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巨乳魔法使いのバトル中露出プレイ
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「巨乳魔法使いのバトル中露出プレイ」
「ほ、炎よ···わ、我の声に応えよ···舞えぇ!ふぁ、ふぁ···っファイアウォール!」
上ずった声で、レプは魔術詠唱を唱え、大きく両手を振りかざす。
レプの目の前には、レプの身長以上に高くて大きな炎がそびえたつ。
自分が作り出した守護魔法である。
炎を前にして、自分の背後にいるパーティ2人を守るようにレプは立つ。
(ど、どうしよう···こんなの、いけないのに···)
手足がひそかに震えていた。大してHPを減らしていないのに、息が上がっている。
この状況のせいだ。自分で招いた結果なのに、自分で行った選択なのに――。
レプの心は緊張で弾みっぱなしで、落ち着くことなんてできずにいた。
「レプ!ありがとうな!」
背後にいた獣人――パーティを組んでいるホイマが、自分の肩を軽く叩き、前線に出た。
同じパーティなので炎を潜り抜けても、ホイマはダメージを受けない。
彼女は果敢にモンスターの前に出て行き、獣化させた大きな獣の手でモンスターを切り裂く。
(きゃっ!)
レプは肩をたたかれた時、悲鳴を押し殺し、思わず自分の巨大な胸を隠す。
肩を叩かれた時、たぷん、とレプの大きな胸が揺れた。
丸みを帯びた大きな胸。
レプの目には――2つの乳房が、青い空の元、さらけ出されているようにしか見えない。
いつも陥没している乳首が、ピンと立っている。
自分の興奮のために赤く熟し、隠しようもないくらいにビンビンに立っている乳首。
「何やってるんだ!レプ!ファイアウォールがっ!」
後ろにいる剣士のラケスが叫ぶ。
レプはハッとした。自分が集中力を欠いたせいで、炎の壁が薄れている。
目の前には、大きな獣が唸り声をあげていた。
獣は狼に似ているが、体毛がすべて氷でできている。
「アイスウルフ」という名前の、氷の獣だ。
炎には弱いはずなのだが、弱まった炎の壁ならば突っ切れるのではないかと考えているようだ――彼らは賢い。
3匹のアイスウルフは、威嚇するように歯ぎしりをしている。
「やっ···」
目の前の獣の威圧感に、後ずさりかけると――。
「レプ!」
背後から、腰を抱かれる。びくりと身体を震わせた。
(あっ···見えちゃう!)
見えるはずはないのだが――思わず臀部を隠す。
胸と同様に、自分のさらけ出された尻。
少し小ぶりの尻の割れ目を、手で隠す。胸から手を外すと、大きな胸が揺れた。
隣に、ラケスが来たからだ。黒髪黒目の青年は、レプの羞恥心など知らずに、レプの腰を抱きながら目の前のアイスウルフに対して剣を構える。
「大丈夫だ!俺がいる!何かあっても大丈夫だ」
「ラケスさん···っ」
自分を安心させるように言ってはくれるのだが、レプはそれどころではない。
意中の相手であるラケスが隣にいる。
自分は、全裸なのに――。
「ファイアウォールを強化してくれ!」
「えっ」
「アイスウルフが来てる!ファイアウォールを強化して、俺のHPも回復してくれ···!そうすれば勝てるから!」
ラケスは焦ったように言うが、レプは躊躇した。
自分は魔法使いだ。魔法を使うにはマジックポイントが必要で、残り少なくなっていた。
ファイアウォールを強化して、ラケスの少ないHPも回復するとなると···。
(ど、どうしよう――マジックポイントが···)
足りない。
ずっとかけ続けている自分に対しての魔法を、維持できなくなる。
(マジックポイントがなくなったら、2人の目の前で···バレちゃう)
どうして、こんなことになったのだろう。
レプは焦る。
目の前にはアイスウルフ。
隣には、HPが少ないラケス。
(見えちゃう。2人に気づかれちゃう)
そして、他者にはいつもの服を着ているように見せているが――実際には下着すら着けていない自分自身。
早鐘のように、心臓が高鳴る。
(私が裸なこと――2人にばれちゃう)
危機的な状況なのに、自分の下からは”何か”が出てきた。とろりと粘着力のある蜜が、自分の股に潤いをもたせる。
荒くなった息をごくりと呑みこみ、レプは焦燥感に駆られた。
★★★
(いいなぁ···)
魔法使いレプは、寒い故郷から大陸の3分の2を占めるグリックラン皇国に出てきてから、
憧れているものがあった。
故郷には今までなかったもの。
獣人の奴隷である。
グリックラン皇国には、奴隷制がある。
人族で奴隷に落ちた者もいるようだが、グリックラン皇国の奴隷は主に獣人である。
何を憧れているか?
ふさふさした耳や尻尾はもふりたいと思う。でも、それは他者として触りたい。
逃げ出さないように繋がれた首輪か?興味がないと言えばウソになる。けど、ちょっと怖い···。
だとしたら、田舎から出てきたレプは何に憧れるのか?
(どんな気持ちなんだろう···)
グリックラン皇国の街の中、レプは羨望の目で獣人を見つめていた。
ほうっと憧れの視線を、花壇に腰かけながら彼女達に送る。
そんなレプを見ている人々も多いのだが、レプ自身は気づいていない。
寒い国から出てきたレプの肌は、とても白かった。雪のように白い肌に、光に照らされるときらきらと輝く長い銀髪。端正な顔立ちは、まさに美少女と言って過言はないだろう。肌に合った白いローブのおかげか、どこか儚げな印象を人に与える。
穢れを知らない、雪のような美少女。
まさに、他者から見た目線としては、そう表現するのが正しいだろう。
あくまで、他者から見た目線としては――だ。
(いいなぁ···裸で)
”穢れを知らない、雪のような美少女”であるレプは、黄金の瞳を獣人に向けている。
他人から見たら、奴隷の獣人に憐憫の視線を送る美少女に見えているだろうが、違う。
彼女は、裸で歩かされている獣人に憧れを持っていた。
(最初は可哀想と思っていたのになぁ···)
奴隷である獣人に、人権はない。
若い獣人の女を何故奴隷にするのかと言えば、
体力や魔力が豊富ならば貴重な戦力としてパーティの中に組み入れる。
しかしそうでなければ、当然「女」としての使い道になる。
グリックラン皇国では、裸の獣人の女が、主人に連れられて歩いている。
大きな胸や小さな胸をさらけ出し、秘処も露わにして、尻尾がある獣人は尻尾の付け根も露わにして、歩いているのだ。
「嬢ちゃん、もうちょっと成長すると良いなぁ」
ウサギ耳の少女が、荒っぽい男から声をかけられている。
彼女は隠すように、貧相な胸を手で隠した。顔を赤らめ、目に涙を溜めるが···。
「しゃんと歩けよ」
「···はいっ」
主人に鎖を引っ張られ、仕方なく少女は胸から手をどける。
平らな胸には、可愛い乳首がある。レプも、可愛らしい胸だと思う。
少女らしい、これから成長する胸。
声をかけた男もそう思って声をかけたのだと思う。可愛らしいと思うから、揶揄するような言葉を吐くのだ。
(いいなぁ···)
レプはグリックラン皇国に出てきて1年になるが、いつしか裸の奴隷たちを羨ましいと思うようになっていた。
自分が裸になったら、道行く男たちは何て声をかけてくれるのだろう。
自分の胸は、大きい。
