類などいろいろと入っていた。中身は水浸しや汚れてないから大丈夫だと思われた。

ヨナ 「思ってたより綺麗だね。」

琉衣 「俺 肉ね。さっさと焼いてよ。」

柚吹 「わかったから命令しないで。」

ヨナ 「ちょっと…また喧嘩…」

柚吹 「喧嘩じゃないわ!大丈夫!ごめんね。」

琉衣 「ほーんとにヨナに過保護だね。」

そのときー

柚吹 「…?なんか、足音がしない?」

ヨナ 「足音?」

琉衣 「…するな。こっちに向かってくる。」

ヨナ 「まさか また あの化け物?」

柚吹 「琉衣、ちゃんとヨナを守ってよ!」

琉衣 「はーいはい。誰が来るのかねー 足音からして一人だな。」

私たちは静かしに耳をすます。
だんだんと足音がこちらに向かってくる。
私たちを狙ってる?
それともー そう思ってるときいきなり足音が変わった。

ヨナ 「走ってる…!」

琉衣 「静かにしろ。おい 柚吹 戦う用意しとけよ。」

柚吹 「もうできてるわよ。」

足音がこの部屋の前に来たと思った瞬間 足音の主はドアを蹴破りながらこちらに走ってきた。

ヨナ 「っ!!」

はやい!!
あたると思ったとき琉衣が私と足音の主の間に入った。

琉衣 「ー。」

琉衣は身体強化で私を守ってくれた。

柚吹 「なっ…学生じゃない!?」

柚吹が驚いたように言うのでちゃんと飛び込んできた人をみると学生服をきていた。それと信じられないことは両手に剣を持っていた。

琉衣 「学生とか関係ないね。喧嘩を売られたら買う!それが俺なんでね…!」

ヨナ 「琉衣!」

琉衣は 学生服 の少年に向かって走る。

琉衣  「名を名乗れ!」

晶 「僕は晶ー」

晶と言う少年は琉衣に両手に持っている剣を振り下ろす。

琉衣 「くっ…!」

間一髪 それをかわす。

ヨナ 「琉衣の身体強化についてこられるなんて…」

柚吹 「すごいわね。あれは貰わないとね。」

ヨナ 「え?」

柚吹 「あの少年は仲間に必要だわ。だから、私も戦うわ。」

ヨナ 「え、そうなの?でもー。」

柚吹 は私の話を最後まで聞かずに琉衣と少年の方へ行ってしまった。

琉衣 「お前 なんで俺たちを襲う。」

晶 「…」

柚吹 「言わないと凍らすわよ!」

晶 「…増えてる。」

柚吹 「最初からいたわよ!あんたが無視してたんでしょ!」

晶 「もう一人いる。」

そう言いながら私の方へ視線を向ける。

ヨナ 「っ。」

琉衣 「おい、さっさと俺の質問に答えろ。」

晶 「ここは僕の食料庫だ。勝手に荒らされては困る。だから痛めつけてやろうと思った。ただそれだけ。」

琉衣 「…ふぅん」

柚吹 「なんだ、そんなことだったの。」

晶 「わかったら さっさと出て行きなよ。」

ヨナ 「あの、そう言わずに私たちに食料を分けてくれないかな?」

私は勇気をだしてその少年に話しかける。

晶 「僕の食料が減ると困る。」

柚吹 「じゃあ、あんたそれを調理できるの?」

晶 「!」

柚吹 「その様子じゃできないようね。料理もまともにできなさそうだし。」

晶 「じゃあお前作って。なら食べていいよ。」

琉衣 「それいーじゃん。」

柚吹 「…違う。」

琉衣 「は?」

柚吹 「私たちはあなたに仲間に加わってほしいの。」

琉衣 「はぁっ!?」

晶 「仲間?何言ってんの。こんな世界に仲間なんていらないじゃん。楽しいことだってないしさぁ。」

柚吹  「私たちと共にくればいっぱい戦えるわよ。」

柚吹 が自慢気にしゃべる。
すると少年はー

晶 「本当かっ!」

少年は嬉しそうに柚吹に目を向ける。

琉衣 「え、そんなことで落ちるのか?お前…」

ヨナ 「確かに…」

私たちは唖然と少年と柚吹をみていた。

柚吹 「本当よ。私たちの仲間になる条件はまずヨナを守ること。」

晶 「ヨナ?誰それ。」

ヨナ 「あ、私…のこと。」

晶 「ふーん…で?次の条件は?」

私の事を目を細くしながら見つめてくる。
そして柚吹に視線を戻す、

柚吹 「これからあなたは妖怪や化け物と戦うことになる。その覚悟があるか。」

晶 「妖怪!すっげぇ!あるある!覚悟ある!」

柚吹 「そう。次は私たちを裏切らないこと。」

晶 「うんうん。妖怪と戦えるなら守るよそんな約束。」

柚吹 「そ、次の条件。 自己紹介なさい。」

晶 「ん?僕の?」

柚吹 「そうよ。正直に自己紹介なさい。」

晶 「おっけー。僕の名前は〝雨宮 晶〟17歳。」

琉衣 「おい、超能力も教えろよ。」

晶 「え~?なんで?なんの為に?」

柚吹 「私たちと共にきたいなら超能力を教えて。共にきたら沢山 妖怪をその剣で切らしてあげるけど。」

晶 「ん~」

ヨナ 「柚吹!?妖怪って、柚吹は妖怪なんじゃ…同族を売る気!?」

晶 ・琉衣 「は?」

柚吹 「…中にはね死ななきゃいけない妖怪もいるのよ。」

ヨナ 「…サラ…という人…?」

