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フササ
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根っこをなくしたフササは喉がかわいて、何度も意識をもうろうとさせました。
それでもあきらめず、立ち止まることなく、砂浜を目指しました。
鳥たちが池から調達した水を懸命にフササの身体にかけて応援しました。
「頑張れ、フササ」
キツネが隣でフササを見上げながら励まします。
「うん、大丈夫だよ。ありがとう」
「頑張るんだ、フササ」
普段ほとんど声を出さないチーターが先導しながらフササを応援しました。
「ありがとう、チーター。たくさんルカをいろんなところに連れていってくれてありがとう」
チーターはとんでもない、と首を振りました。
「頑張れ。頑張れ。頑張るんだ、フササ」
マントヒヒは泣いていました。
フササは大きな葉っぱでマントヒヒを優しく包みました。
「泣かないで、大丈夫。ありがとう。泣かないで」
やがてフササは砂浜にたどり着きました。
フササの目は極度の疲労からもうほとんど見えなくなっていました。それでも、フササは目の前に広がる果てしない水のかたまりに心を奪われました。
「これが、海か」
この海の遠く遠く向こうのほうからルカはこの森へやって来ました。
その方向をフササはずっと見ていました。
ずっとずっと、見ていました。
フササはやがて枯れてしまいました。
フササは枯れても倒れずに、そのままルカが来たほうを向いてずっと立っていました。
それでもあきらめず、立ち止まることなく、砂浜を目指しました。
鳥たちが池から調達した水を懸命にフササの身体にかけて応援しました。
「頑張れ、フササ」
キツネが隣でフササを見上げながら励まします。
「うん、大丈夫だよ。ありがとう」
「頑張るんだ、フササ」
普段ほとんど声を出さないチーターが先導しながらフササを応援しました。
「ありがとう、チーター。たくさんルカをいろんなところに連れていってくれてありがとう」
チーターはとんでもない、と首を振りました。
「頑張れ。頑張れ。頑張るんだ、フササ」
マントヒヒは泣いていました。
フササは大きな葉っぱでマントヒヒを優しく包みました。
「泣かないで、大丈夫。ありがとう。泣かないで」
やがてフササは砂浜にたどり着きました。
フササの目は極度の疲労からもうほとんど見えなくなっていました。それでも、フササは目の前に広がる果てしない水のかたまりに心を奪われました。
「これが、海か」
この海の遠く遠く向こうのほうからルカはこの森へやって来ました。
その方向をフササはずっと見ていました。
ずっとずっと、見ていました。
フササはやがて枯れてしまいました。
フササは枯れても倒れずに、そのままルカが来たほうを向いてずっと立っていました。
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