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16章:戦後処理はあれこれです
5話:離れた距離を埋めるもの(チェルル)
宛がわれた家は一軒家だけれど小さめ。簡素でちょっと可愛らしいくらいだった。そこにチェルルの他、役所から派遣された二名の役人が付くことになっている。
裁判当日、ハムレットは早速面会……というよりも、一泊要求した。役人二人がいてもいいという条件で、身体検査も全部受けても付いてくると言い張った。
「んぅ……はぁ、まっって……っ」
チェルル用の寝室に入ってすぐ、後ろから抱きしめられてそのまま手が悪戯をしかけてくる。チュニックの下から手を滑り込ませ、クリクリと乳首を探って捏ね回してくる。
けれどこの家には二人だけじゃないし、別宅みたいに壁も厚くない。筒抜けみたいなものだ。
「人、聞かれちゃうっ」
「いいよ」
「良くないったら!」
「あいつらが僕達の日常に入り込んできたんだから、遠慮なんてする必要はない。それに僕は限界」
「っっ!」
背中に当たるハムレットの昂ぶりは、間違いなく大きく育っている。それを感じると恥ずかしいような、でもムズムズするような感情に息が乱れてしまう。求められる事に悦びを感じてしまっている。
体を捻るようにしてするキスは少し無理があるのに、もっと欲しくてなかなか離せなくなっている。
「んぅぅ」
「体、熱くなってるよ猫くん。本当に、嫌かい?」
「そういう言い方、ずるいよ先生」
嫌なんて事ない。本当はずっと、こうして触れたかったんだ。自重しようとか、怪我とかがあってちゃんと出来なかっただけで、チェルルだって触れたくてたまらなかった。
ずるい人は得意げに笑う。クルリと体を反転させられて、今度は正面からしっかりとハムレットを受け入れた。
ドキドキと苦しいくらいに心臓が煩い。どうしよう、クラクラする。何度も舌を絡めて、吸われて、角度を変えながら求め合って。どうしようもない程に溺れていく予感がする。
「せん、せい……っっ!」
涙で潤んだ目で見つめるとチュッと啄まれ、次には唇が首筋に触れていく。とても丁寧に、隅々まで愛されていくようにゆっくりと触れられて、もどかしくも感じてしまう。
「あっ、先生だめ。力、抜けちゃうっ」
「ベッド行こうか」
立ったままだと倒れてしまいそうで、首に腕を回して訴えるとそのまま抱き上げられた。腰と膝裏に腕を差し込まれて抱き上げられるなんてかなり恥ずかしい。それに不安定で、ハムレットの首に腕を回して抱き寄せた。
「可愛い、猫くん」
「これ、恥ずかしいよ」
「僕は嬉しいんだけれどね」
それを物語るように、ハムレットの目尻がふにゃりと下がる。こんなに締まりのないハムレットの顔を他の誰が知っているだろうか。そう思うと、優越感がある。
とても丁寧にベッドに降ろされ、その上に陣取られる。ギシリと音が鳴るシングルのベッドは大人の男二人では狭い。
「狭いね、流石に」
少し不満そうなハムレットに、チェルルは笑って手を伸ばす。容易く触れられた体を捉まえて、チェルルはほっとした。
「俺はこのくらい近いのも好きだよ。先生がとても近くにいるみたい」
「……たまには、いいかもね」
「先生、単純すぎ」
「いいでしょ、このくらい。僕は君が喜ぶ事をしたいんだよ」
本当に甘やかしすぎる。そうは思うけれど嬉しいのも本当だから困る。近づいて、甘くキスをされて、それに溺れていく。
「んぅ、先生……」
「蕩けた顔をしてる。気持ちいい?」
「んっ、気持ちいいよ。ぼんやりして、もっと欲しくなるっ」
「沢山、あげるよ」
チュッチュッとチュニックをたくし上げられて、体中にキスをされる。白かった体に赤い跡が無数につく。吸われ、赤くなるとそこを舌で舐められて。ヒクッと体が小さく反応していく。
指がクリクリっと胸元に触れ、ジワッと痺れて息が上がった。この家には他にも人がいる。それを意識はしていても、上がる息を抑えられない。声を抑えるのが精一杯だ。
「んっ!」
「声、聞きたいんだけど」
「むりっ、んぅぅ!」
一応羞恥心とかあるんだから!
