寂しいからそばにいて(仮)【『無冠の皇帝』スピンオフ】

有喜多亜里

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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

153【交換ついでに合同演習編58】訓練二日目:前半戦・レフト〝魚〟

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エリゴール
『作戦タイム終了だ。〝レフト〟は〝連合〟の突撃艦群になるつもりで、〝ライト〟から離れろ』

八班長・ブロック
「砲撃艦群じゃなく、突撃艦群というところが……」

副長・ウィルスン
「俺たち、そういう扱い?」

エリゴール
『〝レフト〟! 時間がもったいないから全速力!』

八班長・ブロック
「イ、イエッサー!」

副長・ウィルスン
「肩書〝ヒラ〟でも大佐並み……」

八班長・ブロック
「もしかしたら大佐以上」

エリゴール
『じゃあ〝ライト〟、配置につくぞ。……六班、最初は十一班の背後にいろ。十一班が〝撤退〟と言ったら逃げる。ただし、護衛隊形で』

六班長・ラムレイ
『ええっ!? 護衛隊形ですかっ!?』

エリゴール
『〝護衛隊〟なんだから、それが当たり前だろ』

八班長・ブロック
「昨日のうちにではなく、直前になって言うところが元四班長……」

副長・ウィルスン
「〝レフト〟は一班の班長艦一隻だけだから、護衛隊形も何もないな」

エリゴール
『……準備できたか? じゃあ、一班に連絡するぞ。〝もういいよ〟って』

副長・ウィルスン
「かくれんぼ?」

八班長・ブロック
「六班以外は全然隠れてない〝かくれんぼ〟」

 ***

【パラディン大佐隊・第一班第一号ブリッジ】

通信士
「……元四班長が『もういいよ』だそうです」

フィリップス
「あの人、意外と子供っぽいところあるよね。〝ロールケーキ〟だとか〝飴ちゃん〟だとか」

ハワード
「その〝飴ちゃん〟に踊らされてる俺たちは?」

フィリップス
「完全に子供だね」

十二班長・ザボエス
『子供でも何でも、俺らも〝飴ちゃん〟が欲しいんだよ! あれは勲章みたいなもんなんだよ!』

フィリップス
「あ、〝飴ちゃん〟ゼロの十二班長が力説してる」

ハワード
「今日は四班・十班は手間賃で〝飴ちゃん〟一個くらいもらえるかもしれないが、十二班はその可能性もゼロだからな」

フィリップス
「三班も、もしかしたら敢闘賞か努力賞で〝飴ちゃん〟もらえるかもしれないしな」

十二班長・ザボエス
『そうわかってんだったら、早く出撃させろ!』

ハワード
「十二班長……そんなに〝飴ちゃん〟が欲しいのか? それとも、早く後半戦がしたいのか?」

フィリップス
「たぶんどっちもだろうけど、早く〝ライト〟の布陣を見たいんじゃないのか?」

ハワード
「答え合わせか」

フィリップス
「答え合ってても、〝護衛隊〟全滅できなきゃ点数もらえないけどな」

ハワード
「確かにな。じゃあ、〝飴ちゃん〟のために出撃」

二班長・五班長・八班長・十班長・十二班長
『了解!』




フィリップス
「〝ファイアー・ウォール〟、両翼に縦二枚・中央に横一枚……中央は十一班か。そんな予感はしていた」

ハワード
「いかにも十一班」

フィリップス
「十二班長、十一班が〝砲撃隊、六班だけ〝護衛隊〟は正解だ」

十二班長・ザボエス
『それなら〝飴ちゃん〟分けてくれよ』

フィリップス
「〝飴ちゃん〟の譲渡は違法行為です。パラディン大佐隊法で禁じられています」

八班長・ブロック
『どこからダッシュかけますか?』

フィリップス
「中央の十二班しだい」

十二班長・ザボエス
『俺に丸投げすんな。でも、もうかけてもいいな。……〝位置について。よーい、ドン!〟でダッシュだ』

十班長・ヒールド
『またそれですか』

フィリップス
「〝護衛隊〟ではそれがスタンダード?」

十二班長・ザボエス
『今の俺のマイブームだ』

ハワード
「まあ、わかりやすいことは確かだけどな」

十二班長・ザボエス
『それじゃあ、さっそく。……〝位置について。よーい、ドン!〟』

 ***

【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】

ロノウェ
「〝レフト〟……思いきったな……六班全部横一列かよ……」

レラージュ
「班長。六班に撤退するように連絡してください」

ロノウェ
「え、もう?」

レラージュ
「早いほうがいいです。いくら六班でも、護衛隊形では移動隊形ほど速く飛べません」

ロノウェ
「エリゴールの奴、そこまで狙って護衛隊形にしたんじゃねえだろうな」

レラージュ
「俺もそう思いますが、〈フラガラック〉の護衛は護衛隊形をとるでしょう。理に適ってはいます」

ロノウェ
「それならそうと、昨日のうちに言っとけよ。……通信士! 六班に『逃げろ』と伝えろ!」

通信士
「了解!」

 ***

【パラディン大佐隊・第三班第一号ブリッジ】

クルーA
「六班横一列って!」

クルーB
「両端犠牲にして、真ん中は生き残る作戦!?」

クルーA
「でも、真ん中には十一班が……」

エリゴール
「……操縦士! 右舷一八〇度旋回!」

操縦士
「え?」

エリゴール
「いいから早く! 砲撃、オートで撃ちまくれ!」

クルーたち
「りょ、了解!」

 ***

【パラディン大佐隊・第十一班第一号ブリッジ】

クルーA
「班長! 〝レフト〟の両端にいた〝魚〟が〝壁〟の外に!」

ロノウェ
「何!?」

クルーA
「でも、左翼のほうの〝魚〟は、三班の班長艦が全艦撃ち落としました!」

ロノウェ
「……わかってたのか? 両端は〝壁〟の外を飛んでくるって」

レラージュ
「そこは元四班長ですから。あとはどこで〝全艦殲滅〟するかです」

ロノウェ
「〝全艦殲滅〟?」

レラージュ
「ここでか。六班の前でか。結局、俺ら〝砲撃隊〟は〝魚〟を一匹残らず殲滅しなければならないんです。一匹でも逃したら、〝護衛隊〟である六班を殲滅されてしまうかもしれないから」
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