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ツェリェ領伯爵邸にて
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マティアスが息を切らせて駆け込み、国王危篤の知らせを告げた。
「王弟殿下の仕業か?」
伯爵がマティアスに尋ねた。
「わかりません。国王危篤の話も本当かどうか。とにかく知らせるのが先と、ここに走りました。次の情報が入り次第、ミハウが誰かをここに走らせてくれます。私はすぐ折り返します。」
「私たちも急ぎ王都に帰ります。伯爵家に入る情報を、私ももらえるよう、王都の伯爵家タウンハウスに、私の部下を置かせてもらえませんか。」
「もちろん、そうしてください。フレデリク様。」
フレデリクに伯爵が答えた。
「エーファさん、できれば一緒に来てくれないか?」
マティアスが頼んだ。
「なぜエーファを?」
アグネスがマティアスに聞くと、マティアスは、
「エーファさんが一番情報を掴むのが上手いんだよ。どこにも潜り込める、男装もお手のもの、ルカム語も話せる。」
「アグネス様、行かせて下さい。ローザン男爵家の危機でもあります。」
「わかったわ、エーファ。でも危険なことはしてはダメよ。あなただって、できないことがあるはずよ。気をつけて。」
「アグネス様、私は出来ないことばかりです。出来ることしかしませんので、ご心配は無用です。」
「では、マティアスさん、エーファさん、とにかく急ぎましょう。」
フレデリクが急かせて、カール、ヴィーレ以下護衛たちと、マティアス、エーファを乗せた3台の目立たない馬車が、王都へ急いだ。
「私も行きたかった。」
エレオノーラがつぶやくと、父親の伯爵ハインリヒが困った顔をした。
「お父様、わかっています。私は何の役にも立ちませんし、足手まといです。」
兄アルヌルフが、
「今、フレデリクとエレオノーラが一緒に行動するのは、王弟殿下を喜ばせるだけだよ。」
母マリアも、
「あなたの王侯貴族を否定するような過激な考え方をどこかで聞かれたら、処刑されてしまうわ。」
「私は王侯貴族を否定などしていません。それに領地の外ではちゃんと考えて話しています。それくらいは私も警戒しています。でも、フレデリク様は、マティアスが駆け込んできてから、完全に私の存在が頭に無かった・・。」
皆、黙ってしまった。確かにフレデリクは、国王危篤の報に、エレオノーラのことは忘れ去っていたように見えた。
「エレオノーラ、あなたはフレデリク様が国の一大事でも自分を優先して欲しいの?」
とアグネスが聞いた。
「それは違う。」
エレオノーラは即答し、考えた。
「私は、フレデリクが国の一大事で困っている時にお助けできる存在になりたいの。エーファさんのように。」
「エーファみたいになるのは、百年かかっても私たちには無理よ。私たち、飢えた経験も無ければ、目の前で家族を殺された経験も無い。フレデリク様とカール様だって、そうよ。だから非常事態に、エーファは頼られるの。」
「私たちはエレオノーラを甘やかし過ぎました。」
と、マリアが恥ずかしそうに言うと、アグネスは、
「私は、一年生のクラスで、誰とも話さず本ばかり読むエレオノーラの魅力を、一番に見つけました。以来、話す度にエレオノーラの更なる魅力を発見します。エーファだって私に対するよりエレオノーラに言いたい放題。エーファが素直に感情を出すのはエレオノーラにだけです。フレデリク様もエレオノーラの魅力のとりこです。エレオノーラが過激な内容の発言をしたなら、それはフレデリク様がそれを聞きたがったからではないかしら。」
とマリアに言った。
「そうね。確かにそうだわ。フレデリク様は、普通ではない、我が家のやり方も聞きたがって、思いもかけない方法を聞くたびに喜んでいたわ。」
とマリアがつぶやくと、
