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ビッグイベント!!体育祭

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体育大会で…
※第三者目線です。
  「」←セリフ[ ]←気持ち
  基本的に、名前呼びにします。あと、女子目線多め
 クラス編成は、変わらないです。
 雄登は、別れました。(展開早すぎです笑)

 若咲第一中学校の、体育大会が2週間後に差し迫っていた。
 体育大会の、係決めがある。

「したい仕事書いてー。丸つけるだけでいいから」

 先生が言ったのと同時に、皆がペンを走らせた
 美紗は、クラスの違う晴と、一緒になれるかどうか、考えながら書いていた。
 体育大会の係は、学年合同のグループになる。
 ずっと、片想いをしてきた美紗にとっては、絶好の機会。
 同じ事を考えているのは、他にも。
 柚葉、愛琴、陽菜、俊輔、光之助、晴、雄登。
 吹奏楽部で仲が良くいつも恋バナをしている女子4人組と、恋愛に奥手で何も出来ないけど、心の中では、アピールしたいと思っている。
 そんな、8人は、一人一人恋愛の価値観が、全く違う、一人一人に、1つの色がある。
『Eight Colors』
 そんな彼らの、恋愛物語。

「なんて、書いた?」
 柚葉が、2組に来て言った。
 いつもと同じ、4人で喋っていた。
「なるかな?」
「ならなかったら、最悪じゃない?」
「確かに」
「男子って、何選んだんだろう?」
「謎すぎて、分からない」
「それな」
 その頃……
「なんて書いた?」
「俺、放送にしたんだけど、柚葉も選ぶと思うか?」
「選ぶと思うよ、あいつ放送委員だし」
 そう話していたのは、仁音雄登俊輔。
 中々のイケメンなのに、恋愛奥手すぎ。
 いわば、見掛け倒しトリオって感じ。
「そっちは?」
「俺!?」
「雄登しか、居ないだろ」
「俺は、好きとかじゃないし」
[ってか、好きってお前らに言えるわけないじゃん]

「体育大会の係、前に張ってるから見て、書いてある場所に行ってー」
 各クラスの黒板の前には、人だかりができていた。
『放送・佐々木、菅田、藤井』
『実行委員・1組、福本、檜山、井上、2組、本髙、髙橋、佐藤』
『看護・川崎、金指』
「待って、皆一緒じゃない??」
「えっ!そうだ!!」
「凄っ」
 両クラスから、同じ会話が聞こえてきた。

「みこーー!一緒ってすごくない?」
「ねっ!美紗とか、2人だけだよ」
「やばいよね!」
 愛琴と陽菜が、話しているとすぐに、集合場所に着いた。
~実行委員~
「これから、体育大会までこのメンバーでいきます。最初に…」
 先生の話をみんな、真剣に聞いていた。
 いつもふざけている雄登も、説明を聞いていた。
 陽菜は、その姿を見ていた。
「仕事によって、ペアでしてもらいたいんだけど、どうやって決める?」
 実行委員の先生は、面白い。だから、どうしたら、みんなが楽しいかわかっている。
「くじで決めましょー」
 井上が言うと、くじですることになった。
 一人一人が、箱から取っていく。
「1番は?」
 そう言われると、
「はーい」
「はーい」
 2人は、目を合わせた。
「愛琴、」
「光之助、」
「よろしく」
 そう言ったのは、光之助だ。
「こちらこそ」
 お互い探り探りに、話しかける。
「2番は?」
「はーい」
「はーい」
 井上と佐藤が手を挙げた。
 その時に、4人は察してしまった。
『雄登と陽菜が同じ』ということを。
「じゃ、本髙と髙橋だな」
[えっ、雄登ととか心臓もたないって]
[えっ、陽菜と一緒…夢じゃないよね]
 2人全く同じことを思った。

~放送~
「仁音、ヤバいって柚葉と一緒…」
「何、嬉しくないの」
「嬉しいけど、仕事手につかない」
「ま、ちゃんと喋れよ。付き合ってるんだから」
 そう言いながら、集合場所の教室に着いた。
 そこにはもう、柚葉が着いていた。
「はや」
 そう言ったのは、仁音だ。
「仁音たちが、遅いだけじゃ、」
 ガラガラッ
「はい、仕事内容について話すよ」
 先生が話を進めた。
 仕事は、主に放送のみ。実行委員から貰った原稿を読む。
 
