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モテ黒歴史の田上君
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高校2年で背が急に伸びた。それまでクラスで一番背が低かったのに、3年生の夏頃には、背の高い方から2番か3番目くらいになった。
小さい頃から、すぐ咳こんで、皮膚も弱くて、みんなから憐れまれる存在だった。それが背が伸びただけでどうだ、小中学校が同じ女の子からは相手にされないままだけど、都会から引っ越してきた、ものすごく可愛い同級生の女の子から話しかけられた。
「私の彼氏になってくれる?」
「はい。」
僕が、クラスの男子の憧れの存在の美花ちゃんの彼氏!だぞ!天地がひっくり返ったような衝撃を受けたのは、僕を馬鹿にしてきたクラスメイトよりも僕が一番だったと思う。
その週末、美花ちゃんとデートしてフラれた。一生懸命かっこいい服を選んで着て行ったのにフラれた。デートプランを練って練って練りまくってデートに臨んだのに、美花ちゃんはお買い物がしたいと言って電車に乗って街まで行った。美花ちゃんはお店に入って、あれが良いな、これ欲しいな、と言っている間中、僕はどうして良いかわからなくて店の外で待ってたら、僕のところまで来てニコッと笑って、腕組んで、売り場まで引きずられて、『これ似合うと思う?』と聞かれて『似合うよ』と答えたのにフラれた。帰りに『田上君は違ったみたい』と言われたのは、腕を組まれた時に、美花ちゃんの柔らかい胸に僕の腕が当たってしまったからかと思って、落ち込んだ。わざとじゃなかったんだ、美花ちゃんごめんね。
しかし、翌日教室でクラスの女子に、
「美花ちゃん、田上君とのデート、どうだった?」
と聞かれて、美花ちゃんは、
「ハズレ。そもそも私より腕も足も細い男の子ってなんだかね。それに私、今まで年上とばっかり付き合ってたから、同い年では無理みたい。」
と美花ちゃんは話し始めた。僕に聞こえているかなんて、全く気にせずに。
「え?年上って?」
「大学生とか、会社員とか。」
「すごい美花ちゃん。どういうきっかけでそういう人と仲良くなるの?」
「普通にバイト先の客だよ?」
「え?バイト?どんなバイト?学校が許可してくれたの?」
「まさか!キャバ認める学校なんて無いに決まってるじゃん。」
「キャバ?」
「年上だとちょっと触らせるだけで、バッグでもデパコスでもなんでも買ってくれるんだよ。手術代まで出してくれるのはおじさんだけだけどさ。」
その後、女子トークはどんどん進み、僕はどんどん落ち込み、クラスの男子は僕に優しくなった。クラスの女子は交代で、
「美花ちゃん、顔のお直ししてるし、田上君の方が、顔は可愛いからね。」
と慰めに来た。
その後、都会の大学に進んだ。僕は可愛い女性が怖くて距離を取っていたら、真面目な麻衣さんと仲良くなった。麻衣さんは、頭が良くて、いろんなことを僕に教えてくれた。『あの人は自分の意見を自慢げに話すけど、どこかで聞いた話を繋ぎ合わせてるだけ。』『あの人は起業したけど、人の真似してるだけだから、勝算はないね。』僕が尊敬していた人たちを、分析して批判できる麻衣さんはすごいな、と思っていたら、そのうち僕にダメ出しをするようになった。将来のビジョンがなぜ描けないのか?なぜ大きな夢を見てそのための努力をしないのか?デートの誘いをなぜ僕からしないのか?そしてあっさりフラれた。僕は少しホッとした。そして、そのことに後ろめたさを感じた。
僕なりに頑張って就職活動をして、小さな会社に入った。そこでは可愛い女性と真面目な女性には関わらないようにした。
僕に仕事を教えてくれたのは、仕事のできるかっこいい梨衣菜さん。わかりやすく説明してくれて、間違えた時には厳しく叱ってくれて、三年後には男女の仲になった。きっかけは梨衣菜さんから、忘れ物を自宅まで届けて欲しいと連絡があり、慌てて梨衣菜さんのマンションまで届けると、お礼に美味しいワインを飲んでいけ、面白いドラマがあるけど一緒に見よう、お風呂も入る?そして寝室に呼ばれた。その後も何度も忘れ物を届けて、その度に同じパターンを繰り返していたら、突然会社が潰れて、社長が夜逃げした。債権者が詰めかけた。男性の社員が、
「社長と梨衣菜さんが、会社の金を持ち逃げしやがった。」
と罵った。
「社長と梨衣菜さん?」
「田上、お前くらいだよ知らないのは。梨衣菜さんはずっと社長の愛人だったんだ。お前は梨衣菜さんの寂しさを紛らわすための道具だったってわけ。」
僕は驚いた。梨衣菜さんのような仕事のできるかっこいい人が、何年も不倫して、寂しさを僕みたいな頼りない男で紛らわして、金を持って夜逃げするのか。