Gカップはある胸は、奴隷でもなかなか見ることはない。
それが空の下さらされたら、彼らは何て辱めてくれるのだろうか。
一度考えたら、レプの気持ちは止まらなかった。
一度も男性と床を共にしたことはないのに――ついつい淫らな妄想にふけってしまう。
(私の胸を触りたいと思うのかな···。ち、乳首を触りたいとか···舐めたいとか···)
ローブの下で、むくりと自分の乳首が起き上がるのを感じた。
まだ味わったことのない快楽を前に、レプはウサギ耳の少女に羨望の目を向ける。
(私も裸になったら···)
「レープッ!」
「きゃっ!」
後ろから両肩を掴まれ、レプは飛び上がった。淫らな妄想を振り払い、驚きの目を背後にいる人物に向ける。
「ほ、ホイマ···さん」
褐色の少女が、そこにいた。
外ハネした黒髪は、肩に触れるぐらいの長さがある。
にぃっと笑う姿は獰猛で、快活さを感じさせるものがある。
悪い言い方だが、野蛮という言い方も彼女には似合っているだろう。
レプの容姿を雪に例えるなら、ホイマは太陽のような少女だ。元気さに溢れている。
そんなホイマには、狼の耳と尻尾がある。一見犬にも見えるが、彼女曰く、れっきとした狼の獣人だと言う。
「あ、あれ?ラケスさんは···?」
「あれ?」
ホイマは後ろを振り返り、首を傾げた。
彼女は獣人で、勿論主人がいる。
ただ1つ、普通の獣人と違うのは――裸ではないことである。
それは彼女の主人の意向だ。
彼女の小さなふくらみを持った胸は胸バンドのようなもので隠され、下半身もホットパンツのようなものを履いている。
露出は多いが、けれど他の獣人の女から見たら羨ましいぐらいに、局部をちゃんと隠してもらっている恰好だ。
「ラケス···さっきまで後ろにいたんだけどなぁ。レプがいたから追っかけてきたら、はぐれたかなぁ」
ホイマはぽりぽりと頭を掻く。「ラケス」などと人族の主人を呼ぶことなど、獣人は許されないはずだが――これも一風変わった主人の意向である。
ホイマは1人の主人の意向で、だいぶ人らしく生活をさせてもらっている獣人だ。
レプはそんな彼女と彼女の主人と1年前にパーティを組み始め、一緒に冒険をしたり、ダンジョンに挑んだりをしている。
元々奴隷制などない国出身のレプも、ホイマをあえて奴隷扱いしたりはしない。
むしろ自分とは全く違うタイプのホイマと話すのは楽しくて、友人として好感を持っている。
「ホイマさんが置いてきちゃったのね。ホイマさん、足速いから」
「あー、ラケスって足遅いからなぁ」
からからとホイマは笑う。快活で素直なホイマは、レプが淫らな妄想をしていただなんて想像もつかないだろう。
「ホ、ホイマ···足速い」
遅れて、ラケスがぜぇぜぇと息をしながら歩いてきた。やはりホイマの走りについていけなかったらしい。
黒髪の青年だ。長剣を背に持ち、走ってくるのは大変だっただろう。しかしダンジョンでは、長剣を背にのせたまま走っているのが彼である。自分の身の丈より大きな長剣で、ダンジョンにいるモンスターを切り捨てている。
レプは、息をぜぇぜぇと荒くしているラケスを見て、緩やかに微笑む。
「レプ···どうしたんだ、こんなところで」
「えっ?あ、あわわ···えーっと、ど、奴隷さんを見ていたの。」
レプは慌てつつ、ウサギの耳の少女を目で見る。ラケスも目で追うが、すぐにふいっと反らした。
嫌悪感に満ちた顔をしながら。
「あー···嫌だよなぁ。この国の悪しき習慣だと思うよ、本当」
ラケスは、奴隷制反対派らしい。ホイマについてはラケスの家が買い、あまりの仕打ちをしているのを見て、だったら自分が所有者になると声をあげたらしいのだ。
(ラケスはやさしいなぁ)
レプは頬を緩ませ、ラケスに対してあたたかな気持ちになる。
1年前、ギルドで1人きりだったレプに声をかけてくれた青年。同い年の勇気ある青年で、奴隷にも優しい彼に、女性として好感を抱かない訳がなかった。
レプの性格上自分から想いを告げたりはしないが···密かに想いを寄せる相手だ
「ラケスは?買物?」
「んーん、ギルドにクエスト見に行くとこだって。レプもおいでよぉ」
ラケスではなく、ホイマが答えてきた。尻尾をぱたぱたと振り、レプの腕を取る。
「こら、ホイマ。今日はパーティの休みだろ」
3人で組んでいるパーティは、基本的に週休2日を心がけている。7日間がっつりクエストをこなすパーティもいるようだが、週休2日くらいが生活に必要な金を稼げて、なおかつ十分に身体も休めることができる。
「いいよ。ただぼーっとしていただけだし、一緒に行くよ」
レプは優しく微笑み、ホイマの提案を受けいれることにした。
(1人だといけないことばかり考えちゃうし···)
そもそも、家でゆったりとしていても、ついついレプは1人で自分を慰めてしまう。それが嫌だったから、家から出てきたのだ。
(3人でいた方が、あまり考えないで済むもんね···)
1年間、じっくりと育てられた淫らな妄想。いけないことだとわかっているからこそ、余計に考えてしまうのだ。誰かと話している方が楽である。
「あー、ラケスさん達。丁度良いところにぃ」
ギルドを訪れると、いつもの受付の女性がゆったりとした言葉で話す。ラケス達を見るや否や、ふわっと彼女は微笑んだ。
「何かありますか?」
ラケルが受付の前に立った。
自分はそれを横目に、ギルドの壁に貼られたクエスト表を眺める。
高い天井までびっしりとクエスト依頼の紙が貼られている。
「最近、アイスウルフが近くの街を襲うんですよ。レベル的にラケスさんのパーティなら楽勝だと思うんですよね。ただ、発生条件がまだ未確定なんですぅ」
「未確定?夜に現れるとか、そういうのじゃないんですか」
「朝だったり、昼だったり、夜だったりするんですぅ。
もうちょっと発生条件が確定してからご相談した方が良いですかねぇ」
「うーん、だったら張り込んでも良いですし···もしこの街にアイスウルフが来たなら、いつでも呼んでください」
アイスウルフか。
レベル20くらいのモンスターである。レプは炎系の魔術も得意だし、身構えるようなモンスターではない。レプが炎系の魔術が得意ということを知っているから、ギルド受付の女性も声をかけてきたのだろう。
「あはは。何あのクエストぉ」
壁にあるクエストの紙を見ながら、ホイマが笑った。彼女が指さしているのは、4メートルほどの高さにある紙だ。獣人の視力だから見えているのだろうが、何て書いてあるかはレプにはわからない。
「どんなのなの?」
「おじさんの髪をレイピアで切るクエストだってぇ。何でレイピア指定なんだろ?」
ぶっとレプも笑ってしまう。
クエストには、色んなものがある。モンスター退治から、ちょっとした日常の困りごと。魔法使いにかけてほしい魔法の依頼まで。
「あ、あれも意味わかんないなー。自分が裸でも、周りには服を着ているように見える魔法をかけてほしい···だって」
(え)
心臓をわしづかみにされたようだった。ホイマはけらけらと笑っている。
「そんなことして、何の意味があるんだろ?普通に脱ぎゃ良いのにな」
「う、うん。変だねぇ」
自分の声は、おかしくないか。レプは同意しながら、自ら笑うように努めながら、平静を保つように心がけた。
(自分が裸でも、周りには服を着ているように見せる?)
