異世界の魔王様が転生したら、人間界に生まれ、一つの体に2人がいる状態になった!?

事件後の話

病院での出来事

ルファル等が話をしていると、病室のドアが開いた。
そこに立っていたのは、医者とリュウルファルの両親だった。

『あいつらは....そうか。我の親と言うものか。』
【本当、頭の回転は早いですね。】

「リュウ...?」
「本当にリュウなのか...?」

両親は、リュウの変わりようを見て、びっくりしていた。
黒髪だったのが、赤髪に変わり。
紅あか色だった目が、黄色に変わっている。
本当に、リュウなのかと疑っている様子。

そして医者は、両親に話をし始めた。
「お宅の息子さんは、どうやらひとつの身体に二人がいる様子ですね。記憶は一緒ですが、考え方や性格、身体つきも異なるので、全くの別人って言ってもいいものですね。」
「そして、リュウ君が紅眼の理由がやっとわかりました。」

「なんですって!?」
「それは、本当か!!」

「はい、わたくしより、そちらのルファル様の方が知っているでしょう。」

皆の目線は、ルファルの方へと向いた。そして、ルファルは喋り始めた。

『紅眼の理由は、急転生が原因だ。と言っても、この2人を見てもわからないだろうから、詳しく言う。』

そこから、ルファルの説明が始まった。

『まず転生は、死んでからのことだが。急転生は、生きている状態での転生のこと。
転生ならば、問題なく見た目と性格、精神はそのまま転生され、育つ。だから、こいつら2人は、異世界のままの姿。そして、ひとつの身体に1人だけになる。
だが、急転生は違う。大有の問題となる。
だから、ひとつだけの体に、俺も入ってしまい、二人になった。元々、俺の目は紅眼だ。
だが、魔王になった時、黄色の目になった。
だから、その紅眼は俺の元の目だ。
そして、急転生にはあるもうひとつの問題がある。』

【え?あったの???】
〈知らないぞ、そんなこと..〉

「「「???」」」

両親と医者は、なんのことかさっぱりだった。

『もうひとつの問題は....リュウの見た目、性格、体つき、精神は....我の亡くなった息子と完全一致している。』

【え!?】
〈なんだと!!!???〉

「「「!?」」」

そう、リュウは、異世界でルファルの一人息子である。
だが、あることがきっかけで、最愛なる妻と共に亡くなったのだ。

『君たちにも言ってなかったな、ヒアン、ライト。
我には、五千年前に死んだ息子がいたんだ。』

ヒアンとライトは、びっくりして声を出せなかった。
当たり前だ。まさか、三千年前であったルファルに二千年前に妻と息子がいたなんて、知らないのだ。
噂にも、本にも、なかったのだ。

そこで、ルファルはー

『はい、この話はもう終わり。説明は終わったから、そこで任せる。』

無理やり、話題を逸らした。

医者は、はっとしてまた話始めた。

これからのこと、両親への説教、身体に不便がないかの検査等、一方的に進んだ。
そして、ルファルは退院することになった。

両親は、気まずそうに車にのり、家へと戻った。
車で父親が運転していると、ルファルは言い出した。

『我のことは、これからルファルと呼べ。学校にもだ。リュウはしばらく眠らせることにした。我を甘く見るなよ?

今でも我は、君たちを殺せるんだから。』

その時、両親はこう思った。
“この子は、悪魔だ”と。