〇〇、とやらをされたらしくて

蓮ヶ崎 漣

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番外編

カナエールの学生時代 チーム対抗戦(1/2)

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 チーム対抗戦の内容は一対一の試合形式だった。

先に三勝した方の勝ち。

ただし、最初から五人揃っていないと試合は出来ない挙句に試合放棄と見なし即退学。

五人揃っている場合の降参は認められている。

一応、この進級試験は全てのチームと戦うことが条件なので退学にならない限り戦うことは可能だ。

でも、僕たちは勝ち負けよりも大変な問題に遭遇していた。


「がっはっはっ!盲点だったな!先に三勝した方が勝ちと言うことは出た三人だけで勝ったらベッドが使えるのは誰になるのだ?」


「まぁ、その三人は確定よね。問題は出てない二人。活躍順なのに活躍する間もなく終わるんだから選びようがないし……」



そう。

ベッドの争奪戦だ。



みんなで頭を悩ましているとミサが提案する。


「なら、こうしよう。女は必ず一から三までにどちらかが出る。後はベッドで寝むれなかった者も必ず一から三までに出る。残った二人のどちらかが出る。だから、今回の場合は必ずカナエールは一から三までに試合をする。そして、私かアイリスが一から三までに試合をする。残りはロキとヴォルスだからそのどちらかが一から三までに試合に出れば公平だろう?こうすれば出た三人が勝っても出てない一人が床で寝れば問題ない」


「確かにそれなら今日は良いかも知れないけどもし、ベッドで寝られなかったのがアイリスかミサだった場合はどうするんだい?」


「その場合は、男組の方で一番ベッドを使っている奴を外せば良い」


「……じゃあ、それが仮にヴォルスを一人目として残りのもう一人を決めるとき、僕とロキは全く同じ回数べッドを使っていたら?」


「そ、それは……」


「……カナエール。ミサをあまり困らせてやるんじゃない。それこそ活躍順で良いだろう。ちゃんと誰が誰と戦ってどれくらいで勝ったかデータを付けておくからね。誰が一番活躍しているか分かるよ」


