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衝撃の事実
アールとライにベタベタとくっつかれること1月。夜中に何度か成長を繰り返し、やっと元に戻ることができた、はずだった。起きたとき、二人の様子がおかしかった。唖然と私を見つめて、ぽかんと口を開けていた。固まったまま動かない二人に自分の見た目に何かあったのかと不安になった。そして、鏡に走ったら・・・・。
「ねえ?これ、どういうこと?」
「「・・・・」」
どちらも私と視線を合わせようとしない。気まずそうに明後日の方向を見たまま顔を逸らし続けている。・・・・何があったか?
私の髪が!私の瞳が!
「どうしてくれるの~!!!」
私はハーフだ。だから、全体的に色素が薄い。髪は栗色というか、薄めの茶金色。瞳はよく見なくてもはっきりと茶色だとわかる。私はこの優しい色合いが大好きだった。なのに!なのに!髪にはメッシュが入り右の一房が漆黒に左の一房が金髪に、瞳に至ってはオッドアイだった。右が黒、左が金。
「で、でも、よく似合ってるよ?」
「そうだよな?オッドアイはすごく神秘的だ」
ムスッと二人を見る。私の不機嫌具合がよく分かるはずだ。
「こうなった理由は?」
「精霊王の巫女だから?」
「なんでオッドアイで、黒髪と金髪?」
「えっとぉ、光の精霊王と闇の精霊王の巫女だから?」
「元には?」
「無理、かな?」
「・・・・・・・・ん"~出てけぇ~!!!」
私は二人を寝室から追い出した。そして、ひとり、鏡の前に立つ。見慣れない私を見つめて溜め息を吐いた。瞳も目立つけど、髪も人目を引く。二つ揃った私は二度見される外見になった。再び溜め息がついて出る。その日私はベッドに潜り込み、夕方、心配したアールとライによって寝室のドアを破壊されるまで閉じ籠った。
「ごめんね?ショックだったよね」
「すまない。姿が変わるとは知らなかったんだ」
「いいよ。二人が悪いわけじゃないんだし。たまたま私にいくはずの魔力を受け取っちゃって、私の面倒まで見るはめになったんだもん。ハァ」
いつまでも落ち込んではいられない。
「え?」「は?」
急に二人は片手で目を覆ったかと思ったら、アールは上を向き、ライは下を向いた。
「どうしたの?」
「いや、なんでもない、ことはないが・・・・」
「まずは食事にしようか」
アールもライもどことなくショックを受けているように見えた。二人とも肩を落とし、見るからに憔悴した様子だ。突然の二人の変化についていけず、棒立ちの私を当たり前のように抱き上げたアールに連れられて食卓へ。
私、何かしちゃった?
何か言いたげなアールとライを見ながら、食事を終えるといつものソファーに当たり前のように移動する。ライの膝の上で様子を窺いつつお茶を飲んだ。その間もアールとライは何かを言い淀んでいる。ふとなんの違和感もなくライの膝にいる自分に溜め息を吐きたくなった。
「「「・・・・」」」
私から声をかける雰囲気ではない。大人しく、どちらかが話し出すのを待った。
「ヒカは・・・・その、自分が精霊王の巫女だって言うのは分かってるんだよね?」
分かってるというか・・・・。
「アールとライがそう言うから。あれ?」
ガードナーとナジェルは私を精霊王の巫女だとは言わなかったし、分からなかった。
「二人はどうして私を精霊王の巫女だって言うの?あのまりあって子かもしれないよね?神殿長もあの子を精霊王の巫女だって言ってたし」
「ああ、うん。そこからか」
ライはどうしたもんかと思案顔だ。
「ヒカ、俺は闇の精霊王。ライは光の精霊王だ」
「は?!」
アールが単刀直入で爆弾を落としてきた。
「ヒカがヒカとしてあの召喚の間に姿を現したときに俺もライも封印が解けた。ヒカを俺たちの巫女だと認識したからだ。その後、邪魔が入ってあの女が現れ、神殿長から精霊の巫女だと紹介されたな?精霊の巫女というのは存在しない。精霊王の巫女はヒカだ。だから、ヒカが受けとるはずの魔力が闇の精霊王である俺と光の精霊王であるライに流れたんだ。俺たちからヒカに渡るように。分かるか?」
待って!絶賛混乱中!精霊の巫女と精霊王の巫女?同じじゃないの?それに・・・・。
「アール、急ぎすぎだよ。ヒカ、ちょっと落ち着こうか」
ライはアールに新しいお茶を淹れるように伝え、私の背中をゆっくりと宥めるように撫でる。アールはずっともて遊んでいた私の黒髪を名残惜しそうに手放すとお茶の支度を始めた。
「ヒカ?」
アールの言葉が私の中に落ちてくるに従って私の中に複雑な思いが込み上げてくる。私はこの二人のためにこの世界に連れ去られたってこと?・・・・今更か。今更それを知ったところで何か変わるわけでもない。それに、二人ともわざと黙っていた訳でもない。思い起こせば、話しの端々でそれらしいことを言っていたのに、気付けなかったのは私だ。まだ元の世界に未練も心残りもある。帰りたいという気持ちも、ある。でも、この1月、二人は大切な人や慣れ親しんだ環境から突然切り離された私が淋しくないように、少しでも心が軽くなるように私を思いやってくれていたのを私は知っている。恨むとか憎むとかそんな感情は湧いてこない。心を落ち着かせて俯いた顔をあげると、目の前に心配そうな二人の彫刻のように整った顔がドアップで目に飛び込んできた。
「うっ!!!近いから!」
思わず身体を後ろに勢いよく反らした。
「ごめんね?呼び掛けても反応がなかったから」
「ほら、カモミールティーだ」
ほっとする香りが肺を満たす。アールはその外見にそぐわずハーブやお茶に精通している。ありがたくお茶をいただいた。
「落ち着いた?」
「うん」
アールもライも私の葛藤に気付いているだろうに何も聞いてはこない。ただ黙って私の心の機微を見逃すまいと私の心に寄り添ってくれているのが分かる。それが私の心をほんのりと暖めてくれる。
「精霊王の巫女ってことは、私はこの神殿で暮らすの?」
「ちょっと違うかな」
「新しい神殿が現れたって言ったろ?そこが住処になる」
この部屋でもなく?引っ越すのかな?
「何処にあるの?」
「行ってみる?」
「うん」
「じゃあ、移動しようか?」
「そうだな」
「え?」
何処に?と聞く間もなく、私は二人の間に挟まれるような形で立たされた。ぴったりとくっつき壁のように立ちはだかる二人を交互に見ていると、ふっと身体が一瞬浮いたような錯覚をいだいた。そして・・・・。
「ねえ?これ、どういうこと?」
「「・・・・」」
どちらも私と視線を合わせようとしない。気まずそうに明後日の方向を見たまま顔を逸らし続けている。・・・・何があったか?
私の髪が!私の瞳が!
「どうしてくれるの~!!!」
私はハーフだ。だから、全体的に色素が薄い。髪は栗色というか、薄めの茶金色。瞳はよく見なくてもはっきりと茶色だとわかる。私はこの優しい色合いが大好きだった。なのに!なのに!髪にはメッシュが入り右の一房が漆黒に左の一房が金髪に、瞳に至ってはオッドアイだった。右が黒、左が金。
「で、でも、よく似合ってるよ?」
「そうだよな?オッドアイはすごく神秘的だ」
ムスッと二人を見る。私の不機嫌具合がよく分かるはずだ。
「こうなった理由は?」
「精霊王の巫女だから?」
「なんでオッドアイで、黒髪と金髪?」
「えっとぉ、光の精霊王と闇の精霊王の巫女だから?」
「元には?」
「無理、かな?」
「・・・・・・・・ん"~出てけぇ~!!!」
私は二人を寝室から追い出した。そして、ひとり、鏡の前に立つ。見慣れない私を見つめて溜め息を吐いた。瞳も目立つけど、髪も人目を引く。二つ揃った私は二度見される外見になった。再び溜め息がついて出る。その日私はベッドに潜り込み、夕方、心配したアールとライによって寝室のドアを破壊されるまで閉じ籠った。
「ごめんね?ショックだったよね」
「すまない。姿が変わるとは知らなかったんだ」
「いいよ。二人が悪いわけじゃないんだし。たまたま私にいくはずの魔力を受け取っちゃって、私の面倒まで見るはめになったんだもん。ハァ」
いつまでも落ち込んではいられない。
「え?」「は?」
急に二人は片手で目を覆ったかと思ったら、アールは上を向き、ライは下を向いた。
「どうしたの?」
「いや、なんでもない、ことはないが・・・・」
「まずは食事にしようか」
アールもライもどことなくショックを受けているように見えた。二人とも肩を落とし、見るからに憔悴した様子だ。突然の二人の変化についていけず、棒立ちの私を当たり前のように抱き上げたアールに連れられて食卓へ。
私、何かしちゃった?
何か言いたげなアールとライを見ながら、食事を終えるといつものソファーに当たり前のように移動する。ライの膝の上で様子を窺いつつお茶を飲んだ。その間もアールとライは何かを言い淀んでいる。ふとなんの違和感もなくライの膝にいる自分に溜め息を吐きたくなった。
「「「・・・・」」」
私から声をかける雰囲気ではない。大人しく、どちらかが話し出すのを待った。
「ヒカは・・・・その、自分が精霊王の巫女だって言うのは分かってるんだよね?」
分かってるというか・・・・。
「アールとライがそう言うから。あれ?」
ガードナーとナジェルは私を精霊王の巫女だとは言わなかったし、分からなかった。
「二人はどうして私を精霊王の巫女だって言うの?あのまりあって子かもしれないよね?神殿長もあの子を精霊王の巫女だって言ってたし」
「ああ、うん。そこからか」
ライはどうしたもんかと思案顔だ。
「ヒカ、俺は闇の精霊王。ライは光の精霊王だ」
「は?!」
アールが単刀直入で爆弾を落としてきた。
「ヒカがヒカとしてあの召喚の間に姿を現したときに俺もライも封印が解けた。ヒカを俺たちの巫女だと認識したからだ。その後、邪魔が入ってあの女が現れ、神殿長から精霊の巫女だと紹介されたな?精霊の巫女というのは存在しない。精霊王の巫女はヒカだ。だから、ヒカが受けとるはずの魔力が闇の精霊王である俺と光の精霊王であるライに流れたんだ。俺たちからヒカに渡るように。分かるか?」
待って!絶賛混乱中!精霊の巫女と精霊王の巫女?同じじゃないの?それに・・・・。
「アール、急ぎすぎだよ。ヒカ、ちょっと落ち着こうか」
ライはアールに新しいお茶を淹れるように伝え、私の背中をゆっくりと宥めるように撫でる。アールはずっともて遊んでいた私の黒髪を名残惜しそうに手放すとお茶の支度を始めた。
「ヒカ?」
アールの言葉が私の中に落ちてくるに従って私の中に複雑な思いが込み上げてくる。私はこの二人のためにこの世界に連れ去られたってこと?・・・・今更か。今更それを知ったところで何か変わるわけでもない。それに、二人ともわざと黙っていた訳でもない。思い起こせば、話しの端々でそれらしいことを言っていたのに、気付けなかったのは私だ。まだ元の世界に未練も心残りもある。帰りたいという気持ちも、ある。でも、この1月、二人は大切な人や慣れ親しんだ環境から突然切り離された私が淋しくないように、少しでも心が軽くなるように私を思いやってくれていたのを私は知っている。恨むとか憎むとかそんな感情は湧いてこない。心を落ち着かせて俯いた顔をあげると、目の前に心配そうな二人の彫刻のように整った顔がドアップで目に飛び込んできた。
「うっ!!!近いから!」
思わず身体を後ろに勢いよく反らした。
「ごめんね?呼び掛けても反応がなかったから」
「ほら、カモミールティーだ」
ほっとする香りが肺を満たす。アールはその外見にそぐわずハーブやお茶に精通している。ありがたくお茶をいただいた。
「落ち着いた?」
「うん」
アールもライも私の葛藤に気付いているだろうに何も聞いてはこない。ただ黙って私の心の機微を見逃すまいと私の心に寄り添ってくれているのが分かる。それが私の心をほんのりと暖めてくれる。
「精霊王の巫女ってことは、私はこの神殿で暮らすの?」
「ちょっと違うかな」
「新しい神殿が現れたって言ったろ?そこが住処になる」
この部屋でもなく?引っ越すのかな?
「何処にあるの?」
「行ってみる?」
「うん」
「じゃあ、移動しようか?」
「そうだな」
「え?」
何処に?と聞く間もなく、私は二人の間に挟まれるような形で立たされた。ぴったりとくっつき壁のように立ちはだかる二人を交互に見ていると、ふっと身体が一瞬浮いたような錯覚をいだいた。そして・・・・。
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