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2章 奇妙な事件
2話 爆弾
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京雅が教室に入ろうとドアを開けると、友達と談笑をしていた蒋と目が合った。
蒋は周りの人たちに一言何かを言うと輪から抜けて京雅の方へと歩み寄る。
京雅の前まで来た蒋は、上目遣いで京雅の顔を下から覗き込んでニコッと笑った。
「おはよ、キョーガ」
「あぁ、おはよう」
その後、蒋は少し困っ様な顔を浮かべながらも再び口を開く。
「実はね………キョーガに頼みがあるんだ。その……聞いてくれる?」
困ったような表情を浮かべながらもハッキリとした、蒋特有の軽い口調で……でも、その口調とは裏腹に真面目な雰囲気でそう告げる。
「頼み?内容にもよるけど……なに?」
京雅はそう質問すると自分の席を目指し歩いていく。
京雅の後ろをついて行く蒋は、その質問に対して一拍置いてから口を開いた。
「最近……また変な視線を感じるんだ」
「変な視線って……またアレか?」
自分の席まで来た京雅はバッグを机の横に掛けると、少し驚いたようにしてそう聞き返した。
「たぶんね……僕、どうすれば良いかな?」
蒋は昔から可愛らしい容姿で、美少女と言う言葉が良く似合う人物だ。故にただ道を歩くだけでも異様なほど視線を集めるのだ。
そして厄介な事に、その中にはストーカーになるような危険人物もおり、蒋の言う『変な視線』とは、そう言う自分に対して邪な気持ちを孕んでいる視線のことを指しているのだ。
「そうか……うん、分かった。これからは当分一緒に過ごそう。その変な視線を感じたら遠慮せずにすぐに言えよ?」
「うん……ありがとね、キョーガ」
「気にすんな。それよりも抜けてきて良かったのか?楽しそうに話してなのによ」
京雅はチラッとさっきまで蒋が話していたグループの方へ視線を向ける。それにつられて蒋もその方向を見た。
そのグループも京雅たちのことが気になるのか、チラチラと視線を向けてきていた。
「気にしないで。友達よりも僕の唯一の親友の方がよっぽど大事だからね。それに……僕が一人になったら助けてくれるんだろ?」
ニコッとイタズラっ子のような笑みを浮かべて冗談にも聞こえる声でそう言った。
京雅は蒋のその発言に一瞬だけ顔を歪めた。
『唯一の親友』。きっと蒋は黎が何処かに行ってしまった事を知っていたのかもしれない。
京雅は探りを入れるためと、少しイタズラをしたくなり黎の話題でも出そうかと思った。
そして、京雅が口を開こうとした瞬間、急に蒋の顔が上がったと思うと、京雅でも、先程のグループでもない、場所……教室の前の扉の方に視線を向けて、ニコッと笑っていた。
「おはよう、瑛翔君」
「あ、うん、おはよ。蒋……くん?で、良いんだよね?」
瑛翔は困惑したような顔を浮かべて困ったような笑みで取り繕いながら蒋の名前を呼んだ。
その様子がおかしかったのか、蒋は口角がヒクヒクとしている。今にも失笑してしまいそうな勢いだ。
瑛翔はそんな蒋の様子に一切触れずに横を素通りして自分の机の方へと向かって行った。
「実はさ、さっき物騒な噂を聞いたんだ」
瑛翔は自分の机にバッグを置いてくると、再び京雅の机までやって来てそんな事を言った。
「物騒な噂?てか、さっきまでどこに行ってたんだよ?」
「トイレだけど?」
出鼻を挫かれてムスッとしてブッキラボウにそう答える。
蒋は京雅の机の上に浅く座ると瑛翔の目を見つめて真剣な声色で一言言い放つ。
「それは……殺人事件だよね?」
「えっ?!なんで知ってるの!?」
「殺人事件?」
蒋が指をパチンと鳴らして人差し指で瑛翔の方を指してキメ顔でそう言うと、瑛翔は慌てふためきながら問い返す。
唯一この状況に付いて行けてない京雅はポカンとしながら二人を視界に入れる。
