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初めまして
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神域の部屋?家?を創った数日後、私はアールとライに連れられて初めて寮の部屋から外に出た。目立つ両側の髪は編み込んでちょっとだけ見えるようにしてくれた。これなら、違和感もない。
「うわぁ。神殿って言うよりお城とか要塞?」
「そうだな。ここは女性が伴侶を見つけるための場所でもあるからな。それなりに堅牢な造りになってる」
「ふーん。じゃあ、私もここで伴侶をみつけるんだ・・・・」
面倒くさいなぁ。
「何言ってんだ?」
「ヒカの伴侶は僕とアールでしょ?」
アールとライは心底不思議そうに私を見た。・・・・。ライの言葉を理解するのに時間がかかる。何を、言われたの?
「・・・・へっ?!」
ライの言葉の意味を理解した私は、交互に二人を見た。微笑むライと真面目な顔のアールに、冗談じゃないと分かり、一気に顔が赤くなった。精霊王の巫女って、そういう意味だったの?気付けない私が鈍すぎるの?いやいや、でも・・・・。うん・・神域で一緒に暮らす時点で気付くべきだった。シェアハウス的な感覚はダメだったらしい。
「ヒカはもう子供の見た目じゃないんだよ?伴侶でもない女性には触れないよ。そんなことしたら犯罪だからね」
「ヒカは誰にでも触れさせるのか?」
ブンブンブンと首を横に振った。そんなことはない。アールとライに抱っこされたりするのは、もう慣れたというか、いつものことだから・・・・。って、毒されてるよね、私。家族じゃないんだし、慣れちゃダメでしょ?これで二人以外の伴侶とかないわぁ。二人にも相手にも失礼すぎる。
「大人になったヒカとの魔力の交換は、この程度じゃ追い付かないからね?」
どうしてここで魔力の交換の話が出たのか分からない。ライはにっこりと笑っているけど、なんだか追い詰められたウサギの気分になる。アールの視線にもそわそわと落ち着かない。
「えっと・・・・。歩くからおろして?」
アールに抱っこされているこの状態が急に恥ずかしくなって、二人の視線から少しでも逃れたくて、真っ赤な顔を俯かせた。アールは「仕方ないなぁ」とおろしてはくれたけど、両側からがっちり肩と腰を抱かれ、抱っこよりも恥ずかしい状態になってしまった。気を紛らわすには会話しよう!
「何処に向かってるの?」
二人はフッと笑いながらも私の会話に付き合ってくれた。
「ヒカはこれから俺たちと一緒にいるか、神域に居ることになる。精霊王の巫女が拐われたりしたら、この世界が滅ぶからな」
は?この世界が滅ぶ?大袈裟に言っているだけなのか、事実なのか判断に迷う。それが出来るだけの力を二人が持っているのは何となく分かるから余計だ。
「ずっと神域にいるのは嫌でしょう?だから、精鋭部隊には面通ししておこうと思って。今日はみんな訓練所にいるからさ。まだしばらくはここにいるつもりだし、僕たちが遠征に行くときは、ヒカの気分でどっちでも選べるようにね」
訓練所に行くんだね。とりあえず、神域ではひとりになれるのは分かった。
「神域には、私たちしかいないの?」
「いや。他の精霊王とその巫女もいるが、こっちでの生活もあるからいつもいるとは限らない」
「今度会わせるよ」
そっか。精霊王は他にもいるもんね。ちょっと楽しみだなぁ。
「ライィ~♪アールゥ~♪」
私たちが仲良く歩いていると、後ろから女性の媚びた声が聞こえてきた。
「「チッ」」
「うざいな」
「走るよ」
ライは私をさっと抱き上げた。そして、そこから程近い彼らの訓練所と思われる大きな建物に入るとすぐにアールが魔法で何かしている。中は広い空間が広がっていた。そこに50人くらいの人が整列したままこちらを驚きの表情で凝視している。
「これで入ってこれないだろ」
「本当に鬱陶しいよね。フレイアはちゃんと教育してるの?」
「あれ?開かない。アールゥ、ライィ」
「まりあ様。彼らの訓練の邪魔をしてはいけません」
「まりあぁ、邪魔なんてしないよぉ」
「彼らはすでに伴侶をお持ちですから、諦めてください」
「ええ?まりあぁ、アールとぉライを選んだだけだしっ!」
扉の外からまりあと男の人の諫める声が聞こえる。まりあとはきっとあのとき私を突き飛ばした子だ。声に何となく聞き覚えがある。話し方といいおバカ丸出し。友達にはなりたくないタイプの子だ。いつの間にアールとライに会ったんだろう?選んだって?疑問に思う私とは反対にアールとライは外のいざこざを完全に無視して、唖然とこちらを見ている集団へと足を向けた。
「待たせたな」
「揃ってる?」
集団の1番前にいる人にライが声をかけた。抱っこされたままの私に全員の視線が集まっている。ちょっと怖い。その中に知ってる人がいた。ガードナーとナジェルだ。ナジェルは私を見て、???を頭の上に浮かべた後、はっとした顔をした。どうやら、私があのときの子供だと気付いたようだ。ガードナーはアワアワとナジェルに助けを求めるくらいパニックしている。妄想が爆走するより混乱のほうが大きかったみたいだ。
「合同訓練を始める」
あれ?私の紹介はしないの?
