悪役令嬢のレベル100の奴隷に転生した。

ゆづき

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お嬢様の為

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勝負は始まった。どんどん追い詰められる。このままではお嬢様を停学処分にさせてしまいかねない!ここで勝たなければ!そう思うが相手も強い。勝たなければ!考えろ!考えろるんだ!そうしているうちにもアッシュは追い詰められてゆく。

「はぁっ!」

相手の渾身の一撃が俺の脇腹を突き刺す。
「アッシュ!!」
お嬢様の声が聞こえる。そうだ!まだだ!まだ!
血しぶきが飛ぶ中、アッシュは剣を相手へと振りかざした。相手は不意を付かれてバランスを崩す。そう、相手の得意なのは右からの斬撃!これを防げば勝ち目はある!バランスを崩した相手の右からの斬撃をあえて手で掴んだ。血が飛び散る。しかし、そのおかげで右からの攻撃をなんとか体に当てることなくアッシュの剣の刃は相手の首に添えられた。

「勝負あり!!勝者、アッシュ!」
審判の声が聞こえる。
「かっ……た……」

「アッシュ!!」

「お嬢、様……」 

ルナは急いで魔法でアッシュの傷を治した。

「ありがとう、ございます。」

「ありがとう!貴方のおかげで勝てました!アッシュ!お疲れ様!!」

笑顔でそういうルナお嬢様は可愛かった。ふと、相手の方を見る。ステーシーは戦った恋人に優しく接していた。あの2人が恋人のルートになるといいのにと思った。ゲームではそのルートもあるらしい。ただ、そのルートにするには1度誰かを攻略しないといけないらしい。つまり、恐らくまだ1回目なのであの2人が結ばれるENDにはならないだろう。

「アッシュ!今夜はご馳走様よ!寮生活になったからお父様にも見つからないわ!」

そう言ってルナは笑顔で微笑む。夜になった。お嬢様は豚の餌じゃなく、ご馳走様を用意してくれた。

「お、お嬢様、こんなにたくさん……いただけません!」

「いいの!たくさん食べてね!」

「ありがたき幸せです。」

その晩はたくさん豪勢なものを食べた。鶏肉にステーキ、ロールキャベツとにかく色々なご馳走がテーブルに並んでいた。テーブルで食べるのも久しぶりである。いつもは床に犬のようにお皿が置かれてそこに餌が入れられる。

「はぁ……」

「?お嬢様、試合に勝ったのにどうして浮かない顔をされているんでしょうか?」

「あの娘が……ステーシーが負けたのにガッカリしてなかったからよ!下々の癖に生意気だわ!」

「なるほど……」

「貴方は気にしないで、私の問題だから!」

「は、はい。」


否、気にする。貴方はこの物語では生きていけない。なんとかして貴方を救わなければ……。アッシュはそう思いながら食事を口に入れる。どれも最高に美味しいものだった。夜はゆっくりと深くなっていった。
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