確かに魔法の原理上は、可能だ。できないことではない。
幸いにも魔法が使える自分には、できるはずだ。
(できる。できるけど···良くはない)
いけないことである。魔法の、そんな変わった使い方。
魔法は人を助けるために使うものだ。祖母からそうやって教えてもらったレプは、酷く抵抗を感じながらも、ギルド内にいる獣人の裸を見てしまった。
ひどく恥ずかしそうにしながら、それでも裸でいなきゃいけない女性たち。
胸や秘処を男達の前で、あられもなく晒す少女たち。
ごくりと唾液を呑み込む。
焦がれてきた格好だった。羨ましいと、ついつい目で追ってしまう。
(良くはないけど···やってみたい)
レプの中で、自制が砕けた瞬間だった。
★★★
「あわわ···」
レプは自分の家で、早速自分自身に魔法をかけてきた。
下着を脱いで生まれたままの姿になり、魔法をかけてみたが、一見はただの全裸なだけだ。
雪国出身なので、首から下は、日に照らされたことが一度もない真っ白な肌だ。
真っ白な肌だからこそ、胸の桃色の乳首が目立つ。
色づく胸の突起は、これから起こることを期待していた。
大きな胸から、きゅっと締まったウェスト、そして――小ぶりの尻。
いつもは白いローブに隠れてわからないが、かなり男好きのする体型だと、レプ自身も思う。
よく田舎でも、友人に言われたりもした。秘処を隠す程度の毛しかないアンダーヘアは、一応念のために浴びたお風呂で整えた。いつもはもう少し毛が生えているのだが、あまり長くては、もしもの時があったら恥ずかしすぎる。
(もしもなんて、ない···んだけれど)
念のため、レプはパーティの休みの日に、その魔法をかけてみることにした。さすがにパーティのクエスト中にかけるのは恥ずかしいからだ。それに、ラケスの前で全裸になるなんてありえない。
(よし···行ってみよう)
深呼吸をすると、大きな胸がたぷんと揺れる。重みがある胸は、いつも以上に重力を感じる。やはり下着を外しているからかもしれない。2階の部屋から1階に降りる時も、たぷたぷとGカップの胸が弾むのがわかった。
(こんな胸を揺らして歩いて···見られたら何て言われるんだろう)
レプの家は大通り沿いにある。1階に降り立てば、すぐに大通り。道には馬車が走り、人々が行き交う。グリックラン皇国の中心地であるため、レプが育った田舎よりも、もっと人が多い。
(や、やだ···)
魔法では服を着ているように見せているが――実際には裸である。
風が、自分の身体を撫でる。いつもは隠している部分が太陽の元にさらされるというのは、やはり異様である。
自分の下の毛が風でわずかにそよぐのも、敏感に感じ取れた。
「あら、レプちゃん」
「ひっ!」
前から声をかけられる。レプの住む家の、大家さんだ。人族であるおばさんは、にこにこと笑ってはいたが、レプの引きつった顔を見て、怪訝にした。
「どうしたの?具合でも悪いの?」
「い、いえ···びっくりしちゃって」
「あら、驚かせちゃったみたいで···」
大家さんは微笑を浮かべながらも、怪訝に目を細めていた。彼女の視線は、自分の胸にさらされている。
(えっ···)
何故、そこを見つめるのだろう。自分の服は、ちゃんと魔法で構成されているように見えるはずだ。心がバクバクと弾んでいく。
大家さんが見つめているのは、間違いなく自分の胸である。
2つの乳房である。
「あ、あわわ···あの···」
レプは自らの胸を、腕で抱え込むようにして隠す。その時、自らの陥没している乳首が立っていて、腕にこすれたのを感じた。胸の甘い刺激に、秘処に快感を感じてしまった。ずくり、と。
「い、行ってきます」
「あ、ああ!いってらっしゃーい」
大家さんは笑顔に戻り、明るく送り出してくれた。
(なんだろ···魔法、効いてなかったのかな···)
ドキドキする胸を抑えつつ、レプは胸を腕で隠すのを止めて、街中を歩いてみた。周りには人がおり、やはりレプに対して好奇の目を向ける者もいない。
(やっぱり魔法が効いてる)
獣人ならまだしも、明らかに雪国出身の見た目をしている自分が全裸で歩いていたなら、男たちはもっと好奇の目を向けてくるだろう。首輪もつけておらず、奴隷でもないことは明白なのだから。
(気持ちいい···)
歩くたびに、風で感じる刺激がたまらない。
獣人の女たちは、こんな快感を毎日感じているのだろうか。やはり、自分にとっては羨ましい。
下を見ると、自分の乳首がこりこりに固くなっている。ピンと突起が主張しているのを見て、レプは触りたいと思った。
家ならば、主張した乳首を指で弾く。指先で乳首の先をこすり続け、愛液が十分に秘処から溢れ出したら、その愛液をクリストスに塗りつけるのだ。愛液まみれのクリストスは指ですべってしまうが、その鈍い快感が自分を高めてくれるのに。
さすがに、往来でそんなことまでできない。それじゃ服を着ていても、ただの変態だ。
露出以上の零れ出る欲求を前にして、レプは自身の息があがっていることに気が付いた。
(いけない···こんなこと)
いけないと思っているからこそ、それすらも快楽につながっていくのかもしれない。
僅かに身体を震わせる。
「おっきいおっぱいだな」
どきりとした。
向かい側から歩いてきた黒いローブを着た男に、レプが言われたのだ。驚いて顔をあげると、男のにやにやした目と目が合ったので間違いない。
(どうして?)
通り過ぎ様に言われた。
中年の男の背中を、愕然と見つめる。
おっきいおっぱい?
そんなこと、普段の白いローブでは言われたことがない。
(魔法使いだから、見えたとか?)
黒いローブの男は、きっと魔法使いだろう。
魔法使いだから、全裸のレプが見えたのではないか。そう考えると、一気に羞恥心が高まっていく。
(いや···っ)
彼には全裸のレプが見えたのだ。自分自身の、誰にも見せたことがない身体を見られたことに、羞恥心を煽られる。身体が全体が火照って熱くなる。
今更隠したところで遅いとわかりながらも、身体を隠す。
(恥ずかしいのに···)
どうして自分の体は、反応してしまっているのだろう。
さらけ出された乳首はビンビンで、胸を隠そうという仕草ですら刺激になる。秘処も、感じていることを自らにわからせるように、愛液を滴らせた。
(怖いのに···っ!どうしても感じちゃう)
自分の秘処が、ひくりひくりと蠢く。きゅっと締め付ければ、余計に愛液が零れ落ちてしまうような気がした。
「たまんねぇな」
びくりとレプは反応する。
粗雑そうな男が、大きい臀部の獣人の女を見つめ、言っていた。言葉を向けられていたのはキツネ耳の女性で、彼女は歩くごとに大きな尻肉を揺らしている。
秘処を隠すような布地もない。豊かな黄金の髪を揺らし、大きなキツネの尻尾でさらされている臀部を隠そうとしている。
「尻尾は、たててろ」
にやついた主人に言われ、キツネの女は悔しそうに顔を歪めていた。言われた通りに、尻尾を上に立てている。
「みろよ。歩くたびに割れ目がチラチラ見えるぜ」
下品な声で、粗雑そうな男が笑う。
自分も、今はそう見えるのではないだろうか。さらけ出されたお尻から、歩くたびに割れ目が覗いているのだろうか。
しかも、自分の場合はあきらかに濡れている割れ目が。
(あっ···)
キツネの女の尻を見て、自分を重ねてしまう。大きなお尻は魅力的で、男達の視線を集めている。自分も、もし見えていれば男達の視線を浴びていたことだろう。
「レプ!!」
妄想にふけている中、突然呼び止められた。
肩を掴まれ、無理に振り返ると――。
「あ、あわわ···ら、ラケス···ホイマ」
胸を庇うと、2人は目を丸めた。不思議な体勢だと思ったのだろう。
まさかパーティを前に、全裸を晒すことなどないと思っていた。だから休みの日に露出を決行したのに―――。
「探してたんだ!家にいなかったから···」
「大家さんにこっち歩いて行ったって聞いたんだよー」
2人はレプの戸惑いを無視して、話し始める。胸を隠した体勢のまま、レプは困ったように笑う。
気づかれていない――はず。
「な、何で私を···今日、休みだよ?」
「アイスウルフが街に出たんだ!」
と、ラケスが焦ったように言った。え、とレプは目を丸める。
アイスウルフ?
そういえば、そんなことを先日ギルドで言っていた。
「レプの魔法が必要だ!すぐ行こう!」
「い、いま?」
「そう、今直ぐ!」
今すぐ?
「せ、せめて家に一度帰ってから···」
「人が襲われているらしいんだ!早く!」
ラケスは、レプの手を強引に握りしめた。
せめて、服を着させてほしかった。ここで魔法を解除したら、全裸の自分がさらされてしまう。
かといって、全裸でアイスウルフと対決を?
全裸の状態で、パーティで戦えと?
(ありえない!)
戸惑いながら、レプはラケスに手を引っ張られた状態で走るしかなかった。
「は、走るのぉ?」
「急いでるんだっ」
(だって、こんなの···おっぱい揺れちゃうっ!)
下着を着けた状態でも、走るときには胸が揺れてしまうのに。
下着がない状態で走りなんかしたら、Gカップはばるんばるんと痛いくらいに揺れてしまう。重力に従い、揺れるおっぱいは···例え服があるように見えても、目立つものだったらしい。
道を歩く男たちが、走る自分をしげしげと見つめているのがわかった。
(見られ···てるっ)
見られていることを意識すると、それどころでなくても、秘処が興奮のために濡れていく。
★★★
かくして、レプは全裸状態でアイスウルフとバトルに挑むことになってしまったわけだ。
「こんなの···」
レプは目じりに涙を溜める。
同じパーティのラケスとホイマは気づいていないだろうが、自分は全裸である。自分の目には、間違いなく全裸の自分が戦っているようにしか見えない。目の前にあるファイアウォールも、凄く熱く感じてしまう。
「レプ!どうした!魔法を!」
ラケスが叫ぶ。
回復魔法と、目の前のファイアウォールの強化。
普段の自分ならば、躊躇することなく魔法詠唱していたはずだ。
しかし――残り少ないマジックポイントを消費することは、避けたい。
(2人の目の前で裸になっちゃうっ!)
