特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重

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第05章 -海風薫る町マリーブパリア編-

†第5章† -04話-[他国冒険者との接触]

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「・・・さん。・・・兄さん。お兄さんっ!」
「っ!おう、どうした?」
「どうしたはこっちの台詞ですよ。
 雑誌の同じページをどれだけ見続けてるんですか」
「ご主人様、お疲れでしょうか?」

 いつの間にか、ギルド発行の雑誌を読んでいる間に、
 この2日間を回想していたようだ。
 その呆けた俺を心配して、戻ってきた面々が各自心配そうな顔をして声を掛けてくる。

「あー・・すまん。ちょっと考え事をしていただけだから大丈夫だ」
「今日はもう外にも出られませんし早めに宿に戻りましょうか」
「買い物は済んだのか?」
『ばっちり~♪』
『しばらくは不便もなく旅が出来ます』
「そか、なら今日はアルシェが言うとおりに早めに戻ろうか」
「はい」

 確かに俺が思考を飛ばしている間に陽が暮れてきており、
 見える範囲のお店も続々と閉店作業に取りかかっていた。

「私たちも慣れないことして疲れてますし、今日は早くに寝ちゃいそうです」
「マリエルはいつも早寝じゃないですか」
「そうですか?
 これでも姫様達に合わせるようにして頑張って起きてるんですよ?」
「無理してまで起きて無くても大丈夫ですから・・・。
 どうせ寝る前なんて各々やりたい事をしてるだけなんですから」
「ご主人様から受ける訓練も激しいですし、
 マリエル様は早めに就寝されるのがよろしいかと」
『まりーよわいからな~』
「アクアちゃんひどい~・・」

 女が3人寄れば姦しいとは良く言ったものだ。
 この場には5人の女子が・・・いや3人の女子に2人の女児。
 これだけ集まればそれはそれは男が入る隙間もないわな。
 前から思っていたけど・・・男の仲間が欲しいよぉ。

 宿まで移動している間に、
 ドオオオオオオオオンン!!という大きな音が聞こえてきた。
 これで今日はもう町の外には出られなくなり、
 町に入る事も出来なくなった。
 もし、噂の魔物だかモンスターだかが本当に居るのだとすれば、
 どうやって侵入したのかが気になるな。
 入り口は昼夜問わず常に門番がいるからまず侵入を許さないし、
 空から侵入したのであれば、
 少なくとも目撃証言が集まるはずなのに、誰も見た事がない。
 ここまで来ると気を揉んだだけで実体のない噂か、
 もう手遅れな事態まで進んだ事件かのどっちかだろ。

「おかえりなさいませ、水無月様。
 食事は2時間ほどお時間が掛かりますので、
 宜しければお先に入浴場へ行かれてください」
「ありがとうございます。
 じゃあ一旦ここで分かれて風呂行くか」

 宿へ帰ると、チェックイン済みの客は覚えているのか、
 カウンター向こうから店員さんに声を掛けられた。
 晩飯の時間は20時スタートの22時終了のバイキング形式で、
 キッチンからすれば手間は掛かるが客側の満足度は高い。
 その分、初めに温かい物を同時間に提供する調理管理技術が必要だから、
 大変だなぁー美味しく残さず頂かないとなぁーと思うわけだ。

「わかりました、また夕食の時間に」
「失礼します」
『「おっなかっがすっいたっ!おっなかっがすっいたっ!
 ぱおぱおぱおーーーーー!」』
『お姉さまはあちらに行かれるようですから、
 お風呂はクーがお供しますね』
「ありがとさん」

 アルシェとメリーがアホっぽい歌を歌うアホ娘2人を連れて、
 女性用風呂へ繋がる脱衣所へと消えていき、
 俺はクーを抱き上げて、
 男性用脱衣所への扉へ進むのであった。


 * * * * *
「・・・そうですか、ギルドの方でも掴んでいるんですね」
「掴んでいるというかギルマス間の話で、
 これを他国の王が知ったとしてどうにか出来るかというと難しいだろ?」
「それは・・・」
「でも、問題の根幹は一緒に解決すべき魔神族ですよねぇー?」
「そこは情報が断片的すぎて判断が出来ない。
 そういう部分でも他国が救援に動けない理由になってるんだろう」
「ご主人様の仰るとおり、
 魔族か魔神族か突発的な事件なのかわからないのに、
 遠征してまでの救援は確かに現実的ではありませんね」

