54 / 110
4章:国賊の巣
3話:餓死の村
しおりを挟む
翌日、少ないお供でシリル達はドラール村を目指した。アビーから報告のあった村だ。話し合った結果、村にはシリルとレヴィンだけが入る事になった。大人数で行って警戒されたくなかったのだ。
質素な旅人の格好をして徒歩で入った二人は、予想以上の惨状に言葉をなくした。
「本当に、こんな……」
とても静かで、人の気配がしない。けれど視線は感じている。あばら屋のような家。田畑は立派なのに、他はとても貧しくボロボロだ。それに、妙な臭いがする。
「腐臭だな。餓死者の死体を放置しているんだ」
「そんな……」
不意に思い出した記憶にシリルは眉根を寄せた。それはロアールが始めにシリルに剣を教えた時の事だった。
◆◇◆
剣を握る事を決意したシリルを連れて、ロアールは砦の地下へと向かった。暗くて寒いそこには厚い鉄の扉がある。その扉を開けると、目を覆いたくなるような光景が広がっていた。
けれどそれは、決して逃げてはいけない光景でもあった。
「これは……」
戦死した兵士の死体安置所。腕がない、足がない、首が取れかかっている。そんな遺体も少なくはない。酷い臭いだった。
「これが、お前が踏み込もうとしている世界だ」
それを告げられると、震えが足下から上がってくる。既に命のない人の亡骸。戦場で剣を握ることはこういう事だと、言葉よりもきついものでロアールは示した。
「剣を握らない相手に戦士は寛容だ。特にお前は特別だからな。だが、剣を持つ人間には容赦しない。お前も、剣を持つ人間に寛容になるな。殺しにくる相手に優しさなんて持てば、ここに転がるのはお前だ」
ここに横たわる自分の姿を想像する。怖くて叫びたくなるし、逃げ出したくもなる。でも、違う事も考えた。ここに転がるユリエルの姿。ここに転がる、レヴィンの姿。
踏みとどまった。そして、唇を噛んだ。足の震えは止められないが、逃げなかった。そして瞳を閉じて頭を下げ、ここに眠る人々の冥福だけを切に願った。
「まぁ、合格だな。お前の兄さんよりも人間だ」
「兄上?」
「お前の兄さんにも同じ事をした。あいつは平然としていたよ。それどころか、直ぐに剣を教えろと言ったもんだ」
それだけ、強くならなければいけなかったんだ。そんなに、追い詰められていたんだ。自分の甘えを許されないくらいに。
シリルは手を握る。そして改めて前を見た。いつかここに転がる自分を想像しながら。でもきっと、後悔はしない。やらない後悔に比べれば、やって後悔した方がいい。
「剣を、教えてください。僕を強くしてください」
「あぁ」
ロアールはそう、約束してくれた。
◆◇◆
道を進むと店が見えてくる。少ない食材を高値で売っているが、こんなの買えないだろう。店先に並ぶリンゴを、子供が虚ろな目で見ていた。
「レヴィンさん、こんなのない」
「こんなのはどこにでもある光景さ。お前が生まれる前にも大乱があって、酷い状況になったことがある。その時も、こうした光景は日常どこにでもあった」
隣のレヴィンはとても真っ直ぐな、怖い目をしていた。隣にいるのに遠くにいるような目。寂しいんじゃなくて、怖くなって袖を引いた。
紫の瞳がシリルを見る。途端に泣きそうな顔をされて、距離が近くなった。レヴィンはそのままシリルの手を握って大通りを外れていく。裏手には広場があって、そこにはあの地下室と同じ光景が広がっていた。
折り重なった人の山。酷い臭いがして、みんな虚ろに世界を映している。思わず目を背けたシリルの頭を撫でて、レヴィンは厳しい目を向けていた。
「行こうか」
「はい」
流石にここには居られない。村へ戻ると水場があったけれど、気分的にそれを飲む気にはなれなかった。側に腰を下ろして、レヴィンはそのまま項垂れてしまった。
「大丈夫ですか?」
様子の違うレヴィンが心配になる。シリルは髪に触れ、そっと覗き込んだ。疲れたような瞳が見つめて、弱く笑みを浮かべていた。
「早く死体を片付けないと、疫病が出る。体力が弱ってれば余計に広がる。早々になんとかしよう」
痛そうな笑みを浮かべて立ち上がったレヴィンの服を引っ張って、シリルはもう一度座らせた。驚いたような紫の瞳を見つめ、そっと赤い髪を撫でる。戸惑ったようなレヴィンが首を傾げた。
「どうしたの?」
「痛そうな顔をしていたので」
「どこも怪我してないよ?」
「……心が」
真っ直ぐに見て言うと、レヴィンは苦笑した。言っていいか迷ったけれど、この人に嘘や偽りはないようにしたい。思った事を伝えたいから、伝えてみた。