裸になったら、何て言えば良いのだろう?魔法を使いすぎて、服がなくなっちゃったなんて言って、信じてもらえるだろうか。
ホイマの前だったらまだ良いにしても、男のラケスの前で裸を晒すなんて――考えただけで、秘処が疼く。
「レプ!」
ラケスは、裸の自分を見たら何て言うのだろう。全裸の奴隷のことを嫌悪している彼のことだ。もし自分が憧れているなんて知ったら――嫌われるだろう。
何て不埒な目で、彼らを見ているのかと。
「レプッ!!」
今まで以上に大きな声で怒鳴られる。
と同時に、狼が目の前から噛みつくようにして吠えてくる。
レプが作り出した炎の壁から、アイスウルフの頭が突っ込んできたのだ。ラケスがレプの腰を引っ張る。
「ほ、炎よ、舞え!ファイアウォール!」
目の前の獣に噛みつかれる恐怖から、声高々にレプは叫ぶ。レプが魔法を詠唱すると、炎の壁がより燃え盛り、頭を突っ込ませてきたアイスウルフが「きゃいんっ!」と声をあげた。1体のアイスウルフの首に炎がまとわりつき、1体のアイスウルフは水場を捜したのか、急いで駆けていく。
(あともう1度、魔法を使ったら···!)
残り、アイスウルフは3体だ。
マジックポイントは、かろうじて残っているが――それは服を構成する魔法で使いたい。
(そうじゃなきゃ、裸になっちゃう···!)
「レプ!頼む!」
「ラケスさん···」
ラケスが、憔悴の顔で頼んでくる。彼はHPが残り少ない。彼のHPを全回復したならば、
3体のアイスウルフなど簡単に倒せるだろう。
(でも、それじゃ···)
見られてしまうことは、確実だ。
ラケルにみられる――大きなおっぱいも、垂れ流される愛液もすべて。
(でも···)
この状況でもしラケスやホイマが倒れてしまえば、自分はどうなる。炎系の攻撃魔法もあるが、前衛がいないのに、自分一人では助かる見込みもない。
何より、ラケスやホイマが倒れてしまうなど、嫌だ。
彼らは自分の大切な仲間だ。死なせるわけには、絶対にいかない。
「···銀色の雪よ、かの者に祝福を与えん」
見られてしまう。
こんな姿を見られてしまうとわかりながら、口を動かす。ラケスは自分の詠唱にホッとし、長剣を構える。
「ヒールっ!」
(ああーー)
彼は呪文を詠唱が完了した瞬間、炎の壁を突き破り、アイスウルフに長剣を振り下ろした。長剣は、容赦なくアイスウルフをぶった切る。悲鳴をあげることなど許さず、アイスウルフの首を狙って振り下ろされる長剣を見て、レプは地面に崩れ落ちる。
尻の下に、地面を感じる。ざらざらとした土の感触を尻に感じたのは初めてだ。座れば秘所は隠されるが――自分の太ももに、土がつく。愛液で汚れていたせいだ。
(こんなの、いけないことなのに、私···っ)
ラケスも、ホイマも、アイスウルフに集中して、後ろを振り返えらない。だから自分は幸いっとして、胸を鷲づかみにした。大きな胸に、自分の細い指が食い込む。乳首に触れれば、コリコリに乳首は固さを持っていた。
少し触れただけで、さんざん昂った身体は、簡単に快感を得ることができる。
「いっ」
この後2人は、自分のことを見るだろう。
全裸で胸を鷲づかみにしている自分を見て、彼らは何て言うのだろう。
ラケスは、自分の姿を見ていやらしいと思うのだろうか。
「イっちゃ···っ!」
(クリも触っていないのに···っ!)
イッちゃいけないと思うほど、興奮してはいけないと思うほど、身体は少しの刺激で快感に到達しようとしてしまう。
全裸で、バトル中に――露出プレイで。
「ふぅ···あんっ···!!」
せめて声を抑えようと、唇を手で覆う。ラケスやホイマに、聞こえる訳にはいかない――ただでさえ全裸なのに、こんな淫らな声を聞かせてはいけない。
押し寄せる快感は、秘処から下腹部に、甘美な刺激な満たしていく。きゅんきゅんと秘処が締まる。ラケスやホイマを視界に入れながら、身体が快感を受け入れていく。
「レプ!ありがとう!」
「ありがとうなー!レプのおかげで助かった!」
アイスウルフを倒し終わった2人が、とうとう振り返ってしまった。
(ああ···私)
甘い刺激が、余韻としてまだ身体に残る中、レプは地面に身体を横たえる。2人が慌てたようにこちらに駆けてくる。マジックポイントを消費して、疲れ切ったと思ったのだろう。
(見られるのが、本当に好きなんだ···)
レプ!と2人が倒れた自分に声をかけてくる。肩を揺らされるが、自分は胡乱な目で2人を見上げるしかできなかった。
★
結論として、ラケスとホイマに裸を見られることはなかった。
レプは、ラケスのHPを半分以上回復しつつ、自分が衣服を着ているように見せるぐらいにはマジックポイントを保ったのだ。ぎりぎりに残したマジックポイントのおかげで、2人には服を構成しているように見せることができた。
「レプ、そんなヘロヘロじゃ歩けないだろう。何か···荷台とか貸してもらうか」
「そんな···ごめんね。ありがとう」
レプは柔らかく微笑む。地面に尻をつけたまま、立ち上がることができなかった。
2人には、疲れちゃったせいでとは言ったが――本当は、イッたせいである。
今まで以上の快楽を感じることができたレプは、少し動くだけで快感を感じてしまい、
甘い声が漏れそうになる。
(すごい気持ちいいんだけど···2人の前じゃねぇ···)
家だったらわざと動くところだが、ホイマに横にいられたのではそれができない。
口惜しい思いをしながらも、レプは誤魔化すように微笑むしかない。
「いや、俺が無理させたからだろう。レプが魔法詠唱に躊躇してた理由がわかったよ」
「う、うん。ごめんね」
違うけど···と思いつつ、頷くしかない。
ラケスは自分と向き合い――瞬間、ラケスは顔を赤くした。
(え?)
今まで見たことがない、ラケスの顔だった。
自分を見て、ふと視線を下にずらして、顔を真っ赤にさせたのだ。
「俺···荷台探してくる!ホイマ、頼んだぞ!」
ラケスはくるりときびすを返し、駆けて行った。耳まで真っ赤だった。
自分の下を見て――じぶんのしたを見て?
確かにラケスの視線は、自分の身体に向けられていた。確かだった。
(え···まだマジックポイントはあるのに)
マジックポイントは、残されている。服が構成できていないはずがない。
自分の視界では、全裸なように見えるが···。
「あーレプ···言いづらいんだけどなぁ」
(え?)
ホイマが、とてもバツが悪い顔をしている。自分の身体と、自分の顔を見比べている。
ホイマの視線は、自分の胸に注がれる。
(あわわ···どうして?マジックポイントは、本当にまだある···)
どうして?
獣人には、わかるのだろうか。
それとも女の勘?
思わずレプは胸を隠す。レプの胸は大きすぎて、腕では到底隠しきれない。腕から肉が零れ落ちる。イッたこともバレているのだとしたら、太ももまで滴り落ちる愛液も隠すべきなのだが。
じっと見つめてくるホイマの視線が、どうしても痛い。
「今日さ、ノーブラで来ただろう?」
「······へ?」
そもそも、全裸である。
”服”は構成しているが、下着までは構成しているように、見せなかった。
レプは、”服”だけ構成すればいいと思っていたからだ。”下着”も構成しようという頭がなかった。
(あ、だから···)
大家さんの怪訝そうな目、黒いローブの魔法使いからのいやらしい言葉、ラケスの真っ赤な顔。
自分がノーブラで、乳首がつんと立っていたから――?
「ばんそーこー、やろうか?お前胸大きいんだし、忘れないように気をつけなきゃダメだぜ。全く···」
思えば、走った時もぶるんぶるん胸が揺れてしまっていた。男達が見ていることも、自分は気が付いていないのに――下着が構成されていなかったから、そりゃ胸も揺れるように見える。(そもそも全裸だけど)
「よ、よかった···」
「いや、良くはないと思うけど」
全裸がバレていたのではないことに、心底ホッとした。
肩の力が一気に抜ける。今までこわばっていた身体が和らぐ。
ラケスの反応からして、バレたのではないかと危惧してしまった。
「おーい!荷台借りれたぞー!」
ラケスが荷台をがらがらと転がし、駆けてきてくれる。ホイマが手を振って反応した。
(また···やりたいな)
レプは惚けた顔で、夢想した。
ただ街を歩くだけでは、つまらない。もうそんな刺激じゃ、レプは満足できないだろう。
またやるとしたら、バトル中だ。
バトル中、マジックポイントを消費するかどうかぎりぎりのところで、見えてしまうかどうかの刺激に、レプは酔っていた。
(また、バトル中にしよっと)
全裸の状態で風を感じながら、レプは決めた。
「ほ、炎よ···わ、我の声に応えよ···舞えぇ!ふぁ、ふぁ···っファイアウォール!」
上ずった声で、レプは魔術詠唱を唱え、大きく両手を振りかざす。
レプの目の前には、レプの身長以上に高くて大きな炎がそびえたつ。
自分が作り出した守護魔法である。
炎を前にして、自分の背後にいるパーティ2人を守るようにレプは立つ。
(ど、どうしよう···こんなの、いけないのに···)
手足がひそかに震えていた。大してHPを減らしていないのに、息が上がっている。
この状況のせいだ。自分で招いた結果なのに、自分で行った選択なのに――。
レプの心は緊張で弾みっぱなしで、落ち着くことなんてできずにいた。
「レプ!ありがとうな!」
背後にいた獣人――パーティを組んでいるホイマが、自分の肩を軽く叩き、前線に出た。
同じパーティなので炎を潜り抜けても、ホイマはダメージを受けない。
彼女は果敢にモンスターの前に出て行き、獣化させた大きな獣の手でモンスターを切り裂く。
(きゃっ!)
