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18章:貴方だけが欲しい
3話:侵入者(エリオット)
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散々に泣いたせいか、少し頭痛がした。それでも夕食の席には出なければと重い体を起こし、着替えて部屋を出た。
だが、そもそも食堂がどっちだったか。分からずにいると、ふとその前を薄茶色の髪の少女が通った。
「あ、あの!」
思いきって声をかけてみると、オスカルの妹シェリーは足を止めて、エリオットを見た。
「あっ、エリオット様! ごめんなさい、私ぼんやりしてしまって」
「いえ」
「どうかなさいましたか?」
とても穏やかに微笑む表情は一番オスカルに似ているのかもしれない。線の細い彼女は近づいてきて、そう尋ねてくれた。
「食事の時間だと教えられていたのですが、食堂の場所が分からなくて」
「あ、そうですよね! ごめんなさい、本当に。こちらです、案内しますね」
嫌な顔一つせずに隣りに並んだ彼女は、チラリとエリオットを気にしている。その視線が少し辛く感じた。
「あの」
「あっ、ごめんなさい。ただ、兄様はとても綺麗な方を見初めたんだと思って」
「え?」
「……兄様や姉様は色々あると思うし、弟のジェイソンはあんなですが。でも私は、オスカル兄様が幸せであればそれが一番いいって、思うんです」
静かに話をするシェリーは、ちょっと悲しげでもあった。でも言葉に嘘はないのか、顔を上げるときには笑っている。
「だってオスカル兄様、手紙ですっごく惚気ているのですもの」
「え!」
「とても大切な人ができた。綺麗で、凛として、常に隊員を思う優しい心と強い信念を持っている。けれど二人の時は可愛らしい顔をして、小さな事で慌てたり、赤くなったり…」
「あっ、あの! もうそのくらいで」
凄く恥ずかしい。よりにもよって家族宛の手紙になんてことを書くんだ! 後で説教を。
思って、ズキッと痛むのは考えていたから。彼とは別れなければいけないのだろうかと。
不意に手が触れた。少し温かいその手は、まるで気遣うように不安な目を向けている。
「父様も母様も、この手紙を受け取ってとても喜んでいました。オスカル兄様が幸せそうなのを知って、良かったと。ですからエリオット様、思い詰めた顔などなさらないで」
「シェリーさん」
「私、思うんです。大好きな人と離れる事程、不幸な事はないって。例え苦難が多くても、それと分かって寄り添っているのならそれは幸せな事なんじゃないかって」
どこか、他人事ではない。そんな様子に首を傾げると、背後からエリオットを呼ぶ声がした。
「もぉ、一人で行かないでよ」
「すみません、オスカル」
呼び止めたオスカルを見てどこか申し訳なくシェリーが小さくなり、その場を去ろうとする。けれどエリオットはその手を取って、穏やかに微笑んだ。
「私も、そう思いますよ」
「……有り難うございます」
丁寧に頭を下げたシェリーが先を歩いて行ってしまう。その背を見ながら、エリオットは少し元気を貰えた気がした。
「何を話していたの?」
「食堂の場所を教えて貰っていたのですよ。それと、応援していると」
「……そっか」
少しだけ嬉しそうにオスカルも笑う。そして今度はオスカルと二人並んで、食堂へと向かった。
食事は何事もなく終わり、エリオットとオスカルはサロンへと通された。明るいそこは小さなサロンで、お酒やお茶を楽しめる。
シェリーは疲れたと言って先に休む事を伝えて自室へと戻り、エリオットとオスカルはそこで時間を過ごしている。
「そうだ兄様! 私、久しぶりにピアノが聞きたいわ」
オーレリアが指さした先にあるピアノは丁寧に手入れをされている。
けれどオスカルは難しい顔をしてエリオットの隣を離れようとはしない。場はなんとなく、難しい空気になっている。
「オスカル、私にも聞かせてください」
「エリオット?」
「騎士団ではピアノなんて聞けませんし。それに、貴方はとても上手いと聞いています」
