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第四章 プレゼントですよ先輩!
楽しみに待っていてくださいね、琥珀先輩♪
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「あっ確かに……もう来月かあ……」
私は麗紗に言われて初めて誕生日の存在を思い出した。
今まで完全に忘れてた。
歳を取れば取る程どうでもよくなってくるのが自分の誕生日だよね。
推しの誕生日はかなりとてもすごく大事で尊いけど。
「まさか忘れていたんですか琥珀先輩? 7月9日ですよ?」
「いや……正直どうでもよかったし……麗紗も別に祝わなくていいよ」
「嫌です! 私は琥珀先輩の誕生日祝いたいです! 誕生日が人生で一番楽しい日になってほしいんです!
まあ私が毎日楽しくしますけど!」
ぷりぷり怒りながらそう私に断言する麗紗。
確かに、麗紗と知り合ってから退屈はしてないけどさ……。
「誕生日プレゼントは何にしましょうか? 私にします? 私にします? それとも私にしますか?」
「選択肢ないじゃん……」
「うふふっ、冗談ですよ! 私はもう琥珀先輩のモノなんですから~!」
麗紗はそう言って私にしなだれかかった。
……どっちにしろ選択肢が無い!
これで迷う心配はないね! あははははっ!
「それで琥珀先輩、何か欲しいものとかありますか?」
「うーん……今特に無いんだよなあ……」
推しのグッズは今出てる分全部買っちゃったし、他に何か欲しいものがあるわけではない。
……いや待てよ。
「……強いて言うなら、平和が欲しいな」
「なるほど! 分かりました!」
「え? いや冗談だからね?」
「そうでしたか……でも私平和くらいなら作れますよぉ?」
乱調の体現者がなんか言ってる。
この様子だと全人類滅ぼして『これで平和になりましたね!』とか本当にやりかねないから怖い。
それが出来るだけの力を持ってるんだよなぁ、この子。
「うん作らなくていいからやめてね?」
「はーい……では他に何か欲しいものを言ってください。私琥珀先輩のためなら何でも手に入れてみせますよ!」
「ええ……どうしよう……」
意外と欲しいものって思い付かないな。
ていうか私としては気持ちだけで十分嬉しいんだけど……。
「麗紗がくれるものなら、何でも嬉しいよ」
「本当ですか!? ふへへ……うれしいです……」
「でも限度はあるからね? あんまり高いものとかは返せないから駄目だよ……って聞いてる?」
顔をスライムのように緩ませている麗紗。
人間はこんなにも緩んだ顔ができるのか……。
私は粘液と化した麗紗にそう感心した。
*
*
*
〇月×日
もうすぐ、私の琥珀先輩の誕生日がやってきます。
最高です至高です感動です尊いです感無量です!
今の私があるのは全て琥珀先輩のお蔭なんです!
暗い所に居た私に光を見せてくれたのは琥珀先輩なんです!
だから当然人類総出で祝わなければいけませんよね!
琥珀先輩の誕生日を!
そこらの愚民はクリスマスだとか正月だとかを神聖な日としていますがそれは間違いです!
あんなものはしょせんただの平日なんです!
琥珀先輩の誕生日こそがもっとも重要で神聖で荘厳で尊い日なんです!
祝福し深く称えるべき日はそれだけなんです!
まあ休日が増えて琥珀先輩と一緒に居られるなら琥珀先輩の誕生日以外の祝日の存在を許してもいいでしょう!
それにしてもなぜ私は琥珀先輩と同じ日に生まれてこなかったんでしょう!?
神様がいるとするならばいじわるにも程があります!
琥珀先輩を生み出して下さったので感謝しかありませんが!
どうして同じ日に産んで下さらなかったんですか!
そもそも私と琥珀先輩が十数年もの間出会えていなかったのが悪意に満ちています!
生まれたその瞬間から琥珀先輩と一緒に居たかったです!
この世は理不尽極まりないです!
……おっと、どうしようもない事を延々と言っていてもしょうがないです。
今は琥珀先輩へのプレゼントを考えましょう。
推しのグッズはもう揃えていますし、服やアクセサリーは興味が無いみたいです。
現金を直接渡すのは絶対に無いですし……やっぱり土地ですかね……。
いや、別荘も捨てがたいです。旅行という手もありますし。
うーんどうすれば……。
琥珀先輩に聞いても、特に欲しいものが無いと言っていましたし……。
本当に欲のない人です。
そういう所も大好きなんですけどね!
でもどうしましょう……。
琥珀先輩の喜ぶ顔が見たいんです。
大好きな人の、一番綺麗で美しくて可愛い顔を。
どうすれば、外れが無いんでしょうか。
何なら、琥珀先輩を喜ばせられるんでしょうか。
――そうだ!
閃きました!
もういっそ琥珀先輩にはすべてを差し上げましょう!
これなら絶対に喜んでくれますよね!
決定です! これ以上のプレゼントは無いでしょう!