~看護~
ガラガラッ
 ドアを開け入ると、美紗が着いていた。
「あっ、」
 沈黙が続く。
「あのっ、よろしく」
 そういったのは、晴だ。
「うん、」
 やっと話したのと同時に、先生がきた。
「主に、仕事はみんなの体調を見て、悪そうと思ったら、声をかける。ほとんどテントだから。先生は居ないけど、2人で協力して」
「はい」
「はい」
 そうは言ったものの、2人は、喋れない。
 再び、沈黙。。。
「晴、」
 美紗が言うと晴は凄く驚いて、返事をした。
「えっ!あっ、何?」
「そんな驚かなくても(笑)」
「あっ、ごめん」
 2人の会話は、いつも譲り合い。でも、いつも真剣で自分のペースに合わせて喋っていた。

「体育大会最高すぎ」
「それ!」
 あっという間に、部活になり柚葉達、吹奏楽部はずっと同じ話をしていた。
 全員が好きな人と同じ仕事になった。
 この事がきっかけで、8人の中学校生活が大きく変わっていくことを、まだ、彼らは分かっていなかった。

 1週間後…

 実行委員では、競技が最終決定した。その中に、借り物競争がある。例年したことがなかっため、愛琴と光之助こお題を考えないといけない。
「愛琴、」
「えっ!」
「どうした?」
「あっ、ごめん」
 愛琴は今でも、光之助に話しかけられる度、緊張してしまう。
「あのさ、3つ考えたんだけどあと1個何にする?」
「そうだよね、最後の1個って大体悩むよね」
「あっ、」
 愛琴の脳裏には、『好きな人』という文字が浮かび上がった。このお題がきっかけで、カップルが出来たら。。。
 そう考えたからだ。でも、それを光之助に言うとなると…
「何?いいの思いついた?」
「いやっ、えっと…」
「あのさ、ちょっといい?」
「うん、」
 そう言って、廊下に連れていかれた。
 愛琴の頭の中は今、何が起こっているのか分からなかった。
「あのさ、俺もいいの思いついたんだ。でも、皆には内緒にして、そのお題を入れようかなって思ってる」
「えっ、それって… 」
「好きな人。」
「私もそれいいなって思ってた!」
「だよね!あと……」
「どうした?」
「俺がもし、そのお題引いたら一緒にゴールして貰えませんか」
「えっ、、、」
 その言葉を聞いた瞬間、愛琴は言葉を失った。
「ごめん!変なこと言って。戻ろう!」
「待って!私も、」
「えっ、」
「私がもし引いたら、一緒にゴールして欲しい。」
「マジ!?」
「うん、本番まで一緒に頑張ろ!」
「うん!」
 これが、付き合ったというのかは分からなかった。
 だけど、お互いが『好き』と言うことは、分かった事は確か。

「先生!」
 2人は、借り物競争のお題を先生に見せた。もちろん『好きな人』のお題は入っていない。
「いいと思う。じゃあ、これで行こうか。紹介文書いておいて、放送に渡す分」
「はい!」
 お互いが好きと分かっても、今までの距離感が変わることはなかった。

