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第8章
ハツクエスト
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「なんかゲームみたいなところあるよな。この世界。」
「ゲーム?」
「そ。メニューの出し方といい、システムアナウンスと言い」
「私がやった事あるゲームはどちらかと言えば、子供を対象に作られたものしかやった事ないから
分からないけど、未来感あるよね。」
「でも、こういうのもARが発展していけば、向こうの世界でも簡単になると思うよ。」
「AR?」
「拡張現実。まあその話はまた時間がある時に。まずは服と武器を買いに行こう。」
慣れない手つきでメニューを開き、地図のアイコンが描かれたパネルを押す。
スマホに入っている地図アプリのように、そのスポットに関するアイコンが立っていた。
例えばさっきのガルーの店にはフォークとナイフのマーク(🍴)が立っている。
「武器屋のアイコンはこの剣のやつでいいのかな。」
「闘技場って可能性もあるよね。食品は食べ物のマークで、この袋みたいなのはなんだろ?」
「それは多分アイテム屋だろう。じゃあまずそこに行って武器屋のアイコンを教えてもらおう。」
袋のアイコンは予想通りアイテム屋だった。アイテムの内容は、
攻撃力、防御力、回復の主に3つに分かれているようだ。後に買う武器の事も考え、
3種を1セットずつ買った。アイテムは液体タイプで飲んで効果が出るものらしい。
買った時に武器屋のアイコンは剣のマークだと武器屋のばあさんが言ってくれた。
1番近い武器屋で武器と服を揃えた。
俺は短剣と弓矢。服は紺のTシャツに、黒のフード付きマントを買った。
ここだけの話、最後にプレイしたゲームの主人公の服装に似せてみたのだ。
一方江原は俺より長めの剣を買った。長年バドをやっていたからか、
剣を持っている姿が様になっている。しかし、服選びに手こずっているようだ。
「服ぐらいなんだっていいだろ。」
「ジャージに一心捧げている人には分かんないでしょ。」
「どうせ、『誰に見られてるか分かんないしー』とか、『おしゃれしたいしー』とかでしょ?」
「前者は合ってるけど、後者は違う!」
「前者と言いますと?」
「この街の服装基準が分かんないし、変な服着て、変な噂広がるのも困るし。」
ん、ちょっと待てよ。
「お前、今『変な服』って言ったか?」
「うん。言ったよ?」何言ってるんだと言わんばかりの返し方をされる。
「この世界で、『変な服』着たことある?」
「着てないし、着たくもない。」
やっぱり。俺は大きくため息を吐いた。
「何、私変なこと言った?」
「お前ちょっと外出て。」江原を連れ出し、通りすがった数人に声を掛けた。
「すみません、この女の人知ってます?」
「あ!知ってる知ってる!『変な服』着てた子よね!あなた、顔も姿勢も美しいんだから、
もう少しまともな服装を選びなさいねぇ!」
「あー全身黒かった『変な服』を着てた嬢ちゃんか。」
「この女性かい?『変な服』を着てた事しか知らんが、何かあったのかい?」
他にも何人かに聞いてみたが、返事は同じだった。
聞き終わった頃には、江原がノックアウトしていた。
「な?分かったか?既に周りからは変な印象を持たれてるの。さっさと決めてくれ。」
「はい…」魂が抜けたかのような声で江原が言い、服を決めた。
濃い赤のフード付きパーカーと黒のズボンを買った。
「せ、制服が『変な服』、、、」トボトボ歩きながら江原が項垂れる。
「まだ引きずってるのかよ。俺らもこの世界に来た時、周りが変って思ったろ?
それと同じだよ。」
「うん、、、」
「でも、その服普通に似合ってるし、大丈夫だよ。」
「ども。」
必要な物が一式揃った。
ようやく始められそうだ。
「ゲーム?」
「そ。メニューの出し方といい、システムアナウンスと言い」
「私がやった事あるゲームはどちらかと言えば、子供を対象に作られたものしかやった事ないから
分からないけど、未来感あるよね。」
「でも、こういうのもARが発展していけば、向こうの世界でも簡単になると思うよ。」
「AR?」
「拡張現実。まあその話はまた時間がある時に。まずは服と武器を買いに行こう。」
慣れない手つきでメニューを開き、地図のアイコンが描かれたパネルを押す。
スマホに入っている地図アプリのように、そのスポットに関するアイコンが立っていた。
例えばさっきのガルーの店にはフォークとナイフのマーク(🍴)が立っている。
「武器屋のアイコンはこの剣のやつでいいのかな。」
「闘技場って可能性もあるよね。食品は食べ物のマークで、この袋みたいなのはなんだろ?」
「それは多分アイテム屋だろう。じゃあまずそこに行って武器屋のアイコンを教えてもらおう。」
袋のアイコンは予想通りアイテム屋だった。アイテムの内容は、
攻撃力、防御力、回復の主に3つに分かれているようだ。後に買う武器の事も考え、
3種を1セットずつ買った。アイテムは液体タイプで飲んで効果が出るものらしい。
買った時に武器屋のアイコンは剣のマークだと武器屋のばあさんが言ってくれた。
1番近い武器屋で武器と服を揃えた。
俺は短剣と弓矢。服は紺のTシャツに、黒のフード付きマントを買った。
ここだけの話、最後にプレイしたゲームの主人公の服装に似せてみたのだ。
一方江原は俺より長めの剣を買った。長年バドをやっていたからか、
剣を持っている姿が様になっている。しかし、服選びに手こずっているようだ。
「服ぐらいなんだっていいだろ。」
「ジャージに一心捧げている人には分かんないでしょ。」
「どうせ、『誰に見られてるか分かんないしー』とか、『おしゃれしたいしー』とかでしょ?」
「前者は合ってるけど、後者は違う!」
「前者と言いますと?」
「この街の服装基準が分かんないし、変な服着て、変な噂広がるのも困るし。」
ん、ちょっと待てよ。
「お前、今『変な服』って言ったか?」
「うん。言ったよ?」何言ってるんだと言わんばかりの返し方をされる。
「この世界で、『変な服』着たことある?」
「着てないし、着たくもない。」
やっぱり。俺は大きくため息を吐いた。
「何、私変なこと言った?」
「お前ちょっと外出て。」江原を連れ出し、通りすがった数人に声を掛けた。
「すみません、この女の人知ってます?」
「あ!知ってる知ってる!『変な服』着てた子よね!あなた、顔も姿勢も美しいんだから、
もう少しまともな服装を選びなさいねぇ!」
「あー全身黒かった『変な服』を着てた嬢ちゃんか。」
「この女性かい?『変な服』を着てた事しか知らんが、何かあったのかい?」
他にも何人かに聞いてみたが、返事は同じだった。
聞き終わった頃には、江原がノックアウトしていた。
「な?分かったか?既に周りからは変な印象を持たれてるの。さっさと決めてくれ。」
「はい…」魂が抜けたかのような声で江原が言い、服を決めた。
濃い赤のフード付きパーカーと黒のズボンを買った。
「せ、制服が『変な服』、、、」トボトボ歩きながら江原が項垂れる。
「まだ引きずってるのかよ。俺らもこの世界に来た時、周りが変って思ったろ?
それと同じだよ。」
「うん、、、」
「でも、その服普通に似合ってるし、大丈夫だよ。」
「ども。」
必要な物が一式揃った。
ようやく始められそうだ。
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