 つまり王族の意図を汲んで意味を理解した上での調査が出来るのは、
 現状俺達だけしかいないのだ。
 情報が集まって組み上がったパズルの出来上がり次第では、
 ギルドを通して勇者に動いて頂かないといけないかもな。
 幸い、風の国に隣する神聖教国に何故か長期滞在しているようだしな。

「ギルドが敵じゃない以上、
 各国に何組かの調査要員を配置しておきたいな・・・」
「確かにアスペラルダを出た辺りから、
 どうにも国内の問題が気になりますし、
 離れていても情報が集まって受け取れるような組織図を形成したいところではありますね」

 問題としては、精霊使いでないと世界の抜本的問題点を発見出来ない。
 とにかく噂や問題の情報集めをする部隊と、
 破滅関係の確認や解決に向かう部隊を早めに整えたい。
 アスペラルダ王がその下準備をしているとはいえ、
 俺が初めてアスペラルダ王都を出ると話をした時と状況はずいぶんと変わり、
 もしかしたら見つかるかも知れない、から、問題はあって対処していくに移行している。

「アスペラルダ国内はポルトーの働き次第で、
 もっと使える兵士が増えるだろうから、
 そいつらが各方面に動く事になるだろうが・・・いつになるかな」
「勇者様を召喚された姫様を前にしてなんですけど、
 出来る限りゆっくり魔王を倒して欲しいですねぇ~」
「魔王を倒さないと平穏は来ない、
 でも倒してしまうとお兄さんが帰還してしまい、
 魔神族対策が整わないし破滅に関しても対応出来ない・・・はぁ・・・」
『お父さまとのお別れは嫌です』
『あくあもはんたい!』
「お前等の言葉は嬉しいけど、
 やっぱりどっちも早めにどうにかしないといけない問題だからな。
 後半は精霊使いがいればいずれ対応はできるだろ?」
「それはそうでしょうけど・・・」

 まぁ、俺達がここで悩んでいても勇者が動いて魔王を倒すシナリオは変わらんからな。
 中途半端に手を貸すようで悪いとは思っているけど、
 どうしようもないのは各々理解している。
 出る不満は飲み込んでもらって、
 世界の命運はこの世界の人々でなんとかしてもらうしかないだろう。

「おっと、もう良い時間だな。
 俺とアクアは外に出てくるから、お前等は部屋に戻れよ」
「あ、お兄さん・・・」

 ちょいと空気に耐えきれず、
 足早にアクアを抱えて宿を飛び出す。
 アルシェの声が聞こえて、申し訳ないとは思いつつ、
 話の終わりを強制執行した。


 * * * * *
 町を歩く。
 言葉もなくアクアに手を引かれながら町を歩く。
 時刻は23時を過ぎた頃合いで、
 宿を飛び出したのが22時40分頃だったので、
 かれこれ30分近く町を歩き回っている。

 この間にすれ違ったのは2人だけ。
 特に怪しい様子はなく、如何にも仕事帰りですといった装いで、
 家族が家で待っているのか一生懸命走っている所を俺達とすれ違った。

『ますたー、もうもどる?』
「予定よりも早めに出ちゃったし、
 もうちょい先まで行ってから別√で帰ろうか」
『あい』

 この事案に関しては、
 対応が早かったが為に目撃例などの情報も少ない。
 もとよりフォレストトーレ国内の町は、
 全て23時には眠りについているらしい。
 一昨日と昨日は、
 その23時までの散歩だったから見つけられなかった可能性があったので、
 今日から24時までの散歩に切り替えた。

 カツンカツンカツンと、
 石畳で出来た無人の通りを歩くことさらに20分後。
 前方から人の反応が返ってきたことで少し警戒度を上げて、
 アクアの小さな手にもクイクイと力を入れて注意するように指示する。
 その人物は右に左にとふらふらと歩いており、
 おそらくは酔っ払ったまま未だに家に帰り着けていない住民なのだと判断する。
 その人物との距離は60m程は離れていたのだが、
 途中で壁に寄りかかって休憩も挟んでいるらしい。
 しかし、街灯がなく距離も離れている事も有り、
 目視での確認はまだ出来ていない為、
 警戒はそのままで徐々に近付いていく。