「あっ、ダメっっ、はぁぁ」
少しムッとしたハムレットが片方の乳首をキュッと摘まみ、もう片方を口に含み吸い上げる。それと同じくまだズボンを履いたまま盛り上がった昂ぶりをクチュリと握り込んでくる。
一気に走った痺れに小さいながらも声が出てしまう。こんなの、耐えられない。
「もっと声が聞きたいんだ。可愛い声で鳴いて」
「やっ、だからそれはっっ!」
「恥ずかしくてもダメ。それにこっちは、拒んでないでしょ?」
布越しの刺激がもどかしくなってくる。擦れて、染みを作っているんだろうと思う。それくらいトロトロになってしまっている。
「ふぁあ、ダメだよ先生ぃ」
「蕩け顔、可愛いよ猫くん。もっとって言ってるのと変わらない」
「ひぅう!!」
布越しに先端をクリクリ撫で回されて、カッと体が沸騰したみたいだ。一瞬で目の前がチカチカして、気付いたら下着ごとズボンも濡れてしまっていた。
「我慢できないくらい、欲しかったんだね」
「先生の意地悪……」
「可愛いよ。でも、これだと気持ち悪いね。脱がせるよ」
拒否権は既にない。ズボンの紐も下着の紐も解かれて、脱がされる。同時にハムレットも衣服を脱いで、素肌で互いに抱き合った。
温かい体。抱き寄せるとほっとすると同時に、ドキドキしてる。変な感じだ、ドキドキして切ないくらいなのに、落ち着くなんて。
「猫くん、気持ちいいね」
「うん。このまま抱きしめたままでも俺、満たされるよ」
「それは僕が切ないな」
苦笑したハムレットが、ヌルリと内股に昂ぶりを擦りつけてくる。それはとても熱くて、逞しく育っていた。
「うわ……先生、自分で抜いてた?」
「一人で? 虚しいでしょ」
「立派な成人男性なんだから、そこは健康的にしておいてよ」
「僕は性欲薄い方だし、健康的な男子でもないよ。生殖能力低いからね」
「え?」
ちょっと驚いて見たら、ハムレットは苦笑して「子供の頃の病気でね」と付け加えた。
「高熱が何度も続いたし、正直生死の境を彷徨った事も一度や二度じゃないし。調べてみたけれど、圧倒的に精子が少ない。だからかな、そんなに性欲強くないんだよ。こんな風に反応するのは猫くんだけ」
それは嬉しいような、なんだか聞いちゃいけない事を聞いたような。切なくてギュッと抱き寄せると、嬉しそうにクスクス笑って抱きしめられた。
「猫くんだけなんだよ、本当に。だから、ね? この熱、君に受け止めてもらいたいんだ」
こんな風に言われたら逃げられない。本当にずるいと思う。けれど、逃げるつもりも最初からないんだと思う。キュンと腹の奥が疼いた。
「いいかな?」
「ダメって言っても、するでしょ?」
「いいよって言って欲しいの」
「……拒まないの、分かりきってるのに」
ごめんね、まだちょっと素直じゃなくて。これ、照れ隠しだから分かってくれるかな?
そっぽを向いたら、笑われた。捕まって、キスをされて。本当にこの人だけを求めているんだって、体で知らしめられた。
「欲しい、チェルル」
「んっ、俺も……欲しい、です」
耳元で低く囁くなんて、本当にずるいんだから。でも、これにゾクゾクするんだから重症だ。
香油を纏わせた指がクチュリと後孔を開いていく。抵抗はあって、なかなか開かなくてもゆっくり慣らされていくとゆるゆると口を開け始める。中を捻るように弄られて、指の腹がクリクリと中を擦るとビクッと体が反応した。
「ふぅ……ふぅぅ……」
「上手だよ、猫くん。中、熱くなってるね」
「そういう事、はぁ! 言わないでっ」
言葉で犯され、体も犯され、ゾクゾク駆け上がっていっておかしくなりそう。足の指まで力が入ってシーツをかいた。
とても締め付けているんだと思う。指の動きが、伝わってくる。息を吐いて快楽を逃がすけれど、追い詰めるように探られるとまたビクンと強ばってしまう。
「痛くない?」
コクン
「じゃ、もう少し進めるね」
ギリギリまで引き抜かれて、圧迫感が増えた。そうしてまた体を慣らされて、甘やかすようにキスをされて、あちこちを触られて。
もう、訳が分からない。こんな事、ハムレット以外あり得ないから経験が浅くて前も死んでしまいそうなほど気持ちがよかった。また、あんな風に乱れてしまうんだ。
「柔らかくなってきたね。そろそろ、いいかい?」
「ほぇ?」
「いいかい?」とは、どういう?