レプは肩をたたかれた時、悲鳴を押し殺し、思わず自分の巨大な胸を隠す。
肩を叩かれた時、たぷん、とレプの大きな胸が揺れた。
丸みを帯びた大きな胸。
レプの目には――2つの乳房が、青い空の元、さらけ出されているようにしか見えない。
いつも陥没している乳首が、ピンと立っている。
自分の興奮のために赤く熟し、隠しようもないくらいにビンビンに立っている乳首。
「何やってるんだ!レプ!ファイアウォールがっ!」
後ろにいる剣士のラケスが叫ぶ。
レプはハッとした。自分が集中力を欠いたせいで、炎の壁が薄れている。
目の前には、大きな獣が唸り声をあげていた。
獣は狼に似ているが、体毛がすべて氷でできている。
「アイスウルフ」という名前の、氷の獣だ。
炎には弱いはずなのだが、弱まった炎の壁ならば突っ切れるのではないかと考えているようだ――彼らは賢い。
3匹のアイスウルフは、威嚇するように歯ぎしりをしている。
「やっ···」
目の前の獣の威圧感に、後ずさりかけると――。
「レプ!」
背後から、腰を抱かれる。びくりと身体を震わせた。
(あっ···見えちゃう!)
見えるはずはないのだが――思わず臀部を隠す。
胸と同様に、自分のさらけ出された尻。
少し小ぶりの尻の割れ目を、手で隠す。胸から手を外すと、大きな胸が揺れた。
隣に、ラケスが来たからだ。黒髪黒目の青年は、レプの羞恥心など知らずに、レプの腰を抱きながら目の前のアイスウルフに対して剣を構える。
「大丈夫だ!俺がいる!何かあっても大丈夫だ」
「ラケスさん···っ」
自分を安心させるように言ってはくれるのだが、レプはそれどころではない。
意中の相手であるラケスが隣にいる。
自分は、全裸なのに――。
「ファイアウォールを強化してくれ!」
「えっ」
「アイスウルフが来てる!ファイアウォールを強化して、俺のHPも回復してくれ···!そうすれば勝てるから!」
ラケスは焦ったように言うが、レプは躊躇した。
自分は魔法使いだ。魔法を使うにはマジックポイントが必要で、残り少なくなっていた。
ファイアウォールを強化して、ラケスの少ないHPも回復するとなると···。
(ど、どうしよう――マジックポイントが···)
足りない。
ずっとかけ続けている自分に対しての魔法を、維持できなくなる。
(マジックポイントがなくなったら、2人の目の前で···バレちゃう)
どうして、こんなことになったのだろう。
レプは焦る。
目の前にはアイスウルフ。
隣には、HPが少ないラケス。
(見えちゃう。2人に気づかれちゃう)
そして、他者にはいつもの服を着ているように見せているが――実際には下着すら着けていない自分自身。
早鐘のように、心臓が高鳴る。
(私が裸なこと――2人にばれちゃう)
危機的な状況なのに、自分の下からは”何か”が出てきた。とろりと粘着力のある蜜が、自分の股に潤いをもたせる。
荒くなった息をごくりと呑みこみ、レプは焦燥感に駆られた。
★★★
(いいなぁ···)
魔法使いレプは、寒い故郷から大陸の3分の2を占めるグリックラン皇国に出てきてから、
憧れているものがあった。
故郷には今までなかったもの。
獣人の奴隷である。
グリックラン皇国には、奴隷制がある。
人族で奴隷に落ちた者もいるようだが、グリックラン皇国の奴隷は主に獣人である。
何を憧れているか?
ふさふさした耳や尻尾はもふりたいと思う。でも、それは他者として触りたい。
逃げ出さないように繋がれた首輪か?興味がないと言えばウソになる。けど、ちょっと怖い···。
だとしたら、田舎から出てきたレプは何に憧れるのか?
(どんな気持ちなんだろう···)
グリックラン皇国の街の中、レプは羨望の目で獣人を見つめていた。
ほうっと憧れの視線を、花壇に腰かけながら彼女達に送る。
そんなレプを見ている人々も多いのだが、レプ自身は気づいていない。
寒い国から出てきたレプの肌は、とても白かった。雪のように白い肌に、光に照らされるときらきらと輝く長い銀髪。端正な顔立ちは、まさに美少女と言って過言はないだろう。肌に合った白いローブのおかげか、どこか儚げな印象を人に与える。
穢れを知らない、雪のような美少女。
まさに、他者から見た目線としては、そう表現するのが正しいだろう。
あくまで、他者から見た目線としては――だ。
(いいなぁ···裸で)
”穢れを知らない、雪のような美少女”であるレプは、黄金の瞳を獣人に向けている。
他人から見たら、奴隷の獣人に憐憫の視線を送る美少女に見えているだろうが、違う。
彼女は、裸で歩かされている獣人に憧れを持っていた。
(最初は可哀想と思っていたのになぁ···)
奴隷である獣人に、人権はない。
若い獣人の女を何故奴隷にするのかと言えば、
体力や魔力が豊富ならば貴重な戦力としてパーティの中に組み入れる。
しかしそうでなければ、当然「女」としての使い道になる。
グリックラン皇国では、裸の獣人の女が、主人に連れられて歩いている。
大きな胸や小さな胸をさらけ出し、秘処も露わにして、尻尾がある獣人は尻尾の付け根も露わにして、歩いているのだ。
「嬢ちゃん、もうちょっと成長すると良いなぁ」
ウサギ耳の少女が、荒っぽい男から声をかけられている。
彼女は隠すように、貧相な胸を手で隠した。顔を赤らめ、目に涙を溜めるが···。
「しゃんと歩けよ」
「···はいっ」
主人に鎖を引っ張られ、仕方なく少女は胸から手をどける。
平らな胸には、可愛い乳首がある。レプも、可愛らしい胸だと思う。
少女らしい、これから成長する胸。
声をかけた男もそう思って声をかけたのだと思う。可愛らしいと思うから、揶揄するような言葉を吐くのだ。
(いいなぁ···)
レプはグリックラン皇国に出てきて1年になるが、いつしか裸の奴隷たちを羨ましいと思うようになっていた。
自分が裸になったら、道行く男たちは何て声をかけてくれるのだろう。
自分の胸は、大きい。
Gカップはある胸は、奴隷でもなかなか見ることはない。
それが空の下さらされたら、彼らは何て辱めてくれるのだろうか。
一度考えたら、レプの気持ちは止まらなかった。
一度も男性と床を共にしたことはないのに――ついつい淫らな妄想にふけってしまう。
(私の胸を触りたいと思うのかな···。ち、乳首を触りたいとか···舐めたいとか···)
ローブの下で、むくりと自分の乳首が起き上がるのを感じた。
まだ味わったことのない快楽を前に、レプはウサギ耳の少女に羨望の目を向ける。
(私も裸になったら···)
「レープッ!」
「きゃっ!」
後ろから両肩を掴まれ、レプは飛び上がった。淫らな妄想を振り払い、驚きの目を背後にいる人物に向ける。
