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<K12> エリーザのお仕置き
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††
幼児期に受けた恐ろしい体験はトラウマになります。
私は十分つおい。めっちゃつおい。王立騎士団の方々と肩を並べる程に、宮廷魔術師の方々と肩を並べるほどにつおい。
だのに、なんで~~~っ
私は魔術の授業が終わって教室にもどると、エリーザが凄い勢いでやってきて、抱えられて拉致された。
そして──
エリーザがばしんばしん殴る殴る、いや正確には叩くの~。
「何故加減ができないのですか、あれほどいったのにっ!」
エリーザに抱きかかえられて、お尻平手打ちの刑。
とか云ってる場合じゃない、痛い痛い~~。
「加減したもん、ちゃんとしたもんっ!」
「嘘おっしゃい、魔力量の測定で思いっきいり輝かせたり、水を出す魔法で床を水浸しにしたり、挙句に教室で火事騒ぎを起したり。全て解ってます。」
「ごめんなさーい、ごめんなさーい」
エリーザには敵わない。何故なんだ。
私は大泣きして謝りました。
てかなんで子爵が~と睨むと睨み返されて小さくなる私。ほんとエリーザには敵わない。
「いいですか、魔術にしても武器術にしても、アリス様は特別なんです。他のお子様たちよりも数ランク以上、それこそ天と地ほどの差があるんです。」
「はぁぁぁぁぁぁぁい。」
床に正座して涙目で手を挙げる私。ちょっとほっぺたぷっくら状態。
「手加減を目一杯して、それでなお不十分、そう思って下さい。万が一にも本気なんて出されて、それこそご子息様達にケガをさせたり、死なせてしまったりしたら、王国での大問題になりますからね。」
「わかりました~。」
もっかい手を挙げる。それを見てはぁっと溜息を吐くエリーザ。
でも、怒るのは仕方ないとして、なんでエリーザがそこまで詳しく知ってるのか、とっても不思議なんですけど。
授業を見ていたわけでもないのに、何故知ってるの~~。
ちらっとマリアを見るとこのやろ目を反らしやがった。
こいつか?
でもこいつも授業中は外に居るんだよね。他の次女さん達と外で待ってるんだよね。
そっかマリアは元は影だ。隠密行動はお手の物のはず。こいつ隠れて授業をみてやがったなぁぁ、このやろ~、あとでみっちり仕返ししてやる。
「云っておきますが、アリス様。マリアは私の指示でアリス様を見守っております。常に、何処にいても、どこかから見ております。」
うわぁぁぁ、読まれてるし~~
「くれぐれもよろしくお願い致します。」
あのね、エリーザ、解ったからほっぺつねらないでくれるかな、結構痛いんだから。
「武器術の授業でも、十分に加減して下さい。」
「わかりました~。」
しゅぱっと手を上げて返事をすると、エリーザに睨まれた。
ということで、武器術の授業。
エリーザに叱られたので、武器術の授業ではかなり、必要以上にめちゃくちゃ加減した。
とはいっても今日は基礎鍛錬。
基礎担当はアイリス先生。
この人は人間です。黒髪に黒瞳と、一見するとまるで日本人。
因みにこの授業には3クラス全員、つまり125人の新入生全てが、同じ場所で受けることになります。
男子も、運動を嫌がる女子も、運動着となって鍛錬開始。
授業は結構広めの体育館とも言うべき講堂、まずは全員でストレッチから。
身体を動かして筋肉ほぐして、基本中の基本ですね。
前世でもやりましたとも。まずはストレッチに30分。それから軽くランニング、腕振り、腿上げ、ペース走、ダッシュ、筋トレ、またランニング、と体力つけて持久力つけて、頑張ってたなぁ。
てことで、このセンセも同じなのか、体育館をランニングだそうです。
曰く戦闘に置いては最後にモノを言うのは、持久力だとか。戦士に持久力は必要不可欠なものだそうで、125人でランニング開始。
この体育館だけど結構広くて、縦70メートル、横50メートル程有ります。日本の学校の2倍はあるかも?
そんな中を一周すると200メートル以上は有りますね。ここを十周ってことで、凡そ2000メートルかな。
8歳の幼児にそれって過酷じゃね?と思うけど、まあいいや。騎士団の人たちは。やたらと重い重装鎧《フルプレート》を装備して走ってたもんね。
私は鎧無かったけど、騎士団長がにんまり笑って特注したよ?とかいって同じ重さに調整した皮防具をプレゼントしてくれました。
わぁうれしい────理由無いだろ!!
頑張ったよ。涙流して頑張ったよ。何が悲しくて4歳の幼児が十数キロの重しを付けて奔らにゃならんのよ。歩くのも精一杯だったよ。ちっとは体格差考えろよな、アホ団長!
めっちゃめちゃ鍛えられたけどなっ!