どっしりと腰を落ち着けたレヴィンが苦しそうに笑う。無理に笑っているんだと分かる表情は見ていてとても痛い。けれど、シリルもそこから逃げはしなかった。
「レヴィンさん」
「なに?」
「一人で、抱えないでくださいね」
言えない事も沢山あるんだと分かっている。言いたくない事も多いんだって分かっている。けれど許されるなら少しだけ、一緒に背負いたい。一緒に悩みたい。それは、贅沢な事なんだろうか。
「ごめんね、心配かけて。でも、こればっかりは誰にも言わないんだ」
「レヴィンさん」
「そんなに責めないでよ。人にはね、言えない事がいくつかある。俺は、ちょっと人より多いんだ。ごめんね」
苦しそうなのに、無理に笑ってみせるから余計に痛々しい。シリルは瞳を伏せ、彼の手を握る。これが、今のシリルにできる精一杯の事だった。
しばらくして二人は立ち上がった。そして再び大きな道に戻ってくると、先ほどとは様子が違っていた。村の人々が群がっている。
「なんでしょう?」
「行ってみようか」
手をつないでその群れに向かう。するとそこでは一台の大きな馬車が止まっていて、まだ若い青年が村の人々に温かいスープを振る舞っていた。野菜と、少しの肉が入ったスープを器に入れて手渡している。
「炊き出しか?」
近づいたレヴィンとシリルにも青年は視線を向けた。だが、大きな鍋は既に空になっていて、青年は申し訳なさそうに頭を下げた。
「すみません、もう……」
「あぁ、いえ! 実は僕たち、旅の途中なのです。貴方はこの辺の人ですか?」
「はい。この村の管理役人をしております、イネスと申します。あの、申し上げにくいのですが、この近くで野宿は避けた方が」
まだ若い青年はとても言いづらそうにしている。地方役人を示す白い服は薄汚れて、若く黒い髪には栄養が行き届いていないのかパサパサしている。肌の色も悪く頬もこけて、見ていて可哀想になるくらいだ。だがその瞳には、まだ諦めていない光がある。
「酷い有様で、皆が飢えております。ここで野宿などすればどうなるか、想像は容易いかと。兄と二人で頑張ってはいるのですが、なかなか」
「お兄さんも?」
イネスは頷く。馬車に乗ろうとするが足元はふらついて今にも倒れてしまいそうな状態だ。見かねたレヴィンが担ぎ上げて馬車の荷台に乗せる。そして自分は御者として馬の手綱を握り、シリルにも乗るように促した。
「大丈夫ですか?」
イネスの側に寄り添ったシリルが声をかけると、とても弱々しく「すみません」と返ってくる。触れた体はとても痩せていた。
「家まで送ります。家はどこですか?」
「ここから西に五百メートルほど行った所にある屋敷です」
シリルはレヴィンにそれを伝え、ほどなく馬車はゆっくりと走り出した。
馬車に揺られながら、イネスはよろよろと起き上がる。具合の悪そうな顔で、それでも頑張って平静を保とうとする姿が痛々しくて、シリルは拒む彼を寝かしつけた。
「無理しないでください。ボロボロです」
「ですが、こんなところで倒れている場合ではないのです。大丈夫ですから」
「ダメです! 貴方が体を壊しては何も成し遂げられません」
少し厳しい言い方だったかもしれない。イネスはすっかりしょげかえって肩を落としてしまう。その後はもう何も言わずに横になったまま、馬車が止まるまで一言も口を開かなかった。
質素な旅人の格好をして徒歩で入った二人は、予想以上の惨状に言葉をなくした。
「本当に、こんな……」
とても静かで、人の気配がしない。けれど視線は感じている。あばら屋のような家。田畑は立派なのに、他はとても貧しくボロボロだ。それに、妙な臭いがする。
「腐臭だな。餓死者の死体を放置しているんだ」
「そんな……」
不意に思い出した記憶にシリルは眉根を寄せた。それはロアールが始めにシリルに剣を教えた時の事だった。
◆◇◆
剣を握る事を決意したシリルを連れて、ロアールは砦の地下へと向かった。暗くて寒いそこには厚い鉄の扉がある。その扉を開けると、目を覆いたくなるような光景が広がっていた。
けれどそれは、決して逃げてはいけない光景でもあった。
「これは……」
戦死した兵士の死体安置所。腕がない、足がない、首が取れかかっている。そんな遺体も少なくはない。酷い臭いだった。
「これが、お前が踏み込もうとしている世界だ」
それを告げられると、震えが足下から上がってくる。既に命のない人の亡骸。戦場で剣を握ることはこういう事だと、言葉よりもきついものでロアールは示した。