「母さん、フレデリクは国がより良くなる方法を常に探しているんだ。僕もフレデリクを助けようとしているけど、僕は
ツェリェ領を守ることを優先してしまう。でも、エレオノーラは既にツェリェより国全体を考えるようになってるんだ、フレデリクと一緒に。」
とアルヌルフも言った。エレオノーラは、
「私はツェリェが一番大事なのには変わりないわ。」
と言ったが、父ハインリヒは、
「エレオノーラ、国が良くなればツェリェも良くなるんだよ。実際、今の国王陛下が即位されて善政をしかれてから、ツェリェもずいぶん楽になった。」
「ローザン領も現国王陛下が治めるようになってから、先のことを考えて運営出来るようになったと、父は言っていました。それまでは領民が食べていけず、他領に逃げていたそうです。それを止める力も無く。だから私たちは、国王陛下をお支えしているフレデリク様とカール様をできる限り助けていけば、おのずと自領の利益にも繋がると思います。」
「そうね、アグネス。その通りだわ。頭が整理できてきた、ありがとう。」
「どういたしまして、エレオノーラ。私たちにはエーファにはできない何かがあるはずよ。考えましょう。」
翌日、王宮から『国王はお疲れがたまっていたため、しばらく静養される』と正式発表があった。
王宮から商会のミハウに都度知らされていた情報は、一切入らなくなった。なんでも王弟殿下に取り入ったメルドング子爵が自家の家臣を、メルドング子爵の縁者や友人までも家臣を引き連れ王宮に入り込んだそうだ。そして、商会とのやり取りなど、旨みのありそうな仕事の担当者は、メルドングの関係者に取って代わられたらしい。
「エーファや、クビになった王宮の元商会担当者が、王宮の通いの掃除担当から、国王陛下の病状を聞き出そうとしているけれど、王宮の奥の方は、掃除もさせてもらえなくなってて、全くわからないんだって。」
アグネスが伯爵邸のエレオノーラの部屋で、今受け取ったエーファからの手紙を読んだ。
「商会の担当って、メルドングの関係者はちゃんとできるのかしらね。」
と、エレオノーラ。
「お察しの通り、王宮では物品の補充も滞ってるらしいわ。メルドング関係者は、賄賂を懐に入れることしか頭にないように見えるって。掃除や汚物処理などは、一切やりたがらず、そのあたりは前の使用人がそのまま勤めているそうよ。」
「その体制は長続きしないわね。早々に内部崩壊するわ、今日にも壊れてしまえ。」
伯爵がエレオノーラの部屋に入ってきた。
「フレデリク様とカール様は、王宮に入れなくなったそうだ。」
「そうなの、お父様?」
「国王陛下と王太子殿下への面会を申し込む度に『今日はお会いにならないそうです』と返答をもらい、それではと、王宮に勤める官僚に会おうとしても、官僚たちは自宅にも帰らせてもらえず連絡も取れないそうだ。」
「かなり隠したいことがあるのですね。」
「そうだ、それだけははっきりしている。フレデリク様も、同じことを言っている。」
「伯爵様、エーファの手紙です。」
と、アグネスが渡すと、
「ありがとう、アグネスさん。読ませてもらいます。で、私のことは、ハインリヒと呼んでもらえませんか?」
「はい、ハインリヒさん。えへ、照れますね。慣れるまで難しいです。」
エレオノーラは、父親と親友の会話を全く聞いておらず、
「私は、食料備蓄の推進に、『相互救済』の仕組みを作れないかと思うのですが。」
「相互救済?」
エレオノーラの聞き慣れない言葉に、ハインリヒとアグネスが聞き返した。
「はい。戦争が始まったり、豪雨日照り冷害で飢饉に見舞われた時、より被害が大きいところに、被害が少なかった所が援助するという仕組みです。被害があった時、誰しも助けてあげたいと思っても、自領も少なくない被害がある場合が多いので、見て見ぬふりをしがちです。ですから平常時にその仕組みを作っておくのです。『自分のところが被害にあったら助けてもらえる』という安心を得るために、平常時に『被害が少ない領は、被害がより多い他領を助ける』と約束をしておくのです。」