「・・っ!?」
『ますたー?』
「あいつの奥にもう1人似たような動きの奴がいる。
 レンズを張って見えたりするか?」

 突然立ち止まる俺にアクアが戸惑い気味に確認してくる。
 酔っ払いは相変わらず立ち止まった位置から動いていないのだが、
 俺がさらに警戒度を上げたのは、酔っ払いの奥に反応があった存在だ。
 形は人型、しかし酔っ払いの動きじゃない。
 手前に居る奴は千鳥足で左右に歩いて動き回っていたが、
 その存在は右足が出れば右に体が傾き、左足が出れば左に傾く。
 おおよそ正常な人間の動きじゃない。

『くらくてみえないよ~』
「俺が雷を走らせるからその明るさで見てくれ」
『あい』

 酔っ払いに当たってしまう可能性は十分にあったが、
 俺にこの町の人間を守るという意思はなく、
 問題の解決だけを優先する心積もりだった為、
 酔っ払いは気にせずに現状可能な雷を出力で制御しつつ、
 こちらへ歩み寄ってくる存在目掛けて放電する。

 距離が距離なだけに電圧のつまみを最大に設定して、
 奴の足下へと届くように電流を絞り出していく。
 枝分かれは練習の時とは比べものにならないほど激しく分かれ、
 広めの通りいっぱいに拡がった。
 電流自体は低いので酔っ払いに当たったところで、
 静電気アタックと同程度のダメージにしかならない。

 青白い雷は俺の手の平から放電を開始し、
 瞬く間に彼らの足下へ拡がり、
 その姿を宵闇の中で照らし出した。

「どうだ、アクア」
『・・・ぞんび?でもちょっとちがうよ?』

 アクアが1人で観察する用に小さく精製したレンズを覗き込むと、
 確かに印象としては死霊の呼び声で出くわしたゾンビを彷彿とさせる。
 だが、姿は全く違っていた。
 肌は青白く、耳は尖り、
 顔は若干犬のように口元が出っ張り、
 耳の付け根まで裂けた大きな口から涎を垂らしながら歩いている。
 腰に布のような物を巻いており、
 手足にはヒレにような物が確認出来た。
 そして足音・・・・。

 ずっぺた・・ずっぺた・・・ずっぺた・・ずっぺた・・・。
 ネジの切れかかったロボットのように体を揺らしながら、
 一歩ずつゆっくりとした動きで前進している。
 あれが・・・噂の正体だろうか?

『おじさん、たすける?』
「あいつが襲いかかるようなら助けてやってくれ。
 でも、何もせずに通りすぎたら奴の方を捕獲するぞ」
『あい』

 残念ながら酔っ払いには俺の放電が当たる事はなく、
 そのせいか酔っ払いおじさんは立ったままの体勢で眠り込んでいるようだ。
 2人の位置はエコーロケーションも利用して正確な距離を確認しつつ、
 ゾンビの行動を様子見する。

 ずっぺた・・ずっぺた・・・ずっぺた・・ずっぺた・・・。

「さぁ、どうする・・・」
『いつでもばいんどいけるよ~』

 ずっぺた・・ずっぺた・・・ずっぺた・・ずっぺた・・・。
 ずっぺた・・ずっぺた・・・ずっぺた・・ずっぺた・・・。

 襲わ・・ない?
 動きからゾンビ種であると考えたけど、
 誰彼構わず襲うわけではないのか?
 いや、そもそも姿を確認したのは俺達が初めてで、
 何の為にこんな時間帯に彷徨いてるのかもわかっていないんだったな。

「アクア、おいで。横を通りすぎるぞ」
『あい』

 不動の人間には何の反応もなかったが、
 であれば、動くモノか音かのどちらかが相場と決まっているだろ?
 まずは動きの確認をする為にエコーを終わらせて、
 俺とアクアを包み込むように風の膜を張り巡らせる。
 膜の外への振動を抑える制御で極力身動きから発せられる音を打ち消し、
 足運びも音を極力抑えるように気をつける。

 周囲には眠りこけたおっさんしかいない。
 念の為壁と接している肌を、
 アクアが薄ら氷で接着させて動きを拘束した。
 これで青いゾンビの近くで動くのは俺達だけとなる。

