女たちは言う。イケメン、美男子、美青年と。

でぃくし

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あたけも気になるたかしの秘密

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「うっす!あたけ先輩の家族はどんな人たちっすか?」

ありちゃんはさくさくぽりぽりとまるでえびせんのように骨を噛み砕きつつ、何気なくそんな質問をあたけに投げかけた。

「俺の家族?」

たかしはレバーをごま油にくぐらせながら、あたけの次の言葉に耳を傾ける。

「うん、母さんはもう亡くなってて、残ってるのは妹と弟だけだよ」
「親父さんは?」
「ええっと……まあ、いなくなったっていうか……」

あたけの複雑そうな声のトーンを聞いて、思わずばつが悪そうに愛想笑いを浮かべるたかし。

「あ、ああ……すまない……」

慌てて謝るたかしにあたけは努めて明るい声を上げる。

「あはは、いや全然いいって、言ってなかったし!」
「うっす!じゃあガンドライドに入ったのはお父さんを探すためっすか?」

「うーん、そういう目的があったわけじゃなくて、その、お金の問題っていうか……」

あたけは両腕を組んで唸る。

「実は俺、自分の父親のことをよく知らないんだ。だからまあ探しようもないかな」

たかしは言葉を慎重に選ぶようにして続ける。

「なら俺と一緒だな」
「うっす!あたけ先輩と先輩はそっくりっす!魂の双子っす!」

「はは……本当に双子ならよかったんだけどな~。俺はたかしみたいにイケメンじゃないし、高身長でもないし、筋肉もバキバキじゃないし……それに、クソ雑魚だし……」

「あたけ先輩はかわいい系っす!それにあたしらが出会った時より筋肉ついてるっすよ?」
「そう……かな?」

あたけが紫色に染まった髪の毛髪の毛を照れ臭そうにいじっていると、それを見ていたたかしが口を開く。

「……あたけ、お前は強くなっているよ。後はちゃんと毎日……」
「た、たかしは吸血鬼の叔父さんのところで訓練して強くなったんだよな。どんなことをやってたんだ?」

「ん?ああ……そうだな」
「うっす!あたしも先輩の強さの秘密、気になるっす!」

たかしは下ごしらえしたレバーを丁寧に網の上に置きながら、ゆっくりと言葉を選んでいく。

「俺は伯父さんに……まずは毎日走り込みをさせられた」
「あー、あたしも子供の頃はよく走ったっす!死ぬほど走ってたら足が速くなったっす!今はブラしてないと胸が痛いっす!うっす!」

「あはは……」

「それから毎日筋力トレーニングをひたすらやらされた」
「うっす!あたしも毎日やってたっす!筋肉がおっきくなると面白いっす!お尻も引き締まるっす!うっす!」

「な、なるほど……」

たかしにとっては数か月前のことだ。
それでも懐かしむように笑みを浮かべながら話を続ける。

「……それから体を柔らかくするためにストレッチをやらされたな」
「うっす!あたしもマミーがやってるそばで毎日やってたっす!身体が柔らかくなると伸びが気持ちいいっす!うっす!」

「それから……それとスパーリングだな。後はひたすら基礎の体力作りとそれらの反復だ」
「うっす!反復訓練大事っす!うっす!うっす!反復うっす!」

「……」
「ん?どうしたあたけ?何か気になることでも?」

「あ、いや……それだけなのか?なんか普通というか……他に吸血鬼ならではの秘密の特訓とかはないのか?」
「いや特には……伯父さんが言うには俺は治癒力が異常だったから、それを活かして鍛える時は容赦なく……おっと、忘れてた」

「え、なんだよ、やっぱり何かあったのか?」

思わず身を乗り出すあたけ。
彼もたかしの強さの秘密を知りたかったのだ。

「あ、ああ……秘密特訓ってわけじゃないが……」
「うっす!あたしも聞きたいっす!」

たかしはごく平然とした様子で言葉を選びながら話す。

「人間としてこれまでを過ごしていた俺の力の大半は眠ったままだった。それを叔父さんに引き出してもらったんだ」

「えっ!ど、ど、どうやって!?そんなことが出来るのか?!」

「ああ、伯父さんに勧められて、吸血鬼の血を飲むことにした。今まで血を飲んだことがなかった半吸血鬼の俺は強いショックを受けたが、身体が適応し始めると、肉体的にも感覚的にも色々な能力が飛躍的に向上していった」

「うっす!血!なまればー!」

そう言うとありちゃんは生焼けのレバーを箸でぐちょりと掴み、口に頬張るとむちょむちょと音を立てて咀嚼する。

「ありちゃん、まだ火が通ってないよ」
「でも美味いっす!最高っす!」

たかしの言葉にあっけらかんと笑うと、ありちゃんはごくりとレバーを飲み込んでいく。
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