「ぶ、部隊長!!!」
妄想君が吠えた。さっきまでざわざわとしていたのがこのひと吠えでシーンと静まり返った。
「何だ?」
わかってるくせに聞くんだ。そう思ってチラッとアールを見たが、特に何の感情も浮かんではいなかった。
「あの、その女性は?あのときのおグフムガ」
ガードナーは話の途中でナジェルに口を塞がれた。
「俺たちの伴侶だが?」
「「「「「「「・・・・はあ???!!!!」」」」」」」
一息おいて、全員の息の揃った大合唱が私の鼓膜を攻撃してきた。
「部隊長の伴侶は副隊長では?」
やっぱりそう思われてるんだ。よくもまあ、そこまで完璧に騙してたよね。
「ライは双子だ」
「うん。アールとは兄弟」
「うっそだあ~!」
「似てなさすぎる」
「またまたぁ。今度はなんの訓練ですか?」
「嘘じゃないから。さっさと訓練を始めるよ」
「部隊長と副隊長は、既に真実の愛を見つけておいでだったんですね!そして、我々はもとより、周りに群がる女性たちを遠ざけるためにそのような嘘を!ああ、なんという崇高なる愛!幼な子の呪いをモガモガ」
始まりました、妄想君の妄想劇場。目をキラキラさせている。よくもまあペラペラと思い付くよね。途中でナジェルが止めなかったらきっと未だにひとりで妄想を膨らませてるんだろうなぁ。他人の話なら面白いけど、自分のこととなると聞いてて恥ずかしくなってくるというか・・・・。真実の愛って何?!
「これから連れてくるから、みんなも慣れてね?」
うん?慣れる?妄想君の妄想劇場に集中していたから気が付かなかったけど、みんな戸惑ってる?
「ヒカです。よろしくお願いします」
ライに抱っこされたまま高い位置からだけど、ペコリと挨拶をした。たったそれだけなのに全員がピンと硬直して動かなくなった。
「ライ、私何かしちゃった?」
「ああ、うん。こいつら女性に免疫がないからねぇ・・・・」
「他の女性と違いすぎて固まっただけだ。教えただろ?」
ああ・・・・。あの程度のことでハニートラップになる訳が分かった。この世界の女性について話し半分に聞いてたけど、どうやら誇張でもなかったようだ。我が儘で高慢で陰湿。女性の可愛らしさとか優しさとか可憐さはこの世界にはないらしい。そんなイメージなのによく求婚者が現れるよね。地位と権力を持つものの義務とか。女性は生活のために複数の男性と婚姻を結ぶ。だから、女性と婚姻した男性はひとりなら男を愛人として持つことが可能だ。アールとライいわく、男の嫁の方がよほど可憐らしい。分かる気がする。
「おら!正気に戻れ!始めるぞ!!!」
アールのちょっとだけイラッと殺気を含んだ大声にみんな一斉に反応して慌てて訓練を開始したのだった。
「うわぁ。神殿って言うよりお城とか要塞?」
「そうだな。ここは女性が伴侶を見つけるための場所でもあるからな。それなりに堅牢な造りになってる」
「ふーん。じゃあ、私もここで伴侶をみつけるんだ・・・・」
面倒くさいなぁ。
「何言ってんだ?」
「ヒカの伴侶は僕とアールでしょ?」
アールとライは心底不思議そうに私を見た。・・・・。ライの言葉を理解するのに時間がかかる。何を、言われたの?
「・・・・へっ?!」
ライの言葉の意味を理解した私は、交互に二人を見た。微笑むライと真面目な顔のアールに、冗談じゃないと分かり、一気に顔が赤くなった。精霊王の巫女って、そういう意味だったの?気付けない私が鈍すぎるの?いやいや、でも・・・・。うん・・神域で一緒に暮らす時点で気付くべきだった。シェアハウス的な感覚はダメだったらしい。
「ヒカはもう子供の見た目じゃないんだよ?伴侶でもない女性には触れないよ。そんなことしたら犯罪だからね」
「ヒカは誰にでも触れさせるのか?」
ブンブンブンと首を横に振った。そんなことはない。アールとライに抱っこされたりするのは、もう慣れたというか、いつものことだから・・・・。って、毒されてるよね、私。家族じゃないんだし、慣れちゃダメでしょ?これで二人以外の伴侶とかないわぁ。二人にも相手にも失礼すぎる。
「大人になったヒカとの魔力の交換は、この程度じゃ追い付かないからね?」
どうしてここで魔力の交換の話が出たのか分からない。ライはにっこりと笑っているけど、なんだか追い詰められたウサギの気分になる。アールの視線にもそわそわと落ち着かない。
「えっと・・・・。歩くからおろして?」
アールに抱っこされているこの状態が急に恥ずかしくなって、二人の視線から少しでも逃れたくて、真っ赤な顔を俯かせた。アールは「仕方ないなぁ」とおろしてはくれたけど、両側からがっちり肩と腰を抱かれ、抱っこよりも恥ずかしい状態になってしまった。気を紛らわすには会話しよう!