働かなくなってきた頭は言葉を理解できなくなってきている。それでもあてがわれた熱を感じると、体が勝手に反応した。
「んぅ! ふっ、ぅっ……ぁあぁ!」
「っ! 狭いな……息、ちゃんと吐いてね」
ゆっくりと開かれていく部分はまだこの行為に慣れていない。気持ちはあっても体は引き裂かれるような痛みを発して汗が出る。
ハムレットも少し辛そうで、キツく眉根が寄っている。張り付く髪を撫でられ、キスをされて。ゆっくりと犯されていくのを感じるのが実は好きだなんて、言ったら驚かれるだろうな。
「上手だよ、猫くん」
「んっ、ふっ……せん、せいの、熱いっ」
「うん、僕もそう思う。猫くんの中も、とても熱くなってるよ」
「くぅぅ! あっ、ゆっく、り……」
ズルッと抜けて、油を足しながらもう少し奥へ。徐々にそこがヌルヌルと滑るようになると楽になる。痛みが薄らいで、代わりに感じるのは腹の中を満たすような苦しさと快楽、そして幸福感だ。
ほっとするのと、嬉しいのとを感じて背中に腕を回して抱きつくと、同じように抱きしめられて微笑まれて、甘やかすキスをくれる。大切に撫でられているのは心地いい。
「全部、入ったよ」
「んっ、分かるよ……俺の中、先生でいっぱい」
はぁはぁと息をしながら自分の腹を撫でてみる。沢山、詰まっている感じがした。
見上げたら、ハムレットは恥ずかしそうに赤くなっている。首を傾げていると、不意に腹を撫でる手を取られてその甲にキスをされた。
「なんかそれ、恥ずかしいよ猫くん。その……愛しそうにされるとさ」
「え? あぁ、うん。幸せだなって……って、先生なんか大きくなってない!?」
「君が煽るのが悪い!」
「んぅぅ! ひぐっ! やぁぁ!」
煽ったなんて自覚はない。ないけれど、ハムレットにしたらそうなんだろう。ズンッと奥を叩かれて仰け反るようにビクビク反応した。気持ち良くて、飛んだ。
「イッたね、中で。ここからは気持ちいいよ」
「やっ、まって! あぅ、はぁ、あぁぁ、イッ」
イッたばかりだから手加減してよぉ!!
でもガンガンと腰を押し当てられ、突き上げられて擦れると気持ちがいい。キュゥと意識していないのに締まる感じもして、より深い部分で感じている気がする。
「キツい……搾り取られるみたいだ」
「やぅ! あっ、先生イイよぉ!」
「うん、僕も気持ちいい。チェルル、名前呼んで?」
「ハムレットぉ!」
気持ちいいやら、愛しいやら、切ないやら。沢山詰まっていて幸せな苦しさに抱きついて。ジュブジュブに犯されながら切羽詰まって絡める舌の甘さは凄いと思う。満たされなかった部分が全部、ハムレットで埋まっていく。
同じように思ってくれているかな? なんて、思うだけバカかもしれない。とても近い距離で見るハムレットの瞳は切なく甘く、ちょっと濡れている。同じだって、思えている。
「ハムレット、好き……んぅ! あぁぁ! イッ……ちゃう!」
「んっ、いいよ……チェルル、好きだよ」
「はうぅ! あっ、ふぁああぁぁ!」
腹の中全部を擦られ、最奥を突き上げられて真っ白に飛んだ。気持ち良すぎて落ちるなら、きっとこんな感じだと思う。キュウゥと絞り上げるみたいに中が収縮して、その先が熱くなっていく。この瞬間に幸せだなって思うのは、溺れているからだろうか。
「んっ……猫くん絞りすぎ……あっ、これ辛いかも……」
「ご、めん……あっ、んぅぅ!」
「いいよ、嬉しいから」
甘く微笑まれて、額や頬や唇にキスをされて。嬉しいけれどこれ、余計に締め付けてしまうのに。実際、とても色っぽい声で時々ハムレットは喘いでいるし。
でもようやく、戻って来た気がする。この人の側に、腕の中に戻って来た。
「先生、俺の事飼ってね」
小さく伝えた「よろしく」の気持ちに、ハムレットは嬉しそうに「勿論だよ」と返してくれた。