僕は転職先を探し始めた。転職先で、はるこさんと出会った。
小さい頃から、すぐ咳こんで、皮膚も弱くて、みんなから憐れまれる存在だった。それが背が伸びただけでどうだ、小中学校が同じ女の子からは相手にされないままだけど、都会から引っ越してきた、ものすごく可愛い同級生の女の子から話しかけられた。
「私の彼氏になってくれる?」
「はい。」
僕が、クラスの男子の憧れの存在の美花ちゃんの彼氏!だぞ!天地がひっくり返ったような衝撃を受けたのは、僕を馬鹿にしてきたクラスメイトよりも僕が一番だったと思う。
その週末、美花ちゃんとデートしてフラれた。一生懸命かっこいい服を選んで着て行ったのにフラれた。デートプランを練って練って練りまくってデートに臨んだのに、美花ちゃんはお買い物がしたいと言って電車に乗って街まで行った。美花ちゃんはお店に入って、あれが良いな、これ欲しいな、と言っている間中、僕はどうして良いかわからなくて店の外で待ってたら、僕のところまで来てニコッと笑って、腕組んで、売り場まで引きずられて、『これ似合うと思う?』と聞かれて『似合うよ』と答えたのにフラれた。帰りに『田上君は違ったみたい』と言われたのは、腕を組まれた時に、美花ちゃんの柔らかい胸に僕の腕が当たってしまったからかと思って、落ち込んだ。わざとじゃなかったんだ、美花ちゃんごめんね。
しかし、翌日教室でクラスの女子に、
「美花ちゃん、田上君とのデート、どうだった?」
と聞かれて、美花ちゃんは、
「ハズレ。そもそも私より腕も足も細い男の子ってなんだかね。それに私、今まで年上とばっかり付き合ってたから、同い年では無理みたい。」
と美花ちゃんは話し始めた。僕に聞こえているかなんて、全く気にせずに。
「え?年上って?」
「大学生とか、会社員とか。」
「すごい美花ちゃん。どういうきっかけでそういう人と仲良くなるの?」
「普通にバイト先の客だよ?」
「え?バイト?どんなバイト?学校が許可してくれたの?」
「まさか!キャバ認める学校なんて無いに決まってるじゃん。」
「キャバ?」
「年上だとちょっと触らせるだけで、バッグでもデパコスでもなんでも買ってくれるんだよ。手術代まで出してくれるのはおじさんだけだけどさ。」
その後、女子トークはどんどん進み、僕はどんどん落ち込み、クラスの男子は僕に優しくなった。クラスの女子は交代で、
「美花ちゃん、顔のお直ししてるし、田上君の方が、顔は可愛いからね。」
と慰めに来た。
その後、都会の大学に進んだ。僕は可愛い女性が怖くて距離を取っていたら、真面目な麻衣さんと仲良くなった。麻衣さんは、頭が良くて、いろんなことを僕に教えてくれた。『あの人は自分の意見を自慢げに話すけど、どこかで聞いた話を繋ぎ合わせてるだけ。』『あの人は起業したけど、人の真似してるだけだから、勝算はないね。』僕が尊敬していた人たちを、分析して批判できる麻衣さんはすごいな、と思っていたら、そのうち僕にダメ出しをするようになった。将来のビジョンがなぜ描けないのか?なぜ大きな夢を見てそのための努力をしないのか?デートの誘いをなぜ僕からしないのか?そしてあっさりフラれた。僕は少しホッとした。そして、そのことに後ろめたさを感じた。
僕なりに頑張って就職活動をして、小さな会社に入った。そこでは可愛い女性と真面目な女性には関わらないようにした。
僕に仕事を教えてくれたのは、仕事のできるかっこいい梨衣菜さん。わかりやすく説明してくれて、間違えた時には厳しく叱ってくれて、三年後には男女の仲になった。きっかけは梨衣菜さんから、忘れ物を自宅まで届けて欲しいと連絡があり、慌てて梨衣菜さんのマンションまで届けると、お礼に美味しいワインを飲んでいけ、面白いドラマがあるけど一緒に見よう、お風呂も入る?そして寝室に呼ばれた。その後も何度も忘れ物を届けて、その度に同じパターンを繰り返していたら、突然会社が潰れて、社長が夜逃げした。債権者が詰めかけた。男性の社員が、
「社長と梨衣菜さんが、会社の金を持ち逃げしやがった。」
と罵った。
「社長と梨衣菜さん?」
「田上、お前くらいだよ知らないのは。梨衣菜さんはずっと社長の愛人だったんだ。お前は梨衣菜さんの寂しさを紛らわすための道具だったってわけ。」
僕は驚いた。梨衣菜さんのような仕事のできるかっこいい人が、何年も不倫して、寂しさを僕みたいな頼りない男で紛らわして、金を持って夜逃げするのか。
僕は転職先を探し始めた。転職先で、はるこさんと出会った。
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