その頃、、、
「あの2人、本当にお似合いよね」
「確かに」
 陽菜と雄登が話している。
 2人は、元々少し喋る関係だったが、今回ペアになりもっと話すようになった。
 そんな、2人の間には複雑な恋心があった。
「あーーも」
「何!?」
 雄登が、急に大きな声を出したため教室にいた全員が突っ込んだ。
「あっ、なんでもないです」
 急に、恥ずかしくなったのかすぐに座る。
「どうした?」
「いやー。100M走の紹介って何書けばいいか」
「あー。それ、私も200だけど分からなかったから、去年の丸写し(笑)」
「その手があったか!」
 その後も、ずっと笑っていた。
 雄登は、最近自分の気持ちがわからない。だから、彼女とも別れた。陽菜が好きって聞いて、、、気持ちが複雑になっていく。
「陽菜って好きな人とかいるの?」
「えっ!?」
 急に、雄登かいつも避けてそうな話題が出て驚きを陽菜は隠せていない。しかも、本人から。。。って
「陽菜?」
「あっ!急に変な事言うからじゃん!」
「ごめん!!で?」
「うーん。いないことは無いかな(笑)」
「いるんだ」
「さあ?」
 陽菜はまだ、俺の事好きって思ってくれてるのかな。そう思って聞いてみると、めっちゃ驚かれた。結局どうなのか分からなかったな。
 実行委員で話すようになってから、毎日の実行委員の時間が待ち遠しくなっていた。

 放送委員は、実行委員から来る原稿を読む練習をしていた。
「柚葉これ、なんて書いてある?」
「疾走感(しっそうかん)じゃない?」
「ありがとっ」
 放送委員は俊輔と柚葉と仁音なのだが、なぜか何分か経つと仁音が居なくなっていることが多い。
 そのおかげか、俊輔と柚葉は大分喋るようになっていた。
コンコンッ
「失礼します」
 そこには、愛琴と光之助がいた。
「あっ、」
 何かを察したのか、愛琴たちはドアを閉める。
「ちょっと!!なんで閉めた?!」
「だって、ねえ、」
 愛琴は光之助を見て言う。そして、目を合わせて笑った。
「お2人も、随分仲良くなってますね(笑)」
「そんな事ないよねー」
 そんな時…話の軌道を戻すかのように、俊輔が言った。
「まあ、そこまでにして…で、何しに来たの?」
「あっ、そう。本題忘れてた。とりあえず2個原稿完成したから持ってきた」
「おっ、ありがとう。」
「うん、」
「よし、お互い頑張ろ!」
「おけ」
そうして、2人は帰っていった。

「あのさ、」
「ん?」
「俺、柚葉に彼氏として何をしたらいいかわからなくて、何も出来てない。」
「そんな事ない。」
「そんなことある!何かしてあげたい。俺は、柚葉が好きだから/////。」
 柚葉は、恥ずかしくなって言葉が何も出なかった。
「ごめん。急に変なこと言って。よしっ、練習しよ」
「うん。。。」
 その後も、1週間の体育大会のために放送の練習をしていった。

 その日の部活・・・
「今日の委員会ヤバかったんだけど」
愛琴と柚葉と陽菜と美沙は話していた。
「柚葉も!愛琴何があったの?」
「これは内緒なんだけど、借り物競争で好きな人のお題を内緒で入れようってなったんだよね」
 2人は、凄く興味深く聞いていた。
「それで???」
「その後、廊下で話してたんだけど。「俺がもし、そのお題引いたら一緒にゴールして貰えませんか」って言われた」
「えーっ!!!マジで!?」
「うん!」
「ヤバっ!」
「それって告白されたも同然じゃん!」
「それで、なんて言った??」
「私がもし引いたら、一緒にゴールしてくださいって」
「えーっ!!!」
「愛琴も告白してるじゃん!で?」
「で???」
「付き合ったの?」
「あっ、」
「あっ、ってなんもなかったの?!」
「いやっ、もう頭が真っ白になって」
「そっか、でも分かるわ」
「でさ、柚葉もって言ったよね??」
 急にに話を振られてビックリした。愛琴の話で全く忘れてたから。
「えーっと。愛琴のあとに言うのはね?」
「言うだけ言うだけ!!」
「委員会の時、愛琴と光之助が来たんだけどその後急に、彼氏として何も出来てないって言われて」
「2人ともヤバくない?!」
「まだあって、その後好きって言われた」
「キャーッ」
 3人は叫んだ。急に、叫んだので柚葉が驚いてしまった。
「ちょっと!うるさいよー!」
 そう言うと、3人は静かになった。
「あのさー提案!!」
 美紗が言った。
「体育大会の日、告白しよ!」
「え!!!」
 美紗からのいきなりの提案に3人は口を揃えて言った
「だから、愛琴も両思いって再確認した訳だし、陽菜は、両思いだし」
「ちょっと、決めつけないでよ!違うからね!」
「じゃあ、美紗もね!」
「えっ!」
「そりゃそうだよ!するなら皆でしよ!」
「なんで柚葉、やる気なの!」
「柚葉しなくていいから」
「えっ、好きって言わないと」
「えっ!無理無理」
「で、どうする?」

