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第三章 ちゃんと私を見てくださいよ先輩!
遊園地でーとその3
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ようやく私達に順番が回ってきた。
本当に長かった……。
「いざ入るとなると怖いですね琥珀先輩……」
「そうだねー」
恐怖の象徴みたいな子がなんか言ってる。
幽霊なんかより麗紗の方がよっぽど怖い。
……ここでも全く怖さを感じないかもしれないな。
なんかもうやだ……。
私はひどい疲労を感じつつも麗紗と一緒にお化け屋敷の中へと入った。
*
*
*
「琥珀せんぱぁ~い! こわかったですぅ~!」
「はいはい怖かったねー」
お化けの巣窟から脱出した後も、半泣きで私に抱き着いて離れない麗紗。
私? 何も怖くなかった。
人気なだけあって仕掛けとか色々と作り込まれてたけど所詮私の敵じゃなかった。
こういう所では私無敵かもしれない。
麗紗はめっちゃ怖がってたけど。
何で自分の腕引きちぎるような子が仕掛けも何も無い所でも悲鳴上げる位ビビりなのか不思議だ。
麗紗はこういうのが弱点なのね……。
覚えておこう……自分の身を守る為にも。
「琥珀先輩……ちょっとそこのパンケーキ屋さんで休憩しませんか……体の震えがとまらないんですよ……」
「いいね! 行こっか!」
「あ、ありがとうございます……」
ぱ、パンケーキだと……。
ちょうど死ぬ程疲れてた所だったから超助かる。
すぐさま私達はそのパンケーキ屋に入った。
店内は落ち着いていて、それなりに客が入っており
いい匂いがぷんぷんと漂っていた。
「もう既に美味しそう……」
「匂いだけでもこの破壊力……凄いですね……」
私達は席に座りながらそんな事を話す。
そして麗紗がメニュー表を私の方に向けて私に聞いた。
「琥珀先輩、どれにしますか?」
「うーん……とりあえず無難にパンケーキにしようかな……」
「じゃあ私もそれにします。ボタン押しますね」
麗紗が呼び出しボタンを押して店員さんを呼び、パンケーキを二人分注文する。
ていうかここはメニューがそんなに多くない。
その分一つのメニューにこだわっているんだろう。
パンケーキを待つ間ぼんやりそんな事を考えていると、麗紗がふと何かに気が付いたような顔をして私にこう言った。
「あっ、そうだ! 琥珀先輩、私今スイーツで思い出したんですけど……私達の……その……子供の名前、何にします……?」
「えっ……? な、何の話?」
「まさか忘れたんですか先輩? そんな事ありませんよね? 初めて私達がデートした時に、琥珀先輩が強引に私を……きゃーっ!!」
麗紗は黄色い悲鳴を上げて手で赤くなった顔を覆い隠す。
えっ……あの時私麗紗になんかした?
特に何かした覚えはないよ!
ていうか同性同士なのに子供ってどういう事?
そう私が困惑していると、麗紗はさらに言葉を重ね。
「え、えへへ……今思えばもうあの時には私と琥珀先輩は結ばれていたんですね……挙式はいつにしましょうか……あっその前に結納ですね。私としたことが手順を間違えてしまいました……まあそれはそれとして大事なのは子供の名前です! あと教育方針も決めないといけませんね! 親としての役目を果たすのは当然です! 私達の幸せの結晶なのですから幸せに生きて欲しいです! そして琥珀先輩のような素敵な人と出会ってほしいです! おっと話が少し逸れちゃいましたね。で、名前どうしますか? 琥珀先輩?」
「え……いや……その……」
どうしますって言われても……。
話が飛躍し過ぎて全然付いていけないよ!
あと麗紗の中の私はどんだけ関係進んでるんだよ!
私の中では精々進んでも親友クラスの先輩後輩の関係なんだけど!?
