私、これからいきます。

蓮ヶ崎 漣

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クリスマスパーティー①

もうすぐ世の中はクリスマス。
外はクリスマス一色に染まっている。
大虎くんたちはイブにクリスマスパーティーをやるらしく私もお呼ばれしたのだがこの時期はお盆に負けず劣らずの繁忙期。
泣く泣く断った。
 
「はぁ~……」
 
思わず深いため息を漏らすと聖来が話しかけてくる。
 
「何?どうしたの?また年下彼氏くん?」
 
あの件以降、聖来は大虎くんのことが気に入らなくなったらしくやたら攻撃的になった。
大虎くんもできるならあまり関わりたくないと言っていたしその理由をどちらに聞いても教えてくれない。
聖来はいつも私のために色々と親身になって相談に乗ってくれたりアドバイスをくれる大事な友達の一人なので二人の仲が悪いと少しだけ悲しい気持ちなる。
 
「んー……ちょっと違うかしら?確かに大虎くん関係だけれど」
 
「え?どういうこと?」
 
「イブにいつものお友達の三人でクリスマスパーティーを開くんですって。私もお呼ばれしたんだけど……この忙しさでしょ?行けそうにないから断ったんだけど……クリスマスパーティー良いなぁって思って」
 
「え!クリスマスパーティーとかあたしも参加したい!若い子たちは忙しそうじゃなくて羨ましいわ」
 
「何だか懐かしいわよね。数年前までは私たちもそんな感じだったもの」
 
「確かに……みんなでワーワー騒いでお店の人に怒られたり!」
 
「あぁ……あったわね。そんなことも」
 
「あー!クリスマスパーティーって聞いたらあたしもしたくなってきた!ねぇ、莉恵。頑張って二人で仕事終わらせて参加しましょうよ!」
 
「え?それは別に良いけれど……聖来は良いの?大虎くんもいるのよ?」
 
「この際、それは我慢するわ!だから、お願い!私も参加できるように頼んでよ、莉恵」
 
「うーん……分かったわ。聞いてみるわね」
 
「ありがとう!じゃあ、さっさと仕事終わらせましょ!」
 
何とか今日の分の仕事は定時までに片付け家に帰ると大虎くんがいた。
 
「あ。お帰り、莉恵さん。早かったね」
 
「あ!大虎くん!ちょうど良かった!お願いがあるんだけど……」
 
「え?何?」
 
私は大虎くんにやっぱり、クリスマスパーティーに参加したいことと聖来も呼びたいことを話す。
すると大虎くんは考え込んでしまった。
しばらくすると大虎くんが口を開く。
 
「……えっと、参加するのはもちろんいいんだけど……永江さんの件は俺だけじゃ決定権はないかな。美琴と泰仁にも聞いてみないと」
 
「……そうよね。分かったわ。ちなみになんだけど……大虎くんはやっぱり聖来が参加することには反対?」
 
「え?なんで?」
 
「……だって、聖来のこと良く思っていないでしょう?嫌なら嫌っていってくれて良いのよ?」
 
私がそういうと大虎くんはにっこり微笑んだ。
 
「うん。そうだね。良く思ってないし嫌だって思ってるよ。だって、俺、莉恵さんと違って永江さんのこと全然何も知らないし上辺しか見てないから悪い印象しかないんだよね。でもそれって永江さんも同じでしょ?よく知りもしないくせに最初から嫌い近寄らないでって態度を取られたら俺だって嫌になるよ。それにあの人、すぐ俺が浮気してるだのなんだの言ってくるでしょ?それで莉恵さんと何度喧嘩になったと思ってるの?どうしてそんな人を嫌いにならないかを俺は逆に知りたいけど」
 
その言葉に私は俯く。
 
「(大虎くん、やっぱり聖来のこと嫌いなのね……じゃあ、やっぱり、聖来と一緒にパーティーはできそうにないわよね……)」
 
私はやっぱり、行かないと口を開こうとすると先に大虎くんが口を開く。
 
「でも、永江さんに来てほしくないとも思ってないよ」
 
「え?」
 
その言葉に驚き思わず聞き返した。
 
「別に永江さんがパーティーに来たいなら来れば?って感じ。つまり、俺は莉恵さんがいればほかはどうでもいいの。永江さんがいようがいまいがどうでもいい訳。よくいうでしょ?好きの反対は嫌いじゃなくて無関心って。俺が永江さんに対する感情は正にそれ。無関心。だから、莉恵さんが永江さんを呼んでほしいなら美琴たちを説得してあげる」
 
大虎くんはそういうと私の頭を撫でながら優しく微笑んで聞いてくる。
 
「で?どうしたいの?」
 
私は大虎くんをじっと見て口を開いた。
 
「うん。お願い。大虎くんたちとも聖来とも一緒にクリスマスパーティーやりたいの」
 
その言葉に大虎くんがうなづき、すぐに電話をかける。
電話の相手はすぐに出たみたいで普通に話し始める大虎くん。
けれど、少し話すと五分足らずで分かったといって電話を切ってしまった。
私は恐る恐る大虎くんに尋ねる。
 
「あ、あの……やっぱり、だめだった?」
 
「いや?泰仁には許可取ったよ」
 
「えっ!?それらしいこと一言も言ってなかったわよ!?」
 
それどころかパーティーの話をしていたのかさえ怪しいところだ。
 
「例の件、人数増える、OK?って感じでOKだったけど?」
 
「そ、それちゃんと伝わっているの!?」
 
「泰仁にはこんなんで大丈夫大丈夫。問題は美琴だから。美琴には明日聞いてくるよ」
 
「……分かったわ」
 
どこかやっぱり納得いかないけれど大虎くんを信じることにする。
翌日。
私が仕事をしているとメッセージが届いた。
差出人は大虎くんで慌てて内容を確認すると永江さん参加OKと書かれている。
私はすぐに聖来に報告をした。
 
「聖来!参加OKですって!今、大虎くんから返事来たの!」
 
「ホント!?じゃあ、もう本気で仕事頑張りましょ!」
 
「えぇ!」
 
聖来と二人で気合を入れ直し仕事をこなす。
そして、何とかギリギリクリスマスパーティー前日には受け持っていた仕事をすべて終え聖来と二人で休みを取ることが出来た。
仕事を終えて急いで家に帰り大虎くんに報告する。
 
「大虎くーん!」
 
「あ。お帰り莉恵さん。仕事無事に終わった?」
 
「うん!明日明後日とお休み取れたの!私、すごく頑張ったわ!」
 
私がそういうと大虎くんは頭を撫でてくれた。
 
「うん。お疲れ様。よく頑張ったね。そんな莉恵さんにご褒美があります」
 
「えっ!?何!?」
 
「じゃーん!」
 
そういって大虎くんは小さな箱を渡してくれたので素直に受け取る。
 
「……?これは?」
 
「開けてみて」
 
言われた通りに箱を開けるとそこには白いレースのリボンが付いた髪留めが入っていた。
 
「……これ!もしかして、MERCI!?」
 
「正解。仕事場でも付けれそうなシンプルなものを作ってきた」
 
「作ってきた!?これ、大虎くんの手作りなの!?」
 
「うん。店行って聞いたら髪留めなら俺でも簡単に作れるっていわれてじゃあ、やってみようかなって。実際、簡単だったからそれならいつでも作ってあげる」
 
「わぁ、嬉しい!可愛いし……ありがとう、大虎くん」
 
「どういたしまして」
 
改めて大虎くんにぎゅーっと抱きつくと抱き締め返してくれる。
疲れが溜まっていたのか私はそのまま意識を手放した。
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