柚吹 「他にも沢山いるわ。」

晶 「君、妖怪なの?」

柚吹 「えぇ。」

晶 「まっじで!すげー!妖怪が仲間とかテンションあがる~」

琉衣 「俺は信じないからな。」

柚吹 「今信じてもらわないとあとあと面倒くさそうね。」

そう言うと柚吹は静かに目を閉じた。

ヨナ 「柚吹 ?」

柚吹 「凍てつけ…!」

その時 柚吹が片手を前に出し握りしめたとき電柱の残骸が凍り出した。

晶 「…んー、雪使いとかじゃないの?それ。」

柚吹 「…わたしは超能力者じゃない。雪女。そんな格下の雪使いと一緒にしないで。」

琉衣 「ふーん…まぁ俺はどっちでもいいけどさー。」

晶 「わかったよー。もう。僕の超能力は〝透視能力〟隠れているものが見えるし 見えないものをみたりすることができるんだ。」

琉衣 「へー…その能力をどう使ったら俺の身体強化についていけるんだ?」

晶 「え?あのときは僕 能力使ってないよ。僕、元々 運動神経がいいんだ。」

琉衣 「なっ…それだけ?」

晶 「そーそー。これでいいの?妖怪と戦える?」

柚吹 「ええ。あなたを…いえ。晶を私たちの仲間にいれるわ。」

晶 「やったー!」

琉衣 「俺はこんなやついらねぇよ!」

晶が喜んでる最中 琉衣は怒っていた。

晶 「え~?君、誰ぇ?」

琉衣 「俺は琉衣だよ! 泉 琉衣斗!!」

晶 「ふーん。琉衣は身体強化なんだね。」

琉衣 「てめっ…!いきなり呼び捨てにしてんじゃねぇよ!それになんで俺の能力しってんだよ!」

晶 「別にいーじゃんかー。君は馬鹿なの?さっき身体強化って自分から言ってたじゃんか。」

琉衣 「おっめぇー!!」

ヨナ 「ちょっと琉衣!喧嘩しないでよ!」

琉衣 「なんで俺だけ怒るんだよ!」

ヨナ 「だって琉衣から悪いこと言ったし…」

柚吹 「さっきも言ったけど、私は雪女の柚吹。」

ヨナ 「あ、私はホ・ヨナ…」

晶 「君たち外国人?」

ヨナ 「いいえ…日本人…」

柚吹 「…私は妖怪の国から。」

晶 「じゃー今からそこに連れてってよ。」

柚吹 「さすがに今からは無理よ。妖怪の国はここからすごく遠いから。」

晶 「なーんだ…。」

晶はしょぼくれ力が抜けたように座った。

柚吹 「今にも。妖怪は私たちの前に現れるでしょう。」

ヨナ 「え?」

柚吹 「さっ、食事にしましょう。戦いに向けてね。私が作るわ。」

晶 「おいしいのねー。」

琉衣 「俺、うめぇもんじゃないと食べないからー。」

ヨナ 「私もなんか手伝うよ。」

柚吹 「男らはうるさいわねー。ヨナはゆっくり休んで、私一人で大丈夫だから。」

そう言い優しく微笑む柚吹 。

ヨナ 「そっか、手伝えることがあったら言ってね。」

柚吹 「ありがとう。」

そして私たちの仲間が増え私、柚吹、琉衣、晶の四人となった。

ヨナ 「ー」

そのとき私は何かの視線を感じた。

琉衣  「ヨナ!」

ヨナ 「っ!?」

晶 「っ!」

柚吹 「ふせて!」

私を琉衣と晶が守ってくれた。

ヨナ 「な、なに?」

どうやら冷凍庫室のドアが爆発したみたいだった。
そのとき煙の中から人影がみえた。

ヨナ 「あ、あのひと…」

琉衣 「いって…知ってるひと?」

晶 「いきなりなに~?」

ヨナ 「やまて…おうか…?」

桜華 「ー失礼。」

琉衣 「お前だれ。」

桜華 「誰でもいいでしょう。それよりご飯がなくて困ってるの。」

そういいながら冷凍庫のほうへ歩いていく。

晶 「あ、おい!僕のご飯!」

桜華 「ー。」

晶の言葉を無視しながら山手桜華は食料を選び始めた。

桜華 「これでいいかしら。…それじゃ。」

足早く山手桜華は出て行った。

晶 「な、なにあいつ!いきなりきて!全然気配なかったし!」

琉衣 「くそ!かってに俺らの食料取りやがって!おうぞ!」

晶 「さんせー!」

柚吹 「まって、深追いはやめなさい。もう夜遅いし 危ないわ。」

琉衣・晶 「…」

ヨナ 「っ、生きてたんだあの人…さすが…」

琉衣 「…さすが?」

晶 「誰あいつ!知ってるなら言えよ!」

ヨナ 「知ってるだけなんだけど…あの人の名前は山手桜華。超能力者ランキング第10位で超能力は記憶操作…しか私は知らない…」

琉衣 「第10位…」

晶 「なんだ、強いやつだったんだ。追えばよかった。」
 
柚吹 「だから深追いは危険だって。それにしても、そんな強い人が仲間に加わったら…」

琉衣 「明日探しに行く?」

柚吹 「ええ。こんないい機会めったにないわ。」

晶 「早く明日にならないかなー。」

ヨナ 「なんだか気難しそうな人だったな…」

柚吹 「さっ、早く明日に備えてご飯食べましょうか。」

ヨナ 「そだね。」

私たちは柚吹の作ってくれた晩御飯を食べ明日に備えて眠るのだったー。

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