「何処に向かってるの?」
二人はフッと笑いながらも私の会話に付き合ってくれた。
「ヒカはこれから俺たちと一緒にいるか、神域に居ることになる。精霊王の巫女が拐われたりしたら、この世界が滅ぶからな」
は?この世界が滅ぶ?大袈裟に言っているだけなのか、事実なのか判断に迷う。それが出来るだけの力を二人が持っているのは何となく分かるから余計だ。
「ずっと神域にいるのは嫌でしょう?だから、精鋭部隊には面通ししておこうと思って。今日はみんな訓練所にいるからさ。まだしばらくはここにいるつもりだし、僕たちが遠征に行くときは、ヒカの気分でどっちでも選べるようにね」
訓練所に行くんだね。とりあえず、神域ではひとりになれるのは分かった。
「神域には、私たちしかいないの?」
「いや。他の精霊王とその巫女もいるが、こっちでの生活もあるからいつもいるとは限らない」
「今度会わせるよ」
そっか。精霊王は他にもいるもんね。ちょっと楽しみだなぁ。
「ライィ~♪アールゥ~♪」
私たちが仲良く歩いていると、後ろから女性の媚びた声が聞こえてきた。
「「チッ」」
「うざいな」
「走るよ」
ライは私をさっと抱き上げた。そして、そこから程近い彼らの訓練所と思われる大きな建物に入るとすぐにアールが魔法で何かしている。中は広い空間が広がっていた。そこに50人くらいの人が整列したままこちらを驚きの表情で凝視している。
「これで入ってこれないだろ」
「本当に鬱陶しいよね。フレイアはちゃんと教育してるの?」
「あれ?開かない。アールゥ、ライィ」
「まりあ様。彼らの訓練の邪魔をしてはいけません」
「まりあぁ、邪魔なんてしないよぉ」
「彼らはすでに伴侶をお持ちですから、諦めてください」
「ええ?まりあぁ、アールとぉライを選んだだけだしっ!」
扉の外からまりあと男の人の諫める声が聞こえる。まりあとはきっとあのとき私を突き飛ばした子だ。声に何となく聞き覚えがある。話し方といいおバカ丸出し。友達にはなりたくないタイプの子だ。いつの間にアールとライに会ったんだろう?選んだって?疑問に思う私とは反対にアールとライは外のいざこざを完全に無視して、唖然とこちらを見ている集団へと足を向けた。
「待たせたな」
「揃ってる?」
集団の1番前にいる人にライが声をかけた。抱っこされたままの私に全員の視線が集まっている。ちょっと怖い。その中に知ってる人がいた。ガードナーとナジェルだ。ナジェルは私を見て、???を頭の上に浮かべた後、はっとした顔をした。どうやら、私があのときの子供だと気付いたようだ。ガードナーはアワアワとナジェルに助けを求めるくらいパニックしている。妄想が爆走するより混乱のほうが大きかったみたいだ。
「合同訓練を始める」
あれ?私の紹介はしないの?
「ぶ、部隊長!!!」
妄想君が吠えた。さっきまでざわざわとしていたのがこのひと吠えでシーンと静まり返った。
「何だ?」
わかってるくせに聞くんだ。そう思ってチラッとアールを見たが、特に何の感情も浮かんではいなかった。
「あの、その女性は?あのときのおグフムガ」
ガードナーは話の途中でナジェルに口を塞がれた。
「俺たちの伴侶だが?」
「「「「「「「・・・・はあ???!!!!」」」」」」」
一息おいて、全員の息の揃った大合唱が私の鼓膜を攻撃してきた。
「部隊長の伴侶は副隊長では?」
やっぱりそう思われてるんだ。よくもまあ、そこまで完璧に騙してたよね。
「ライは双子だ」
「うん。アールとは兄弟」
「うっそだあ~!」
「似てなさすぎる」
「またまたぁ。今度はなんの訓練ですか?」
「嘘じゃないから。さっさと訓練を始めるよ」
「部隊長と副隊長は、既に真実の愛を見つけておいでだったんですね!そして、我々はもとより、周りに群がる女性たちを遠ざけるためにそのような嘘を!ああ、なんという崇高なる愛!幼な子の呪いをモガモガ」
始まりました、妄想君の妄想劇場。目をキラキラさせている。よくもまあペラペラと思い付くよね。途中でナジェルが止めなかったらきっと未だにひとりで妄想を膨らませてるんだろうなぁ。他人の話なら面白いけど、自分のこととなると聞いてて恥ずかしくなってくるというか・・・・。真実の愛って何?!
「これから連れてくるから、みんなも慣れてね?」
うん?慣れる?妄想君の妄想劇場に集中していたから気が付かなかったけど、みんな戸惑ってる?
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ライに抱っこされたまま高い位置からだけど、ペコリと挨拶をした。たったそれだけなのに全員がピンと硬直して動かなくなった。
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