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第一章 ここから私達の全てが始まったんですよね先輩!
豪傑熊
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でも悲しい事に熊は私を追い掛けてくる。
野生動物の脚力だ、か弱い女子高生の私が逃げられる訳がない。熊は私のすぐ側まで来ていた。
「いやああああああああ! 食べられたくない! 来ないでぇ! “八重染琥珀”!!!」
私は走りながらそう叫んだ。すると靴の踵が琥珀色に輝いて火花を放ち、私の両足を加速させた。
「うわわっ……! 勢いつけ過ぎた……」
危うく転びそうになったけど加速のお蔭で熊と大幅に距離を離す事に成功する。
これが私の能力、“八重染琥珀”。
ざっくり言うと触れたモノに“勢い”を持たせる能力だ。
正確には何かのエネルギーを付与してそれを暴走させて勢いを得ているらしい。
そのエネルギーが何処から来ているのかとかはさっぱり分からない。制御も難しいし。
少しでも付与する勢いを間違えると転びそうになったり下手をすると明後日の方向に行ってしまう事がある。
靴は前もって触っておいたけどもっとしっかり調節しとくんだった……。
因みに八重染琥珀は放出型のレベル6に分類される。
能力レベルは十段階あって大体5か4が平均なので八重染琥珀はそこそこ強いという事になる。特に嬉しい訳でもないけどね。
「まあでもこれで熊から逃げられ……ちょ嘘でしょ!?」
熊は結構な距離を引き離したにも関わらず一瞬で私の近くまで来ていた。
嘘……! 追いつける筈無いのに……!
私の八重染琥珀は最新のレーシングカー並のスピードが出るし、かなり距離は離した。
なのに付いて来ている。八重染琥珀は一回発動させると勢いをつける為のエネルギーを全て使い果たしてしまうので使ったらもう一回触れないと発動させる事が出来ない。
だから次追い付かれたら食べられてしまうかもしれないという訳だ。
「何で追い付けたの……? 普通の熊の域を超えてるじゃない……」
もしかして何かの能力……?まあでもどっちにしろ逃げられないんじゃ戦うしかない。動物虐待は気が引けるけど、身にかかる火の粉は払わないと……。
私がそう思った時には熊はもう私のすぐ側まで近付いていた。熊が黒い腕を私に向けて振り下ろしてきた。
「ガアアアアアアッ!!!」
「うわあっ! 危なっ!」
私は熊の攻撃を寸での所で躱した。熊の腕は空を切る。めっちゃ速いのがまた凄く怖い!
次は私の番だな。
私はちょうど近くに落ちていた石を拾ってその石にエネルギーを注いだ。
「“八重染琥珀”!!」
そして石を熊に向け、八重染琥珀を発動させた。
石が光を放って目で追えない速さで熊の体にヒットし、熊の体が大きく揺らいだ。
「よし! 今のは確実に効いたでしょ……」
「ガァアアアアアアアアアアア!!!」
「何でよーーー!」
熊はとんでもない勢いの石を食らったにも関わらず私に吠えた。
大分よろよろとしてはいるけど多分決定打にはなってない。しかしもう飛ばせそうな物は私の周りに無かった。
「ガァアアア……」
熊が私の元にゆっくりと近づいてくる。
まだやる気満々みたいだ。
こうなったら仕方がない……あれをやるしか無いか。
私は自分の肩と踵に触れ、力を注ぐ。
「食らえ……必殺……! 名前とか無いけど!」
拳を熊の方に向けて八重染琥珀を発動させた。肩から琥珀色の火花が迸って私の腕に凄まじい勢いを付ける。加速の効いた拳が熊の顔を激しく殴打した。
「カァ……」
「まだまだこれからよ……覚悟しなさい! おらぁ!」
悶える熊に私はそう言い放って更に八重染琥珀を発動させる。今度は右足の踵が琥珀色に輝いて加速され、熊の腹につま先がめり込んだ!
「グァアアアアア……」
熊は叫び声を上げながら白目を剥いて倒れた。
やっと倒せた……! これで学校に行ける……!