 ずっぺた・・ずっぺた・・・ずっぺた・・ずっぺた・・・。
 1mは距離を保つように調整しつつ、
 ゾンビと交差するがそれでもこちらへ反応はしなかった。
 いや、ここまで近付いて初めてわかったけれど、
 鼻がピクピク動き続けている。

「匂いか?もっとわかりやすい奴でいてくれよ・・・」

 音はずっと響かせていたし、
 これでほぼほぼ確定だろうか。
 匂いってことは目的があって歩いてんのか?
 狙いが人か物かわからん以上これは泳がせるのが一番か。

「《コール》メリー」

 ピリリリリリリリ・・ピッ。

〔どうされましたか、ご主人様〕
「すまんけど、駐在兵士呼んでくれ。
 噂の人成らざる者を見つけた」
〔すぐに呼んで参ります〕
「護衛にクーを起こしておいてくれ」
〔かしこまりました〕

 メリーとの連絡も早々に切り、
 再度風の膜からエコーロケーションに切り替える。
 あとはこいつの後をついて歩いて行くだけで、
 メリーが音の出所に兵士を連れてきてくれるはずだ。


 * * * * *
 15分くらい謎のゾンビの散歩に付き合って町中を歩いていると、
 後方から兵士数名を引き連れてメリーが走ってくるのが見えた。

「お待たせ致しました」
「ご苦労様、助かったよ」
「こんばんわ、水無月さんですねっ!
 件(くだん)の正体不明を発見したとお聞きしましたが、
 どちらですかっ!?」
「あちらですよ。
 ただ、人を襲う様子がなかったのでいまは泳がせています」

 兵士を遙か前方をふらふらと歩く存在へと案内しつつ、
 メリーをねぎらう。

「兵士さん方も姿を確認するのは初めてなんですか?」
「えぇ、念の為に外出を控えるように指示を出しましたが、
 実在するかはわからなかったので、
 こちらでも捜索はしていたんですが・・・」
「音と動きには反応がなく、
 常に匂いを探すように鼻が動いていました。
 目的があって歩き回っているのだと思いますが、
 発見からここまでずっと目的地には辿り着かなかったようです」
「なるほど、ご協力に感謝します」
「あいつがいつ、どこから現れどこへ消えるのか確認はして、
 町民に知らせた方がいいかと・・・」
「はい、不安も募っていますしそのようにするつもりです。
 ここからは私たちが対応しますので、
 今日の所はお泊まりになっている宿へお戻りを。
 もし追加情報を求められるならば、
 陽が昇ってから王国兵駐在所へお越しください」
「わかりました。
 俺達はこれで失礼します」

 俺の中ではあまり評価が高くなかったアスペラルダ兵よりも、
 魔物が多く危険も多いフォレストトーレの兵士は割と有能かも知れない。
 相手が冒険者だからと言って見下したりもしないしな。
 異世界だと意外と兵士の鼻が伸びきっている事もあるけど、
 この町の兵士はしっかりと町民にも情報を提供してくれるみたいだ。

(「クー、今から戻る」)
(『お待ちしています』)
「寝てたか?」
「いえ、ご主人様が宿に居られないうちは、
 起きているようにしておりますので」
「休日にその分眠るわけね」
「惰眠は最高のご褒美ですから」
『あくあも・・ふぁ~、眠いよ~』
「お疲れさん。寝ちゃってもいいぞ」
『そうする~』

 お眠になったアクアを抱え直して、
 夜の散歩から帰路につく。
 まぁ、早い段階で尻尾を掴めたのは良かった。
 追加情報次第ではまた足を突っ込むことになる可能性はあるけど、
 兵士やこの町の冒険者だけで解決出来るなら、
 他国の冒険者が出しゃばるのはあまりよろしくはないだろう。

「水無月様、ご無事でしたかっ!」
「え?」

 宿まで帰ってくると、
 受付をしていたお兄さんが通りまで出ていて、
 誰かを探すようにキョロキョロとしていた。
 当然目的地の宿へ近付いてくる俺達に気がつくと、
 慌てたように走り寄ってきていきなり心配される。

