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極秘の資料
ゴソゴソ……カチャカチャ……。
真っ暗闇の中、私は泥棒を頑張る。
解錠変化の性能は抜群で、本当に鍵ができあがった。
金庫の扉を開けたところで——
「我が家から泥棒が出るとはな」
パッ、と明かりの魔道具が起動する。
執務室の中で、父が腕を組んでいた。
「さすがですお父様。娘の犯行にも気づくなんて」
フン、と鼻を一つ鳴らし、父はソファに深く座る。
私が本気じゃないと理解している。
「私を試すような真似はやめろ。それで、どうやって開けた?」
「バイス様にもらった物です」
デスクの上に、先端が金庫の鍵に変化したペーパーナイフを置く。
父は一目見て、それが魔道具だとわかったらしい。
「……盗賊ギルドが扱う違法魔道具だ。学生風情が入手できものじゃない」
「家門ぐるみ、ということですね。彼らは魔石の流通ルートを知りたがっています」
「なるほどな。そういうことか」
「私にわかるよう、説明してくださる?」
父は、相手の狙いを推測して話す。
商売の妨害もあるだろうが、一番は魔石自体を取ることが狙いになる。
「魔石を加工して、武器や魔道具にするのだ。シュリーマン家は軍事力の強化に力を入れている」
「武力での国家転覆でも狙っていますの?」
「あるいは、うちがターゲットかもしれぬ」
ノルディ家を潰せれば、抜けた後の仕事を受け継ぐだけで巨大な影響力を得られる。
実際、シュリーマン家がノルディ家を潰すバッドエンドは何種類かあった。
父は当然死刑。
私は生かされるが、娼婦にさせられたり、人間おもちゃとして酷い扱いを受ける。
「私に案がありますわ」
「聞こう」
「まずは明日の朝、私の顔を思いっきりひっぱたいてくださる?」
疑わしげに目を細める父に、私は作戦の全容を伝えた。
☆
ジン、と頬が熱を持つ。
痛すぎて泣きそう。
校門をくぐると、すれ違う誰もが私のことを心配してくれた。
顔の半分が真っ赤に腫れ上がっているからだ。
目なんかも肉に押されて細い。
さて、廊下でバイスを見つけたのですぐに挨拶をした。
「やあ、ソラリス様……!? ど、どうしたのその顔は!?」
「昨日、お父様とケンカしまして」
バイスの顔が青ざめる。
周囲を確認して、ひと気のないところに連れていかれる。
「まさか、金庫の件がバレた?」
「ご安心を。そちらは上手くいきました。鍵を作って、資料があるのも確認しました。今日がお渡しするチャンスですわ」
「そ、そうだったんだ。じゃあ、その顔は?」
「ケンカしたのです。私の横暴が目に余るので修道院送りにするぞと……。暴れたら、ぶたれたのです。……うっ、うっ、あんな人、もう嫌ですわ!」
涙を流しながら、私はバイスの胸に抱きつく。
彼は優しく抱きしめ返す。
「安心しよ。もし追い出されたら、うちで受け入れるから」
「頼りにしていいんですか」
「もちろんさ。僕は家柄など関係なく、君と一緒にいたい」
しばらくそうしてから、私は名残惜しそうに体を離す。
目尻の涙をバイスが指で拭ってくれる。
「流通ルートの資料はありました。それに、もっとすごい資料もあったんです」
「それは……?」
「放課後のお楽しみです。きっと、バイス様も喜んでくれますわ」
「期待するよ!」
バイスは目をキラキラと輝かせた。
学校が終わると、二人で自宅に向かう。
途中、高級なお菓子店で買い物をする。
「なにに使うんだい?」
「メイドたちを集めて、これを食べさせます。その隙に……」
「なるほどっ。いい手だね!」
少し、バイスの私の評価が上がっていた。
彼は中に入らず、外で待ってもらう。
「みんな、集まって」
パンと手を叩き、家の中にいる下女と執事を全員一室に集める。
そこでお菓子を出す。
高価なものというのもあって、めちゃくちゃ喜んでもらえた。
その隙に執務室に向かって資料を盗んでバイスの元へ。
「早めにお願いしますわ。すぐに戻さないと」
「ありがとう、任せて」