「うーむ。」
ハインリヒは首をかしげる。エレオノーラは父親の反応を無視して、
「そのために平常時に、細かく契約を取り交わしておきます。契約を履行するためには、いざという時、救済するための備蓄をしなければならなくなります。」
「なるほどね。国王陛下が回復されたら、フレデリク様に進言してもらうと、もしかしたら実現するかもしれないけど。どれくらいの領主が参加するかにかかってくるけど。いざ被害が出た時、約束を反故にする領主ばかりだろうけど、そこをどうするか、かな。」
「そうですね。」
伯爵とやり取りしているエレオノーラに、アグネスは、
「来週から学院が新学期に入るけど、エレオノーラはどうする?」
「もちろん行くわよ。」
「危険じゃないかしら。」
「私の場合、兄もいるし。」
「エレオノーラは残った方が良いんじゃないか?」
伯爵がエレオノーラを心配する。
「私、侍女を連れて行くの。今回帰ってきてから、王都の王立学院に行ってみたい女の子を募集してみたら、ものすごく応募があったのよ。その子たちを交替で王都に来させるために、ミーナさんに侍女の仕事の指導をしてもらったの。卒業するまでにイルダも連れて行きたい。8歳のイルダはさすがにもう少し背が伸びてからなので最後、卒業前はイルダは決まり。それ以外の順番を決めるのが大変で、なんとか一番初めに連れて行く子は決まったけど、みんな王都の中央学院に行ってみたい気が満々で。」
「エレオノーラ、そんなことやっていたのか。知らなかった。」
「あ、お父様、良ろしいですか?侍女を連れて行っても?もちろん許可してくださるわよね。」
「あ、ああ。」
娘に大甘な伯爵は、いつも通り首肯した。
「アグネスは?」
「私はもちろん学院に通うわ。王都にはエーファもいるし。」
「そうよね。フレデリク様もいるし。」
「王弟殿下の仕業か?」
伯爵がマティアスに尋ねた。
「わかりません。国王危篤の話も本当かどうか。とにかく知らせるのが先と、ここに走りました。次の情報が入り次第、ミハウが誰かをここに走らせてくれます。私はすぐ折り返します。」
「私たちも急ぎ王都に帰ります。伯爵家に入る情報を、私ももらえるよう、王都の伯爵家タウンハウスに、私の部下を置かせてもらえませんか。」
「もちろん、そうしてください。フレデリク様。」
フレデリクに伯爵が答えた。
「エーファさん、できれば一緒に来てくれないか?」
マティアスが頼んだ。
「なぜエーファを?」
アグネスがマティアスに聞くと、マティアスは、
「エーファさんが一番情報を掴むのが上手いんだよ。どこにも潜り込める、男装もお手のもの、ルカム語も話せる。」
「アグネス様、行かせて下さい。ローザン男爵家の危機でもあります。」
「わかったわ、エーファ。でも危険なことはしてはダメよ。あなただって、できないことがあるはずよ。気をつけて。」
「アグネス様、私は出来ないことばかりです。出来ることしかしませんので、ご心配は無用です。」
「では、マティアスさん、エーファさん、とにかく急ぎましょう。」
フレデリクが急かせて、カール、ヴィーレ以下護衛たちと、マティアス、エーファを乗せた3台の目立たない馬車が、王都へ急いだ。
「私も行きたかった。」
エレオノーラがつぶやくと、父親の伯爵ハインリヒが困った顔をした。
「お父様、わかっています。私は何の役にも立ちませんし、足手まといです。」
兄アルヌルフが、
「今、フレデリクとエレオノーラが一緒に行動するのは、王弟殿下を喜ばせるだけだよ。」
母マリアも、
「あなたの王侯貴族を否定するような過激な考え方をどこかで聞かれたら、処刑されてしまうわ。」
