上 下
2 / 25
Emergency call

1

しおりを挟む
    午後の陽射しが、締め切っていない窓のカーテンの隙間から射し込む。

    陽射しの僅かな温かみに刺激され、眠りが浅くなったその時、スマホの着信音が響いた。

    重い瞼を開いてディスプレイを見ると……。

    「からか……」昨日、部屋に戻ってからそのままベッドに潜り込んだので、乱れ髪に下着という格好で電話を取る。

    「はい、神埼です…………」髪を掻き上げながら相手の言葉を待った。

    「神埼君、急で悪いがだ……」

    「私、今日まではオフのはずですが?」

    「緊急だ。今日はオフだが、前回の任務ミッション明けから三日は経っているだろう?」

    「そうですけど……他のメンバーはいないんですか?」

    は答えず、「詳しくは直接話す。してくれ」

    私は、電話を切って大きな溜息を一つくとスーツに着替えてへ向かった。

    正確に一時間後、私はに到着した。

    着くとすぐ社長室に行き、部屋の前にあるインターホンを押した。

    「社長室付、神埼参りました」

    「入ってくれ」返事と同時にドアのロックが解かれ中へ進むと、社長は立ち上がって迎えてくれた。

    「休みのところ悪かったな。詳しくはあちらで話そう」そう言って、デスクの引き出しの中のキーボードに打ち込むと左手の壁が動き入り口が現れた。

    隣の部屋は窓もなく、意図的に落とされた照明のせいで薄暗い。

    

   

    
しおりを挟む

処理中です...