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16章:戦後処理はあれこれです
1話:巻き込まれたチェルル
ジェームダルとの戦争も一段落。帝国騎士達は各々用事が終われば領内に帰っていった。
結局最後まで残ったのは団長達とその恋人達、そして捕虜となるベリアンスとその護衛に数人、そしてチェルルだった。
「それにしても、本当に兄上の側にいるために国籍を変えるつもりなのか?」
ランバートが問うと、少し寂しそうにしながらもチェルルは頷いた。
「元々そのつもりで、アルブレヒト様や他の仲間にも話をしていたしね。戦後復興を手伝えないのは申し訳ないけれど」
だが、仲間達はしっかりと送り出してくれたらしい。
ハムレットとの関係が確かになる前から、チェルルは彼の側にいることを望んだ。そして無事に戦争を終えた今、ジェームダルから出て帝国に国籍を変えたいと申し出ている。
アルブレヒトは静かに頷き、「お前の好きにしていいんだよ」と言っていた。
彼の仲間達も寂しいと言いながらも、それがチェルルの幸せであるならばと了承した。
だが問題は帝国側だ。チェルルは過去、帝国に対してテロ行為を行っている。同じ罪のチェルルの仲間は全員国外追放という処罰で落ち着いたのだ。
その中でチェルルが帝国に戻りたいというのは、様々な問題が考えられる。一つは棚上げされている罪を問われた時。過去を変えられないのだから、罪も償わなければならない。軽いものならばいいが、重く下った時にはどうなるか分からないのだ。
最悪、死罪という可能性すらもあるのだ。
もう一つは、チェルルの恋人であるハムレットの問題だ。ヒッテルスバッハの家は何かと敵が多い。隙あらば力を削ごうとしたり、顔に泥を塗ろうという輩が多い。そこにチェルルは、かっこうの餌食になりかねない。
「チェルル、案外問題は大きいやもしれぬ。我等は今更、其方の事をテロリストだとは思ってはおらぬが……利用される事はある。出来うる限りの事はするが」
「嫌だな、宰相さんまでそんな顔して。俺、結構覚悟出来てるよ」
カラカラっと笑うチェルルの表情からはそんなに覚悟が出来ているようには見えない。ますます不安になるのだが、これを当人に言ってもどうしようもない。実際どうなるかはまったく分からないのだから。
「シウス殿、チェルルを俺と同じ捕虜という形で入れられないのか?」
ベリアンスが不安そうな様子でそう問いかける。これにはシウスも困り顔だった。
「勿論それは可能じゃ。捕虜や人質となれば余計な詮索は受けぬが、そもそもが罪人扱いとなる。自由はなく、当然生活は騎士団や帝国側の管理になる。そうなれば、ハムレットと共にいる時間は保証できぬ。休日の行動すらも制限がかかるのじゃ」
「それは困るよ、宰相さん。俺、先生と一緒にいたくて戻って来たんだから」
苦笑するチェルルは、次には少し寂しげに笑う。そして軽く立ち上がった。
「ベリアンス様も、宰相さんも、ランバートも心配してくれて有り難う。でも、俺は大丈夫。何とかしてみるからさ、あんま心配しないでよ」
「チェルル」
「じゃ、もう寝るよ。明日は王都入りでしょ?」
そのまま本当に寝所へと向かっていくチェルルの背中を、ランバートは不安に思いながら見送るのだった。
だが、翌日帝国王都へと入ったチェルルを待っていたのは予想以上に最悪な状況だった。
突然と裁判所の役人が十人くらいで王都中央門へと押しかけたかと思えば、そのままチェルルを拘束してしまったのだ。
「乱暴な事はやめてもらおう! 罪状を示せ!」
怒ったシウスが前に出て男達に詰問する。その勢いは流石宰相であった。
だが相手も裁判に携わる役人だ。羊皮紙をパッと出し、そこに書かれた罪状を読み上げた。
「被告、チェルルは帝国に対する無数のテロ行為により国外追放となったはず。それが戻って来たのなら、いかな事情かを問い、裁判にて罪を問わねばならない。大臣数人からの訴えと、現実的な問題により彼を城にて拘束し、尋問の後に裁判に掛ける事となりました」
「彼の事情は既に報告し、陛下もご存じのはず。情状酌量と我が国への貢献も彼はしているぞ」
「勿論、それも加味しての裁判となりましょうが」
「……一つ、お尋ねいたします。彼を訴える事を主張している大臣というのは?」
「お教えできません」
控えめに問いかけたランバートにすら、裁判所の役人は冷淡に答えチェルルの手に縄をかけてしまった。
当然、場の注目が集まる。その場にいるファウストやクラウル、当然ベリアンスもこの対応には眉根を寄せて一瞬殺気立った。
だがこれを収めたのは、他でもないチェルル本人だった。
「落ち着いてよ! この人達の言う事は間違いじゃないしさ」
「チェルル!」
「言ったでしょ、覚悟はしてるって。それでも戻る事を決めたのは、俺なんだ」
「でも!」
「ごめん、ちょっと時間かかるって先生に言っておいてよ、ランバート」
苦笑して、縄を引かれて歩いていくチェルルの背中をランバートはどうする事もできずに見送るしかない。この国では裁判に軍や政府が大きく関わる事はできない。特性上どうしても関わる事はあっても、判決などは委ねられる。
「最悪じゃ」
「シウス様」
「やれ、帰って少しはゆっくり出来るかと思っておったが。すまぬな、ラウル」
「とんでもない! 僕、裏を探ってきます。いくら何でもこんなの強引過ぎますし、突然過ぎます。僕も、チェルルに助けてもらいましたから」
そう言うや、ラウルは人混みへと消えて行く。
その後、シウスはオスカルに駆け込んでどうなっているのかを問うと宿舎に戻っていき、クラウルは「兄に探りを入れる」と言って今日は戻らない事を伝えた。
そしてランバートも実家に戻ってハムレットにこの事を話すとファウストに伝えてその足で実家へと向かったのだった。
その夜、別荘地からハムレットが到着し、珍しく帰宅したジョシュア、更にはアレクシスまでが集まってチェルルの事が伝えられた。
ハムレットの、あんなに不安な顔を見たことがない。見る間に血の気が引けて震えた彼は話を全て聞き終える前に立ち上がり、猛然と扉に向かって突進していく。
だがその動きは両脇からジョシュアとアレクシスがほぼタックルのような当たりを食らわせて無理矢理鎮圧され、更にアレクシスによって椅子に縛りつけられた。
「何をする兄上!」
「短気を起こすな単細胞。家名を傷つける事は許さん」
「このままじゃ僕の大事な子がどうなるか分からないんだよ!」
「だからってそのまま動くなアホ。第一、お前どうやってチェルルを助けるつもりでいる」
「城に乗り込んで牢をぶち破る!」
「死ねアホ」
呆れ顔のアレクシスは素が出ている。厳しい様子で睨み下ろす氷の麗人は、盛大な溜息をついた。
「訴えているという大臣の筆頭は、実は予想できているんだよ」
「やはり彼はうちのゴタゴタに巻き込まれたのか父上」
困ったように溜息をついたジョシュアに、ランバートは問いかける。それに更に苦笑を深くして、ジョシュアは頷いた。
「ギネスという大臣なんだが、どうやら最近うちの仕事に横入りしようとしてしくじり気味らしい。損失が出ているとかで、焦っている。そいつが声高にテロリストの排除と厳しい処分を訴えている。ハムレットが匿っているのを知ってのことだろうね」
「国からの要請だっただろ?」
「あぁ、そう言ってそこについては取り合っていない。国外退去となり、彼らの罪は国を跨ぐ事もあって問わない事が決まっている。だが、チェルルの場合はね」