「予定のご帰宅からお時間が大幅に過ぎている事と、
 お付きのメイドさんが血相を変えて出て行かれましたので・・」
「おま・・・なんで・・」
「・・・うたた寝をしていた所でご主人様からの連絡でしたので、
 こちらを出た時は少し慌てていました」
「あぁ、結局俺が悪いのね。
 すみません、ご迷惑をおかけしてしまって」
「いえ、迷惑なんて事はないのですが・・。
 ご無事なら良かったです、本日はこれで扉は閉めさせて頂きます」

 こう、本当に心配されて怒られないというのも申し訳なさが半端ない。
 どうせなら怒ってくれた方が楽になれるというものだ。
 いやマジで本当にすみませんでした・・・。


 * * * * *
「じゃあ、今日はお話を伺いに行くんですね」
「まぁその予定だな。
 今日で4日目だし、首を突っ込むべきか確認だけして、
 必要が無ければ早めに出発しようかと思ってる」
「そんなにノイちゃんとやらに会いたいんですかぁ?」
「うるさいわ。
 聖女さんにも呼ばれてるみたいだし、
 用もないならって思っただけだ」

 いつもなんだかんだでゆっくりしちゃうからな。
 滞在期間は短いだけいいが、
 情報収集にしても一朝一夕では集まらないし、
 精査や調査も含めるとやっぱり1週間程度は必要かと思うが、
 この町は割と早めに情報は集まったし、
 昨夜見つけた問題の深さ次第ではさっさと次の町を調べるべく、
 早めに出発を検討している。

「現状集まるだけの情報は出尽くした感もあるし、
 今日中に駐在所と例の冒険者との接触をしておきたい」
「なら、案内ついでに私もお供しましょうか」
『あくあたちは~?』
「外でマリエルをしごいてくれ。
 メリーも今日はそっちに加わってくれ」
『あ~い』
「かしこまりました」

 アクアがメンタルを、メリーがフィジカルを担当して、
 マリエルの訓練をサポートする。
 手数や動きに魔法の発動と色々と基本をバランス良く教えられるから
 悪くないと思う。

『じゃあクーはお父さまとですか?』
「あぁ、偶には一緒に町を歩こうか」
『やった!』

 順番的には冒険者の方が捕まえづらいだろうから、
 先に回ってしまおうかな。
 朝の早いうちからならば、例の冒険者が宿を出る前に接触ができる可能性も高いしな。

「アルシェ、先に冒険者に会いに行こう」
「わかりました、近い順に廻りましょう」
「じゃあ、俺達は先に行くからお前達も準備が出来次第出発しろよ」
『あい』
「いってらっしゃいませ」
「いってらっしゃーい」
「マリエルもメリーもアクアちゃんもがんばってね」
『いってきます』

 朝食で膨らんだお腹をさすりながら立ち上がり、
 別行動をするメンバーに別れを告げる。
 いつもは朝練をして、訓練をして、練習と繰り返すのだが、
 今日は夜の訓練しか出来ない可能性があるな。
 その分無駄にならないように情報の収集と精査をしないと。

「1人目はどこの宿にいるんだ?」
「あそこの十字路を右に曲がって3軒先の[火風鳥(ひかぜどり)の止まり木]に」
「確か俺達が泊まっている宿の名前は[水風鳥(みずかぜどり)の止まり木]だったか?」
『同じ経営者の宿なんですかね?』
「名前からして雷と土がありそうだな」
「おそらく有るんじゃないかと・・。
 フォレストトーレの宿名は鳥の名を冠するようですから」

 風の国だから風が入ってるのか?
 それとも本当に火風鳥(ひかぜどり)って鳥がいるのかな・・?
 ちょっと春や夏を代表する鳥っぽくて一目見てみたい気になる。

 宿ネタで雑談している間に、
 意外と近くにいた冒険者Aの泊まる宿に到着した。

「いらっしゃいませお客さま、何名様でしょうか?」
「すみません、私たちは泊まっている方に用がありまして。
 冒険者のペルクさんはまだいらっしゃいますか?」
「お名前をお願いします。お約束はしておりますか?」
「アル・・・」
「水無月でお願いします。約束はしていません」
「かしこまりました。確認をして参りますので、
 ラウンジでお待ちください」
「ちなみにお客さま方はアスペラルダの方でしょうか?」
「えぇ、アスペラルダの紋章が入っている通りアスペラルダの者です」
「かしこまりました、少々お待ちください」

