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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
122【交換ついでに合同演習編27】訓練一日目:半身が四枚
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【パラディン大佐隊・第九班第一号ブリッジ】
エリゴール
『たった今、〝椅子〟組の六十隻がすべて退場になった。これ以上は続けたくても続けられないので、この訓練は終了とする』
副長
「自分たちで〝全艦殲滅〟しておいて、何て白々しい……」
九班長・ビショップ
「でも、怖くて言えない……絶対、一班を一隻も撃ち落とせずに逃したおまえらが悪いって言われる……」
副長
「だからって、後ろから一斉掃射って……無人艦の有り難さが身に染みてわかった……」
エリゴール
『ちなみに、〝連合〟の残存戦力は三十六隻。つまり〝椅子〟組六十隻は、二十四隻しか〝連合〟を退場させられなかったことになる。……今日はもうできないが、砲撃の訓練も必要だな』
副長
「そのとおりだけど、後ろから一斉掃射されなかったら……!」
ビショップ
「駄目だ。元四班長にその言い訳は通用しない」
エリゴール
『確かに一班がしたことは〝卑怯〟かもしれないが、俺は〝椅子〟組に最初から最後まで〝椅子〟で対応しろなんて一言も言ってないぞ。〝椅子〟じゃ不利だと思ったら、途中で砲撃隊形に変わることもできたはずだ。まあ、それで勝てたかどうかは別問題だけどな』
ビショップ
「言われてみれば……」
副長
「たとえば両端が砲撃隊形になって、積極的に攻撃しにいくこともできたんだな」
ビショップ
「でも、あの状況で〝椅子〟から砲撃隊形になれるか?」
副長
「〝先生〟ならなれたかもしれない」
ビショップ
「なれても、〝先生〟だけじゃ高が知れてるだろ」
副長
「……あ、いいこと思いついた」
ビショップ
「何だ?」
副長
「俺たちも一班みたいに〝卑怯撃ち〟しにいけばよかったんだ。『連合』の後ろに回りこんで」
ビショップ
「……『連合』の後ろに回りこむ前に『連合』に撃ち落とされそうだな」
エリゴール
『とにかく、これで今日の訓練はすべて終了だ。帰ったら〝飴ちゃん〟の進呈と明日の訓練の打ち合わせをするから、班長はすみやかにミーティング室に集合。それから〝椅子〟組。〝連合〟を〝全艦殲滅〟するどころか逆に〝全艦殲滅〟された罰として、今から基地まで護衛隊形で帰れ。もちろん、通常速度で』
副長
「え、それはもしかして、明日俺たちを『連合』役にするための練習?」
ビショップ
「でも、明日は〝魚〟の訓練するんだろ? きっとコールタン大佐隊を突破する訓練するんだろうから……あ、『連合』じゃなくて、コールタン大佐隊役?」
副長
「それだ! 間違いなくそれだ! 今から俺たちを護衛に仕立て上げるつもりだ!」
ビショップ
「まさか、それが目的で、あんな卑怯な手を使ってまで〝全艦殲滅〟したのか?」
副長
「否定したいが否定しきれない! だって元四班長だもの!」
エリゴール
『ついでに、三班と八班にも護衛隊形で帰還してもらう。並び順は、三班・十二班・七班・九班・十班・八班・十一班。六班は、明日うちと一緒に〝魚〟の〝先生〟をしてもらうから、護衛隊形ではなく〝魚〟で帰還。以上』
副長
「……この並び順にいったいどんな意味が?」
ビショップ
「たぶん、〝護衛隊〟に三班と〝無旋回〟の監視をさせるつもりなんじゃないか? 三班に十二班なのは、元四班長の微粒子レベルの優しさか?」
副長
「なるほど。最後に〝先生〟っていうのが利いてるな。ちんたらしてたらきっと後ろから煽られるぞ」
ビショップ
「この中でいちばんつらそうなのは十二班だな」
副長
「あの班だけは、本当に罰だ」
ビショップ
「逆に、今日の六班はラッキーだったな。〝先生〟から〝飴ちゃん〟五個譲ってもらえたし、大好きな〝魚〟で帰れるし」
副長
「あと、あの班に足りないものは……頭?」
ビショップ
「それに関しては、俺たちは六班のことは言えない……」
副長
「そうだな……全部、元四班長まかせにしてるもんな……」
ビショップ
「あの清々しいまでの卑怯さは、とても俺たちには真似できない……」