 美紗が問いかけると
「こんなチャンス二度とないと思う。だからしよ!」
そう言ったのは陽菜だ。
「陽菜がやるなら頑張ろうかな」
愛琴が言う。
「じゃ、みんなで頑張ろ!」
柚葉が言った。
 美紗、愛琴、柚葉、陽菜。
 4人は、体育大会当日。それぞれの好きな人に告白することになった。
 
「雄登!」
「何。」
 そう話しているのは、俊輔と雄登。
「体育大会、陽菜になんかすんの」
「はあ?何言ってんの」
「好きなんでしょ」
「別にそんなんじゃないし」
 委員会の時が待ち遠しくて、喋ってるとこの時間が終わらなければいいのにって思うし、これは、恋といいのだろうか。
 俊輔には恥ずかしくて聞けないし、好きかどうか分からないから、違うって言ってる。
「あのさ、質問なんだけど、雄登が喋ってて楽しい人って誰?あ、女子ね」
 そう言われた時、陽菜の顔が浮かんだ。でも、
「誰も。」
 嘘をついた。
「ふーん。ちなみに、今思い浮かんだ人が雄登が今好きになってる人だよ」
「えっ、」
「やっぱ、思い浮かんだんだ」
「別に」
 陽菜が俺の好きな人……そう思っていると
「何話してんの?」
「おぉ、晴。雄登の好きな人の話」
「えっ、雄登いんの好きな人」
「いないよ!!」
「晴はさ、美紗に告らないの?雄登も陽菜に。あ、光之助も告らないのかな?」
「えっ!告れるわけないじゃんってか、雄登陽菜のこと好きなの!?」
「分かんない。なんで、俺まで告らないといけないの!光之助とか巻き添えじゃん」
 そういった時。
「光之助!」
 目の前に光之助がいた。
「何?」
「揃った所で、せっかく皆好きな人と係一緒になったんだから、当日に告白しよう!」
「は?」
 俊輔以外の3人の頭には?が浮かんでいる。
「何言ってんの?」
「俺だけさ頑張って告ったのにさ、皆だけ告らないってずるくない?」
「いやっ、別に」
 いつも優しい晴から、言われて少しへこんだが話を続けた。
「それで、せっかくの機会だし、こんな奇跡的な事ないから告白して付き合って欲しいと思ってる」
「一つ言っていい?」
光之助が言うと、3人が頷く。
「借り物競争で好きな人のお題がある。もし、引いたらちゃんとその人を連れてゴールする。俺は、言ったよ。俺が引いたら一緒にゴールして欲しいって」
「言ったの?!」
「うん。」
 沈黙が続く。
「俺は、告白する。こんなに好きになった人は初めてだった。だから、」
そう言ったのは、晴だ。
「俺は、晴が本当に言うなら言う。さすがに、1人で言う勇気はないから。振られたら責任取ってよ!俊輔が」
「俺!?」
「言い出しっぺ(笑)」
「えーー。3人とも告白する?」
「うん。」
 3人は、決意した。
 