裁判当日、ハムレットは早速面会……というよりも、一泊要求した。役人二人がいてもいいという条件で、身体検査も全部受けても付いてくると言い張った。
「んぅ……はぁ、まっって……っ」
チェルル用の寝室に入ってすぐ、後ろから抱きしめられてそのまま手が悪戯をしかけてくる。チュニックの下から手を滑り込ませ、クリクリと乳首を探って捏ね回してくる。
けれどこの家には二人だけじゃないし、別宅みたいに壁も厚くない。筒抜けみたいなものだ。
「人、聞かれちゃうっ」
「いいよ」
「良くないったら!」
「あいつらが僕達の日常に入り込んできたんだから、遠慮なんてする必要はない。それに僕は限界」
「っっ!」
背中に当たるハムレットの昂ぶりは、間違いなく大きく育っている。それを感じると恥ずかしいような、でもムズムズするような感情に息が乱れてしまう。求められる事に悦びを感じてしまっている。
体を捻るようにしてするキスは少し無理があるのに、もっと欲しくてなかなか離せなくなっている。
「んぅぅ」
「体、熱くなってるよ猫くん。本当に、嫌かい?」
「そういう言い方、ずるいよ先生」
嫌なんて事ない。本当はずっと、こうして触れたかったんだ。自重しようとか、怪我とかがあってちゃんと出来なかっただけで、チェルルだって触れたくてたまらなかった。
ずるい人は得意げに笑う。クルリと体を反転させられて、今度は正面からしっかりとハムレットを受け入れた。
ドキドキと苦しいくらいに心臓が煩い。どうしよう、クラクラする。何度も舌を絡めて、吸われて、角度を変えながら求め合って。どうしようもない程に溺れていく予感がする。
「せん、せい……っっ!」
涙で潤んだ目で見つめるとチュッと啄まれ、次には唇が首筋に触れていく。とても丁寧に、隅々まで愛されていくようにゆっくりと触れられて、もどかしくも感じてしまう。
「あっ、先生だめ。力、抜けちゃうっ」
「ベッド行こうか」
立ったままだと倒れてしまいそうで、首に腕を回して訴えるとそのまま抱き上げられた。腰と膝裏に腕を差し込まれて抱き上げられるなんてかなり恥ずかしい。それに不安定で、ハムレットの首に腕を回して抱き寄せた。
「可愛い、猫くん」
「これ、恥ずかしいよ」
「僕は嬉しいんだけれどね」
それを物語るように、ハムレットの目尻がふにゃりと下がる。こんなに締まりのないハムレットの顔を他の誰が知っているだろうか。そう思うと、優越感がある。
とても丁寧にベッドに降ろされ、その上に陣取られる。ギシリと音が鳴るシングルのベッドは大人の男二人では狭い。
「狭いね、流石に」
少し不満そうなハムレットに、チェルルは笑って手を伸ばす。容易く触れられた体を捉まえて、チェルルはほっとした。
「俺はこのくらい近いのも好きだよ。先生がとても近くにいるみたい」
「……たまには、いいかもね」
「先生、単純すぎ」
「いいでしょ、このくらい。僕は君が喜ぶ事をしたいんだよ」
本当に甘やかしすぎる。そうは思うけれど嬉しいのも本当だから困る。近づいて、甘くキスをされて、それに溺れていく。
「んぅ、先生……」
「蕩けた顔をしてる。気持ちいい?」
「んっ、気持ちいいよ。ぼんやりして、もっと欲しくなるっ」
「沢山、あげるよ」
チュッチュッとチュニックをたくし上げられて、体中にキスをされる。白かった体に赤い跡が無数につく。吸われ、赤くなるとそこを舌で舐められて。ヒクッと体が小さく反応していく。
指がクリクリっと胸元に触れ、ジワッと痺れて息が上がった。この家には他にも人がいる。それを意識はしていても、上がる息を抑えられない。声を抑えるのが精一杯だ。
「んっ!」
「声、聞きたいんだけど」
「むりっ、んぅぅ!」
一応羞恥心とかあるんだから!