「剣を握らない相手に戦士は寛容だ。特にお前は特別だからな。だが、剣を持つ人間には容赦しない。お前も、剣を持つ人間に寛容になるな。殺しにくる相手に優しさなんて持てば、ここに転がるのはお前だ」
ここに横たわる自分の姿を想像する。怖くて叫びたくなるし、逃げ出したくもなる。でも、違う事も考えた。ここに転がるユリエルの姿。ここに転がる、レヴィンの姿。
踏みとどまった。そして、唇を噛んだ。足の震えは止められないが、逃げなかった。そして瞳を閉じて頭を下げ、ここに眠る人々の冥福だけを切に願った。
「まぁ、合格だな。お前の兄さんよりも人間だ」
「兄上?」
「お前の兄さんにも同じ事をした。あいつは平然としていたよ。それどころか、直ぐに剣を教えろと言ったもんだ」
それだけ、強くならなければいけなかったんだ。そんなに、追い詰められていたんだ。自分の甘えを許されないくらいに。
シリルは手を握る。そして改めて前を見た。いつかここに転がる自分を想像しながら。でもきっと、後悔はしない。やらない後悔に比べれば、やって後悔した方がいい。
「剣を、教えてください。僕を強くしてください」
「あぁ」
ロアールはそう、約束してくれた。
◆◇◆
道を進むと店が見えてくる。少ない食材を高値で売っているが、こんなの買えないだろう。店先に並ぶリンゴを、子供が虚ろな目で見ていた。
「レヴィンさん、こんなのない」
「こんなのはどこにでもある光景さ。お前が生まれる前にも大乱があって、酷い状況になったことがある。その時も、こうした光景は日常どこにでもあった」
隣のレヴィンはとても真っ直ぐな、怖い目をしていた。隣にいるのに遠くにいるような目。寂しいんじゃなくて、怖くなって袖を引いた。
紫の瞳がシリルを見る。途端に泣きそうな顔をされて、距離が近くなった。レヴィンはそのままシリルの手を握って大通りを外れていく。裏手には広場があって、そこにはあの地下室と同じ光景が広がっていた。
折り重なった人の山。酷い臭いがして、みんな虚ろに世界を映している。思わず目を背けたシリルの頭を撫でて、レヴィンは厳しい目を向けていた。
「行こうか」
「はい」
流石にここには居られない。村へ戻ると水場があったけれど、気分的にそれを飲む気にはなれなかった。側に腰を下ろして、レヴィンはそのまま項垂れてしまった。
「大丈夫ですか?」
様子の違うレヴィンが心配になる。シリルは髪に触れ、そっと覗き込んだ。疲れたような瞳が見つめて、弱く笑みを浮かべていた。
「早く死体を片付けないと、疫病が出る。体力が弱ってれば余計に広がる。早々になんとかしよう」
痛そうな笑みを浮かべて立ち上がったレヴィンの服を引っ張って、シリルはもう一度座らせた。驚いたような紫の瞳を見つめ、そっと赤い髪を撫でる。戸惑ったようなレヴィンが首を傾げた。
「どうしたの?」
「痛そうな顔をしていたので」
「どこも怪我してないよ?」
「……心が」
真っ直ぐに見て言うと、レヴィンは苦笑した。言っていいか迷ったけれど、この人に嘘や偽りはないようにしたい。思った事を伝えたいから、伝えてみた。
どっしりと腰を落ち着けたレヴィンが苦しそうに笑う。無理に笑っているんだと分かる表情は見ていてとても痛い。けれど、シリルもそこから逃げはしなかった。
「レヴィンさん」
「なに?」
「一人で、抱えないでくださいね」
言えない事も沢山あるんだと分かっている。言いたくない事も多いんだって分かっている。けれど許されるなら少しだけ、一緒に背負いたい。一緒に悩みたい。それは、贅沢な事なんだろうか。
「ごめんね、心配かけて。でも、こればっかりは誰にも言わないんだ」
「レヴィンさん」
「そんなに責めないでよ。人にはね、言えない事がいくつかある。俺は、ちょっと人より多いんだ。ごめんね」
苦しそうなのに、無理に笑ってみせるから余計に痛々しい。シリルは瞳を伏せ、彼の手を握る。これが、今のシリルにできる精一杯の事だった。
しばらくして二人は立ち上がった。そして再び大きな道に戻ってくると、先ほどとは様子が違っていた。村の人々が群がっている。
「なんでしょう?」
「行ってみようか」
手をつないでその群れに向かう。するとそこでは一台の大きな馬車が止まっていて、まだ若い青年が村の人々に温かいスープを振る舞っていた。野菜と、少しの肉が入ったスープを器に入れて手渡している。
「炊き出しか?」