国を移したいと希望する彼の上に、拭えない事実がある。本来はテロ行為をチャラにできるだけの功績を彼は上げているし、情状酌量もある。反省の意志もあり、帝国に対する謀反も今後は考えられない。更に言えば隣国の王の近習みたいなものだ、無体な事をすれば国際問題だ。
「本当に律儀な子だよ。こんなのの為に危険を承知で戻ってくるなんてね」
ジョシュアは溜息をつきつつも、少し嬉しそうだった。そして進み出て、尚も荒れまくるハムレットの頭を思いきり拳骨で静めた。
「お前が落ち着かなくてどうするんだい、愚息。まったく、それでもヒッテルスバッハの子かい、情けない」
「煩いぞ父上!」
「おや、父上様に逆らおうというのかい?」
「クソ親父」
「口が悪い。まぁ、それだけ大事な子だってことで大目に見てあげよう。いいかい、ちゃんと聞きなさい。声高にテロリスト排除を謳っているギネス大臣が望むのは我が家との裏取引だ。煩く喚くのを止めて欲しければ自分が新規の事業に割り込める隙を作れと言ってくるだろう。そこに、奴の落としどころがある」
ジョシュアの言葉に、ハムレットはピタリと罵詈雑言を止めた。そして、酷く暗い目で真っ直ぐに闇を見た。
「いい目だ。乱暴な方法ではなく奴を落とせ。我が家はあんな小物と取引するつもりはない。欲しい物は己の力で手にいれる。それが、我が家のやり方だよ」
「……ランバート、裁判はいつになるか分かる?」
「一週間はかかるはずだ。取り調べがある。幸いここにはその大臣の意向は挟まれないはずだ。それも、表向きだけれどね。逆に事情を一番に知っている軍も大きく感情論での話はできない。裁判官と、陛下を落とせるネタがないと難しい」
「はっ、十分。叩いて埃の出る奴なら、出なくなるまで叩き倒すのみさ」
そう言ったハムレットの目には、既にいつもの鋭さが戻っていた。
無言のまま縄を解いたアレクシスを一睨みしたハムレットは軽く体を解す。そして、闇に身を溶くように消えていった。
結局最後まで残ったのは団長達とその恋人達、そして捕虜となるベリアンスとその護衛に数人、そしてチェルルだった。
「それにしても、本当に兄上の側にいるために国籍を変えるつもりなのか?」
ランバートが問うと、少し寂しそうにしながらもチェルルは頷いた。
「元々そのつもりで、アルブレヒト様や他の仲間にも話をしていたしね。戦後復興を手伝えないのは申し訳ないけれど」
だが、仲間達はしっかりと送り出してくれたらしい。
ハムレットとの関係が確かになる前から、チェルルは彼の側にいることを望んだ。そして無事に戦争を終えた今、ジェームダルから出て帝国に国籍を変えたいと申し出ている。
アルブレヒトは静かに頷き、「お前の好きにしていいんだよ」と言っていた。
彼の仲間達も寂しいと言いながらも、それがチェルルの幸せであるならばと了承した。
だが問題は帝国側だ。チェルルは過去、帝国に対してテロ行為を行っている。同じ罪のチェルルの仲間は全員国外追放という処罰で落ち着いたのだ。
その中でチェルルが帝国に戻りたいというのは、様々な問題が考えられる。一つは棚上げされている罪を問われた時。過去を変えられないのだから、罪も償わなければならない。軽いものならばいいが、重く下った時にはどうなるか分からないのだ。
最悪、死罪という可能性すらもあるのだ。
もう一つは、チェルルの恋人であるハムレットの問題だ。ヒッテルスバッハの家は何かと敵が多い。隙あらば力を削ごうとしたり、顔に泥を塗ろうという輩が多い。そこにチェルルは、かっこうの餌食になりかねない。
「チェルル、案外問題は大きいやもしれぬ。我等は今更、其方の事をテロリストだとは思ってはおらぬが……利用される事はある。出来うる限りの事はするが」
「嫌だな、宰相さんまでそんな顔して。俺、結構覚悟出来てるよ」