ー体育大会当日ー
8人はそれぞれの未来に向けて心を決める日。
「只今から若咲第一中学校体育大会を開会します」
 運命の一日が始まった。
借り物競争は、午前の部の最後の競技。
「実行委員はここに椅子置いてー。」
 皆がどこに置こうかしている時、、、
「愛琴、隣いい?」
「あっ、うん。」
 光之助が、言うと愛琴は一瞬戸惑った様子だったが返事をした。
 陽菜は、愛琴の後ろに座る。
 そのすぐ後、雄登が陽菜の隣に自分の椅子を置いた。
「えっ、」
 陽菜は、急な状況に戸惑いを隠せない。
「あのさ、これから俺たち何したらいいのか分かる」
「あっ、えーっと、何も言われてないよね笑。座ってるだけ?」
「えっ!それだったらめっちゃ楽じゃん」
「確かに!」
 陽菜は、戸惑っているのを気づかれないようにしていた。
 そのすぐ近くに、看護部が座った。
 他の3人より晴は、『今日告白する』と言う気持ちが強かった。
「美紗って、100M出る?」
「うん、どうかした?」
「ううん。なんでもない」
 そう言って晴は、雄登の方へ行った。
 美紗は、告白をどのタイミングですればいいか、ずっと悩んでいた。その時
「美紗ーー」
「愛琴!どうしよう??」
「告白?」
「うん。」
「私は、借り物競争の後に言おうかなって思う。どこで言うって決めたら?」
「決めた方がいいよね…100Mの後とか?」
「いいと思う!頑張れ!」
「うん!愛琴も」
 愛琴の言葉が美紗の告白の勇気を高めた。

「雄登。」
「おぉ、晴どうした?」
「雄登は、いつ告んの」
「どうしよう。なんか本人前にすると、なんかね。隣だからその時にって思うけど。晴は」
「俺、100Mの後に言おうと思う。」
「100Mって、次の次じゃん」
「うん」
「頑張れ。応援してる。」
 その頃、同じテント内で仁音と柚葉が話していた。
「何さっきから、そわそわしてんの」
「何でもないよ」
「俊輔の事だったら、頑張れ」
「えっ、」
「なんかさっきから、俊輔も柚葉みたいだから」
 ふと、俊輔の方を見るとずっと下を見ている。

『次は、2年生による、100M走です』
 アナウンスと共に、100M走に出る美紗、陽菜、晴、柚葉など2年生らが出てくる。
『よーい、スタート!』
 晴を含む男子がスタートする。
 美紗は、無意識に晴を目で追っていた。
 晴の結果は、1位。
 全員が走り終わり、退場する。
「美紗、ちょっといい?」
晴は、心を決めた。
「どうした?」
「言いたいことがあって」
「私も」
 美紗も、今がチャンスと思い言おうと決めた。
「俺からいい?」
「うん。」
「………。俺は、体育大会の仕事、看護で良かったと思ってる。楽だからとかじゃない。美紗と一緒だったから」
「えっ、」
 晴からの思いがけない言葉に、固まってしまった。
「ずっと前から好きでした。俺と付き合って下さい」
 美紗は、ストレートな言葉に驚いた。だけど、晴を見ると真剣な顔で美紗を見ている。
「あっ、ごめん!美紗なんか言おうとしてたよね」
 美紗は、今しかないと思った。
「私は、晴のことがずっと前から好きでした。私で良ければ付き合って下さい!」
「まじ?」
「うん!」
「よろしくお願いします」
「こちらこそ!」
「戻ろっか」
 美紗は頷く。2人は、テントに戻っていった。
その後、テントでは気まづくなることも無くずっと喋っていた。

 晴が、次の競技に行った。
「美紗!もしかして」
 陽菜が言ってきた。
「付き合うことになりました笑」
「まじ!?おめでとう!!」
「声大きい笑」
「愛琴と柚葉に言った?」
「まだ。言いに行こっかな」
「うん!実行委員は暇やし、柚葉はさっき放送してたから大丈夫と思うよ」
 そう言って、2人は柚葉と愛琴の元に行った。
「柚葉ー愛琴ー!」
「どうした?」
「遂に!」
「もしかして……」
「晴と付き合うことになりました!!」
「きゃーー!!!」 
「ちょっと、バレるって(笑)」
「ごめんごめん(笑)えっ、美紗が言ったの?」
「えっと、向こうから」
「マジ!?やるじゃん!」
「おめでとう🎊」
「次は、愛琴かな!」
「なんで!?陽菜でしょ」
「いや、愛琴でしょ!」
2人の言い合いが、ずっと続く。
 そんな話をしていると、いよいよ借り物競争の時間がきた。