「うん。ごめん。ミサが得意げに話すからつい……」


ミサは半泣きをしながら僕をポカポカと叩く。

かなり意地悪な質問をしたらしい。


「ごめん、ミサ。ミサの案は良い案だね。みんなすぐ納得出来たからすごい」


「そ、そうか?」


僕が素直にミサを褒めるとミサは叩いていた手を止めて照れ出す。

するとロキが口を開く。


「さて、それじゃあ、順番を決めるか。男組からはカナエールとヴォルスを出そう。昨日実際に負けたのはヴォルスだからね。女からは?」


「あたし!」


「アイリスだ」


「じゃあ、その三人で順番を決めよう」


そんな話をしていると相手チームが何やらボソボソ言っていた。


「ベッド争奪戦とか馬鹿かよ」


「アイツら、俺たち相手に三連勝する気だぜ?」


「ははっ!トップとか言われてるけど案外バカの集まりなんじゃないか?」


「ご丁寧に誰が出るか教えてくれてるしな」


「しかも、女までいるぜ?こりゃあ、楽勝だな」


僕が顔をしかめているとロキが間に入って遮る。

でも、声が聞こえなくなった訳じゃない。


「カナエール。何を言われても気にしなくて良い。俺たちは俺のたちのやり方がある。痛い目を見るのはあっちだ。言わせておけ」


「……うん」


対戦相手は僕たちが小声で話し出しても馬鹿にするのを止めなかった。

お互いに順番が決まり教師が口を開く。


「これより第一試合を始める。両者前へ」


僕たちのチームからはアイリスが出る。

相手のチームはチームリーダーらしい。


「お!リーダーラッキーじゃん!相手は女だ!すぐ決着付けちゃえよ!」


「いやいや、ここは戦わずして勝ってこそだろ?ってことだからさー、降参してくんね?」


アイリスはにっこり微笑むと口を開く。


「嫌。あんたがチームリーダーなの?随分頭が悪そう。女女って馬鹿にしていると痛い目見るよ」


「はっ!威勢だけは良いな!」


その言葉にロキが口を開く。


「アイリス。遊んでやると良い。思う存分、ね」


その言葉にアイリスはグッと親指を突き立てる。


「了解!遊べば良いんだね?」


アイリスの言葉にロキは頷く。

そして、アイリスの試合が始まった。

結果はアイリスの圧勝。

嘘だ、こんなはずじゃ、と言っているチームリーダーにアイリスは口を開いた。


「もう終わりなの?あたし全然遊び足りなーい!実力の一〇%も出してないよ?つまんないなー!」


アイリスの言葉にチームリーダーだけではなくチームメンバーまでもが驚く。

だが、僕たちはアイリスの言葉に嘘偽りがないことを知っている。

アイリスが本気を出せばチームリーダーは永眠させられていただろう。

だから、ロキはアイリスに遊べと言ったのだ。

ロキの遊べとはすなわち、本気を出すなと言う意味である。

続くヴォルスにも同じことを言っていた。

そして、ヴォルスは一発パンチを入れただけで相手が降参する。

そのせいでヴォルスは暴れ出した。


「何故だ!?我と最後まで試合しようぞ!我は物足りん!降参など認めんぞ!」


「ひ、ひぃぃぃぃっ!!」


「ヴォルス、終わり。相手に戦う意思はもうない」


僕がそう言うとヴォルスは納得がいかないように地団駄を踏む。


「しかし!我は!まだ試合がしたいのだ!あまりに呆気ないではないか!」


その言葉に困っているとロキが笑顔で口を開く。

決して笑っている訳でない。


「ヴォルス。ハウス、と言った方が良いのかな?」


ヴォルスはぶんぶんと顔を横に振る。


「じゃあ、早く降りて戻ってくるね?」


「わ、分かった!」


ヴォルスは慌ててロキの元に行く。

次の試合は僕なので今度は僕が上がる。


「カナエール!」


ロキの声に振り向くとロキは前の二人と変わらず遊んで来いと言った。

僕はそれに片手を上げて答える。

相手は気の強そうな影のリーダー的な感じだった。


「ふん。調子に乗るなよ。アイツらは口先ばっかりで実力は皆無なんだ。アイツらに勝ったからって何の自慢にもなんねぇぜ」


「……弱い犬ほどよく吠える」


「んだと!?獣人ビースト型の中でも俺は強者と呼ばれてるんだぞ!その俺が弱いだと!?」


「戦えば分かるよ。後、獣人ビースト型が馬鹿に聞こえるから止めて」


僕のその言葉にさらに怒ったらしい。

教師の開始と言う言葉と当時に獣の姿で突進してくる。


「うおぉらぁぁぁぁっ!!」


その姿は闘牛。

避けようと思ったが僕の後ろにはアイリスたちがいたので避けるのを止めて受け止めた。


「なっ!?この俺が力で負けるはずねぇっ!!」


「……でも、実際押さえている。片手で」


「片手、だと!?」


それを確認しようと顔を上げた瞬間に相手チーム側にぶん投げる。

対戦相手は場外になり相手チームは闘牛によって全員押し潰された。

勝敗は決したので降りようとしたら対戦相手が叫ぶ。


「待てぇぇぇぇえっ!俺はまだ負けてねぇっ!!」


「……場外。負けじゃないの?」


僕がそう聞くと教師が答える。


「体のどの部分も地面についていない。よって、場外ではない」


それを聞いて思わず笑ってしまった。


「はっ!ふふっ、じゃあ、もう少し遊ぼうかな」


「な、嘗めてんじゃねぇよ!!」


そう言って突進してくる。

僕は後ろには誰もいなかったので今度は避けた。

そして、そのままの勢いで今度こそ場外になる。

初戦は僕たちの三連勝で終わった。

これで今日の床はロキに決定する。

その後、チーム対抗戦は一日一回戦のみと言われたので僕たちは自分たちの控室に戻った。

そこで今日のミーティングを始める。


「何か吠えていた割には案外あっさりと終わったね?まぁ、アイリスもカナエールも良くやったよ。ヴォルスは少しやんちゃが過ぎたな。次、あんな下らない騒ぎを起こしたらベッドが使えなくなると思うと良いよ」


「う、うむ……今日はロキが床だな!カナエール!床での寝心地はどうだったのだ!?」


「僕は床で寝ていない。ソファーで寝たから、床での寝心地なんて分からない」


僕の回答にみんなが笑う。

その顔に少し安心した。


「……どうして笑うの?」


「あははっ!いや、悪い。カナエールらしい回答だと思ったんだ」


「うふふっ、そうなの。ミサの言う通り、ヴォルスは助けを求める相手を間違えたんだよ」


「……?ミサとアイリスの言葉の意味がよく分からない」


「ははっ!つまり、だ。ヴォルスはこれ以上俺に怒られたくなくてカナエールに助けてもらおうと話を床で寝た話を振ったがカナエールは別に床で寝る必要はないだろ、とバッサリ切った訳だよ。そうか、ソファーがあったね。俺も今日はそこで寝よう。これで硬くて冷たい床に寝なくて良くなった」


「そう。良かったね。ロキ」


そのままみんなは違う話になって盛り上がる。

僕は昨日の夜のことを話そうか悩み止めた。

いざとなれば僕が寝ないで見張れば良いだけことだ。

みんなには余計な心配をかけたくない。

そして、僕たちには何もないまま二週間が過ぎた。
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