用意していたペンと紙を使って、バイスは流通ルートをメモしていく。
仕事もできるのだろう。
かなり作業が早かった。
「もう一つ、これが朝に話していたものです」
違う資料を見せる。
こちらも魔石に関するものだ。
「て、帝王の心臓じゃないか!?」
魔石の中でも最高クラスの一つ。
それが帝王の心臓だ。
国宝級の一品で秘めたる力も凄まじい。
資料には、魔石は定期的に保管場所を変えており、次は三日後に行うとある。
その際にノルディ封印箱に入れることと、ルートも記載されてあった。
「ノルディの封印箱って、なにかな?」
「うちに伝わる家宝ですわ。ノルディ家の純血を垂らさないと絶対に開きませんのよ」
「さすがノルディ家……。色々あるね」
バイスは嬉々としてメモを取っていく。
「ありがとう。あとは戻してくれると助かる」
「ええ、お力になれたようで嬉しいです」
「また学校で。大好きだよ、ソラリス様」
彼は私を抱きしめ、額に軽くキスをした。
軽やかな足取りで帰っていく後ろ姿を、私は観察しながら見送った。
【強欲】-99
惜しい。
もう少しでマックスだったのに。
その後、資料をこっそり金庫に戻して、執事に命令する。
「馬車を出して欲しいの。行き先は騎士団の詰め所よ」
すぐに準備された馬車に乗って詰め所に移動する。
騎士たちの屋外訓練を見学した。
休憩に入ると、その中の一人に話しかける。
「いまってお時間ありますかしら」
「ソラリス!? どうしてここにいるんだ!」
汗だくで驚くのはレオンだ。
彼はまだ学生ということもあり正式に入団はしていない。
でも準騎士団という見習いみたいなポジションにいる。
「大事なお話があります。二人きりになりたいのですが」
「二人きり!? それってお前……」
ん?
なにか盛大な勘違いしているよね。
そして周りの大人たちがまた、それを助長させるように煽る。
「ヒュー、ついに婚約者に昇格か?」
「レオン公爵、出世の道が確約されましたなぁ!」
「ワハハハッ!」
揶揄ってはいるけど陰湿な感じはしない。
カラッとした人たちだ。
日本だったら陽キャって言われるタイプかな。
「そんなんじゃありませんって! いくぞ、ソラリス」
顔を赤くしながら、レオンは早足で歩いていく。
大股だから着いていくのも大変だ。
建物の裏に移動すると、レオンが緊張した面持ちになる。
「そ、それで大事な話とは?」
「そうですね。レオン様って正直、私のこと嫌いですよね?」
ストレートもいいところだ。
動揺しているのが答えかな。
「急になんだ……。本音を言えば、嫌いだった」
「だった?」
「いや、この間の件から、お前のことがよくわからなくなってな……。疑って申し訳ないとも」
ああ、図書室の件か。
あれで負い目を感じているのだ。
まだ十六歳なのに、自分の中に正義の礎を築き始めているものね。
そういう真面目なところは嫌いじゃないかも。
「少しは私のことを見直してくれた、でいいのですね?」
「ああ。今日もそうだが、以前とは変わった感じがする」
「確かに以前の私は、よくない面が多かったですわ。反省しています」
「そうか。内省は大事だよな」
レオンの私を見る目が穏やかになった。
雰囲気も悪くない。
これなら誘いに乗ってくるかもしれない。
「大事な話というのは、レオン様の正義の在り方についてです」
「俺の正義……」
「失礼ですけれど、あなたの正義は死んでします」
「ハ!? 本当に失礼だぞ!」
カッとなって大声を出すレオン。
耳痛い。
でもここで声量に負けてはいけない。
「では最後に正義の剣を振ったのはいつです?」
「最後は、二年前……いや三年……」
「正義は悪がいないと成り立ちませんからね。この詰め所では難しいでしょう」
レオンは言葉に詰まった様子だ。
私は彼の胸ぐらを引き寄せ、真紅の瞳を真っ直ぐに覗き込む。
「安心して、レオン様。その燻った剣を振るのに相応しい『悪党』——私が用意して差し上げますわ」
「あ、悪党……?」
「ええ。ですからあなたは、私の戦士となって働きなさい」