「ほ、ホイマ···さん」
褐色の少女が、そこにいた。
外ハネした黒髪は、肩に触れるぐらいの長さがある。
にぃっと笑う姿は獰猛で、快活さを感じさせるものがある。
悪い言い方だが、野蛮という言い方も彼女には似合っているだろう。
レプの容姿を雪に例えるなら、ホイマは太陽のような少女だ。元気さに溢れている。
そんなホイマには、狼の耳と尻尾がある。一見犬にも見えるが、彼女曰く、れっきとした狼の獣人だと言う。
「あ、あれ?ラケスさんは···?」
「あれ?」
ホイマは後ろを振り返り、首を傾げた。
彼女は獣人で、勿論主人がいる。
ただ1つ、普通の獣人と違うのは――裸ではないことである。
それは彼女の主人の意向だ。
彼女の小さなふくらみを持った胸は胸バンドのようなもので隠され、下半身もホットパンツのようなものを履いている。
露出は多いが、けれど他の獣人の女から見たら羨ましいぐらいに、局部をちゃんと隠してもらっている恰好だ。
「ラケス···さっきまで後ろにいたんだけどなぁ。レプがいたから追っかけてきたら、はぐれたかなぁ」
ホイマはぽりぽりと頭を掻く。「ラケス」などと人族の主人を呼ぶことなど、獣人は許されないはずだが――これも一風変わった主人の意向である。
ホイマは1人の主人の意向で、だいぶ人らしく生活をさせてもらっている獣人だ。
レプはそんな彼女と彼女の主人と1年前にパーティを組み始め、一緒に冒険をしたり、ダンジョンに挑んだりをしている。
元々奴隷制などない国出身のレプも、ホイマをあえて奴隷扱いしたりはしない。
むしろ自分とは全く違うタイプのホイマと話すのは楽しくて、友人として好感を持っている。
「ホイマさんが置いてきちゃったのね。ホイマさん、足速いから」
「あー、ラケスって足遅いからなぁ」
からからとホイマは笑う。快活で素直なホイマは、レプが淫らな妄想をしていただなんて想像もつかないだろう。
「ホ、ホイマ···足速い」
遅れて、ラケスがぜぇぜぇと息をしながら歩いてきた。やはりホイマの走りについていけなかったらしい。
黒髪の青年だ。長剣を背に持ち、走ってくるのは大変だっただろう。しかしダンジョンでは、長剣を背にのせたまま走っているのが彼である。自分の身の丈より大きな長剣で、ダンジョンにいるモンスターを切り捨てている。
レプは、息をぜぇぜぇと荒くしているラケスを見て、緩やかに微笑む。
「レプ···どうしたんだ、こんなところで」
「えっ?あ、あわわ···えーっと、ど、奴隷さんを見ていたの。」
レプは慌てつつ、ウサギの耳の少女を目で見る。ラケスも目で追うが、すぐにふいっと反らした。
嫌悪感に満ちた顔をしながら。
「あー···嫌だよなぁ。この国の悪しき習慣だと思うよ、本当」
ラケスは、奴隷制反対派らしい。ホイマについてはラケスの家が買い、あまりの仕打ちをしているのを見て、だったら自分が所有者になると声をあげたらしいのだ。
(ラケスはやさしいなぁ)
レプは頬を緩ませ、ラケスに対してあたたかな気持ちになる。
1年前、ギルドで1人きりだったレプに声をかけてくれた青年。同い年の勇気ある青年で、奴隷にも優しい彼に、女性として好感を抱かない訳がなかった。
レプの性格上自分から想いを告げたりはしないが···密かに想いを寄せる相手だ
「ラケスは?買物?」
「んーん、ギルドにクエスト見に行くとこだって。レプもおいでよぉ」
ラケスではなく、ホイマが答えてきた。尻尾をぱたぱたと振り、レプの腕を取る。
「こら、ホイマ。今日はパーティの休みだろ」
3人で組んでいるパーティは、基本的に週休2日を心がけている。7日間がっつりクエストをこなすパーティもいるようだが、週休2日くらいが生活に必要な金を稼げて、なおかつ十分に身体も休めることができる。
「いいよ。ただぼーっとしていただけだし、一緒に行くよ」
レプは優しく微笑み、ホイマの提案を受けいれることにした。
(1人だといけないことばかり考えちゃうし···)
そもそも、家でゆったりとしていても、ついついレプは1人で自分を慰めてしまう。それが嫌だったから、家から出てきたのだ。
(3人でいた方が、あまり考えないで済むもんね···)
1年間、じっくりと育てられた淫らな妄想。いけないことだとわかっているからこそ、余計に考えてしまうのだ。誰かと話している方が楽である。
「あー、ラケスさん達。丁度良いところにぃ」
ギルドを訪れると、いつもの受付の女性がゆったりとした言葉で話す。ラケス達を見るや否や、ふわっと彼女は微笑んだ。
「何かありますか?」
ラケルが受付の前に立った。
自分はそれを横目に、ギルドの壁に貼られたクエスト表を眺める。
高い天井までびっしりとクエスト依頼の紙が貼られている。
「最近、アイスウルフが近くの街を襲うんですよ。レベル的にラケスさんのパーティなら楽勝だと思うんですよね。ただ、発生条件がまだ未確定なんですぅ」
「未確定?夜に現れるとか、そういうのじゃないんですか」
「朝だったり、昼だったり、夜だったりするんですぅ。
もうちょっと発生条件が確定してからご相談した方が良いですかねぇ」
「うーん、だったら張り込んでも良いですし···もしこの街にアイスウルフが来たなら、いつでも呼んでください」
アイスウルフか。
レベル20くらいのモンスターである。レプは炎系の魔術も得意だし、身構えるようなモンスターではない。レプが炎系の魔術が得意ということを知っているから、ギルド受付の女性も声をかけてきたのだろう。
「あはは。何あのクエストぉ」
壁にあるクエストの紙を見ながら、ホイマが笑った。彼女が指さしているのは、4メートルほどの高さにある紙だ。獣人の視力だから見えているのだろうが、何て書いてあるかはレプにはわからない。
「どんなのなの?」
「おじさんの髪をレイピアで切るクエストだってぇ。何でレイピア指定なんだろ?」
ぶっとレプも笑ってしまう。
クエストには、色んなものがある。モンスター退治から、ちょっとした日常の困りごと。魔法使いにかけてほしい魔法の依頼まで。
「あ、あれも意味わかんないなー。自分が裸でも、周りには服を着ているように見える魔法をかけてほしい···だって」
(え)
心臓をわしづかみにされたようだった。ホイマはけらけらと笑っている。
「そんなことして、何の意味があるんだろ?普通に脱ぎゃ良いのにな」
「う、うん。変だねぇ」
自分の声は、おかしくないか。レプは同意しながら、自ら笑うように努めながら、平静を保つように心がけた。
(自分が裸でも、周りには服を着ているように見せる?)
