魔法学園問題児科

蓮ヶ崎 漣

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プロローグ

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 この世界では私生活程度の魔法なら誰でも使える。

生まれた時から魔力があるからだ。

そして、ここは魔法学校。

全校生徒男女合わせて五十人と言う少ないのか多いのかわからない学校だ。

何故、私生活に必要な魔法は誰でも使えるのに魔法学校が存在するのか……

この学校は生まれた時に魔力を持ち過ぎた者たちが通う言わば魔力を制御する学校なのだ。

普通なら魔力封じのブレスレットやらピアスやらを付ければ問題ないのだがここに通う生徒はそれすら壊すほどの多大な魔力の持ち主である。

もちろん、自分の能力を上げるために通っている生徒もいるが。

私の在籍するクラスは通称『問題児科』。

たった四人の少人数クラスだが名前の通り、問題児しかいないクラスである。

私たちが問題児なのには当然理由がある。


一つ、ただでさえ、多大な魔力を持っている他の生徒よりもそれをさらに上回る魔力を持っているからである。
私たちのような生徒は十年に一度生まれてくるらしい。

二つ、後先考えず魔法を使うからである。
そのため、周りに多大なる迷惑をかける。

三つ、これが一番の理由であろう。
将来の夢が『人間界に行き、そこで暮らすこと』である。


人間界に行くことは許されているがそこで暮らすことまでは当然ながら許されていない。

何故なら、私たちは魔法を使う生活に慣れてしまっているからだ。

もし、人間界で魔法を使えることが知られればたちまち捕まり色んな実験体にされかねない。

それを案じた決まりである。

それを破ろうとする私たちは異端者の集まりと言えるだろう。

学校側はそれを阻止するべくこのクラスを設立。

制御はさせるが能力も上げさせあわよくば将来の夢を変えさせようと言う魂胆だ。

そんな中で私たちは夢を実現させるために日々奮闘しつつ、魔力制御に勤しんでいるのであった――――
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