いつもながら麗紗の暴走っぷりに引いてると、タイミングよく店員さんがパンケーキを持ってきた。
私は天の助けだと思って麗紗に言う。
「あっ、パンケーキ来たよ! その話は後にして先に食べようよ!」
「……それもそうですね。今度ゆっくり話しましょうね琥珀先輩♪ いただきま~す!」
麗紗は私の言葉に納得して美味しそうなパンケーキを頬張った。
よし……やり過ごせたぞ……。
なんて空気が読める店員さんなのだろう。
あとでこの店のガーグルの評価星5付けとこ。
私はそう決意してフォークを手に取り、パンケーキを見つめる。
パンケーキは分厚く二段重ねで、天辺に美味しそうな生クリームとバターが乗っている。
シロップがふんだんに掛けられていて、パンケーキの脇にはカラフルな果物のピューレが華やかさを出していた。
絵になるパンケーキだ。でも写真を撮る暇がもったいない。
私はナイフでパンケーキを切ってフォークで突き刺し、口に運んだ。
まずはクリームも何も付いてない所から食べてみる。
……なにこのふわっふわな食感。
雲でも食べてるみたいだ。
口当たりがなめらかで上品な甘さがある。
これは美味しい。
「めっちゃ美味しい……」
「そうですね……! ああ~。お家でこの味が出せれば……!」
私達はパンケーキの美味しさに心を打たれた。
そうだ、クリームとかも付けてみよう。
……クリームがパンケーキの上品さを引き立ててくる。
こんなの毎日食べても飽きない。
そうして私達はバターやピューレで味を変えて楽しみながらパンケーキを夢中で食べ終えた。
「もっと食べたいですね、琥珀先輩♪」
「そうだね……! でもこの位にしておかないとお腹が……ああ……!」
「琥珀先輩はスリムじゃないですか~」
「いやいやそんな事ないって~。それより、あとどこか行きたい所ある?」
パンケーキの余韻に浸りながら私は麗紗にそう聞いた。
今は四時。あと一回くらいなら何かのアトラクションに乗れそうだ。
麗紗は少し考え込んでからちょっと遠慮がちにこう言った。
「じゃあ最後に一つだけ……観覧車に乗りたいです」
「わかった。行こう」
観覧車か……一番最後にいいアトラクションかもしれない。
私達は会計を済ませてすぐに観覧車へと向かった。
本当に長かった……。
「いざ入るとなると怖いですね琥珀先輩……」
「そうだねー」
恐怖の象徴みたいな子がなんか言ってる。
幽霊なんかより麗紗の方がよっぽど怖い。
……ここでも全く怖さを感じないかもしれないな。
なんかもうやだ……。
私はひどい疲労を感じつつも麗紗と一緒にお化け屋敷の中へと入った。
*
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「琥珀せんぱぁ~い! こわかったですぅ~!」
「はいはい怖かったねー」
お化けの巣窟から脱出した後も、半泣きで私に抱き着いて離れない麗紗。
私? 何も怖くなかった。
人気なだけあって仕掛けとか色々と作り込まれてたけど所詮私の敵じゃなかった。
こういう所では私無敵かもしれない。
麗紗はめっちゃ怖がってたけど。
何で自分の腕引きちぎるような子が仕掛けも何も無い所でも悲鳴上げる位ビビりなのか不思議だ。
麗紗はこういうのが弱点なのね……。
覚えておこう……自分の身を守る為にも。
「琥珀先輩……ちょっとそこのパンケーキ屋さんで休憩しませんか……体の震えがとまらないんですよ……」
「いいね! 行こっか!」
「あ、ありがとうございます……」
ぱ、パンケーキだと……。
ちょうど死ぬ程疲れてた所だったから超助かる。
すぐさま私達はそのパンケーキ屋に入った。
店内は落ち着いていて、それなりに客が入っており
いい匂いがぷんぷんと漂っていた。
「もう既に美味しそう……」
「匂いだけでもこの破壊力……凄いですね……」
私達は席に座りながらそんな事を話す。
そして麗紗がメニュー表を私の方に向けて私に聞いた。
「琥珀先輩、どれにしますか?」
「うーん……とりあえず無難にパンケーキにしようかな……」
「じゃあ私もそれにします。ボタン押しますね」
麗紗が呼び出しボタンを押して店員さんを呼び、パンケーキを二人分注文する。
ていうかここはメニューがそんなに多くない。
その分一つのメニューにこだわっているんだろう。
パンケーキを待つ間ぼんやりそんな事を考えていると、麗紗がふと何かに気が付いたような顔をして私にこう言った。
「あっ、そうだ! 琥珀先輩、私今スイーツで思い出したんですけど……私達の……その……子供の名前、何にします……?」
「えっ……? な、何の話?」
「まさか忘れたんですか先輩? そんな事ありませんよね? 初めて私達がデートした時に、琥珀先輩が強引に私を……きゃーっ!!」
麗紗は黄色い悲鳴を上げて手で赤くなった顔を覆い隠す。
えっ……あの時私麗紗になんかした?