「僕、犯人らしき人物とすれ違ったからさ」
「「…………は?」」
えへへと笑いながら蒋は爆弾をひとつこの場に投下した。
蒋は周りの人たちに一言何かを言うと輪から抜けて京雅の方へと歩み寄る。
京雅の前まで来た蒋は、上目遣いで京雅の顔を下から覗き込んでニコッと笑った。
「おはよ、キョーガ」
「あぁ、おはよう」
その後、蒋は少し困っ様な顔を浮かべながらも再び口を開く。
「実はね………キョーガに頼みがあるんだ。その……聞いてくれる?」
困ったような表情を浮かべながらもハッキリとした、蒋特有の軽い口調で……でも、その口調とは裏腹に真面目な雰囲気でそう告げる。
「頼み?内容にもよるけど……なに?」
京雅はそう質問すると自分の席を目指し歩いていく。
京雅の後ろをついて行く蒋は、その質問に対して一拍置いてから口を開いた。
「最近……また変な視線を感じるんだ」
「変な視線って……またアレか?」
自分の席まで来た京雅はバッグを机の横に掛けると、少し驚いたようにしてそう聞き返した。
「たぶんね……僕、どうすれば良いかな?」
蒋は昔から可愛らしい容姿で、美少女と言う言葉が良く似合う人物だ。故にただ道を歩くだけでも異様なほど視線を集めるのだ。
そして厄介な事に、その中にはストーカーになるような危険人物もおり、蒋の言う『変な視線』とは、そう言う自分に対して邪な気持ちを孕んでいる視線のことを指しているのだ。
「そうか……うん、分かった。これからは当分一緒に過ごそう。その変な視線を感じたら遠慮せずにすぐに言えよ?」
「うん……ありがとね、キョーガ」
「気にすんな。それよりも抜けてきて良かったのか?楽しそうに話してなのによ」
京雅はチラッとさっきまで蒋が話していたグループの方へ視線を向ける。それにつられて蒋もその方向を見た。
そのグループも京雅たちのことが気になるのか、チラチラと視線を向けてきていた。
「気にしないで。友達よりも僕の唯一の親友の方がよっぽど大事だからね。それに……僕が一人になったら助けてくれるんだろ?」
ニコッとイタズラっ子のような笑みを浮かべて冗談にも聞こえる声でそう言った。
京雅は蒋のその発言に一瞬だけ顔を歪めた。
『唯一の親友』。きっと蒋は黎が何処かに行ってしまった事を知っていたのかもしれない。
京雅は探りを入れるためと、少しイタズラをしたくなり黎の話題でも出そうかと思った。
そして、京雅が口を開こうとした瞬間、急に蒋の顔が上がったと思うと、京雅でも、先程のグループでもない、場所……教室の前の扉の方に視線を向けて、ニコッと笑っていた。
「おはよう、瑛翔君」
「あ、うん、おはよ。蒋……くん?で、良いんだよね?」
瑛翔は困惑したような顔を浮かべて困ったような笑みで取り繕いながら蒋の名前を呼んだ。
その様子がおかしかったのか、蒋は口角がヒクヒクとしている。今にも失笑してしまいそうな勢いだ。
瑛翔はそんな蒋の様子に一切触れずに横を素通りして自分の机の方へと向かって行った。
「実はさ、さっき物騒な噂を聞いたんだ」
瑛翔は自分の机にバッグを置いてくると、再び京雅の机までやって来てそんな事を言った。
「物騒な噂?てか、さっきまでどこに行ってたんだよ?」
「トイレだけど?」
出鼻を挫かれてムスッとしてブッキラボウにそう答える。
蒋は京雅の机の上に浅く座ると瑛翔の目を見つめて真剣な声色で一言言い放つ。
「それは……殺人事件だよね?」
「えっ?!なんで知ってるの!?」
「殺人事件?」
蒋が指をパチンと鳴らして人差し指で瑛翔の方を指してキメ顔でそう言うと、瑛翔は慌てふためきながら問い返す。
唯一この状況に付いて行けてない京雅はポカンとしながら二人を視界に入れる。
「僕、犯人らしき人物とすれ違ったからさ」
「「…………は?」」
えへへと笑いながら蒋は爆弾をひとつこの場に投下した。
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