 本日は話が進みやすいように私服ではなく、
 冒険者の格好で訪れている為、
 アルシェはその場で一回転して、
 マントに縫い込まれたアスペラルダの紋章を印象づける。
 これで私服だった場合は、話の深刻度合いにかなりの差が出ただろう。

『アルシェ様、姫という事は内緒ですか?』
「そうですね。
 王族や町長など上の立場の者以外には、
 大した交渉カードにはなりませんから、
 今回の相手には黙っておきましょうか」
「マントがあるだけでアスペラルダ関係者、
 それも下っ端じゃないと印象付けることも出来るしな」
『なるほど』

 5分も待てば先ほど話をした受付が2Fから戻ってきた。

「水無月様、お待たせ致しました。
 パーティでお泊まりになられているので全員でよければとの事です」
「かまいません」
「ではお部屋へご案内致します」
「ありがとうございます」

 とりあえず、まだ宿に居てくれて良かった。
 ペルク氏だけでなくパーティ全員が同時に会ってくれるらしいし、
 俺達にとっては逆に都合がいいのは、
 なかなか運命さんもわかってらっしゃる。

 果たして集まった話で聞いた呆けた様子とはどのようなモノなのか。
 仲間達の様子もしっかりと観察して、
 おかしくなっているのはリーダーだけなのか、
 集められるだけの話を聞き出してやる。

 コンコンッ
「水無月様をお連れしました」
「どうぞ、入って頂いてください」
「では、私はこれで失礼致します」
「ありがとうございました」

 受付の男性を見送ってからドアノブを握る。

「(クー、コーティングを頼む)」
『かしこまりました。《黒の鎧装ブラックコーティング》』

 黒の鎧装(ブラックコーティング)とは、肌の上からクーが制御する闇の微精霊を文字通り覆う事で、
 無いよりマシな程度の防御力を得ると同時に、
 無いよりマシな程度の攻撃力も得る。
 しかし、この魔法の神髄は刃が滑るということで、
 これにより素手で戦う時に肌でパリィが出来るようになる。

「(必要なんですか?)」
「(念の為な。)失礼します」

 エコーロケーションは出来るようになっても、
 超音波を駆使して壁向こうを把握する術は流石にまだ使えないので、
 念の為素手でも対応出来る準備を整えてからドアノブを捻る。
 気配からしてドアの近くに3人控えているのは確定で、
 正面に2人と裏に1人の配置だ。
 アルシェ曰く、5人パーティらしいからあと2人は部屋の奥側にいるのかもしれない。

 開いた隙間から見えてくる範囲で女性が2人ベッドに座っているのが見え、
 そのままドアを開いていくと、
 剣士風の装備を着込んだ男性がさらに2人確認出来た。

「ペルク氏はどなたでしょうか?」
「俺だ。あんたが水無月ってのか?俺に何のようだ?」

 若干高圧的ではあるが、
 なんというのか違和感があるしゃべり方だ。
 こう、抑揚を感じないというか生気を感じないというか。

「えぇ、私が水無月です。貴方方の話を小耳に挟みまして、
 近々王都に行くので、あちらに関しての話もお聞かせ願えればと・・」
「それで、俺達に何の得があるんだよ?」

 初めに口を開いた戦士の隣に立つ少し軽装の戦士が喋り出した。
 装備からして目の前の重戦士がペルクで隣は片手剣を使うお仲間かな?

「貴方達パーティが抱いている違和感を解消出来るかもしれませんよ?」
「・・・何の事だ?」
「・・・・」

 返答に少しの遅れを確認。
 奥の女達にも目を配れば、
 戸惑った様子で口は開かずともアイコンタクトで会話をしているようだ。
 やっぱりリーダーに関してかは不明だが、
 何かしらの問題を抱えているのだろう。

「心当たりがないのであれば、問題はありませんよ。
 女性陣には可愛い女の子と美味しいお茶の用意もしています」
「お初にお目に掛かります、アルカンシェと申します」
『同じくクーデルカと申します』
「あ、かわいい。ペルク、少しお話もしたいし時間作ってあげれば?」
「仕方が無いな、お前がそういうならこっちも対応するしかないだろう」