確かに魔法の原理上は、可能だ。できないことではない。
幸いにも魔法が使える自分には、できるはずだ。
(できる。できるけど···良くはない)
いけないことである。魔法の、そんな変わった使い方。
魔法は人を助けるために使うものだ。祖母からそうやって教えてもらったレプは、酷く抵抗を感じながらも、ギルド内にいる獣人の裸を見てしまった。
ひどく恥ずかしそうにしながら、それでも裸でいなきゃいけない女性たち。
胸や秘処を男達の前で、あられもなく晒す少女たち。
ごくりと唾液を呑み込む。
焦がれてきた格好だった。羨ましいと、ついつい目で追ってしまう。
(良くはないけど···やってみたい)
レプの中で、自制が砕けた瞬間だった。
★★★
「あわわ···」
レプは自分の家で、早速自分自身に魔法をかけてきた。
下着を脱いで生まれたままの姿になり、魔法をかけてみたが、一見はただの全裸なだけだ。
雪国出身なので、首から下は、日に照らされたことが一度もない真っ白な肌だ。
真っ白な肌だからこそ、胸の桃色の乳首が目立つ。
色づく胸の突起は、これから起こることを期待していた。
大きな胸から、きゅっと締まったウェスト、そして――小ぶりの尻。
いつもは白いローブに隠れてわからないが、かなり男好きのする体型だと、レプ自身も思う。
よく田舎でも、友人に言われたりもした。秘処を隠す程度の毛しかないアンダーヘアは、一応念のために浴びたお風呂で整えた。いつもはもう少し毛が生えているのだが、あまり長くては、もしもの時があったら恥ずかしすぎる。
(もしもなんて、ない···んだけれど)
念のため、レプはパーティの休みの日に、その魔法をかけてみることにした。さすがにパーティのクエスト中にかけるのは恥ずかしいからだ。それに、ラケスの前で全裸になるなんてありえない。
(よし···行ってみよう)
深呼吸をすると、大きな胸がたぷんと揺れる。重みがある胸は、いつも以上に重力を感じる。やはり下着を外しているからかもしれない。2階の部屋から1階に降りる時も、たぷたぷとGカップの胸が弾むのがわかった。
(こんな胸を揺らして歩いて···見られたら何て言われるんだろう)
レプの家は大通り沿いにある。1階に降り立てば、すぐに大通り。道には馬車が走り、人々が行き交う。グリックラン皇国の中心地であるため、レプが育った田舎よりも、もっと人が多い。
(や、やだ···)
魔法では服を着ているように見せているが――実際には裸である。
風が、自分の身体を撫でる。いつもは隠している部分が太陽の元にさらされるというのは、やはり異様である。
自分の下の毛が風でわずかにそよぐのも、敏感に感じ取れた。
「あら、レプちゃん」
「ひっ!」
前から声をかけられる。レプの住む家の、大家さんだ。人族であるおばさんは、にこにこと笑ってはいたが、レプの引きつった顔を見て、怪訝にした。
「どうしたの?具合でも悪いの?」
「い、いえ···びっくりしちゃって」
「あら、驚かせちゃったみたいで···」
大家さんは微笑を浮かべながらも、怪訝に目を細めていた。彼女の視線は、自分の胸にさらされている。
(えっ···)
何故、そこを見つめるのだろう。自分の服は、ちゃんと魔法で構成されているように見えるはずだ。心がバクバクと弾んでいく。
大家さんが見つめているのは、間違いなく自分の胸である。
2つの乳房である。
「あ、あわわ···あの···」
レプは自らの胸を、腕で抱え込むようにして隠す。その時、自らの陥没している乳首が立っていて、腕にこすれたのを感じた。胸の甘い刺激に、秘処に快感を感じてしまった。ずくり、と。
「い、行ってきます」
「あ、ああ!いってらっしゃーい」
大家さんは笑顔に戻り、明るく送り出してくれた。
(なんだろ···魔法、効いてなかったのかな···)
ドキドキする胸を抑えつつ、レプは胸を腕で隠すのを止めて、街中を歩いてみた。周りには人がおり、やはりレプに対して好奇の目を向ける者もいない。
(やっぱり魔法が効いてる)
獣人ならまだしも、明らかに雪国出身の見た目をしている自分が全裸で歩いていたなら、男たちはもっと好奇の目を向けてくるだろう。首輪もつけておらず、奴隷でもないことは明白なのだから。
(気持ちいい···)
歩くたびに、風で感じる刺激がたまらない。
獣人の女たちは、こんな快感を毎日感じているのだろうか。やはり、自分にとっては羨ましい。
下を見ると、自分の乳首がこりこりに固くなっている。ピンと突起が主張しているのを見て、レプは触りたいと思った。
家ならば、主張した乳首を指で弾く。指先で乳首の先をこすり続け、愛液が十分に秘処から溢れ出したら、その愛液をクリストスに塗りつけるのだ。愛液まみれのクリストスは指ですべってしまうが、その鈍い快感が自分を高めてくれるのに。
さすがに、往来でそんなことまでできない。それじゃ服を着ていても、ただの変態だ。
露出以上の零れ出る欲求を前にして、レプは自身の息があがっていることに気が付いた。
(いけない···こんなこと)
いけないと思っているからこそ、それすらも快楽につながっていくのかもしれない。
僅かに身体を震わせる。
「おっきいおっぱいだな」
どきりとした。
向かい側から歩いてきた黒いローブを着た男に、レプが言われたのだ。驚いて顔をあげると、男のにやにやした目と目が合ったので間違いない。
(どうして?)
通り過ぎ様に言われた。
中年の男の背中を、愕然と見つめる。
おっきいおっぱい?
そんなこと、普段の白いローブでは言われたことがない。
(魔法使いだから、見えたとか?)
黒いローブの男は、きっと魔法使いだろう。
魔法使いだから、全裸のレプが見えたのではないか。そう考えると、一気に羞恥心が高まっていく。
(いや···っ)
彼には全裸のレプが見えたのだ。自分自身の、誰にも見せたことがない身体を見られたことに、羞恥心を煽られる。身体が全体が火照って熱くなる。
今更隠したところで遅いとわかりながらも、身体を隠す。
(恥ずかしいのに···)
どうして自分の体は、反応してしまっているのだろう。
さらけ出された乳首はビンビンで、胸を隠そうという仕草ですら刺激になる。秘処も、感じていることを自らにわからせるように、愛液を滴らせた。
(怖いのに···っ!どうしても感じちゃう)
自分の秘処が、ひくりひくりと蠢く。きゅっと締め付ければ、余計に愛液が零れ落ちてしまうような気がした。
「たまんねぇな」
びくりとレプは反応する。
粗雑そうな男が、大きい臀部の獣人の女を見つめ、言っていた。言葉を向けられていたのはキツネ耳の女性で、彼女は歩くごとに大きな尻肉を揺らしている。
秘処を隠すような布地もない。豊かな黄金の髪を揺らし、大きなキツネの尻尾でさらされている臀部を隠そうとしている。
「尻尾は、たててろ」
にやついた主人に言われ、キツネの女は悔しそうに顔を歪めていた。言われた通りに、尻尾を上に立てている。
「みろよ。歩くたびに割れ目がチラチラ見えるぜ」
下品な声で、粗雑そうな男が笑う。
自分も、今はそう見えるのではないだろうか。さらけ出されたお尻から、歩くたびに割れ目が覗いているのだろうか。
しかも、自分の場合はあきらかに濡れている割れ目が。
(あっ···)
キツネの女の尻を見て、自分を重ねてしまう。大きなお尻は魅力的で、男達の視線を集めている。自分も、もし見えていれば男達の視線を浴びていたことだろう。
「レプ!!」
妄想にふけている中、突然呼び止められた。
肩を掴まれ、無理に振り返ると――。
「あ、あわわ···ら、ラケス···ホイマ」
胸を庇うと、2人は目を丸めた。不思議な体勢だと思ったのだろう。
まさかパーティを前に、全裸を晒すことなどないと思っていた。だから休みの日に露出を決行したのに―――。
「探してたんだ!家にいなかったから···」
「大家さんにこっち歩いて行ったって聞いたんだよー」
2人はレプの戸惑いを無視して、話し始める。胸を隠した体勢のまま、レプは困ったように笑う。
気づかれていない――はず。
「な、何で私を···今日、休みだよ?」
「アイスウルフが街に出たんだ!」
と、ラケスが焦ったように言った。え、とレプは目を丸める。
アイスウルフ?
そういえば、そんなことを先日ギルドで言っていた。
「レプの魔法が必要だ!すぐ行こう!」
「い、いま?」
「そう、今直ぐ!」
今すぐ?
「せ、せめて家に一度帰ってから···」
「人が襲われているらしいんだ!早く!」
ラケスは、レプの手を強引に握りしめた。
せめて、服を着させてほしかった。ここで魔法を解除したら、全裸の自分がさらされてしまう。
かといって、全裸でアイスウルフと対決を?
全裸の状態で、パーティで戦えと?
(ありえない!)
戸惑いながら、レプはラケスに手を引っ張られた状態で走るしかなかった。
「は、走るのぉ?」
「急いでるんだっ」
(だって、こんなの···おっぱい揺れちゃうっ!)
下着を着けた状態でも、走るときには胸が揺れてしまうのに。
下着がない状態で走りなんかしたら、Gカップはばるんばるんと痛いくらいに揺れてしまう。重力に従い、揺れるおっぱいは···例え服があるように見えても、目立つものだったらしい。
道を歩く男たちが、走る自分をしげしげと見つめているのがわかった。
(見られ···てるっ)
見られていることを意識すると、それどころでなくても、秘処が興奮のために濡れていく。
★★★
かくして、レプは全裸状態でアイスウルフとバトルに挑むことになってしまったわけだ。
「こんなの···」
レプは目じりに涙を溜める。
同じパーティのラケスとホイマは気づいていないだろうが、自分は全裸である。自分の目には、間違いなく全裸の自分が戦っているようにしか見えない。目の前にあるファイアウォールも、凄く熱く感じてしまう。
「レプ!どうした!魔法を!」
ラケスが叫ぶ。
回復魔法と、目の前のファイアウォールの強化。
普段の自分ならば、躊躇することなく魔法詠唱していたはずだ。
しかし――残り少ないマジックポイントを消費することは、避けたい。
(2人の目の前で裸になっちゃうっ!)