近づいたレヴィンとシリルにも青年は視線を向けた。だが、大きな鍋は既に空になっていて、青年は申し訳なさそうに頭を下げた。
「すみません、もう……」
「あぁ、いえ! 実は僕たち、旅の途中なのです。貴方はこの辺の人ですか?」
「はい。この村の管理役人をしております、イネスと申します。あの、申し上げにくいのですが、この近くで野宿は避けた方が」
まだ若い青年はとても言いづらそうにしている。地方役人を示す白い服は薄汚れて、若く黒い髪には栄養が行き届いていないのかパサパサしている。肌の色も悪く頬もこけて、見ていて可哀想になるくらいだ。だがその瞳には、まだ諦めていない光がある。
「酷い有様で、皆が飢えております。ここで野宿などすればどうなるか、想像は容易いかと。兄と二人で頑張ってはいるのですが、なかなか」
「お兄さんも?」
イネスは頷く。馬車に乗ろうとするが足元はふらついて今にも倒れてしまいそうな状態だ。見かねたレヴィンが担ぎ上げて馬車の荷台に乗せる。そして自分は御者として馬の手綱を握り、シリルにも乗るように促した。
「大丈夫ですか?」
イネスの側に寄り添ったシリルが声をかけると、とても弱々しく「すみません」と返ってくる。触れた体はとても痩せていた。
「家まで送ります。家はどこですか?」
「ここから西に五百メートルほど行った所にある屋敷です」
シリルはレヴィンにそれを伝え、ほどなく馬車はゆっくりと走り出した。
馬車に揺られながら、イネスはよろよろと起き上がる。具合の悪そうな顔で、それでも頑張って平静を保とうとする姿が痛々しくて、シリルは拒む彼を寝かしつけた。
「無理しないでください。ボロボロです」
「ですが、こんなところで倒れている場合ではないのです。大丈夫ですから」
「ダメです! 貴方が体を壊しては何も成し遂げられません」
少し厳しい言い方だったかもしれない。イネスはすっかりしょげかえって肩を落としてしまう。その後はもう何も言わずに横になったまま、馬車が止まるまで一言も口を開かなかった。
0
あなたにおすすめの小説
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
藤吉めぐみ
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。
皇帝に追放された騎士団長の試される忠義
大田ネクロマンサー
BL
若干24歳の若き皇帝が統治するベリニア帝国。『金獅子の双腕』の称号で騎士団長兼、宰相を務める皇帝の側近、レシオン・ド・ミゼル(レジー/ミゼル卿)が突如として国外追放を言い渡される。
帝国中に慕われていた金獅子の双腕に下された理不尽な断罪に、国民は様々な憶測を立てる。ーー金獅子の双腕の叔父に婚約破棄された皇紀リベリオが虎視眈々と復讐の機会を狙っていたのではないか?
国民の憶測に無言で帝国を去るレシオン・ド・ミゼル。船で知り合った少年ミオに懐かれ、なんとか不毛の大地で生きていくレジーだったが……彼には誰にも知られたくない秘密があった。
後天性オメガは未亡人アルファの光
おもちDX
BL
ベータのミルファは侯爵家の未亡人に婚姻を申し出、駄目元だったのに受けてもらえた。オメガの奥さんがやってくる!と期待していたのに、いざやってきたのはアルファの逞しい男性、ルシアーノだった!?
大きな秘密を抱えるルシアーノと惹かれ合い、すれ違う。ミルファの体にも変化が訪れ、二次性が変わってしまった。ままならない体を抱え、どうしてもルシアーノのことを忘れられないミルファは、消えた彼を追いかける――!
後天性オメガをテーマにしたじれもだオメガバース。独自の設定です。
アルファ×ベータ(後天性オメガ)
黒とオメガの騎士の子育て〜この子確かに俺とお前にそっくりだけど、産んだ覚えないんですけど!?〜
せるせ
BL
王都の騎士団に所属するオメガのセルジュは、ある日なぜか北の若き辺境伯クロードの城で目が覚めた。
しかも隣で泣いているのは、クロードと同じ目を持つ自分にそっくりな赤ん坊で……?
「お前が産んだ、俺の子供だ」
いや、そんなこと言われても、産んだ記憶もあんなことやこんなことをした記憶も無いんですけど!?
クロードとは元々険悪な仲だったはずなのに、一体どうしてこんなことに?
一途な黒髪アルファの年下辺境伯×金髪オメガの年上騎士
※一応オメガバース設定をお借りしています
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる