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新たなる神殿
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「ようこそ」
「俺たちの神殿へ」
「は?」
何が起こったの?肉の壁しか見えない私は戸惑うばかりだ。
「さっ、神殿を案内しようね」
アールに抱き上げられて初めてここが、リビングではないと気付いた。しかし、二人とも違和感なく抱き上げるけど、しかも縦抱きで、私はもう大人だよ?
「歩けるよ、おろして」
「まあまあ。初めての場所で迷子になるといけないから、ね?」
なんだかんだと理由をつけておろしてはくれない。私たちがいた場所から数段高い位置にある広く何もない祭壇に立ち、先程までいた場所を見下ろす。大理石の床と白い石壁がぐるっとまあるく囲うだけで椅子もなければ扉も窓すら見当たらない。
「居住区へ移動するぞ」
扉もないのにどうやって?疑問に思っているとまたあのフワッとした感覚が私を襲った。
「ついたぞ?」
「あれ?リビングに戻ってきたの?」
寮のリビングに逆戻りしただけだったようだ。
「違うよ?ここは寮のリビングに似てるけど、違うからね?」
そっくりそのまま、寮のリビングなんだけど?
「ここは、神域の居住区だ。ここが俺たちの住まいになる。使い勝手のいいように俺たちの部屋と同じ作りになってるし同じものが置いてある」
うわっ!それってどっちにいるか混乱する、絶対。
「変えられないの?どっちにいるか分からなくなりそうで怖い」
「変えられるよ。住んでみたいお家を細部までイメージして、固定すればいいよ」
ライは随分と簡単にいってくれるけど、細部までイメージするのは難しいし、どうやって固定すればいいの?
「間取りを書いてみるか?その方がイメージしやすいだろう?」
アールの提案に乗ることにして、文房具を取りに神殿を経由して寮に戻った。やっぱりどっちにいるか分からなくなりそうだなぁと思いながら、私の荷物からスケッチブックと色鉛筆を取り出した。
「あ、そうだ。ヒカがこの世界に持ち込んだものは、全部複製したから。ヒカには保存をかけたオリジナルを返したけど、これも複製して向こうに持っていこう」
複製?どういうこと?聞いてないんだけど。え?全部ってことは下着とかもってことだよね。嘘でしょ?!ジトッとライを睨んだのは仕方ないと思う。
「ヒカのお蔭で新しいものが増える」
「うん。女性のものは凄く喜ばれると思うよ」
意味がわからない。私が買った服や靴や鞄や下着を複製して配ったってこと?何それ!あり得ないんですけど?!
「私の許可もなく勝手に複製して女の人に配ったってこと?」
ムッとした。だって、いくら安くなっていたとはいえ、私が気に入って買ったのだ。見えない下着は、よくないけど、見えないから諦めもつく。でも、服や靴や鞄は、他の人とお揃いだなんて考えられない。
「違う違う。職人に見本として渡す予定。バラして研究するんだ。女性のものを扱う店はないけど見本は男のものを扱う店に展示してあって、それを参考に男が作るんだよ」
なんだ。ビックリした。まあ、それならいいかな。この年でカボチャパンツは何気に辛い。上もバスト部分が少し分厚いだけのスリップで心許ない。
「それなら、下着は私のサイズだけでしょ?他のサイズも教えておこうか?」
下着はサイズが大切だ。バイトでランジェリーの販売をしていたときに社員さんから教えてもらった。背中とお腹が肥大するよと恐ろしいことを言われてサイズを気にするようになった。
「サイズ?よく分からないけど、必要なら教えてくれると助かるよ」
ライに下着のサイズの話ができてしまう私も大概だが、それはこの1月でこの世界に順応した証だ。元の世界では男の人にそんな話題すら出せなかった。というか、そんなことを話すような相手もいなかったからだけど。一人いないこともないけど、あれは心は女だったから男に入れてはいけない。
「ヒカ。要るものを持ったら神域に戻るぞ」
アールの催促で私たちは神殿を経由して、再び寮のリビングにそっくりな部屋に戻ってきた。あれ?戻らなくてもよかったのでは?アールもライもそんな疑問は抱かないのか、アールはお茶を用意し、ライは私の隣に座って色鉛筆を楽しそうに触っている。
「まずは、大まかな間取りを描いてみよう」
大まかな、ね。うーん、難しい。
「ヒカの住んでいた家はどんなだったんだ?」
「うち?寝室とリビングの2部屋。小さいキッチンはあったけどダイニングはなかった。そうだなぁ。寮の客間ひとつ半の大きさの家だったよ」
「ちっさ!」
「狭すぎだろ?」
いいえ。普通です。寮の部屋が大きすぎるんだよ。とはいえ、あれがこのふたりの標準なら6畳の部屋は物置にもならないな。それも踏まえて考えよう。対面式のキッチン、ダイニングの向こうには庭が見える。その横にリビングがあって、小上がりの畳の部屋付きで。お風呂は広いほうがいいな。アトリエも欲しいし。などとスケッチブックの上で想像を膨らませていると、横からアールとライから待ったが入った。アトリエはもう少し大きく。そして、寝室はひとつ。私室はなし。代わりにそれぞれにクローゼットがわりの部屋を作り寝室と繋げた。
「巫女と精霊王との魔力の交換は必須だ」
「魔力の交換?どうやるの?」
「えっと・・・・」
「・・・・今までと変わらない・・・・はずだ」
う~ん。つまり、抱き上げられて運ばれたり、挟まれて寝るってことか。それくらいなら・・・・。いやいや、ダメでしょ。ヤバイ。私も随分、ふたりに感化されてる。
「寝るときは別でも」
「ダメ!!!」「ダメだ!!!」
二人の勢いに押し負け、寝室はひとつ。ただ、私は内緒でクローゼットの奥に一段低い場所を作った。こっそり絨毯やクッションを持ち込んで私室の代わりにする予定だ。こうして間取りを決め、家具を書き込んだ。後はこれを頭の中で詳しく再現すれば出来上がり。言うのは簡単だ。よし!初めての魔法、頑張ります♪
「俺たちの神殿へ」
「は?」
何が起こったの?肉の壁しか見えない私は戸惑うばかりだ。
「さっ、神殿を案内しようね」
アールに抱き上げられて初めてここが、リビングではないと気付いた。しかし、二人とも違和感なく抱き上げるけど、しかも縦抱きで、私はもう大人だよ?
「歩けるよ、おろして」
「まあまあ。初めての場所で迷子になるといけないから、ね?」
なんだかんだと理由をつけておろしてはくれない。私たちがいた場所から数段高い位置にある広く何もない祭壇に立ち、先程までいた場所を見下ろす。大理石の床と白い石壁がぐるっとまあるく囲うだけで椅子もなければ扉も窓すら見当たらない。
「居住区へ移動するぞ」
扉もないのにどうやって?疑問に思っているとまたあのフワッとした感覚が私を襲った。
「ついたぞ?」
「あれ?リビングに戻ってきたの?」
寮のリビングに逆戻りしただけだったようだ。
「違うよ?ここは寮のリビングに似てるけど、違うからね?」
そっくりそのまま、寮のリビングなんだけど?
「ここは、神域の居住区だ。ここが俺たちの住まいになる。使い勝手のいいように俺たちの部屋と同じ作りになってるし同じものが置いてある」
うわっ!それってどっちにいるか混乱する、絶対。
「変えられないの?どっちにいるか分からなくなりそうで怖い」
「変えられるよ。住んでみたいお家を細部までイメージして、固定すればいいよ」
ライは随分と簡単にいってくれるけど、細部までイメージするのは難しいし、どうやって固定すればいいの?
「間取りを書いてみるか?その方がイメージしやすいだろう?」
アールの提案に乗ることにして、文房具を取りに神殿を経由して寮に戻った。やっぱりどっちにいるか分からなくなりそうだなぁと思いながら、私の荷物からスケッチブックと色鉛筆を取り出した。
「あ、そうだ。ヒカがこの世界に持ち込んだものは、全部複製したから。ヒカには保存をかけたオリジナルを返したけど、これも複製して向こうに持っていこう」
複製?どういうこと?聞いてないんだけど。え?全部ってことは下着とかもってことだよね。嘘でしょ?!ジトッとライを睨んだのは仕方ないと思う。
「ヒカのお蔭で新しいものが増える」
「うん。女性のものは凄く喜ばれると思うよ」
意味がわからない。私が買った服や靴や鞄や下着を複製して配ったってこと?何それ!あり得ないんですけど?!
「私の許可もなく勝手に複製して女の人に配ったってこと?」
ムッとした。だって、いくら安くなっていたとはいえ、私が気に入って買ったのだ。見えない下着は、よくないけど、見えないから諦めもつく。でも、服や靴や鞄は、他の人とお揃いだなんて考えられない。
「違う違う。職人に見本として渡す予定。バラして研究するんだ。女性のものを扱う店はないけど見本は男のものを扱う店に展示してあって、それを参考に男が作るんだよ」
なんだ。ビックリした。まあ、それならいいかな。この年でカボチャパンツは何気に辛い。上もバスト部分が少し分厚いだけのスリップで心許ない。
「それなら、下着は私のサイズだけでしょ?他のサイズも教えておこうか?」
下着はサイズが大切だ。バイトでランジェリーの販売をしていたときに社員さんから教えてもらった。背中とお腹が肥大するよと恐ろしいことを言われてサイズを気にするようになった。
「サイズ?よく分からないけど、必要なら教えてくれると助かるよ」
ライに下着のサイズの話ができてしまう私も大概だが、それはこの1月でこの世界に順応した証だ。元の世界では男の人にそんな話題すら出せなかった。というか、そんなことを話すような相手もいなかったからだけど。一人いないこともないけど、あれは心は女だったから男に入れてはいけない。
「ヒカ。要るものを持ったら神域に戻るぞ」
アールの催促で私たちは神殿を経由して、再び寮のリビングにそっくりな部屋に戻ってきた。あれ?戻らなくてもよかったのでは?アールもライもそんな疑問は抱かないのか、アールはお茶を用意し、ライは私の隣に座って色鉛筆を楽しそうに触っている。
「まずは、大まかな間取りを描いてみよう」
大まかな、ね。うーん、難しい。
「ヒカの住んでいた家はどんなだったんだ?」
「うち?寝室とリビングの2部屋。小さいキッチンはあったけどダイニングはなかった。そうだなぁ。寮の客間ひとつ半の大きさの家だったよ」
「ちっさ!」
「狭すぎだろ?」
いいえ。普通です。寮の部屋が大きすぎるんだよ。とはいえ、あれがこのふたりの標準なら6畳の部屋は物置にもならないな。それも踏まえて考えよう。対面式のキッチン、ダイニングの向こうには庭が見える。その横にリビングがあって、小上がりの畳の部屋付きで。お風呂は広いほうがいいな。アトリエも欲しいし。などとスケッチブックの上で想像を膨らませていると、横からアールとライから待ったが入った。アトリエはもう少し大きく。そして、寝室はひとつ。私室はなし。代わりにそれぞれにクローゼットがわりの部屋を作り寝室と繋げた。
「巫女と精霊王との魔力の交換は必須だ」
「魔力の交換?どうやるの?」
「えっと・・・・」
「・・・・今までと変わらない・・・・はずだ」
う~ん。つまり、抱き上げられて運ばれたり、挟まれて寝るってことか。それくらいなら・・・・。いやいや、ダメでしょ。ヤバイ。私も随分、ふたりに感化されてる。
「寝るときは別でも」
「ダメ!!!」「ダメだ!!!」
二人の勢いに押し負け、寝室はひとつ。ただ、私は内緒でクローゼットの奥に一段低い場所を作った。こっそり絨毯やクッションを持ち込んで私室の代わりにする予定だ。こうして間取りを決め、家具を書き込んだ。後はこれを頭の中で詳しく再現すれば出来上がり。言うのは簡単だ。よし!初めての魔法、頑張ります♪
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