空気を取り持つように微笑んで言えば、オスカルは乗り気ではないものの立ち上がってくれた。そして、ピアノの前に座って鍵盤を叩く。柔らかな曲が流れ、そっと気持ちを優しくしてくれる。
優雅で、綺麗。楽器や芸術を嗜むのは貴族のステータス。特に彼のような地位のある貴族なら、余計にそうした教育はされている。
オーレリアが満足そうにエリオットを見る。その視線が雄弁に語っている。「立ち位置が違うのだ」と。
不安がこみ上げて、苦しくなっていく。曲はこんなにも優しいのに、エリオットの心はドンドン悲しくなっていく。
ピアノが止まって、オーレリアが喜んで拍手をしている。ジェイソンは欠伸をして、バイロンはただ静かに頷いている。
オスカルの視線が真っ直ぐにエリオットに向いて、不意に手を差し伸べられた。
「え?」
「僕が弾いたんだから、次はエリオットの番だよ」
「でも、私はピアノなんて」
「笛は得意でしょ?」
そう言うと、オスカルは側の棚からフルートを出してエリオットに渡した。そして、自分はピアノの前に座ってしまう。
「どうして」
「君が戦場に手向けた葬送曲は心に染みた。ファウストがそう言っていたよ」
もう、何年前の話だろう。それはまだエリオットが騎兵府副長をしていた時代、戦場で死んだ仲間に向けて送った曲。古いフルートを持っていた者がいて、その者に借りたのだ。
とても、こんな場で聞かせる程立派なものではない。そうは思ったが、ふと思い直して隣りに並んだ。これも、何かの思い出になるだろうと思ったのだ。
ピアノの音が響く。知っている曲だ。エリオットはフルートを構え、心のままに吹いた。春の柔らかな音、花の芽吹く華やかな音、柔らかな日差しを思わせるリズム。ピアノが、エリオットの演奏を助けてくれる。
曲が終わり、素直な賛美の拍手が一つ響く。バイロンが穏やかに拍手をしていた。オーレリアは驚きながらも悔しそうに。そしてジェイソンは単純に驚いた様子で目を丸くしていた。
「上手だよ、エリオット。今度陛下の前で披露してみる?」
「冗談は止めてください! そんな……私のはそんな立派なものでは」
「いえ。とても美しい音色でした、エリオット様」
抑揚はないが、その言葉に嘘もない。良くも悪くもバイロンという青年は正直にものを言う。その賛辞に、エリオットはほんのりと頬を染めた。
その時、突然と何かが割れる音がした。まるで多くの食器をぶちまけたような音だった。
驚いたバイロン達とは違い、オスカルとエリオットは冷静で迅速だった。すぐさまドアへと近づき、周囲を確認する。そして人影がないのを確認すると頷きあって前へ出た。
「兄様!」
「僕たちが見てくる。出たら直ぐに鍵をかけて、声をかけるまで絶対に開けるな。いいね」
オーレリアは不安そうにしたが、バイロンが確かに頷き、ジェイソンが姉を守るように側にあった火かき棒を手にした。それを確認して、二人は音のした方向へと歩いていった。
緊張した空気の中、月明かりの廊下を歩く。音はそれ一つだったが、かなり大きかったから覚えている。周囲の部屋を確認し、玄関が確かに閉まっている事を確認する。
「鍵はバイロンが持っているマスターキーのみ。他の部屋の鍵もマスターだけで、内からかければ外から開けるにはマスターが必要だ」
「では、他の扉は?」
「使用人が使う勝手口だけだ」
オスカルとエリオットは更に部屋や窓をしっかりと確かめながら、勝手口のあるキッチンへと向かう。そして扉を開けた途端、その異変は直ぐに分かった。
「リアムさん!」
見習い執事と紹介されたリアムが頭から血を流して倒れていた。慌てて駆け寄ったエリオットは彼を助け起こして頭部にハンカチを当てる。幸い彼は意識までは失っていなかったのか、弱いながらも瞳を開けた。
「勝手口が開いている。何があった」
「物乞いの、男が……お嬢様を」
「!」
咄嗟にオスカルが立ち上がって走り出す。エリオットは抱え上げたリアムを近くの部屋に寝かせると、その後を追っていった。
二階へと上がると一つの部屋が開いていた。そこへと駆け込んだエリオットは、荒れた部屋に呆然と立ち尽くすオスカルを見る事となった。
部屋は家捜しをされたように荒れていた。グチャグチャになったベッド、羽をまき散らした枕、床に落ちた物や乱暴に引き出された衣服。そこに、シェリーの姿はなかった。
