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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

243【交換ついでに合同演習編148】合同演習二日目:丸投げ班長

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【パラディン大佐隊・第一班第一号待機室】

フィリップス
「今日はまだ、大佐の呼び出しメール来てないな?」

エリゴール
「そういやそうだな。……もう一生来寄こしてくれるな」

フィリップス
「それは絶対ありえないから。じゃあ、今日は一緒にミーティング室行こう」

エリゴール
「そうだな。……あ、〝おとっつぁん〟。今日の総括、頑張れよ」

ハワード
「えっ」

エリゴール
「もしかして、忘れてたか?」

フィリップス
「元四班長。……俺も忘れてた」

エリゴール
「なら、早急に台本を書いてくれ。頭の中で」

ハワード
「今日の演習は昨日以上にグダグダだったのに?」

エリゴール
「〝おとっつぁん〟もそう思っていたんだな」

フィリップス
「ということは、元四班長もか」

ハワード
「……フィリップス!」

フィリップス
「自分には無理だから、今日も元四班長に丸投げしたいってさ」

エリゴール
「相変わらず、有能すぎる息子だな。それなら〝おとっつぁん〟の代わりに仕切りもできるだろ」

フィリップス
「無理だよ、あんなグダグダ」

エリゴール
「……いっそもう、今日の演習はなかったことにするか」

フィリップス
「俺もできたらそうしたいけど、〝飴ちゃん〟十個だけは絶対に欲しい」

エリゴール
「今やろうか?」

フィリップス
「いや、みんなの前でくれ。今日〝飴ちゃん〟もらえるのは俺だけだ!」

ハワード
「……元四班長。十二班長にも一個くらい……」

エリゴール
「フィリップス副長以外にやるとしたら、今回は間違いなく三班第二号だろ」

ハワード
「それは確かに!」

エリゴール
「まあ、いくら背面撃ちしたとはいえ、元パラディン大佐隊一〇〇隻を十隻で殲滅した十二班もすごいとは思うけどな……」

ハワード
「それはもう、すごいどころの話じゃないだろう」

フィリップス
「そんなにすごいのに、何でいまだに〝飴ちゃん〟もらえないんだろうな?」

ハワード
「フィリップス……おまえ……」

エリゴール
「……ミーティング室、行くか」

ハワード
「そうだな。……申し訳ないが、今日も総括を頼む」

エリゴール
「……〝おとっつぁん〟はもう少し仕事したほうがいいな」

ハワード
「うっ! 胃が!」
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