***
【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】
六班長・ラムレイ
「宿命のライバル一班! 心憎い演出だぜ! 俺たちを〝魚〟で帰還させてくれるなんて!」
副長
「あ、ライバルに戻ったんだな。……現金だな」
ラムレイ
「俺たちも一班みたいに二匹に分裂だ! そのまま飛んでてもつまらないから、左右どちらにも横になれるように練習するぞ!」
クルーたち
「了解!」
クルーA
「……分裂……」
クルーB
「正確に言うと〝開き〟が完全に切り割かれて、二枚下ろしになった状態だよな……」
クルーA
「空飛ぶ半身……」
クルーB
「でも、その半身に〝蛇〟になられて、後ろから一斉掃射された……」
クルーA
「あの〝蛇〟は護衛隊形の〝蛇〟とどう区別すればいいんだ?」
クルーC
「単に横列隊形でいいんじゃないのか?」
クルーB
「えー、それじゃつまんないだろ」
クルーA
「ネーミングでさらに〝飴ちゃん〟を稼ぐ作戦か」
クルーB
「今日五個ゲットできたから、あと四個あれば、また各艦で〝飴ちゃん〟争奪戦ができるんだ」
クルーA
「え? それじゃ十個に……班長はもううちの艦は〝飴ちゃん〟はいらないって言ってただろ」
クルーB
「それでも……やっぱり欲しいだろ? 御守りは御守りとして軍艦に置いとくとして、手に入るんならうちも」
クルーA
「あと四個か……どうやってうちの班長を説得するか……」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
フィリップス
「キング・オブ・卑怯……」
エリゴール
「悪いが、それは俺には褒め言葉だ」
フィリップス
「嫌いな言葉は〝正々堂々〟?」
エリゴール
「よくわかったな」
フィリップス
「真顔で言ってる!」
ハワード
「まあ……とにかく〝半身〟は撃たれにくいというのと、やはり〝ファイアー・ウォール〟で数減らししないと、〝椅子〟組だけで〝全艦殲滅〟するのは難しいというのはわかったな」
フィリップス
「ああ、そうか。今日の〝椅子〟組は、まともに『連合』に突っこまれたことになるんだな。ある程度、横に広がってもらえないと、あの隊形で一斉掃射はきつい」
エリゴール
「そう。だからあえて護衛隊形で五班組を突っこませた。〝椅子〟組でいちばん弱そうなところに」
フィリップス
「あ、元四班長が極悪な顔をしている!」
エリゴール
「三班は予想どおり置き去りにされてたが、八班までは何とか頑張ってた。特に五班は見事な特攻を見せてくれたが、もっと頑張れると思うので、あえて〝飴ちゃん〟はやらない」
フィリップス
「前はただ報告しただけで一個あげてたのに……」
エリゴール
「できることなら、六班と十班の位置を入れ替えて訓練したかったな。六班なら絶対俺たちの〝半身〟を撃ち落とせていたはずだ」
フィリップス
「それじゃまずいだろ」
エリゴール
「〝椅子〟組が〝全艦殲滅〟されるほうがまずいだろ。見ろ、六班のあの向上心を。誰に命令されたわけでもないのに、もう左右どちらにでも横に戻れるようにしている」
ハワード
「あれは向上心……なのか?」
エリゴール
「うちと十一班には負けたくないという対抗心から生まれた向上心だ」
フィリップス
「じゃあ、うちも練習しないと! 〝椅子〟よりやっぱり〝魚〟だ! 〝魚〟は応用範囲が広い! 〝魚〟でだけは絶対に六班に負けたくない!」
ハワード
「練習って……六班と同じことをか?」
エリゴール
「具体的にはそうだな。理想は縦横自在に移行できて、横列隊形も砲撃隊形もすぐにとれること。あと〝ファイアー・ウォール〟も左右どちら向きでも展開できたらなおよし」
フィリップス
「理想高っ!」
エリゴール
「有人艦一〇〇隻で〝ファイアー・ウォール〟よりハードルは低いだろう」
フィリップス
「確かに。それに、明日は絶対に負けられない戦いがある!」
エリゴール
「戦い?」
ハワード
「たぶん、〝最初から縦〟にするかどうかっていうやつだろう」
エリゴール
「ああ……それもあったな。それで六班はあんなに燃えてるのか」
ハワード
「モチベーションはやはり大事だな」
エリゴール
「そうだな。〝移動しながら変形〟がこれほど強いモチベーションになるとは、俺にはまったく想定外だったよ」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