「あっ、ダメっっ、はぁぁ」
少しムッとしたハムレットが片方の乳首をキュッと摘まみ、もう片方を口に含み吸い上げる。それと同じくまだズボンを履いたまま盛り上がった昂ぶりをクチュリと握り込んでくる。
一気に走った痺れに小さいながらも声が出てしまう。こんなの、耐えられない。
「もっと声が聞きたいんだ。可愛い声で鳴いて」
「やっ、だからそれはっっ!」
「恥ずかしくてもダメ。それにこっちは、拒んでないでしょ?」
布越しの刺激がもどかしくなってくる。擦れて、染みを作っているんだろうと思う。それくらいトロトロになってしまっている。
「ふぁあ、ダメだよ先生ぃ」
「蕩け顔、可愛いよ猫くん。もっとって言ってるのと変わらない」
「ひぅう!!」
布越しに先端をクリクリ撫で回されて、カッと体が沸騰したみたいだ。一瞬で目の前がチカチカして、気付いたら下着ごとズボンも濡れてしまっていた。
「我慢できないくらい、欲しかったんだね」
「先生の意地悪……」
「可愛いよ。でも、これだと気持ち悪いね。脱がせるよ」
拒否権は既にない。ズボンの紐も下着の紐も解かれて、脱がされる。同時にハムレットも衣服を脱いで、素肌で互いに抱き合った。
温かい体。抱き寄せるとほっとすると同時に、ドキドキしてる。変な感じだ、ドキドキして切ないくらいなのに、落ち着くなんて。
「猫くん、気持ちいいね」
「うん。このまま抱きしめたままでも俺、満たされるよ」
「それは僕が切ないな」
苦笑したハムレットが、ヌルリと内股に昂ぶりを擦りつけてくる。それはとても熱くて、逞しく育っていた。
「うわ……先生、自分で抜いてた?」
「一人で? 虚しいでしょ」
「立派な成人男性なんだから、そこは健康的にしておいてよ」
「僕は性欲薄い方だし、健康的な男子でもないよ。生殖能力低いからね」
「え?」
ちょっと驚いて見たら、ハムレットは苦笑して「子供の頃の病気でね」と付け加えた。
「高熱が何度も続いたし、正直生死の境を彷徨った事も一度や二度じゃないし。調べてみたけれど、圧倒的に精子が少ない。だからかな、そんなに性欲強くないんだよ。こんな風に反応するのは猫くんだけ」
それは嬉しいような、なんだか聞いちゃいけない事を聞いたような。切なくてギュッと抱き寄せると、嬉しそうにクスクス笑って抱きしめられた。
「猫くんだけなんだよ、本当に。だから、ね? この熱、君に受け止めてもらいたいんだ」
こんな風に言われたら逃げられない。本当にずるいと思う。けれど、逃げるつもりも最初からないんだと思う。キュンと腹の奥が疼いた。
「いいかな?」
「ダメって言っても、するでしょ?」
「いいよって言って欲しいの」
「……拒まないの、分かりきってるのに」
ごめんね、まだちょっと素直じゃなくて。これ、照れ隠しだから分かってくれるかな?
そっぽを向いたら、笑われた。捕まって、キスをされて。本当にこの人だけを求めているんだって、体で知らしめられた。
「欲しい、チェルル」
「んっ、俺も……欲しい、です」
耳元で低く囁くなんて、本当にずるいんだから。でも、これにゾクゾクするんだから重症だ。
香油を纏わせた指がクチュリと後孔を開いていく。抵抗はあって、なかなか開かなくてもゆっくり慣らされていくとゆるゆると口を開け始める。中を捻るように弄られて、指の腹がクリクリと中を擦るとビクッと体が反応した。
「ふぅ……ふぅぅ……」
「上手だよ、猫くん。中、熱くなってるね」
「そういう事、はぁ! 言わないでっ」
言葉で犯され、体も犯され、ゾクゾク駆け上がっていっておかしくなりそう。足の指まで力が入ってシーツをかいた。
とても締め付けているんだと思う。指の動きが、伝わってくる。息を吐いて快楽を逃がすけれど、追い詰めるように探られるとまたビクンと強ばってしまう。
「痛くない?」
コクン
「じゃ、もう少し進めるね」
ギリギリまで引き抜かれて、圧迫感が増えた。そうしてまた体を慣らされて、甘やかすようにキスをされて、あちこちを触られて。
もう、訳が分からない。こんな事、ハムレット以外あり得ないから経験が浅くて前も死んでしまいそうなほど気持ちがよかった。また、あんな風に乱れてしまうんだ。
「柔らかくなってきたね。そろそろ、いいかい?」
「ほぇ?」
「いいかい?」とは、どういう?
