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・アルフリード視点2・
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建国記念日は国王様と王妃様のお姿を国民に見せるパレードが始まる。
俺達騎士団はどんな脅威からも守る護衛の仕事がある。
そう、これは仕事だ。
遊びに行くわけではない、祭りを楽しみたいのならパレードが終わってからにしてくれ。
俺は仕事以外にこの建国記念日の祭りに興味がない。
人ではないからか、楽しさの意味を忘れたからか分からない…分からなくてもいい。
フレデリックに渡された派手な衣装を突き返す。
いつも通りの服の方がいざという時動ける。
こんな装飾をじゃらじゃら付けた服なんて着てられない。
そんなに着たいならお前が着ればいい。
「そろそろ行くぞ」
「えー、アルフリード様が来たら女性達が喜ぶのに」
「喜ばせるためにやるんじゃない」
「相変わらず頭が硬い」
フレデリックは無視して、パレードの護衛に向かった。
毎年の仕事で、今年は騎士団長として護衛をする。
やる事は何も変わらない、ただ一日が過ぎて行くだけだ。
そう、思っていた。
パレードの先頭を馬に乗ってゆっくりと進む。
フレデリックは自分が主役かのように国民に手を振っている。
俺は周りに不審な人物がいないか見ていた。
怪しい動きをしている人間はいなさそうだと上を見た。
何処からか狙われても可笑しくない。
上にあったのは、想像も出来ない光景だった。
人が落ちてくるのが見えて、俺はとっさに声を上げていた。
何故、俺は大切な人の名前で知らない人を呼んだんだろうか。
優斗に会いたい気持ちでそう見えてしまったのか。
風を起こして、身体を浮かせてから俺の腕の中に降ろした。
気絶しているのか、眠っているように見えた。
その姿を見て、心臓が止まりそうになった。
「優斗…?」
寝ている姿だから何とも言えないが、優斗に似ている。
しかも成長している姿ではなく、俺の心の中に残っている優斗そのままの姿だ。
どういう事だ?俺は夢を見ているのか?
上から人が降ってきた事で騒ぎになってしまった。
彼が誰であろうと、一度助けたからには目が覚めるまで騎士団で保護しておかないといけない。
とりあえず後ろにいる騎士の誰かに預けるか。
優斗に似てる人を誰かに預けるのは気が引けるが、似ているというだけで優斗ではない。
どんなに願っても、優斗は何処にもいない。
なにかあるわけではない、他の騎士に預けても変わらない。
小さく息を吐いていて、顔が真っ赤に染まっていた。
汗も掻いていて、身体が熱く普通ではなかった。
まさか熱があるのか?
フレデリックが心配そうにこちらに近付いてくる。
「アルフリード様、どうかなさったのですか?」
「熱があるみたいだ」
「えっ!?じゃあ病院に運びましょう!」
「あぁ……」
フレデリックが運ぶのか、馬に乗ったまま俺に手を伸ばしてきた。
少年を渡そうとしたが、苦しくてなにかに縋りたいのか俺の服を離さない。
フレデリックも気付いたのか、俺から剥がそうと服を掴む手を掴んだ。
その手が何故か腹立たしく感じた。
こんなに怒りを感じるのは、前世で俺と優斗が引き剥がされた時以来だ。
自分でも無意識にフレデリックの手を振り払っていた。
今まで何事にも興味がなく、フレデリックに自由にさせていた俺からは想像が付かない行動で驚いていた。
俺だって驚いている、優斗ではないと言い聞かせているのに何故俺は手放せないんだ。
「熱くらいで病院に行くほどではないし、今は建国記念日だ…入院患者以外受け入れないだろう」
「騎士団のお願いなら聞いてくれますよ」
「俺が治した方が早い、フレデリックはパレードを頼む」
「えっ!?あ、は…はい!」
一瞬俺を止めようとしていたが、頼まれた事で目を輝かせていた。
熱を誰かに映すわけにもいかず、赤いマントを外して少年の身体を包んで馬を走らせた。
騎士団は全員護衛に出かけているから、兵舎には誰もいなかった。
兵舎で働くメイドや使用人達も今日は休みにしている。
いつもは誰かしら居て、騒がしい廊下は今では俺の足音しか聞こえない。
仕事兼私生活に使っている部屋に入る。
自宅はあるが、あまり帰っていない。
フレデリックが「アルフリード様なら城に住んでいるくらいじゃないとイメージが…」と意味の分からない事を言われた。
何処でも良くて、こだわりもないから適当に選んだらフレデリックが大きめの家を押し付けてきた。