「私は王侯貴族を否定などしていません。それに領地の外ではちゃんと考えて話しています。それくらいは私も警戒しています。でも、フレデリク様は、マティアスが駆け込んできてから、完全に私の存在が頭に無かった・・。」
皆、黙ってしまった。確かにフレデリクは、国王危篤の報に、エレオノーラのことは忘れ去っていたように見えた。
「エレオノーラ、あなたはフレデリク様が国の一大事でも自分を優先して欲しいの?」
とアグネスが聞いた。
「それは違う。」
エレオノーラは即答し、考えた。
「私は、フレデリクが国の一大事で困っている時にお助けできる存在になりたいの。エーファさんのように。」
「エーファみたいになるのは、百年かかっても私たちには無理よ。私たち、飢えた経験も無ければ、目の前で家族を殺された経験も無い。フレデリク様とカール様だって、そうよ。だから非常事態に、エーファは頼られるの。」
「私たちはエレオノーラを甘やかし過ぎました。」
と、マリアが恥ずかしそうに言うと、アグネスは、
「私は、一年生のクラスで、誰とも話さず本ばかり読むエレオノーラの魅力を、一番に見つけました。以来、話す度にエレオノーラの更なる魅力を発見します。エーファだって私に対するよりエレオノーラに言いたい放題。エーファが素直に感情を出すのはエレオノーラにだけです。フレデリク様もエレオノーラの魅力のとりこです。エレオノーラが過激な内容の発言をしたなら、それはフレデリク様がそれを聞きたがったからではないかしら。」
とマリアに言った。
「そうね。確かにそうだわ。フレデリク様は、普通ではない、我が家のやり方も聞きたがって、思いもかけない方法を聞くたびに喜んでいたわ。」
とマリアがつぶやくと、
「母さん、フレデリクは国がより良くなる方法を常に探しているんだ。僕もフレデリクを助けようとしているけど、僕は
ツェリェ領を守ることを優先してしまう。でも、エレオノーラは既にツェリェより国全体を考えるようになってるんだ、フレデリクと一緒に。」
とアルヌルフも言った。エレオノーラは、
「私はツェリェが一番大事なのには変わりないわ。」
と言ったが、父ハインリヒは、
「エレオノーラ、国が良くなればツェリェも良くなるんだよ。実際、今の国王陛下が即位されて善政をしかれてから、ツェリェもずいぶん楽になった。」
「ローザン領も現国王陛下が治めるようになってから、先のことを考えて運営出来るようになったと、父は言っていました。それまでは領民が食べていけず、他領に逃げていたそうです。それを止める力も無く。だから私たちは、国王陛下をお支えしているフレデリク様とカール様をできる限り助けていけば、おのずと自領の利益にも繋がると思います。」
「そうね、アグネス。その通りだわ。頭が整理できてきた、ありがとう。」
「どういたしまして、エレオノーラ。私たちにはエーファにはできない何かがあるはずよ。考えましょう。」
翌日、王宮から『国王はお疲れがたまっていたため、しばらく静養される』と正式発表があった。
王宮から商会のミハウに都度知らされていた情報は、一切入らなくなった。なんでも王弟殿下に取り入ったメルドング子爵が自家の家臣を、メルドング子爵の縁者や友人までも家臣を引き連れ王宮に入り込んだそうだ。そして、商会とのやり取りなど、旨みのありそうな仕事の担当者は、メルドングの関係者に取って代わられたらしい。
「エーファや、クビになった王宮の元商会担当者が、王宮の通いの掃除担当から、国王陛下の病状を聞き出そうとしているけれど、王宮の奥の方は、掃除もさせてもらえなくなってて、全くわからないんだって。」
アグネスが伯爵邸のエレオノーラの部屋で、今受け取ったエーファからの手紙を読んだ。
「商会の担当って、メルドングの関係者はちゃんとできるのかしらね。」
と、エレオノーラ。
「お察しの通り、王宮では物品の補充も滞ってるらしいわ。メルドング関係者は、賄賂を懐に入れることしか頭にないように見えるって。掃除や汚物処理などは、一切やりたがらず、そのあたりは前の使用人がそのまま勤めているそうよ。」