レラージュ
「十二班はもう永遠にうちの待機室には入れさせません」
ロノウェ
「うん……そうだな……俺ももう無理には止めない……」
エリゴール
『たった今、〝椅子〟組の六十隻がすべて退場になった。これ以上は続けたくても続けられないので、この訓練は終了とする』
副長
「自分たちで〝全艦殲滅〟しておいて、何て白々しい……」
九班長・ビショップ
「でも、怖くて言えない……絶対、一班を一隻も撃ち落とせずに逃したおまえらが悪いって言われる……」
副長
「だからって、後ろから一斉掃射って……無人艦の有り難さが身に染みてわかった……」
エリゴール
『ちなみに、〝連合〟の残存戦力は三十六隻。つまり〝椅子〟組六十隻は、二十四隻しか〝連合〟を退場させられなかったことになる。……今日はもうできないが、砲撃の訓練も必要だな』
副長
「そのとおりだけど、後ろから一斉掃射されなかったら……!」
ビショップ
「駄目だ。元四班長にその言い訳は通用しない」
エリゴール
『確かに一班がしたことは〝卑怯〟かもしれないが、俺は〝椅子〟組に最初から最後まで〝椅子〟で対応しろなんて一言も言ってないぞ。〝椅子〟じゃ不利だと思ったら、途中で砲撃隊形に変わることもできたはずだ。まあ、それで勝てたかどうかは別問題だけどな』
ビショップ
「言われてみれば……」
副長
「たとえば両端が砲撃隊形になって、積極的に攻撃しにいくこともできたんだな」
ビショップ
「でも、あの状況で〝椅子〟から砲撃隊形になれるか?」
副長
「〝先生〟ならなれたかもしれない」
ビショップ
「なれても、〝先生〟だけじゃ高が知れてるだろ」
副長
「……あ、いいこと思いついた」
ビショップ
「何だ?」
副長
「俺たちも一班みたいに〝卑怯撃ち〟しにいけばよかったんだ。『連合』の後ろに回りこんで」
ビショップ
「……『連合』の後ろに回りこむ前に『連合』に撃ち落とされそうだな」
エリゴール
『とにかく、これで今日の訓練はすべて終了だ。帰ったら〝飴ちゃん〟の進呈と明日の訓練の打ち合わせをするから、班長はすみやかにミーティング室に集合。それから〝椅子〟組。〝連合〟を〝全艦殲滅〟するどころか逆に〝全艦殲滅〟された罰として、今から基地まで護衛隊形で帰れ。もちろん、通常速度で』
副長
「え、それはもしかして、明日俺たちを『連合』役にするための練習?」
ビショップ
「でも、明日は〝魚〟の訓練するんだろ? きっとコールタン大佐隊を突破する訓練するんだろうから……あ、『連合』じゃなくて、コールタン大佐隊役?」
副長
「それだ! 間違いなくそれだ! 今から俺たちを護衛に仕立て上げるつもりだ!」
ビショップ
「まさか、それが目的で、あんな卑怯な手を使ってまで〝全艦殲滅〟したのか?」
副長
「否定したいが否定しきれない! だって元四班長だもの!」
エリゴール
『ついでに、三班と八班にも護衛隊形で帰還してもらう。並び順は、三班・十二班・七班・九班・十班・八班・十一班。六班は、明日うちと一緒に〝魚〟の〝先生〟をしてもらうから、護衛隊形ではなく〝魚〟で帰還。以上』
副長
「……この並び順にいったいどんな意味が?」
ビショップ
「たぶん、〝護衛隊〟に三班と〝無旋回〟の監視をさせるつもりなんじゃないか? 三班に十二班なのは、元四班長の微粒子レベルの優しさか?」
副長
「なるほど。最後に〝先生〟っていうのが利いてるな。ちんたらしてたらきっと後ろから煽られるぞ」
ビショップ
「この中でいちばんつらそうなのは十二班だな」
副長
「あの班だけは、本当に罰だ」
ビショップ
「逆に、今日の六班はラッキーだったな。〝先生〟から〝飴ちゃん〟五個譲ってもらえたし、大好きな〝魚〟で帰れるし」
副長
「あと、あの班に足りないものは……頭?」
ビショップ
「それに関しては、俺たちは六班のことは言えない……」
副長
「そうだな……全部、元四班長まかせにしてるもんな……」
ビショップ
「あの清々しいまでの卑怯さは、とても俺たちには真似できない……」
***
【パラディン大佐隊・第六班第一号ブリッジ】
六班長・ラムレイ
「宿命のライバル一班! 心憎い演出だぜ! 俺たちを〝魚〟で帰還させてくれるなんて!」
副長
「あ、ライバルに戻ったんだな。……現金だな」
ラムレイ