 女に甘い。
 まぁ女性陣にも調査のメスは入れさせてもらうから、
 好都合と言えば好都合だ。
 クーとアルシェはまずお茶の準備を始めて、
 さっそく交流を図って引き出しやすくする為の下処理を進めている。
 こちらも男性3人を相手に出せるだけの手札を出してもらおう。

「じゃあ、こっちの椅子に座ってくれ」
「はい」

 背後には盗賊かな?
 さっきの戦士よりもさらに軽装である様子から、
 メリーと同じタイプのビルドをしているんじゃないかな。
 何かあればすぐに制圧出来るように囲まれながら、
 話し合いは始まった。

「まずは何が知りたい?」
「町の噂程度の話で、
 ペルク氏や他の冒険者のリーダーだけ少し様子がおかしかったと聞きまして、
 もしかして王都を繋ぐ道中で何か心労がたたるような出来事でもあったんですか?」
「いや、そんな事はない順調な旅だったよ。なぁ?」
「あぁ。道中は問題なく進めた」
「そうですか。実は直に会って思ったのですが、
 ペルク氏は感情をあまり表に出さない方なのですか?」
「そんなことはない。普通に可笑しければ笑うし、悲しければ泣く」

 ちらりと隣を見れば軽装戦士はペルクの横顔を見ながら複雑そうな瞳をしている。
 何か思う事があるのだろう。

(「クー、俺の声は2人に聞こえているか?」)
(『間違いなく聞こえています』)
(「表情をしっかりと見ておけよ」)
(『かしこまりました』)

 年齢で言えば俺よりも少し上って見た目のパーティだ。
 冒険者をしていてモンスター相手にポーカーフェイスもクソもないだろうし、
 嘘を隠すのも上手くないのかも知れない。

「貴方は何かペルク氏の様子に疑問を抱いたりしませんでした?」
「そう・・だな。確かに笑ったりはする、それは確実だ。
 だが、表情は前よりも硬くなった気がする」
「え?そうなのか?自分じゃ変わったとは思わないんだが・・」
「他の方はペルク氏に違和感など感じましたか?」

 どうせだ、全員に鎌を掛けて様子を伺おう。

「確かにねぇ、ペルクは変わったと思うよ。
 私たちに言えないような何かを聞かされたのかしら?」
「あぁ、それはあるわね。
 いつからだっけ?王様に呼び出されてから?」
「時期としてはその頃だな」
「呼び出された?冒険者が王様に呼び出されるんですか?」
「いままではそんな事もなかったんだけどねぇ、
 ここ半年くらいかしら?
 冒険者といってもそのリーダーだけだし、
 他には各町の町長も呼び出されたみたいよ」

 半年前ってことは、俺が死霊王の呼び声の攻略を始めたくらいか。
 彼女達の瞳には嘘が混じっているような人間の感情が浮かぶ事はなく、
 本当に思った事を口にしているらしい。

「・・・アスペラルダを目指している」
「あぁ、それもそうだな。
 最近になっていきなりアスペラルダへ観光に行こうって言い出したよな」
「冒険者になってから1度もアスペラルダに行った事なかったし、
 金は貯まってるんだから偶にはいいじゃないか」
「じゃあ、ここからさらにアスペラルダに向かうんですか?」
「あぁ、どうせなら王都まで行こうかと思ってな」

 背後に立つ盗賊からの新情報から、
 彼らは観光をする為にアスペラルダに入国するつもりらしい。
 出来ればうちのお嬢の国に不穏分子を入れることは控えて頂きたい。

「そういえば、あんたらのマントにアスペラルダの紋章がはいってるけど、
 普通の冒険者じゃないのか?」
「まぁ、王から認められて贈られたマントですから」
「なるほど、そういうことか。
 お前は俺達を見定めにきたのか」
「・・・さてね。それはどうでしょう?
 俺達はアスペラルダから来て、フォレストトーレ王都に向かっていますから、
 いま見定めても貴方方の危険性を伝える術がないでしょう?」
「危険性って・・・失礼じゃないっ!?」

 ようやく、俺達が訪問した真意に気付いたペルクパーティは浮き足立つが、
 背後の盗賊と眼前のペルクだけは落ち着いたものだ。
 他のメンバーの目からは敵対的な意思を感じるものの、
 ペルクの瞳からは何も感情の揺らぎが見えない。
 ここまで会話した声音にも起伏はほとんどなく、
 まるで人形のような印象を受けた。

