特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重

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閑話休題 -アスペラルダ国内水脈道-

閑話休題 -05話-[アクアポッツォ~王都アスペラルダ水脈中Ⅰ]

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 現在、水脈移動を始めて約4時間。
 丁度折り返しを過ぎて、
 あと2時間~3時間でスィーネの水源に出ることが出来るらしい。
 俺は本を読んだり、アインスさんと打ち合わせをして時間を使い、
 アルシェは今2冊目の読書に突入した所だ。
 メリーは縫い物にすごく集中していて、時々、
 クーが練習しているお茶入れの味見を延々と繰り返している。

「なぁ、メリー」
「何でしょうかご主人様」
「それってアレか?」
「はい。正確にはアレの試作品になります」
「受け取りに行かせられたのはその材料だったのか?」
「その通りです。
 いろんな布を使いながらどれが一番良いか触りながら確認をしております」

 なるほど、まずは部品ごとに分けておき、
 それを後から組み合わせるつもりらしい。
 まぁ、もともとのアレの作り方なんて知らないから、
 メリーに任せるけどさ。
 見た感じ。カップ、ベルト、ストラップまでは用意が出来るみたいだが、
 ホックは店に売っている物では見つけられなかったらしい。
 王都で見つからなければ鉄片を使って、
 鍛冶屋で注文すれば作れるのかな?

 俺の知っている知識はすでに授けたあとなので、
 あとは完成させてくれるのを信じて待つのみだ。
 もちろん装備の仕方もレクチャー済みである。

「お兄さん。アレ、アレって言いますけど、
 メリーが何を縫っているのか解るんですか?」
「そりゃ俺が伝えたからな」
「何度聞いても教えてくれないんですよ。
 お兄さんが教えてくれませんか?」
「いやいや、俺が伝えられる物じゃないから。
 でも、アルシェは喜ぶ物の可能性があるぞ」
「えー?なんですかぁ?」
「メリーが教えてくれるまで待っていれば良いよ」
「むー・・・」

 むくれられてもな・・。
 大人になってから俺とメリーに感謝することになるぞぉ!

 そして、我らの船長であるアクアは、
 膜の外側にアクアライドの魔法を掛けて放置しており、
 ずっとスィーネと話をしながら新しい魔法の着手に挑んでいた。
 時々、アクアが五指の指先だけを合わせた手の中心に、
 魔力が集中するのを感じた。
 スィーネが管理する水源が近いこともあり、
 あちらでサポートをしてくれているみたいで、
 空いた余力を魔法へと注いでいる。

 アクアライドをなんで放置でいいのか聞いたところ。

『ずっとまえにすすむせっていにしてるんだよ~』

 とのこと。
 元より魔力を流すと前に進むチャージを応用した魔法なので、
 同じく魔力を流しっぱなしで良いようにベクトルを操作したらしい。
 俺の魔力が何故か減っていくと思ったら、
 そういうことだったのか。

「いま何を創ってるんだ?」
『ますたーのイメージにあったしっぽだよ~』
「尻尾ってアレか・・・。出来るなら確かにいいけど、
 アレってアクアの制御力じゃ無理なんじゃなかったか?」

 俺のイメージしていた尻尾はスィーネでも厳しいという判断だった。
 現在のアクアでは整形だけでも難しいんじゃないかな?

『できないけど、できるようにがんばってるの~!』
「そうか、がんばれな」
『あい!』

 詳しくは後からスィーネに聞いたのだが、
 俺達と別れてからスィーネは改良を続けて、
 扱いやすいように研究をしていたとのこと。
 それをアクアにも伝授してアクア仕様の魔法としてさらに調整を加えて、
 いずれ制御力が追いついた時に自在に使えるように、
 今から頑張っていた・・・というのが真相だという。

 どうや?健気やろ?
 アクア可愛かろ?
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