特に何かした覚えはないよ!
ていうか同性同士なのに子供ってどういう事?
そう私が困惑していると、麗紗はさらに言葉を重ね。
「え、えへへ……今思えばもうあの時には私と琥珀先輩は結ばれていたんですね……挙式はいつにしましょうか……あっその前に結納ですね。私としたことが手順を間違えてしまいました……まあそれはそれとして大事なのは子供の名前です! あと教育方針も決めないといけませんね! 親としての役目を果たすのは当然です! 私達の幸せの結晶なのですから幸せに生きて欲しいです! そして琥珀先輩のような素敵な人と出会ってほしいです! おっと話が少し逸れちゃいましたね。で、名前どうしますか? 琥珀先輩?」
「え……いや……その……」
どうしますって言われても……。
話が飛躍し過ぎて全然付いていけないよ!
あと麗紗の中の私はどんだけ関係進んでるんだよ!
私の中では精々進んでも親友クラスの先輩後輩の関係なんだけど!?
いつもながら麗紗の暴走っぷりに引いてると、タイミングよく店員さんがパンケーキを持ってきた。
私は天の助けだと思って麗紗に言う。
「あっ、パンケーキ来たよ! その話は後にして先に食べようよ!」
「……それもそうですね。今度ゆっくり話しましょうね琥珀先輩♪ いただきま~す!」
麗紗は私の言葉に納得して美味しそうなパンケーキを頬張った。
よし……やり過ごせたぞ……。
なんて空気が読める店員さんなのだろう。
あとでこの店のガーグルの評価星5付けとこ。
私はそう決意してフォークを手に取り、パンケーキを見つめる。
パンケーキは分厚く二段重ねで、天辺に美味しそうな生クリームとバターが乗っている。
シロップがふんだんに掛けられていて、パンケーキの脇にはカラフルな果物のピューレが華やかさを出していた。
絵になるパンケーキだ。でも写真を撮る暇がもったいない。
私はナイフでパンケーキを切ってフォークで突き刺し、口に運んだ。
まずはクリームも何も付いてない所から食べてみる。
……なにこのふわっふわな食感。
雲でも食べてるみたいだ。
口当たりがなめらかで上品な甘さがある。
これは美味しい。
「めっちゃ美味しい……」
「そうですね……! ああ~。お家でこの味が出せれば……!」
私達はパンケーキの美味しさに心を打たれた。
そうだ、クリームとかも付けてみよう。
……クリームがパンケーキの上品さを引き立ててくる。
こんなの毎日食べても飽きない。
そうして私達はバターやピューレで味を変えて楽しみながらパンケーキを夢中で食べ終えた。
「もっと食べたいですね、琥珀先輩♪」
「そうだね……! でもこの位にしておかないとお腹が……ああ……!」
「琥珀先輩はスリムじゃないですか~」
「いやいやそんな事ないって~。それより、あとどこか行きたい所ある?」
パンケーキの余韻に浸りながら私は麗紗にそう聞いた。
今は四時。あと一回くらいなら何かのアトラクションに乗れそうだ。
麗紗は少し考え込んでからちょっと遠慮がちにこう言った。
「じゃあ最後に一つだけ……観覧車に乗りたいです」
「わかった。行こう」
観覧車か……一番最後にいいアトラクションかもしれない。
私達は会計を済ませてすぐに観覧車へと向かった。
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