だから体育館10周、それも装備無し状態だったら、全力疾走でいけるのです。
でもね、加減した。うん、加減したよ。
アリスは偉い子なんだから。叱られたらちゃんと守るんだから。
お尻叩かれない様に……
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幼児期に受けた恐ろしい体験はトラウマになります。
私は十分つおい。めっちゃつおい。王立騎士団の方々と肩を並べる程に、宮廷魔術師の方々と肩を並べるほどにつおい。
だのに、なんで~~~っ
私は魔術の授業が終わって教室にもどると、エリーザが凄い勢いでやってきて、抱えられて拉致された。
そして──
エリーザがばしんばしん殴る殴る、いや正確には叩くの~。
「何故加減ができないのですか、あれほどいったのにっ!」
エリーザに抱きかかえられて、お尻平手打ちの刑。
とか云ってる場合じゃない、痛い痛い~~。
「加減したもん、ちゃんとしたもんっ!」
「嘘おっしゃい、魔力量の測定で思いっきいり輝かせたり、水を出す魔法で床を水浸しにしたり、挙句に教室で火事騒ぎを起したり。全て解ってます。」
「ごめんなさーい、ごめんなさーい」
エリーザには敵わない。何故なんだ。
私は大泣きして謝りました。
てかなんで子爵が~と睨むと睨み返されて小さくなる私。ほんとエリーザには敵わない。
「いいですか、魔術にしても武器術にしても、アリス様は特別なんです。他のお子様たちよりも数ランク以上、それこそ天と地ほどの差があるんです。」
「はぁぁぁぁぁぁぁい。」
床に正座して涙目で手を挙げる私。ちょっとほっぺたぷっくら状態。
「手加減を目一杯して、それでなお不十分、そう思って下さい。万が一にも本気なんて出されて、それこそご子息様達にケガをさせたり、死なせてしまったりしたら、王国での大問題になりますからね。」
「わかりました~。」
もっかい手を挙げる。それを見てはぁっと溜息を吐くエリーザ。
でも、怒るのは仕方ないとして、なんでエリーザがそこまで詳しく知ってるのか、とっても不思議なんですけど。
授業を見ていたわけでもないのに、何故知ってるの~~。
ちらっとマリアを見るとこのやろ目を反らしやがった。
こいつか?
でもこいつも授業中は外に居るんだよね。他の次女さん達と外で待ってるんだよね。
そっかマリアは元は影だ。隠密行動はお手の物のはず。こいつ隠れて授業をみてやがったなぁぁ、このやろ~、あとでみっちり仕返ししてやる。
「云っておきますが、アリス様。マリアは私の指示でアリス様を見守っております。常に、何処にいても、どこかから見ております。」
うわぁぁぁ、読まれてるし~~
「くれぐれもよろしくお願い致します。」
あのね、エリーザ、解ったからほっぺつねらないでくれるかな、結構痛いんだから。
「武器術の授業でも、十分に加減して下さい。」
「わかりました~。」
しゅぱっと手を上げて返事をすると、エリーザに睨まれた。
ということで、武器術の授業。
エリーザに叱られたので、武器術の授業ではかなり、必要以上にめちゃくちゃ加減した。
とはいっても今日は基礎鍛錬。
基礎担当はアイリス先生。
この人は人間です。黒髪に黒瞳と、一見するとまるで日本人。
因みにこの授業には3クラス全員、つまり125人の新入生全てが、同じ場所で受けることになります。
男子も、運動を嫌がる女子も、運動着となって鍛錬開始。
授業は結構広めの体育館とも言うべき講堂、まずは全員でストレッチから。
身体を動かして筋肉ほぐして、基本中の基本ですね。
前世でもやりましたとも。まずはストレッチに30分。それから軽くランニング、腕振り、腿上げ、ペース走、ダッシュ、筋トレ、またランニング、と体力つけて持久力つけて、頑張ってたなぁ。
てことで、このセンセも同じなのか、体育館をランニングだそうです。
曰く戦闘に置いては最後にモノを言うのは、持久力だとか。戦士に持久力は必要不可欠なものだそうで、125人でランニング開始。
この体育館だけど結構広くて、縦70メートル、横50メートル程有ります。日本の学校の2倍はあるかも?
そんな中を一周すると200メートル以上は有りますね。ここを十周ってことで、凡そ2000メートルかな。
8歳の幼児にそれって過酷じゃね?と思うけど、まあいいや。騎士団の人たちは。やたらと重い重装鎧《フルプレート》を装備して走ってたもんね。
私は鎧無かったけど、騎士団長がにんまり笑って特注したよ?とかいって同じ重さに調整した皮防具をプレゼントしてくれました。
わぁうれしい────理由無いだろ!!
頑張ったよ。涙流して頑張ったよ。何が悲しくて4歳の幼児が十数キロの重しを付けて奔らにゃならんのよ。歩くのも精一杯だったよ。ちっとは体格差考えろよな、アホ団長!
めっちゃめちゃ鍛えられたけどなっ!
だから体育館10周、それも装備無し状態だったら、全力疾走でいけるのです。
でもね、加減した。うん、加減したよ。
アリスは偉い子なんだから。叱られたらちゃんと守るんだから。
お尻叩かれない様に……
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