カラカラっと笑うチェルルの表情からはそんなに覚悟が出来ているようには見えない。ますます不安になるのだが、これを当人に言ってもどうしようもない。実際どうなるかはまったく分からないのだから。
「シウス殿、チェルルを俺と同じ捕虜という形で入れられないのか?」
ベリアンスが不安そうな様子でそう問いかける。これにはシウスも困り顔だった。
「勿論それは可能じゃ。捕虜や人質となれば余計な詮索は受けぬが、そもそもが罪人扱いとなる。自由はなく、当然生活は騎士団や帝国側の管理になる。そうなれば、ハムレットと共にいる時間は保証できぬ。休日の行動すらも制限がかかるのじゃ」
「それは困るよ、宰相さん。俺、先生と一緒にいたくて戻って来たんだから」
苦笑するチェルルは、次には少し寂しげに笑う。そして軽く立ち上がった。
「ベリアンス様も、宰相さんも、ランバートも心配してくれて有り難う。でも、俺は大丈夫。何とかしてみるからさ、あんま心配しないでよ」
「チェルル」
「じゃ、もう寝るよ。明日は王都入りでしょ?」
そのまま本当に寝所へと向かっていくチェルルの背中を、ランバートは不安に思いながら見送るのだった。
だが、翌日帝国王都へと入ったチェルルを待っていたのは予想以上に最悪な状況だった。
突然と裁判所の役人が十人くらいで王都中央門へと押しかけたかと思えば、そのままチェルルを拘束してしまったのだ。
「乱暴な事はやめてもらおう! 罪状を示せ!」
怒ったシウスが前に出て男達に詰問する。その勢いは流石宰相であった。
だが相手も裁判に携わる役人だ。羊皮紙をパッと出し、そこに書かれた罪状を読み上げた。
「被告、チェルルは帝国に対する無数のテロ行為により国外追放となったはず。それが戻って来たのなら、いかな事情かを問い、裁判にて罪を問わねばならない。大臣数人からの訴えと、現実的な問題により彼を城にて拘束し、尋問の後に裁判に掛ける事となりました」
「彼の事情は既に報告し、陛下もご存じのはず。情状酌量と我が国への貢献も彼はしているぞ」
「勿論、それも加味しての裁判となりましょうが」
「……一つ、お尋ねいたします。彼を訴える事を主張している大臣というのは?」
「お教えできません」
控えめに問いかけたランバートにすら、裁判所の役人は冷淡に答えチェルルの手に縄をかけてしまった。
当然、場の注目が集まる。その場にいるファウストやクラウル、当然ベリアンスもこの対応には眉根を寄せて一瞬殺気立った。
だがこれを収めたのは、他でもないチェルル本人だった。
「落ち着いてよ! この人達の言う事は間違いじゃないしさ」
「チェルル!」
「言ったでしょ、覚悟はしてるって。それでも戻る事を決めたのは、俺なんだ」
「でも!」
「ごめん、ちょっと時間かかるって先生に言っておいてよ、ランバート」
苦笑して、縄を引かれて歩いていくチェルルの背中をランバートはどうする事もできずに見送るしかない。この国では裁判に軍や政府が大きく関わる事はできない。特性上どうしても関わる事はあっても、判決などは委ねられる。
「最悪じゃ」
「シウス様」
「やれ、帰って少しはゆっくり出来るかと思っておったが。すまぬな、ラウル」
「とんでもない! 僕、裏を探ってきます。いくら何でもこんなの強引過ぎますし、突然過ぎます。僕も、チェルルに助けてもらいましたから」
そう言うや、ラウルは人混みへと消えて行く。
その後、シウスはオスカルに駆け込んでどうなっているのかを問うと宿舎に戻っていき、クラウルは「兄に探りを入れる」と言って今日は戻らない事を伝えた。
そしてランバートも実家に戻ってハムレットにこの事を話すとファウストに伝えてその足で実家へと向かったのだった。