「その体制は長続きしないわね。早々に内部崩壊するわ、今日にも壊れてしまえ。」
伯爵がエレオノーラの部屋に入ってきた。
「フレデリク様とカール様は、王宮に入れなくなったそうだ。」
「そうなの、お父様?」
「国王陛下と王太子殿下への面会を申し込む度に『今日はお会いにならないそうです』と返答をもらい、それではと、王宮に勤める官僚に会おうとしても、官僚たちは自宅にも帰らせてもらえず連絡も取れないそうだ。」
「かなり隠したいことがあるのですね。」
「そうだ、それだけははっきりしている。フレデリク様も、同じことを言っている。」
「伯爵様、エーファの手紙です。」
と、アグネスが渡すと、
「ありがとう、アグネスさん。読ませてもらいます。で、私のことは、ハインリヒと呼んでもらえませんか?」
「はい、ハインリヒさん。えへ、照れますね。慣れるまで難しいです。」
エレオノーラは、父親と親友の会話を全く聞いておらず、
「私は、食料備蓄の推進に、『相互救済』の仕組みを作れないかと思うのですが。」
「相互救済?」
エレオノーラの聞き慣れない言葉に、ハインリヒとアグネスが聞き返した。
「はい。戦争が始まったり、豪雨日照り冷害で飢饉に見舞われた時、より被害が大きいところに、被害が少なかった所が援助するという仕組みです。被害があった時、誰しも助けてあげたいと思っても、自領も少なくない被害がある場合が多いので、見て見ぬふりをしがちです。ですから平常時にその仕組みを作っておくのです。『自分のところが被害にあったら助けてもらえる』という安心を得るために、平常時に『被害が少ない領は、被害がより多い他領を助ける』と約束をしておくのです。」
「うーむ。」
ハインリヒは首をかしげる。エレオノーラは父親の反応を無視して、
「そのために平常時に、細かく契約を取り交わしておきます。契約を履行するためには、いざという時、救済するための備蓄をしなければならなくなります。」
「なるほどね。国王陛下が回復されたら、フレデリク様に進言してもらうと、もしかしたら実現するかもしれないけど。どれくらいの領主が参加するかにかかってくるけど。いざ被害が出た時、約束を反故にする領主ばかりだろうけど、そこをどうするか、かな。」
「そうですね。」
伯爵とやり取りしているエレオノーラに、アグネスは、
「来週から学院が新学期に入るけど、エレオノーラはどうする?」
「もちろん行くわよ。」
「危険じゃないかしら。」
「私の場合、兄もいるし。」
「エレオノーラは残った方が良いんじゃないか?」
伯爵がエレオノーラを心配する。
「私、侍女を連れて行くの。今回帰ってきてから、王都の王立学院に行ってみたい女の子を募集してみたら、ものすごく応募があったのよ。その子たちを交替で王都に来させるために、ミーナさんに侍女の仕事の指導をしてもらったの。卒業するまでにイルダも連れて行きたい。8歳のイルダはさすがにもう少し背が伸びてからなので最後、卒業前はイルダは決まり。それ以外の順番を決めるのが大変で、なんとか一番初めに連れて行く子は決まったけど、みんな王都の中央学院に行ってみたい気が満々で。」
「エレオノーラ、そんなことやっていたのか。知らなかった。」
「あ、お父様、良ろしいですか?侍女を連れて行っても?もちろん許可してくださるわよね。」
「あ、ああ。」
娘に大甘な伯爵は、いつも通り首肯した。
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「私はもちろん学院に通うわ。王都にはエーファもいるし。」
「そうよね。フレデリク様もいるし。」
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