私はレオンに極秘の任務を言い渡した。
真っ暗闇の中、私は泥棒を頑張る。
解錠変化の性能は抜群で、本当に鍵ができあがった。
金庫の扉を開けたところで——
「我が家から泥棒が出るとはな」
パッ、と明かりの魔道具が起動する。
執務室の中で、父が腕を組んでいた。
「さすがですお父様。娘の犯行にも気づくなんて」
フン、と鼻を一つ鳴らし、父はソファに深く座る。
私が本気じゃないと理解している。
「私を試すような真似はやめろ。それで、どうやって開けた?」
「バイス様にもらった物です」
デスクの上に、先端が金庫の鍵に変化したペーパーナイフを置く。
父は一目見て、それが魔道具だとわかったらしい。
「……盗賊ギルドが扱う違法魔道具だ。学生風情が入手できものじゃない」
「家門ぐるみ、ということですね。彼らは魔石の流通ルートを知りたがっています」
「なるほどな。そういうことか」
「私にわかるよう、説明してくださる?」
父は、相手の狙いを推測して話す。
商売の妨害もあるだろうが、一番は魔石自体を取ることが狙いになる。
「魔石を加工して、武器や魔道具にするのだ。シュリーマン家は軍事力の強化に力を入れている」
「武力での国家転覆でも狙っていますの?」
「あるいは、うちがターゲットかもしれぬ」
ノルディ家を潰せれば、抜けた後の仕事を受け継ぐだけで巨大な影響力を得られる。
実際、シュリーマン家がノルディ家を潰すバッドエンドは何種類かあった。
父は当然死刑。
私は生かされるが、娼婦にさせられたり、人間おもちゃとして酷い扱いを受ける。
「私に案がありますわ」
「聞こう」
「まずは明日の朝、私の顔を思いっきりひっぱたいてくださる?」
疑わしげに目を細める父に、私は作戦の全容を伝えた。
☆
ジン、と頬が熱を持つ。
痛すぎて泣きそう。
校門をくぐると、すれ違う誰もが私のことを心配してくれた。
顔の半分が真っ赤に腫れ上がっているからだ。
目なんかも肉に押されて細い。
さて、廊下でバイスを見つけたのですぐに挨拶をした。
「やあ、ソラリス様……!? ど、どうしたのその顔は!?」
「昨日、お父様とケンカしまして」
バイスの顔が青ざめる。
周囲を確認して、ひと気のないところに連れていかれる。
「まさか、金庫の件がバレた?」
「ご安心を。そちらは上手くいきました。鍵を作って、資料があるのも確認しました。今日がお渡しするチャンスですわ」
「そ、そうだったんだ。じゃあ、その顔は?」
「ケンカしたのです。私の横暴が目に余るので修道院送りにするぞと……。暴れたら、ぶたれたのです。……うっ、うっ、あんな人、もう嫌ですわ!」
涙を流しながら、私はバイスの胸に抱きつく。
彼は優しく抱きしめ返す。
「安心しよ。もし追い出されたら、うちで受け入れるから」
「頼りにしていいんですか」
「もちろんさ。僕は家柄など関係なく、君と一緒にいたい」
しばらくそうしてから、私は名残惜しそうに体を離す。
目尻の涙をバイスが指で拭ってくれる。
「流通ルートの資料はありました。それに、もっとすごい資料もあったんです」
「それは……?」
「放課後のお楽しみです。きっと、バイス様も喜んでくれますわ」
「期待するよ!」
バイスは目をキラキラと輝かせた。
学校が終わると、二人で自宅に向かう。
途中、高級なお菓子店で買い物をする。
「なにに使うんだい?」
「メイドたちを集めて、これを食べさせます。その隙に……」
「なるほどっ。いい手だね!」
少し、バイスの私の評価が上がっていた。
彼は中に入らず、外で待ってもらう。
「みんな、集まって」
パンと手を叩き、家の中にいる下女と執事を全員一室に集める。
そこでお菓子を出す。
高価なものというのもあって、めちゃくちゃ喜んでもらえた。
その隙に執務室に向かって資料を盗んでバイスの元へ。
「早めにお願いしますわ。すぐに戻さないと」
「ありがとう、任せて」
用意していたペンと紙を使って、バイスは流通ルートをメモしていく。
仕事もできるのだろう。
かなり作業が早かった。