「オスカル」
痛いくらい手を握りしめたオスカルの静かな怒りに、エリオットはそっと背中を抱きしめた。
だが、そもそも食堂がどっちだったか。分からずにいると、ふとその前を薄茶色の髪の少女が通った。
「あ、あの!」
思いきって声をかけてみると、オスカルの妹シェリーは足を止めて、エリオットを見た。
「あっ、エリオット様! ごめんなさい、私ぼんやりしてしまって」
「いえ」
「どうかなさいましたか?」
とても穏やかに微笑む表情は一番オスカルに似ているのかもしれない。線の細い彼女は近づいてきて、そう尋ねてくれた。
「食事の時間だと教えられていたのですが、食堂の場所が分からなくて」
「あ、そうですよね! ごめんなさい、本当に。こちらです、案内しますね」
嫌な顔一つせずに隣りに並んだ彼女は、チラリとエリオットを気にしている。その視線が少し辛く感じた。
「あの」
「あっ、ごめんなさい。ただ、兄様はとても綺麗な方を見初めたんだと思って」
「え?」
「……兄様や姉様は色々あると思うし、弟のジェイソンはあんなですが。でも私は、オスカル兄様が幸せであればそれが一番いいって、思うんです」
静かに話をするシェリーは、ちょっと悲しげでもあった。でも言葉に嘘はないのか、顔を上げるときには笑っている。
「だってオスカル兄様、手紙ですっごく惚気ているのですもの」
「え!」
「とても大切な人ができた。綺麗で、凛として、常に隊員を思う優しい心と強い信念を持っている。けれど二人の時は可愛らしい顔をして、小さな事で慌てたり、赤くなったり…」
「あっ、あの! もうそのくらいで」
凄く恥ずかしい。よりにもよって家族宛の手紙になんてことを書くんだ! 後で説教を。
思って、ズキッと痛むのは考えていたから。彼とは別れなければいけないのだろうかと。
不意に手が触れた。少し温かいその手は、まるで気遣うように不安な目を向けている。
「父様も母様も、この手紙を受け取ってとても喜んでいました。オスカル兄様が幸せそうなのを知って、良かったと。ですからエリオット様、思い詰めた顔などなさらないで」
「シェリーさん」
「私、思うんです。大好きな人と離れる事程、不幸な事はないって。例え苦難が多くても、それと分かって寄り添っているのならそれは幸せな事なんじゃないかって」
どこか、他人事ではない。そんな様子に首を傾げると、背後からエリオットを呼ぶ声がした。
「もぉ、一人で行かないでよ」
「すみません、オスカル」
呼び止めたオスカルを見てどこか申し訳なくシェリーが小さくなり、その場を去ろうとする。けれどエリオットはその手を取って、穏やかに微笑んだ。
「私も、そう思いますよ」
「……有り難うございます」
丁寧に頭を下げたシェリーが先を歩いて行ってしまう。その背を見ながら、エリオットは少し元気を貰えた気がした。
「何を話していたの?」
「食堂の場所を教えて貰っていたのですよ。それと、応援していると」
「……そっか」
少しだけ嬉しそうにオスカルも笑う。そして今度はオスカルと二人並んで、食堂へと向かった。
食事は何事もなく終わり、エリオットとオスカルはサロンへと通された。明るいそこは小さなサロンで、お酒やお茶を楽しめる。
シェリーは疲れたと言って先に休む事を伝えて自室へと戻り、エリオットとオスカルはそこで時間を過ごしている。
「そうだ兄様! 私、久しぶりにピアノが聞きたいわ」
オーレリアが指さした先にあるピアノは丁寧に手入れをされている。
けれどオスカルは難しい顔をしてエリオットの隣を離れようとはしない。場はなんとなく、難しい空気になっている。
「オスカル、私にも聞かせてください」
「エリオット?」
「騎士団ではピアノなんて聞けませんし。それに、貴方はとても上手いと聞いています」
空気を取り持つように微笑んで言えば、オスカルは乗り気ではないものの立ち上がってくれた。そして、ピアノの前に座って鍵盤を叩く。柔らかな曲が流れ、そっと気持ちを優しくしてくれる。
優雅で、綺麗。楽器や芸術を嗜むのは貴族のステータス。特に彼のような地位のある貴族なら、余計にそうした教育はされている。