『午前中最後の競技となりました!2年生による借り物競争です!皆さんの御協力よろしくお願いします!』
 第1走目は、光之助が走る。
パンッ!ピストルと音が鳴ると同時に走り出す。
 カードの前に来た。光之助は、心の中であのお題が出てくれっ、願った。
 ゴールテープを1番に切ったのは光之助。
 その手が握られていたのは、愛琴だった。
「ありがとっ。」
光之助が言うと、愛琴は頷く。愛琴は、走らないと行けないため戻ろうとすると。
「愛琴。」
そう言って指さしたのは、引いたカード。
 そこには『付き合って下さい。』の文字。
「よろしくお願いします。」
 愛琴がそう言うと、愛琴の体は何かに包まれた。
 周りは一瞬にして、盛り上がった。
「愛琴は誰にも渡さない。好きだよ。」
 光之助の気持ち。全てを伝えることが出来た。
「うん、」
 愛琴は、心臓がはち切れそうになりながらも、嬉しさを隠せていなかった。
「午前中最後。頑張れ!」
「うん!」
 光之助は、愛琴の背中を押した。
 借り物競争は、終わった。
 結局、8人の中で好きな人のお題を引いたのは、光之助だけだった。
 未だ、告白が出来ていない雄登は、どうしたらいいか分からなくなっていた。

 愛琴は、競技が終わるとみんなに囲まれた。
 その後、柚葉と陽菜と美紗と話している。
「めっちゃ、理想の告白じゃなかった?」
「わかる!めっちゃきゅんとした」
「めっちゃ嬉しかったけど、恥ずかしかった/////」
「美紗も愛琴も付き合ったのか、早いねー。次は陽菜だよ!頑張れ!」
「無理だーー。絶対できないもん」
「愛琴たちみたいに、向こうから来るかもしれないし」
「それは無い!!」
「分からないよ??」
 柚葉たちは、絶対的なことは言えなかった。
 光之助と晴は、両思いと分かっていたけど、雄登が陽菜のこと好きかどうか分からなかったから。

昼ご飯時間が終わりテントに戻ろうと、陽菜は歩いていた。
「陽菜、」
「雄登、テント行くとこ?」
「うん、あのさーやばくなかった?光之助の」
「ね!あれはめっちゃきゅんきゅんした!でも、もし自分の立場やったら、恥ずかしすぎるけど(笑)」
「へーっ。陽菜は、告んの?好きな人に」
「はあ?!何言ってんの!しないよ」
「やっぱいるんだ」
「あっ、でも、あれだよ。相手はそんな気ないと思うし、一方的な片想いだから!あと、教えたんだから応援してね!!」
「応援できねぇよ……」
「え?」
雄登は呟く。陽菜は、聞き取れなかった。
 その時、陽菜の視界がパッと、暗くなる。
 雄登は、無意識に陽菜の事を抱きしめていた。
「ゆう、と?」
「誰が好きなやつの恋、応援出来んだよ。」
「えっ、、」
「お前が、他の男と喋ってるとなんかモヤモヤするし、お前と喋ってるとこの時間が終わらなければって思う」
「雄登……私もだよ、陽菜は雄登が好き」
「俺も。付き合お」
「うん。」
 雄登の思いがけない行動に頭が追いつかなかったけど、嬉しかった。
「あっ、始まる!」
「ヤバっ!行こっ」
 そう言って、雄登は陽菜の手を引いて、テントに向かう。
 皆からの視線を、物ともせずに。

 陽菜と雄登の姿を、柚葉と俊輔は2人で見ていた。
「幸せそう……」
「柚葉、俺」
「ん?」
「俺、柚葉が好き」
「えっ、急にどうした?」
「今日、雄登も光之助も晴も、告白してて成功して。そういうの見てたらなんか、言いたくなって」
「私も。陽菜たち見てたら勇気貰えた。好きです。これからもよろしくお願いします」
「こちらこそ」
 改めてお互いの気持ちを確かめ合うことが出来た。

 今年の体育大会は、8人にとって一生忘れられないものになったに違いない。
 今まで通り、8人は恋も勉強も一生懸命にしていった
 一人一人違う、『Eight Colors』。
8人の恋愛は、ずっと続いていく。

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