将来家庭を持つならこのくらい広くないとと言っていて、ため息を吐いた。
そんなものいらないけど、フレデリックに説明するのも面倒で家を買った。
一人で住むのは大きすぎるが、ないよりはいい。
結局仕事のしやすさで兵舎が一番だと落ち着いた。
部屋に入り、少年をベッドに寝かせる。
俺の服を掴む手に触れて、ゆっくりと手を広げて離す。
他人を部屋に入れたくなかったし、自分が寝ているベッドに他人を寝かせるなんて考えていなかった。
やはり、優斗に顔が似ているから抵抗がないのか。
誰かを部屋に入れるのはこれっきりだ。
早く風邪を治して家に返せば俺の日常に戻る。
何を生き甲斐に生きていけばいいのか分からないほどの空っぽの日常。
額に手を当てて、熱を吸収する。
吸収した熱は俺の身体の中にあるから、自己治癒の力で熱を消す。
熱を吸収したばかりはまだ気怠い感じが続く。
吸収出来ない微量の熱は人間の免疫力で治すしかない。
若いからすぐに元気になるだろう。
ここに居ても仕方ないから、祭りの護衛にもどろうと少年に背を向けた。
部屋の扉に近付いて、後ろを振り返った。
顔の赤みが落ち着いて、息もゆっくりと吐いている。
もう辛くはないはずだ。
少年に近付いて、頭に触れた。
見れば見るほど優斗と重なって見える。
今にも俺の名前を呼んで、笑ってくれそうだ。
ベッドに座り、顔を近付けて止めた。
俺は馬鹿か、優斗がいないからって代わりにしようなんて…
似ているだけじゃダメだ、俺は優斗の全てじゃないといらない。
優斗という人間そのものが愛しいんだ、姿は正直一番どうでもいい。
少年から離れて、扉に近付いた。
「おやすみ」
少年はまだ寝ているから聞いてないだろうけど小さく呟いて部屋を出た。
俺は優斗に酷い事をした、優斗への愛を裏切るような事をした。
未遂とはいえキスをしようとしたなんて、自分が許せない。
グッと握りしめる手から血が滲んで手のひらを赤く染め、床に落ちた。
心の中でずっと生き続ける優斗に愛を誓った。
今度は間違えない、俺の愛しい人は優斗ただ一人だ。
俺達騎士団はどんな脅威からも守る護衛の仕事がある。
そう、これは仕事だ。
遊びに行くわけではない、祭りを楽しみたいのならパレードが終わってからにしてくれ。
俺は仕事以外にこの建国記念日の祭りに興味がない。
人ではないからか、楽しさの意味を忘れたからか分からない…分からなくてもいい。
フレデリックに渡された派手な衣装を突き返す。
いつも通りの服の方がいざという時動ける。
こんな装飾をじゃらじゃら付けた服なんて着てられない。
そんなに着たいならお前が着ればいい。
「そろそろ行くぞ」
「えー、アルフリード様が来たら女性達が喜ぶのに」
「喜ばせるためにやるんじゃない」
「相変わらず頭が硬い」
フレデリックは無視して、パレードの護衛に向かった。
毎年の仕事で、今年は騎士団長として護衛をする。
やる事は何も変わらない、ただ一日が過ぎて行くだけだ。
そう、思っていた。
パレードの先頭を馬に乗ってゆっくりと進む。
フレデリックは自分が主役かのように国民に手を振っている。
俺は周りに不審な人物がいないか見ていた。
怪しい動きをしている人間はいなさそうだと上を見た。
何処からか狙われても可笑しくない。
上にあったのは、想像も出来ない光景だった。
人が落ちてくるのが見えて、俺はとっさに声を上げていた。
何故、俺は大切な人の名前で知らない人を呼んだんだろうか。
優斗に会いたい気持ちでそう見えてしまったのか。
風を起こして、身体を浮かせてから俺の腕の中に降ろした。
気絶しているのか、眠っているように見えた。
その姿を見て、心臓が止まりそうになった。
「優斗…?」
寝ている姿だから何とも言えないが、優斗に似ている。
しかも成長している姿ではなく、俺の心の中に残っている優斗そのままの姿だ。
どういう事だ?俺は夢を見ているのか?
上から人が降ってきた事で騒ぎになってしまった。
彼が誰であろうと、一度助けたからには目が覚めるまで騎士団で保護しておかないといけない。
とりあえず後ろにいる騎士の誰かに預けるか。
優斗に似てる人を誰かに預けるのは気が引けるが、似ているというだけで優斗ではない。
どんなに願っても、優斗は何処にもいない。
なにかあるわけではない、他の騎士に預けても変わらない。
小さく息を吐いていて、顔が真っ赤に染まっていた。
汗も掻いていて、身体が熱く普通ではなかった。
まさか熱があるのか?