オーレリアが満足そうにエリオットを見る。その視線が雄弁に語っている。「立ち位置が違うのだ」と。
不安がこみ上げて、苦しくなっていく。曲はこんなにも優しいのに、エリオットの心はドンドン悲しくなっていく。
ピアノが止まって、オーレリアが喜んで拍手をしている。ジェイソンは欠伸をして、バイロンはただ静かに頷いている。
オスカルの視線が真っ直ぐにエリオットに向いて、不意に手を差し伸べられた。
「え?」
「僕が弾いたんだから、次はエリオットの番だよ」
「でも、私はピアノなんて」
「笛は得意でしょ?」
そう言うと、オスカルは側の棚からフルートを出してエリオットに渡した。そして、自分はピアノの前に座ってしまう。
「どうして」
「君が戦場に手向けた葬送曲は心に染みた。ファウストがそう言っていたよ」
もう、何年前の話だろう。それはまだエリオットが騎兵府副長をしていた時代、戦場で死んだ仲間に向けて送った曲。古いフルートを持っていた者がいて、その者に借りたのだ。
とても、こんな場で聞かせる程立派なものではない。そうは思ったが、ふと思い直して隣りに並んだ。これも、何かの思い出になるだろうと思ったのだ。
ピアノの音が響く。知っている曲だ。エリオットはフルートを構え、心のままに吹いた。春の柔らかな音、花の芽吹く華やかな音、柔らかな日差しを思わせるリズム。ピアノが、エリオットの演奏を助けてくれる。
曲が終わり、素直な賛美の拍手が一つ響く。バイロンが穏やかに拍手をしていた。オーレリアは驚きながらも悔しそうに。そしてジェイソンは単純に驚いた様子で目を丸くしていた。
「上手だよ、エリオット。今度陛下の前で披露してみる?」
「冗談は止めてください! そんな……私のはそんな立派なものでは」
「いえ。とても美しい音色でした、エリオット様」
抑揚はないが、その言葉に嘘もない。良くも悪くもバイロンという青年は正直にものを言う。その賛辞に、エリオットはほんのりと頬を染めた。
その時、突然と何かが割れる音がした。まるで多くの食器をぶちまけたような音だった。
驚いたバイロン達とは違い、オスカルとエリオットは冷静で迅速だった。すぐさまドアへと近づき、周囲を確認する。そして人影がないのを確認すると頷きあって前へ出た。
「兄様!」
「僕たちが見てくる。出たら直ぐに鍵をかけて、声をかけるまで絶対に開けるな。いいね」
オーレリアは不安そうにしたが、バイロンが確かに頷き、ジェイソンが姉を守るように側にあった火かき棒を手にした。それを確認して、二人は音のした方向へと歩いていった。
緊張した空気の中、月明かりの廊下を歩く。音はそれ一つだったが、かなり大きかったから覚えている。周囲の部屋を確認し、玄関が確かに閉まっている事を確認する。
「鍵はバイロンが持っているマスターキーのみ。他の部屋の鍵もマスターだけで、内からかければ外から開けるにはマスターが必要だ」
「では、他の扉は?」
「使用人が使う勝手口だけだ」
オスカルとエリオットは更に部屋や窓をしっかりと確かめながら、勝手口のあるキッチンへと向かう。そして扉を開けた途端、その異変は直ぐに分かった。
「リアムさん!」
見習い執事と紹介されたリアムが頭から血を流して倒れていた。慌てて駆け寄ったエリオットは彼を助け起こして頭部にハンカチを当てる。幸い彼は意識までは失っていなかったのか、弱いながらも瞳を開けた。
「勝手口が開いている。何があった」
「物乞いの、男が……お嬢様を」
「!」
咄嗟にオスカルが立ち上がって走り出す。エリオットは抱え上げたリアムを近くの部屋に寝かせると、その後を追っていった。
二階へと上がると一つの部屋が開いていた。そこへと駆け込んだエリオットは、荒れた部屋に呆然と立ち尽くすオスカルを見る事となった。
部屋は家捜しをされたように荒れていた。グチャグチャになったベッド、羽をまき散らした枕、床に落ちた物や乱暴に引き出された衣服。そこに、シェリーの姿はなかった。
「オスカル」
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