クズ勇者が伝説の英雄になるまで

パチ朗斗

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1章 クズ勇者の目標!?

クズ勇者、勝敗を決する

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「どうしたぁ!こんなもんかよ!」

  魔剣を手にしたリョーマは相手の攻撃を防ぐのみだった先程までとは売って変わって、ひたすらに攻撃を仕掛けていた。

 所詮は魔族だな。本能のままに行動してるだけでなんの策略も戦略もありゃしねぇ。

  亜魔人はリョーマが頭を狙おうとすると必ず姿勢を低くし避けていた。しかし、頭以外が狙われた時は重症になるもの以外は少し避ける程度であまり怪我を負うことに対して関心がないように見える。

 急所以外は避けない、か。かなり大胆な戦法……これはこれでやりにくいな。ザコの分際で変なことにだけは頭が周りやがる。

「あぁ、クソッ!テメェ風情が俺の攻撃を避けんじゃねぇよ!」

  リョーマは手に握られた魔剣で亜魔人の行動を制限するように攻撃を仕掛け、ソウゾウの魔剣で発動させ、上空に様々な魔剣を生成させていく。

  そしてついにソウゾウの魔剣の数が百に近付き、数え切れぬ程になった。

  宙に浮く魔剣がリョーマと亜魔人の頭上を鈍い光で染めた。

「これで……テメェは死ぬ」

  リョーマは無造作に剣を振る。亜魔人はその一撃を軽く避けた。

  しかし、その一振の狙いは攻撃ではなく、上空にある魔剣を降り下ろすだった。

  リョーマが縦一線に剣を振り下ろすと同時に百何十本もの魔剣が空から亜魔人目掛け降り注いぐ。

  魔剣が亜魔人目掛けて降り始めると同時にリョーマも亜魔人に近付いた。

  奇妙な事に降り注ぐ魔剣は意思があるかのようにリョーマを避けて、亜魔人のみを狙って降り注がれていく。

  降り注ぐ魔剣とリョーマの攻撃による何重もの攻撃に反応出来ず、自身を形成する核がある頭にも多大な被害を受けた亜魔人。

「ほぉ……」

  剣が地面に刺さり、それによって起きた砂埃の中に、一つの人影があった。

「まだ、立っていられるのか」

  満身創痍の状態の亜魔人。しかし、魔族としての意地が体を突き動かした。

「まぁ、これだけじゃねぇんだよ、『植うる剣』」

  リョーマはそう言って空いている方の手の指を上に向けた。

  すると地面に刺さっていた魔剣の刃が地面から抜かれて剣先が空を指した。

  そして、その魔剣はコンマ一秒と与えずに勢いよく空に向かい飛び出す。

  その魔剣を攻撃は辛うじて体を支えることが出来ていた亜魔人の足を切り落とし、頭を庇っていた腕は跳ね飛ばされていく。

  その無情な時間も過ぎ、地面に刺さっていた魔剣が全て空に戻った。

「そろそろ死ねよ。テメェみてぇのは存在自体がゴミだ。生きる価値も死ぬ価値もねぇ。でもな……俺は勇者だからよ、救ってやる」

  ゆっくりと歩き、少しずつ倒れる亜魔人に近付いたリョーマ。その姿は正しく、命を刈り取る死神のようだ。

 これだけやって死なねぇとはな。だが、これで終わりだ。ただ苦しく悶えるだけの下等生物。

 俺に救済を下されることを光栄に思うんだな。

  魔剣を亜魔人の核のある頭に押し付けた。

  そして、力を入れて頭を貫通した。

「喜べよ、テメェのような救われる価値すらないゴミカスが救われたんだからな」

  そしてリョーマはピクリともしない亜魔人を一瞥すると、ソウゾウの魔剣を解除した。

  リョーマが視線を上げると同時に後ろから手首を掴まれた。

「ゴミの分際で、なんの真似だ?」

  リョーマは顔だけを後ろに向けると冷徹な視線を手首を握っている人物に向けた。

「置いていくなんて酷いよ」

「テメェみたいなゴミクズと一緒に居ると臭すぎて息をするのも嫌なんだよ。さっさと消えろ」

  その言葉に今までのような怒りの感情は含まれていなかった。

  ただただ吐き捨てるかのように、もしくは呟くように言い放った言葉だった。

「私は勇者だよ?私も連れて行ってよ」

「…………これでもまだそんなことが言えるか?ザコ勇者」

  リョーマは繋がれていた手を振り解くと一瞬にしてフィールの前に移動し、魔剣を首に突き付けた。

『リョーマ様、もうやめてください!』

「ザコドラごときがしゃしゃり出てくんな。その声、スゲェ耳障りだ」

『っ……!!』

「俺は、認めねぇよ。テメェが勇者なんてな。黒竜が神に近き竜だなんてな」

 ザコはザコだ。何も変わらない。ザコごときが俺と対等そうに生きるな。

「ホント……虫唾が走る」
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