――そのためには、まず私が手に入れないと、いけませんね。
まだ時間はあります。
それまで楽しみに待っていてくださいね、琥珀先輩♪
私は麗紗に言われて初めて誕生日の存在を思い出した。
今まで完全に忘れてた。
歳を取れば取る程どうでもよくなってくるのが自分の誕生日だよね。
推しの誕生日はかなりとてもすごく大事で尊いけど。
「まさか忘れていたんですか琥珀先輩? 7月9日ですよ?」
「いや……正直どうでもよかったし……麗紗も別に祝わなくていいよ」
「嫌です! 私は琥珀先輩の誕生日祝いたいです! 誕生日が人生で一番楽しい日になってほしいんです!
まあ私が毎日楽しくしますけど!」
ぷりぷり怒りながらそう私に断言する麗紗。
確かに、麗紗と知り合ってから退屈はしてないけどさ……。
「誕生日プレゼントは何にしましょうか? 私にします? 私にします? それとも私にしますか?」
「選択肢ないじゃん……」
「うふふっ、冗談ですよ! 私はもう琥珀先輩のモノなんですから~!」
麗紗はそう言って私にしなだれかかった。
……どっちにしろ選択肢が無い!
これで迷う心配はないね! あははははっ!
「それで琥珀先輩、何か欲しいものとかありますか?」
「うーん……今特に無いんだよなあ……」
推しのグッズは今出てる分全部買っちゃったし、他に何か欲しいものがあるわけではない。
……いや待てよ。
「……強いて言うなら、平和が欲しいな」
「なるほど! 分かりました!」
「え? いや冗談だからね?」
「そうでしたか……でも私平和くらいなら作れますよぉ?」
乱調の体現者がなんか言ってる。
この様子だと全人類滅ぼして『これで平和になりましたね!』とか本当にやりかねないから怖い。
それが出来るだけの力を持ってるんだよなぁ、この子。
「うん作らなくていいからやめてね?」
「はーい……では他に何か欲しいものを言ってください。私琥珀先輩のためなら何でも手に入れてみせますよ!」
「ええ……どうしよう……」
意外と欲しいものって思い付かないな。
ていうか私としては気持ちだけで十分嬉しいんだけど……。
「麗紗がくれるものなら、何でも嬉しいよ」
「本当ですか!? ふへへ……うれしいです……」
「でも限度はあるからね? あんまり高いものとかは返せないから駄目だよ……って聞いてる?」
顔をスライムのように緩ませている麗紗。
人間はこんなにも緩んだ顔ができるのか……。
私は粘液と化した麗紗にそう感心した。
*
*
*
〇月×日
もうすぐ、私の琥珀先輩の誕生日がやってきます。
最高です至高です感動です尊いです感無量です!
今の私があるのは全て琥珀先輩のお蔭なんです!
暗い所に居た私に光を見せてくれたのは琥珀先輩なんです!
だから当然人類総出で祝わなければいけませんよね!
琥珀先輩の誕生日を!
そこらの愚民はクリスマスだとか正月だとかを神聖な日としていますがそれは間違いです!
あんなものはしょせんただの平日なんです!
琥珀先輩の誕生日こそがもっとも重要で神聖で荘厳で尊い日なんです!
祝福し深く称えるべき日はそれだけなんです!
まあ休日が増えて琥珀先輩と一緒に居られるなら琥珀先輩の誕生日以外の祝日の存在を許してもいいでしょう!
それにしてもなぜ私は琥珀先輩と同じ日に生まれてこなかったんでしょう!?
神様がいるとするならばいじわるにも程があります!
琥珀先輩を生み出して下さったので感謝しかありませんが!
どうして同じ日に産んで下さらなかったんですか!
そもそも私と琥珀先輩が十数年もの間出会えていなかったのが悪意に満ちています!
生まれたその瞬間から琥珀先輩と一緒に居たかったです!
この世は理不尽極まりないです!
……おっと、どうしようもない事を延々と言っていてもしょうがないです。
今は琥珀先輩へのプレゼントを考えましょう。
推しのグッズはもう揃えていますし、服やアクセサリーは興味が無いみたいです。
現金を直接渡すのは絶対に無いですし……やっぱり土地ですかね……。
いや、別荘も捨てがたいです。旅行という手もありますし。
うーんどうすれば……。
琥珀先輩に聞いても、特に欲しいものが無いと言っていましたし……。
本当に欲のない人です。
そういう所も大好きなんですけどね!
でもどうしましょう……。
琥珀先輩の喜ぶ顔が見たいんです。
大好きな人の、一番綺麗で美しくて可愛い顔を。
どうすれば、外れが無いんでしょうか。
何なら、琥珀先輩を喜ばせられるんでしょうか。
――そうだ!
閃きました!
もういっそ琥珀先輩にはすべてを差し上げましょう!
これなら絶対に喜んでくれますよね!
決定です! これ以上のプレゼントは無いでしょう!
――そのためには、まず私が手に入れないと、いけませんね。
まだ時間はあります。
それまで楽しみに待っていてくださいね、琥珀先輩♪
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