「もう一つ、これが朝に話していたものです」
違う資料を見せる。
こちらも魔石に関するものだ。
「て、帝王の心臓じゃないか!?」
魔石の中でも最高クラスの一つ。
それが帝王の心臓だ。
国宝級の一品で秘めたる力も凄まじい。
資料には、魔石は定期的に保管場所を変えており、次は三日後に行うとある。
その際にノルディ封印箱に入れることと、ルートも記載されてあった。
「ノルディの封印箱って、なにかな?」
「うちに伝わる家宝ですわ。ノルディ家の純血を垂らさないと絶対に開きませんのよ」
「さすがノルディ家……。色々あるね」
バイスは嬉々としてメモを取っていく。
「ありがとう。あとは戻してくれると助かる」
「ええ、お力になれたようで嬉しいです」
「また学校で。大好きだよ、ソラリス様」
彼は私を抱きしめ、額に軽くキスをした。
軽やかな足取りで帰っていく後ろ姿を、私は観察しながら見送った。
【強欲】-99
惜しい。
もう少しでマックスだったのに。
その後、資料をこっそり金庫に戻して、執事に命令する。
「馬車を出して欲しいの。行き先は騎士団の詰め所よ」
すぐに準備された馬車に乗って詰め所に移動する。
騎士たちの屋外訓練を見学した。
休憩に入ると、その中の一人に話しかける。
「いまってお時間ありますかしら」
「ソラリス!? どうしてここにいるんだ!」
汗だくで驚くのはレオンだ。
彼はまだ学生ということもあり正式に入団はしていない。
でも準騎士団という見習いみたいなポジションにいる。
「大事なお話があります。二人きりになりたいのですが」
「二人きり!? それってお前……」
ん?
なにか盛大な勘違いしているよね。
そして周りの大人たちがまた、それを助長させるように煽る。
「ヒュー、ついに婚約者に昇格か?」
「レオン公爵、出世の道が確約されましたなぁ!」
「ワハハハッ!」
揶揄ってはいるけど陰湿な感じはしない。
カラッとした人たちだ。
日本だったら陽キャって言われるタイプかな。
「そんなんじゃありませんって! いくぞ、ソラリス」
顔を赤くしながら、レオンは早足で歩いていく。
大股だから着いていくのも大変だ。
建物の裏に移動すると、レオンが緊張した面持ちになる。
「そ、それで大事な話とは?」
「そうですね。レオン様って正直、私のこと嫌いですよね?」
ストレートもいいところだ。
動揺しているのが答えかな。
「急になんだ……。本音を言えば、嫌いだった」
「だった?」
「いや、この間の件から、お前のことがよくわからなくなってな……。疑って申し訳ないとも」
ああ、図書室の件か。
あれで負い目を感じているのだ。
まだ十六歳なのに、自分の中に正義の礎を築き始めているものね。
そういう真面目なところは嫌いじゃないかも。
「少しは私のことを見直してくれた、でいいのですね?」
「ああ。今日もそうだが、以前とは変わった感じがする」
「確かに以前の私は、よくない面が多かったですわ。反省しています」
「そうか。内省は大事だよな」
レオンの私を見る目が穏やかになった。
雰囲気も悪くない。
これなら誘いに乗ってくるかもしれない。
「大事な話というのは、レオン様の正義の在り方についてです」
「俺の正義……」
「失礼ですけれど、あなたの正義は死んでします」
「ハ!? 本当に失礼だぞ!」
カッとなって大声を出すレオン。
耳痛い。
でもここで声量に負けてはいけない。
「では最後に正義の剣を振ったのはいつです?」
「最後は、二年前……いや三年……」
「正義は悪がいないと成り立ちませんからね。この詰め所では難しいでしょう」
レオンは言葉に詰まった様子だ。
私は彼の胸ぐらを引き寄せ、真紅の瞳を真っ直ぐに覗き込む。
「安心して、レオン様。その燻った剣を振るのに相応しい『悪党』——私が用意して差し上げますわ」
「あ、悪党……?」
「ええ。ですからあなたは、私の戦士となって働きなさい」
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