その夜、別荘地からハムレットが到着し、珍しく帰宅したジョシュア、更にはアレクシスまでが集まってチェルルの事が伝えられた。
ハムレットの、あんなに不安な顔を見たことがない。見る間に血の気が引けて震えた彼は話を全て聞き終える前に立ち上がり、猛然と扉に向かって突進していく。
だがその動きは両脇からジョシュアとアレクシスがほぼタックルのような当たりを食らわせて無理矢理鎮圧され、更にアレクシスによって椅子に縛りつけられた。
「何をする兄上!」
「短気を起こすな単細胞。家名を傷つける事は許さん」
「このままじゃ僕の大事な子がどうなるか分からないんだよ!」
「だからってそのまま動くなアホ。第一、お前どうやってチェルルを助けるつもりでいる」
「城に乗り込んで牢をぶち破る!」
「死ねアホ」
呆れ顔のアレクシスは素が出ている。厳しい様子で睨み下ろす氷の麗人は、盛大な溜息をついた。
「訴えているという大臣の筆頭は、実は予想できているんだよ」
「やはり彼はうちのゴタゴタに巻き込まれたのか父上」
困ったように溜息をついたジョシュアに、ランバートは問いかける。それに更に苦笑を深くして、ジョシュアは頷いた。
「ギネスという大臣なんだが、どうやら最近うちの仕事に横入りしようとしてしくじり気味らしい。損失が出ているとかで、焦っている。そいつが声高にテロリストの排除と厳しい処分を訴えている。ハムレットが匿っているのを知ってのことだろうね」
「国からの要請だっただろ?」
「あぁ、そう言ってそこについては取り合っていない。国外退去となり、彼らの罪は国を跨ぐ事もあって問わない事が決まっている。だが、チェルルの場合はね」
国を移したいと希望する彼の上に、拭えない事実がある。本来はテロ行為をチャラにできるだけの功績を彼は上げているし、情状酌量もある。反省の意志もあり、帝国に対する謀反も今後は考えられない。更に言えば隣国の王の近習みたいなものだ、無体な事をすれば国際問題だ。
「本当に律儀な子だよ。こんなのの為に危険を承知で戻ってくるなんてね」
ジョシュアは溜息をつきつつも、少し嬉しそうだった。そして進み出て、尚も荒れまくるハムレットの頭を思いきり拳骨で静めた。
「お前が落ち着かなくてどうするんだい、愚息。まったく、それでもヒッテルスバッハの子かい、情けない」
「煩いぞ父上!」
「おや、父上様に逆らおうというのかい?」
「クソ親父」
「口が悪い。まぁ、それだけ大事な子だってことで大目に見てあげよう。いいかい、ちゃんと聞きなさい。声高にテロリスト排除を謳っているギネス大臣が望むのは我が家との裏取引だ。煩く喚くのを止めて欲しければ自分が新規の事業に割り込める隙を作れと言ってくるだろう。そこに、奴の落としどころがある」
ジョシュアの言葉に、ハムレットはピタリと罵詈雑言を止めた。そして、酷く暗い目で真っ直ぐに闇を見た。
「いい目だ。乱暴な方法ではなく奴を落とせ。我が家はあんな小物と取引するつもりはない。欲しい物は己の力で手にいれる。それが、我が家のやり方だよ」
「……ランバート、裁判はいつになるか分かる?」
「一週間はかかるはずだ。取り調べがある。幸いここにはその大臣の意向は挟まれないはずだ。それも、表向きだけれどね。逆に事情を一番に知っている軍も大きく感情論での話はできない。裁判官と、陛下を落とせるネタがないと難しい」
「はっ、十分。叩いて埃の出る奴なら、出なくなるまで叩き倒すのみさ」
そう言ったハムレットの目には、既にいつもの鋭さが戻っていた。
無言のまま縄を解いたアレクシスを一睨みしたハムレットは軽く体を解す。そして、闇に身を溶くように消えていった。
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