「落ち着け、フランザ。
 じゃあ水無月よぉ、お前はどうすれば納得出来るんだ?
 ここまでタネを明かしたんだ、腹割るだろ?」
「そうですね、気付かれたのであれば仕方ありませんね。
 では単刀直入に言いますが、
 我々はペルク氏に警戒しています。
 身の潔白を証明する事にご協力いただけなければ、
 アスペラルダに入ることは認めません。
 国内へ入られると同時に指名手配をさせて頂きます」
「お前っ!!どんだけ無茶苦茶言ってるかわかってんのかっ!!」
「わかっていますよ。
 例えば様子のおかしい他国の冒険者が自分の故郷に訪れる事がわかれば、
 貴方方だって警戒するでしょう?
 今回は事前に我々が接触出来たので穏便に済ませることが出来ますが、
 ここで潔白を証明しなければアスペラルダに入っても、
 結局最終的には検査を受ける事になりますよ?」
「くっ!おい、ペルクっ!ここまで言われて何もねえのかっ!?
 もうアスペラルダに行かなくてもいいだろう?
 そこまでして観光に行きてえわけでもないだろっ!?」
「そうよっ!それともアスペラルダに行かなきゃいけない理由が他にあるのっ!?」
「王様からの依頼ですか?」

 激情にまかせて俺を罵倒してくる仲間の言葉を聞いても返答はなく、
 ペルクはじっと俺の顔を見続けている。
 いままで話をしていたペルクとは違う意思のようなものを感じて、
 俺の中で警戒度がさらに上がる。
 もし、こいつが中継カメラやドローンのような扱いで利用されていた場合、
 こいつの目を通して魔神族に俺を見られていると考えると冷や汗が流れる。

「まぁ、そんなものだな」
「は?観光じゃねぇのかよ!?」
「なんで私たちに言ってくれないのよっ!?」
「ペルクだけで何かする必要はないでしょっ!?」
「そもそも戦争状態じゃないんですから、
 王様が極秘に他国に行かせるわけがないでしょう」
「そうですね、アスペラルダ王も他国には私たちが動いている事は知らせていますし」

 つまり、この時点でアスペラルダが感知していない任務などあり得ない。
 もしそんな話があれば王やアインスさんが俺達に知らせないはずがないのだ。
 これはほぼほぼ確実に何かがある。

「貴方の容疑は、工作員の疑い、病の持ち込みの疑いです。
 ご協力いただけますか?
 初めに伝えたとおりにお仲間が感じている貴方の違和感を拭うことも出来るかも知れません」

 魔神族やらが関わっているかは、
 もっと調査をしてからになりそうだ。
 ひとまずは、こいつを調べさせてもらいたい。
 確実に重大な秘密を持っているはずだ。

「・・・調べてもらおう」
「え?本気で言ってるの?」
「・・・お前達だって気付いていて指摘できなかったことだ。
 それがわかるなら今回は良い機会だと思う」
「こいつらを信用するのかっ!?
 こんなガキと男だけでペルクを調べられるわけないだろっ!」
「・・・それでも、俺達には知り得ない事を発見出来る可能性はある。
 このままアスペラルダに入っても捕まって強制的に調べられる事に変わりないなら、
 いまこの場で潔白を証明すべきだ」

 なんと言う事でしょう。
 背後で静かに話を聞いていた盗賊の男が味方に付いてくれた。
 付いたというか、リーダーのペルクはどうあってもアスペラルダに入国するつもりみたいだから、
 面倒事を事が大きくなる前に済ませてしまいたいだけかもな。

「・・・わかった。やればいい。
 ペルクもそれでいいだろ?」
「そうね、私たちも気になっていたのは事実だし」
「私たちだけじゃわからないってのも事実ね。
 信用するわけじゃないけど、病気だった場合は申し訳なくなるし」
「ご協力に感謝します」

 反応を示さなくなったペルクを置いて、
 パーティメンバーは盗賊のおかげで納得の方向へ収まってくれた。
 もちろん俺達だけで調べられるのは高が知れているので、
 今日も彼女にコールして協力してもらおう。
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