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一章 「K」の過去と現在
4. 誤解
しおりを挟む「てかさ、Kって男が好きなの?」
なぜいきなりそんなことを言うのか、気になる気持ちと、バレてしまう焦りの気持ちが入り混じってる。
どちらかというとバレてしまう気持ちの方が上だ。
私はオネエをさらけ出しているだけで、別に自分がゲイっていうことをオープンにしているわけではない。
たぶん七斗はオネエ=ゲイって考えているのかもしれない。
「それはさ、私がオネエだから?オネエ=ゲイって考えてもらっちゃ困るなぁー」
と、怒り気味に言ってみる。
「ごめん。でもそうゆうことじゃなくて、、、」
…そうゆうことではない?
ならドユコト?
「純粋に、男が好きなのかなぁーってw」
「なんでそう思うの?」
やばい即答しすぎた。
そしてしばらく沈黙。いややばいて。
「だって、二人でいるときになんか顔が赤くなってたから~!! ナンツッテ(*´ω`*)ぺろ」
と冗談ぽく七斗が言って見せた。
冗談ならないって!!!!!!
一人教室に入ってきた。七斗の友達だった。七斗は自分の席を立って友達の元へ行った。
8時45分、授業が始まる。
思ったより落ち着いて勉強ができた。だって、七斗の反対側の隣の席は3番乗りに教室に入った友達、陸だった。
ワイワイと授業中に喋って周りは迷惑していたが、私にとってはめちゃくちゃありがたかった。
…でも、ちょっと悲しいかもしれない。
話しかけられない悲しみを知ってしまった。
だんだん、ありがたく思えなくなった。
やっぱり話したい。
ちゃんと目を合わせて話したい。
ちゃんと…
「K。具合悪い?」
七斗が話しかけてきた。気づいたら、涙を流していた。
大丈夫。
大丈夫だよ。
言えない。
怖くて言えない。
間がめちゃくちゃ曖昧だ。
何もかも。
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