因みに何でか弱い女子高生な筈の私が熊の一撃を躱したりレーシングカー並の速度で拳を熊に叩きつけても平気だったりするのかと言うと私達能力者の身体能力が人間の域を超えて高いからだ。
あんまり詳しくは解明されてないけどどうも能力に合わせて身体が強くなった結果らしい。
だからあんな人間離れした事が出来るって訳だ。握力とか何キロあるんだろう私。本気でやったら握力計壊れるから測れない。
誰だよ私の事か弱いって言った奴。
私がそんな事を考えながらも場を離れようとすると、後ろからボンッ! という爆発音が聞こえてきた。
「な、何……」
爆発が起きたのは熊が居た方だ。熊の方を振り返ると白い煙が立っていた。
茫然と煙が消えていく様子を見ていると、ぼんやりと倒れている人影が見えた。
「あれは……能力者……本体?」
私はその人影の下に近付いて身体を揺する。
その人は私と同年代のこげ茶色の髪のちょっと童顔な男子で、さっきまで暴れていた熊の面影は少しも無かった。
どうやら気絶しているようでいくら揺すっても起きる気配がない。
まあ脈はあるし命に関わる事は無いと思う。それでも私は一応携帯を取り出して救急車を呼ぼうとした。
「ううっ……あれ……ここは一体……」
「おおっ、起きた!」
すると男子はむっくりと起き上がった。
「あ……もしかして僕暴走しちゃってました? すみません……」
「暴走? やっぱりあの熊って君なの?」
「ええ……僕は力の強い熊に変身する事が出来る“豪傑熊”っていう能力を持ってるんですけど……熊になっている間は強いショックを受けると自我を失ってしまうんですよ……因みに能力は具現発動型のレベル5に分類されるみたいです」
「なるほど……じゃあ動物園から逃げ出した熊と君は別人だよね?」
「いえ……僕は動物園で熊の仕事をしているので……」
「熊の仕事!? 何それ!?」
私は聞き慣れない言葉に思わずそう聞き返した。
熊の仕事? まさか……。
「えっと……動物園って動物のショーがあるじゃないですか。僕の仕事はその動物……熊の代わりにショーに出てお客様の目を惹く事なんです」
「ああああああ! なんか夢が壊れたぁ!」
「熊ってほら、怒りっぽい性格じゃないですか……だから芸とか仕込むの大変なんですよ。そこで熊の能力者の僕が……」
「これ以上言わないでええええ! 私子供の頃動物園の熊のショーに目を輝かせてたのに!」
これは酷い。あんまりだ。
鈍市に住んでる子供がこの話を聞いたらみんな泣くよ多分。こいつにプライドとかそういうものは無いのか。
「あんたね……人としてどうなのそれは!?」
「いやあ結構いい仕事ですよ。ショーの時だけ熊と代わって出ればいいし園長は給料弾んでくれるし……何より子供たちに夢を与えられるじゃないですか!」
「お前が今まさに夢をぶち壊してるよ!」
何だよ給料弾んでくれるって。子供に夢を与える奴なのに金に塗れてるじゃんよ……。
こいつさっきは私と同年代かと思ったけど大人だな。童顔の。
こんな汚れてる奴が高校生とか考えたくない。
「あっそうだ! 暴走していたという事はあなたが僕を止めてくれたんですよね? これはせめてものお礼です。どうぞ」
熊野郎がそんな事を言いながら財布から万札と動物園のチケット二枚を差し出してきた。
「え……そんないいですよ……何か嫌なんで……」
「いやいやあなたは恩人ですから! 恋人さんとのデートにでも使って下さい!」
「居ないから恋人なんて! ぶっ飛ばすよあんた!」
そんなくだりを三回くらい繰り返した後私は熊野郎にチケットと万札を強引に押し付けられた。
「それじゃ! あとこの話は誰にも内緒ですよ! では!」
「やっぱり口止め料か……」
爽やかにそう言って走り去る熊野郎の背中を見送りながら私は虚しい気分になっていた。