働かなくなってきた頭は言葉を理解できなくなってきている。それでもあてがわれた熱を感じると、体が勝手に反応した。
「んぅ! ふっ、ぅっ……ぁあぁ!」
「っ! 狭いな……息、ちゃんと吐いてね」
ゆっくりと開かれていく部分はまだこの行為に慣れていない。気持ちはあっても体は引き裂かれるような痛みを発して汗が出る。
ハムレットも少し辛そうで、キツく眉根が寄っている。張り付く髪を撫でられ、キスをされて。ゆっくりと犯されていくのを感じるのが実は好きだなんて、言ったら驚かれるだろうな。
「上手だよ、猫くん」
「んっ、ふっ……せん、せいの、熱いっ」
「うん、僕もそう思う。猫くんの中も、とても熱くなってるよ」
「くぅぅ! あっ、ゆっく、り……」
ズルッと抜けて、油を足しながらもう少し奥へ。徐々にそこがヌルヌルと滑るようになると楽になる。痛みが薄らいで、代わりに感じるのは腹の中を満たすような苦しさと快楽、そして幸福感だ。
ほっとするのと、嬉しいのとを感じて背中に腕を回して抱きつくと、同じように抱きしめられて微笑まれて、甘やかすキスをくれる。大切に撫でられているのは心地いい。
「全部、入ったよ」
「んっ、分かるよ……俺の中、先生でいっぱい」
はぁはぁと息をしながら自分の腹を撫でてみる。沢山、詰まっている感じがした。
見上げたら、ハムレットは恥ずかしそうに赤くなっている。首を傾げていると、不意に腹を撫でる手を取られてその甲にキスをされた。
「なんかそれ、恥ずかしいよ猫くん。その……愛しそうにされるとさ」
「え? あぁ、うん。幸せだなって……って、先生なんか大きくなってない!?」
「君が煽るのが悪い!」
「んぅぅ! ひぐっ! やぁぁ!」
煽ったなんて自覚はない。ないけれど、ハムレットにしたらそうなんだろう。ズンッと奥を叩かれて仰け反るようにビクビク反応した。気持ち良くて、飛んだ。
「イッたね、中で。ここからは気持ちいいよ」
「やっ、まって! あぅ、はぁ、あぁぁ、イッ」
イッたばかりだから手加減してよぉ!!
でもガンガンと腰を押し当てられ、突き上げられて擦れると気持ちがいい。キュゥと意識していないのに締まる感じもして、より深い部分で感じている気がする。
「キツい……搾り取られるみたいだ」
「やぅ! あっ、先生イイよぉ!」
「うん、僕も気持ちいい。チェルル、名前呼んで?」
「ハムレットぉ!」
気持ちいいやら、愛しいやら、切ないやら。沢山詰まっていて幸せな苦しさに抱きついて。ジュブジュブに犯されながら切羽詰まって絡める舌の甘さは凄いと思う。満たされなかった部分が全部、ハムレットで埋まっていく。
同じように思ってくれているかな? なんて、思うだけバカかもしれない。とても近い距離で見るハムレットの瞳は切なく甘く、ちょっと濡れている。同じだって、思えている。
「ハムレット、好き……んぅ! あぁぁ! イッ……ちゃう!」
「んっ、いいよ……チェルル、好きだよ」
「はうぅ! あっ、ふぁああぁぁ!」
腹の中全部を擦られ、最奥を突き上げられて真っ白に飛んだ。気持ち良すぎて落ちるなら、きっとこんな感じだと思う。キュウゥと絞り上げるみたいに中が収縮して、その先が熱くなっていく。この瞬間に幸せだなって思うのは、溺れているからだろうか。
「んっ……猫くん絞りすぎ……あっ、これ辛いかも……」
「ご、めん……あっ、んぅぅ!」
「いいよ、嬉しいから」
甘く微笑まれて、額や頬や唇にキスをされて。嬉しいけれどこれ、余計に締め付けてしまうのに。実際、とても色っぽい声で時々ハムレットは喘いでいるし。
でもようやく、戻って来た気がする。この人の側に、腕の中に戻って来た。
「先生、俺の事飼ってね」
小さく伝えた「よろしく」の気持ちに、ハムレットは嬉しそうに「勿論だよ」と返してくれた。
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