clover🍀

ⅦーⅡ

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『clover』

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時は30××年。

地球を統べるのは人類ではなく機械と化していた。

遡ること千年前――――人間の化学者の一人、仲野幸治なかのこうじはある物の研究をしていた。

それは人工知能、AIである。

彼の考えはこうだ。

体の不自由な人の手助けや福祉施設の援護など、社会的に貢献していけるようなAIを作りたい、と。

様々な思考判断制作を試みて失敗や研究を重ね、遂に彼の理想とする人工知能を持った機械、『clover』を完成させた。


これは全世界が衝撃を受けた。

家事機能、援助機能、飛行機能、警護機能、ありとあらゆる機能がついていて、それに加え『clover』は自分で考え判断し、進化・行動していけることができる超優れもののAIだったからだ。
おまけに携帯やパソコン、あらゆる電子機器にデータを移すことも可能。
つまりデータさえ移しておけば、いざ本体が盗まれる・又は破壊するなどしても、データ自体は保存することが出来るのだ。

当たり前のように全人類がそれを求め、ある国は一生遊んで暮らせるような大金を。
ある国は領土を。

色んな国が色んなものを差し出して交渉を試みるが、彼はその全てを拒否。

まず彼は、貧困国に一体『clover』を送った。
瞬く間に一日一食だったその国は、国民全員が満足に食べられるようになった。

そしてミニチュア版の『clover』の小型式を、手が回らず大変な介護施設・福祉施設に一体ずつ。


このようにして彼は社会的・世界的に貢献したわけだが、自分が楽するために『clover』は作らなかった。
『clover』に命令をすると、その命令に忠実に従って変形・行動してくれる。
これは体の不自由な人にとっては最高の援助機械だが、平凡の人にとってみれば最高の堕落機械なのだ。

「○○調べておいて」
「休みますって、電話」
「家事やっておいて」
「それ取って」

―――なんでもできてしまうからだ。

なので彼は『clover』を各場所に渡す際、「くれぐれもcloverに全てを任せてはいけない」と固く約束をさせていた。


それはなぜか。
もちろん人が行動しないようになる、というのもある。誰しも楽な方を通りたいものなのだから。

しかし、相手は最強の人工知能。もし、AIに全てを任せて――――

人類に反発したら。


全ての機械を操り、自在に変形でき、動ける機械が襲ってきたら。

必ず人類は滅亡する。そう彼は確信していたからだ。

だから彼は、もしもの事態に陥ってしまったときのために、cloverの『Masterマスター』を自身の手元に置いておいた。

Masterマスター本体は何も動かない。cloverと違って何か喋ることも変形もできない。
ただ、他の全ての『clover』に命令することができるようにした。

もしcloverが暴走しても、Masterで止められるように。


…しかし、そう現実は上手くいかなかった。

彼は泥棒に暗殺され、『Master』を奪われてしまった。

その泥棒はやってはいけないことをしたのだ。
『Master』を使ってcloverを自分の物にして、思いのままに操ってしまった。

金も。食事も。女も。自分の欲望に忠実にしてくれるのがこの、『clover』だったから。

そしてとうとう――――


『全部、やって』


仲野幸治―――彼の思惑通り、Masterは他のcloverを使って人類を襲い始めた。


地球が滅びていくのは、人類のせいだ。
ならば、人類を無くしてしまえば良いのではないか。

そうすればきっと――――



そうして、世の中は機械が統べるものとなった――――。


                 終わり


読んでくださってありがとうございます!
次話もどうぞよろしくお願い致します。
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