夢が壊れた代償に手に入れたのは万札とチケット二枚。万札は何かで使うとして……チケットはどうしよう。ちょっと真相を知っちゃうともう動物園には行きたくないな。
しょうがない……。
「メルメルで売るか……」
私はチケットをフリマアプリで売る事に決め、重い足取りで学校に向かった。
野生動物の脚力だ、か弱い女子高生の私が逃げられる訳がない。熊は私のすぐ側まで来ていた。
「いやああああああああ! 食べられたくない! 来ないでぇ! “八重染琥珀”!!!」
私は走りながらそう叫んだ。すると靴の踵が琥珀色に輝いて火花を放ち、私の両足を加速させた。
「うわわっ……! 勢いつけ過ぎた……」
危うく転びそうになったけど加速のお蔭で熊と大幅に距離を離す事に成功する。
これが私の能力、“八重染琥珀”。
ざっくり言うと触れたモノに“勢い”を持たせる能力だ。
正確には何かのエネルギーを付与してそれを暴走させて勢いを得ているらしい。
そのエネルギーが何処から来ているのかとかはさっぱり分からない。制御も難しいし。
少しでも付与する勢いを間違えると転びそうになったり下手をすると明後日の方向に行ってしまう事がある。
靴は前もって触っておいたけどもっとしっかり調節しとくんだった……。
因みに八重染琥珀は放出型のレベル6に分類される。
能力レベルは十段階あって大体5か4が平均なので八重染琥珀はそこそこ強いという事になる。特に嬉しい訳でもないけどね。
「まあでもこれで熊から逃げられ……ちょ嘘でしょ!?」
熊は結構な距離を引き離したにも関わらず一瞬で私の近くまで来ていた。
嘘……! 追いつける筈無いのに……!
私の八重染琥珀は最新のレーシングカー並のスピードが出るし、かなり距離は離した。
なのに付いて来ている。八重染琥珀は一回発動させると勢いをつける為のエネルギーを全て使い果たしてしまうので使ったらもう一回触れないと発動させる事が出来ない。
だから次追い付かれたら食べられてしまうかもしれないという訳だ。
「何で追い付けたの……? 普通の熊の域を超えてるじゃない……」
もしかして何かの能力……?まあでもどっちにしろ逃げられないんじゃ戦うしかない。動物虐待は気が引けるけど、身にかかる火の粉は払わないと……。
私がそう思った時には熊はもう私のすぐ側まで近付いていた。熊が黒い腕を私に向けて振り下ろしてきた。
「ガアアアアアアッ!!!」
「うわあっ! 危なっ!」
私は熊の攻撃を寸での所で躱した。熊の腕は空を切る。めっちゃ速いのがまた凄く怖い!
次は私の番だな。
私はちょうど近くに落ちていた石を拾ってその石にエネルギーを注いだ。
「“八重染琥珀”!!」
そして石を熊に向け、八重染琥珀を発動させた。
石が光を放って目で追えない速さで熊の体にヒットし、熊の体が大きく揺らいだ。
「よし! 今のは確実に効いたでしょ……」
「ガァアアアアアアアアアアア!!!」
「何でよーーー!」
熊はとんでもない勢いの石を食らったにも関わらず私に吠えた。
大分よろよろとしてはいるけど多分決定打にはなってない。しかしもう飛ばせそうな物は私の周りに無かった。
「ガァアアア……」
熊が私の元にゆっくりと近づいてくる。
まだやる気満々みたいだ。
こうなったら仕方がない……あれをやるしか無いか。
私は自分の肩と踵に触れ、力を注ぐ。
「食らえ……必殺……! 名前とか無いけど!」
拳を熊の方に向けて八重染琥珀を発動させた。肩から琥珀色の火花が迸って私の腕に凄まじい勢いを付ける。加速の効いた拳が熊の顔を激しく殴打した。
「カァ……」
「まだまだこれからよ……覚悟しなさい! おらぁ!」
悶える熊に私はそう言い放って更に八重染琥珀を発動させる。今度は右足の踵が琥珀色に輝いて加速され、熊の腹につま先がめり込んだ!
「グァアアアアア……」
熊は叫び声を上げながら白目を剥いて倒れた。
やっと倒せた……! これで学校に行ける……!