フレデリックが心配そうにこちらに近付いてくる。
「アルフリード様、どうかなさったのですか?」
「熱があるみたいだ」
「えっ!?じゃあ病院に運びましょう!」
「あぁ……」
フレデリックが運ぶのか、馬に乗ったまま俺に手を伸ばしてきた。
少年を渡そうとしたが、苦しくてなにかに縋りたいのか俺の服を離さない。
フレデリックも気付いたのか、俺から剥がそうと服を掴む手を掴んだ。
その手が何故か腹立たしく感じた。
こんなに怒りを感じるのは、前世で俺と優斗が引き剥がされた時以来だ。
自分でも無意識にフレデリックの手を振り払っていた。
今まで何事にも興味がなく、フレデリックに自由にさせていた俺からは想像が付かない行動で驚いていた。
俺だって驚いている、優斗ではないと言い聞かせているのに何故俺は手放せないんだ。
「熱くらいで病院に行くほどではないし、今は建国記念日だ…入院患者以外受け入れないだろう」
「騎士団のお願いなら聞いてくれますよ」
「俺が治した方が早い、フレデリックはパレードを頼む」
「えっ!?あ、は…はい!」
一瞬俺を止めようとしていたが、頼まれた事で目を輝かせていた。
熱を誰かに映すわけにもいかず、赤いマントを外して少年の身体を包んで馬を走らせた。
騎士団は全員護衛に出かけているから、兵舎には誰もいなかった。
兵舎で働くメイドや使用人達も今日は休みにしている。
いつもは誰かしら居て、騒がしい廊下は今では俺の足音しか聞こえない。
仕事兼私生活に使っている部屋に入る。
自宅はあるが、あまり帰っていない。
フレデリックが「アルフリード様なら城に住んでいるくらいじゃないとイメージが…」と意味の分からない事を言われた。
何処でも良くて、こだわりもないから適当に選んだらフレデリックが大きめの家を押し付けてきた。
将来家庭を持つならこのくらい広くないとと言っていて、ため息を吐いた。
そんなものいらないけど、フレデリックに説明するのも面倒で家を買った。
一人で住むのは大きすぎるが、ないよりはいい。
結局仕事のしやすさで兵舎が一番だと落ち着いた。
部屋に入り、少年をベッドに寝かせる。
俺の服を掴む手に触れて、ゆっくりと手を広げて離す。
他人を部屋に入れたくなかったし、自分が寝ているベッドに他人を寝かせるなんて考えていなかった。
やはり、優斗に顔が似ているから抵抗がないのか。
誰かを部屋に入れるのはこれっきりだ。
早く風邪を治して家に返せば俺の日常に戻る。
何を生き甲斐に生きていけばいいのか分からないほどの空っぽの日常。
額に手を当てて、熱を吸収する。
吸収した熱は俺の身体の中にあるから、自己治癒の力で熱を消す。
熱を吸収したばかりはまだ気怠い感じが続く。
吸収出来ない微量の熱は人間の免疫力で治すしかない。
若いからすぐに元気になるだろう。
ここに居ても仕方ないから、祭りの護衛にもどろうと少年に背を向けた。
部屋の扉に近付いて、後ろを振り返った。
顔の赤みが落ち着いて、息もゆっくりと吐いている。
もう辛くはないはずだ。
少年に近付いて、頭に触れた。
見れば見るほど優斗と重なって見える。
今にも俺の名前を呼んで、笑ってくれそうだ。
ベッドに座り、顔を近付けて止めた。
俺は馬鹿か、優斗がいないからって代わりにしようなんて…
似ているだけじゃダメだ、俺は優斗の全てじゃないといらない。
優斗という人間そのものが愛しいんだ、姿は正直一番どうでもいい。
少年から離れて、扉に近付いた。
「おやすみ」
少年はまだ寝ているから聞いてないだろうけど小さく呟いて部屋を出た。
俺は優斗に酷い事をした、優斗への愛を裏切るような事をした。
未遂とはいえキスをしようとしたなんて、自分が許せない。
グッと握りしめる手から血が滲んで手のひらを赤く染め、床に落ちた。
心の中でずっと生き続ける優斗に愛を誓った。
今度は間違えない、俺の愛しい人は優斗ただ一人だ。
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