裸になったら、何て言えば良いのだろう?魔法を使いすぎて、服がなくなっちゃったなんて言って、信じてもらえるだろうか。
ホイマの前だったらまだ良いにしても、男のラケスの前で裸を晒すなんて――考えただけで、秘処が疼く。
「レプ!」
ラケスは、裸の自分を見たら何て言うのだろう。全裸の奴隷のことを嫌悪している彼のことだ。もし自分が憧れているなんて知ったら――嫌われるだろう。
何て不埒な目で、彼らを見ているのかと。
「レプッ!!」
今まで以上に大きな声で怒鳴られる。
と同時に、狼が目の前から噛みつくようにして吠えてくる。
レプが作り出した炎の壁から、アイスウルフの頭が突っ込んできたのだ。ラケスがレプの腰を引っ張る。
「ほ、炎よ、舞え!ファイアウォール!」
目の前の獣に噛みつかれる恐怖から、声高々にレプは叫ぶ。レプが魔法を詠唱すると、炎の壁がより燃え盛り、頭を突っ込ませてきたアイスウルフが「きゃいんっ!」と声をあげた。1体のアイスウルフの首に炎がまとわりつき、1体のアイスウルフは水場を捜したのか、急いで駆けていく。
(あともう1度、魔法を使ったら···!)
残り、アイスウルフは3体だ。
マジックポイントは、かろうじて残っているが――それは服を構成する魔法で使いたい。
(そうじゃなきゃ、裸になっちゃう···!)
「レプ!頼む!」
「ラケスさん···」
ラケスが、憔悴の顔で頼んでくる。彼はHPが残り少ない。彼のHPを全回復したならば、
3体のアイスウルフなど簡単に倒せるだろう。
(でも、それじゃ···)
見られてしまうことは、確実だ。
ラケルにみられる――大きなおっぱいも、垂れ流される愛液もすべて。
(でも···)
この状況でもしラケスやホイマが倒れてしまえば、自分はどうなる。炎系の攻撃魔法もあるが、前衛がいないのに、自分一人では助かる見込みもない。
何より、ラケスやホイマが倒れてしまうなど、嫌だ。
彼らは自分の大切な仲間だ。死なせるわけには、絶対にいかない。
「···銀色の雪よ、かの者に祝福を与えん」
見られてしまう。
こんな姿を見られてしまうとわかりながら、口を動かす。ラケスは自分の詠唱にホッとし、長剣を構える。
「ヒールっ!」
(ああーー)
彼は呪文を詠唱が完了した瞬間、炎の壁を突き破り、アイスウルフに長剣を振り下ろした。長剣は、容赦なくアイスウルフをぶった切る。悲鳴をあげることなど許さず、アイスウルフの首を狙って振り下ろされる長剣を見て、レプは地面に崩れ落ちる。
尻の下に、地面を感じる。ざらざらとした土の感触を尻に感じたのは初めてだ。座れば秘所は隠されるが――自分の太ももに、土がつく。愛液で汚れていたせいだ。
(こんなの、いけないことなのに、私···っ)
ラケスも、ホイマも、アイスウルフに集中して、後ろを振り返えらない。だから自分は幸いっとして、胸を鷲づかみにした。大きな胸に、自分の細い指が食い込む。乳首に触れれば、コリコリに乳首は固さを持っていた。
少し触れただけで、さんざん昂った身体は、簡単に快感を得ることができる。
「いっ」
この後2人は、自分のことを見るだろう。
全裸で胸を鷲づかみにしている自分を見て、彼らは何て言うのだろう。
ラケスは、自分の姿を見ていやらしいと思うのだろうか。
「イっちゃ···っ!」
(クリも触っていないのに···っ!)
イッちゃいけないと思うほど、興奮してはいけないと思うほど、身体は少しの刺激で快感に到達しようとしてしまう。
全裸で、バトル中に――露出プレイで。
「ふぅ···あんっ···!!」
せめて声を抑えようと、唇を手で覆う。ラケスやホイマに、聞こえる訳にはいかない――ただでさえ全裸なのに、こんな淫らな声を聞かせてはいけない。
押し寄せる快感は、秘処から下腹部に、甘美な刺激な満たしていく。きゅんきゅんと秘処が締まる。ラケスやホイマを視界に入れながら、身体が快感を受け入れていく。
「レプ!ありがとう!」
「ありがとうなー!レプのおかげで助かった!」
アイスウルフを倒し終わった2人が、とうとう振り返ってしまった。
(ああ···私)
甘い刺激が、余韻としてまだ身体に残る中、レプは地面に身体を横たえる。2人が慌てたようにこちらに駆けてくる。マジックポイントを消費して、疲れ切ったと思ったのだろう。
(見られるのが、本当に好きなんだ···)
レプ!と2人が倒れた自分に声をかけてくる。肩を揺らされるが、自分は胡乱な目で2人を見上げるしかできなかった。
★
結論として、ラケスとホイマに裸を見られることはなかった。
レプは、ラケスのHPを半分以上回復しつつ、自分が衣服を着ているように見せるぐらいにはマジックポイントを保ったのだ。ぎりぎりに残したマジックポイントのおかげで、2人には服を構成しているように見せることができた。
「レプ、そんなヘロヘロじゃ歩けないだろう。何か···荷台とか貸してもらうか」
「そんな···ごめんね。ありがとう」
レプは柔らかく微笑む。地面に尻をつけたまま、立ち上がることができなかった。
2人には、疲れちゃったせいでとは言ったが――本当は、イッたせいである。
今まで以上の快楽を感じることができたレプは、少し動くだけで快感を感じてしまい、
甘い声が漏れそうになる。
(すごい気持ちいいんだけど···2人の前じゃねぇ···)
家だったらわざと動くところだが、ホイマに横にいられたのではそれができない。
口惜しい思いをしながらも、レプは誤魔化すように微笑むしかない。
「いや、俺が無理させたからだろう。レプが魔法詠唱に躊躇してた理由がわかったよ」
「う、うん。ごめんね」
違うけど···と思いつつ、頷くしかない。
ラケスは自分と向き合い――瞬間、ラケスは顔を赤くした。
(え?)
今まで見たことがない、ラケスの顔だった。
自分を見て、ふと視線を下にずらして、顔を真っ赤にさせたのだ。
「俺···荷台探してくる!ホイマ、頼んだぞ!」
ラケスはくるりときびすを返し、駆けて行った。耳まで真っ赤だった。
自分の下を見て――じぶんのしたを見て?
確かにラケスの視線は、自分の身体に向けられていた。確かだった。
(え···まだマジックポイントはあるのに)
マジックポイントは、残されている。服が構成できていないはずがない。
自分の視界では、全裸なように見えるが···。
「あーレプ···言いづらいんだけどなぁ」
(え?)
ホイマが、とてもバツが悪い顔をしている。自分の身体と、自分の顔を見比べている。
ホイマの視線は、自分の胸に注がれる。
(あわわ···どうして?マジックポイントは、本当にまだある···)
どうして?
獣人には、わかるのだろうか。
それとも女の勘?
思わずレプは胸を隠す。レプの胸は大きすぎて、腕では到底隠しきれない。腕から肉が零れ落ちる。イッたこともバレているのだとしたら、太ももまで滴り落ちる愛液も隠すべきなのだが。
じっと見つめてくるホイマの視線が、どうしても痛い。
「今日さ、ノーブラで来ただろう?」
「······へ?」
そもそも、全裸である。
”服”は構成しているが、下着までは構成しているように、見せなかった。
レプは、”服”だけ構成すればいいと思っていたからだ。”下着”も構成しようという頭がなかった。
(あ、だから···)
大家さんの怪訝そうな目、黒いローブの魔法使いからのいやらしい言葉、ラケスの真っ赤な顔。
自分がノーブラで、乳首がつんと立っていたから――?
「ばんそーこー、やろうか?お前胸大きいんだし、忘れないように気をつけなきゃダメだぜ。全く···」
思えば、走った時もぶるんぶるん胸が揺れてしまっていた。男達が見ていることも、自分は気が付いていないのに――下着が構成されていなかったから、そりゃ胸も揺れるように見える。(そもそも全裸だけど)
「よ、よかった···」
「いや、良くはないと思うけど」
全裸がバレていたのではないことに、心底ホッとした。
肩の力が一気に抜ける。今までこわばっていた身体が和らぐ。
ラケスの反応からして、バレたのではないかと危惧してしまった。
「おーい!荷台借りれたぞー!」
ラケスが荷台をがらがらと転がし、駆けてきてくれる。ホイマが手を振って反応した。
(また···やりたいな)
レプは惚けた顔で、夢想した。
ただ街を歩くだけでは、つまらない。もうそんな刺激じゃ、レプは満足できないだろう。
またやるとしたら、バトル中だ。
バトル中、マジックポイントを消費するかどうかぎりぎりのところで、見えてしまうかどうかの刺激に、レプは酔っていた。
(また、バトル中にしよっと)
全裸の状態で風を感じながら、レプは決めた。
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