因みに何でか弱い女子高生な筈の私が熊の一撃を躱したりレーシングカー並の速度で拳を熊に叩きつけても平気だったりするのかと言うと私達能力者の身体能力が人間の域を超えて高いからだ。
あんまり詳しくは解明されてないけどどうも能力に合わせて身体が強くなった結果らしい。
だからあんな人間離れした事が出来るって訳だ。握力とか何キロあるんだろう私。本気でやったら握力計壊れるから測れない。
誰だよ私の事か弱いって言った奴。
私がそんな事を考えながらも場を離れようとすると、後ろからボンッ! という爆発音が聞こえてきた。
「な、何……」
爆発が起きたのは熊が居た方だ。熊の方を振り返ると白い煙が立っていた。
茫然と煙が消えていく様子を見ていると、ぼんやりと倒れている人影が見えた。
「あれは……能力者……本体?」
私はその人影の下に近付いて身体を揺する。
その人は私と同年代のこげ茶色の髪のちょっと童顔な男子で、さっきまで暴れていた熊の面影は少しも無かった。
どうやら気絶しているようでいくら揺すっても起きる気配がない。
まあ脈はあるし命に関わる事は無いと思う。それでも私は一応携帯を取り出して救急車を呼ぼうとした。
「ううっ……あれ……ここは一体……」
「おおっ、起きた!」
すると男子はむっくりと起き上がった。
「あ……もしかして僕暴走しちゃってました? すみません……」
「暴走? やっぱりあの熊って君なの?」
「ええ……僕は力の強い熊に変身する事が出来る“豪傑熊”っていう能力を持ってるんですけど……熊になっている間は強いショックを受けると自我を失ってしまうんですよ……因みに能力は具現発動型のレベル5に分類されるみたいです」
「なるほど……じゃあ動物園から逃げ出した熊と君は別人だよね?」
「いえ……僕は動物園で熊の仕事をしているので……」
「熊の仕事!? 何それ!?」
私は聞き慣れない言葉に思わずそう聞き返した。
熊の仕事? まさか……。
「えっと……動物園って動物のショーがあるじゃないですか。僕の仕事はその動物……熊の代わりにショーに出てお客様の目を惹く事なんです」
「ああああああ! なんか夢が壊れたぁ!」
「熊ってほら、怒りっぽい性格じゃないですか……だから芸とか仕込むの大変なんですよ。そこで熊の能力者の僕が……」
「これ以上言わないでええええ! 私子供の頃動物園の熊のショーに目を輝かせてたのに!」
これは酷い。あんまりだ。
鈍市に住んでる子供がこの話を聞いたらみんな泣くよ多分。こいつにプライドとかそういうものは無いのか。
「あんたね……人としてどうなのそれは!?」
「いやあ結構いい仕事ですよ。ショーの時だけ熊と代わって出ればいいし園長は給料弾んでくれるし……何より子供たちに夢を与えられるじゃないですか!」
「お前が今まさに夢をぶち壊してるよ!」
何だよ給料弾んでくれるって。子供に夢を与える奴なのに金に塗れてるじゃんよ……。
こいつさっきは私と同年代かと思ったけど大人だな。童顔の。
こんな汚れてる奴が高校生とか考えたくない。
「あっそうだ! 暴走していたという事はあなたが僕を止めてくれたんですよね? これはせめてものお礼です。どうぞ」
熊野郎がそんな事を言いながら財布から万札と動物園のチケット二枚を差し出してきた。
「え……そんないいですよ……何か嫌なんで……」
「いやいやあなたは恩人ですから! 恋人さんとのデートにでも使って下さい!」
「居ないから恋人なんて! ぶっ飛ばすよあんた!」
そんなくだりを三回くらい繰り返した後私は熊野郎にチケットと万札を強引に押し付けられた。
「それじゃ! あとこの話は誰にも内緒ですよ! では!」
「やっぱり口止め料か……」
爽やかにそう言って走り去る熊野郎の背中を見送りながら私は虚しい気分になっていた。
夢が壊れた代償に手に入れたのは万札とチケット二枚。万札は何かで使うとして……チケットはどうしよう。ちょっと真相を知っちゃうともう動物園には行きたくないな。
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