「俺たちも一班みたいに二匹に分裂だ! そのまま飛んでてもつまらないから、左右どちらにも横になれるように練習するぞ!」
クルーたち
「了解!」
クルーA
「……分裂……」
クルーB
「正確に言うと〝開き〟が完全に切り割かれて、二枚下ろしになった状態だよな……」
クルーA
「空飛ぶ半身……」
クルーB
「でも、その半身に〝蛇〟になられて、後ろから一斉掃射された……」
クルーA
「あの〝蛇〟は護衛隊形の〝蛇〟とどう区別すればいいんだ?」
クルーC
「単に横列隊形でいいんじゃないのか?」
クルーB
「えー、それじゃつまんないだろ」
クルーA
「ネーミングでさらに〝飴ちゃん〟を稼ぐ作戦か」
クルーB
「今日五個ゲットできたから、あと四個あれば、また各艦で〝飴ちゃん〟争奪戦ができるんだ」
クルーA
「え? それじゃ十個に……班長はもううちの艦は〝飴ちゃん〟はいらないって言ってただろ」
クルーB
「それでも……やっぱり欲しいだろ? 御守りは御守りとして軍艦に置いとくとして、手に入るんならうちも」
クルーA
「あと四個か……どうやってうちの班長を説得するか……」
***
【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】
フィリップス
「キング・オブ・卑怯……」
エリゴール
「悪いが、それは俺には褒め言葉だ」
フィリップス
「嫌いな言葉は〝正々堂々〟?」
エリゴール
「よくわかったな」
フィリップス
「真顔で言ってる!」
ハワード
「まあ……とにかく〝半身〟は撃たれにくいというのと、やはり〝ファイアー・ウォール〟で数減らししないと、〝椅子〟組だけで〝全艦殲滅〟するのは難しいというのはわかったな」
フィリップス
「ああ、そうか。今日の〝椅子〟組は、まともに『連合』に突っこまれたことになるんだな。ある程度、横に広がってもらえないと、あの隊形で一斉掃射はきつい」
エリゴール
「そう。だからあえて護衛隊形で五班組を突っこませた。〝椅子〟組でいちばん弱そうなところに」
フィリップス
「あ、元四班長が極悪な顔をしている!」
エリゴール
「三班は予想どおり置き去りにされてたが、八班までは何とか頑張ってた。特に五班は見事な特攻を見せてくれたが、もっと頑張れると思うので、あえて〝飴ちゃん〟はやらない」
フィリップス
「前はただ報告しただけで一個あげてたのに……」
エリゴール
「できることなら、六班と十班の位置を入れ替えて訓練したかったな。六班なら絶対俺たちの〝半身〟を撃ち落とせていたはずだ」
フィリップス
「それじゃまずいだろ」
エリゴール
「〝椅子〟組が〝全艦殲滅〟されるほうがまずいだろ。見ろ、六班のあの向上心を。誰に命令されたわけでもないのに、もう左右どちらにでも横に戻れるようにしている」
ハワード
「あれは向上心……なのか?」
エリゴール
「うちと十一班には負けたくないという対抗心から生まれた向上心だ」
フィリップス
「じゃあ、うちも練習しないと! 〝椅子〟よりやっぱり〝魚〟だ! 〝魚〟は応用範囲が広い! 〝魚〟でだけは絶対に六班に負けたくない!」
ハワード
「練習って……六班と同じことをか?」
エリゴール
「具体的にはそうだな。理想は縦横自在に移行できて、横列隊形も砲撃隊形もすぐにとれること。あと〝ファイアー・ウォール〟も左右どちら向きでも展開できたらなおよし」
フィリップス
「理想高っ!」
エリゴール
「有人艦一〇〇隻で〝ファイアー・ウォール〟よりハードルは低いだろう」
フィリップス
「確かに。それに、明日は絶対に負けられない戦いがある!」
エリゴール
「戦い?」
ハワード
「たぶん、〝最初から縦〟にするかどうかっていうやつだろう」
エリゴール
「ああ……それもあったな。それで六班はあんなに燃えてるのか」
ハワード
「モチベーションはやはり大事だな」
エリゴール
「そうだな。〝移動しながら変形〟がこれほど強いモチベーションになるとは、俺にはまったく想定外だったよ」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】
レラージュ
「十二班はもう永遠にうちの待機室には入れさせません」
ロノウェ
「うん……そうだな……俺ももう無理には止めない……」
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